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食養生インデックス | |||||||||||||||
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食養生11 |
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食養生12 |
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12-01 | 300号 | 人間しょせん動物(1) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-02 | 302号 | 人間しょせん動物(2) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-03 | 303号 | 人間しょせん動物(3) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-04 | 304号 | 人間しょせん動物(4) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-05 | 305号 | 人間しょせん動物(5) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-06 | 306号 | 人間しょせん動物(6) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-07 | 307号 | 人間しょせん動物(7) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||
12-01. 人間しょせん動物(1) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
友成 左近
幸い縁あって、ながいこと遠藤先生のご指導にあずかって、青汁食養生につとめていますが、その間たえずご注意いただいているのが、標題の心得です。 | |||||||||||||||
12-02. 人間しょせん動物(2) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
友成 左近
私たち人間は、めいめい生来身につけてきた習慣に従って、毎日の食事をすませていますが、前記のように当節は、以前とは比較できないほど、好きなものがラクに手にはいるので、それを存分に食べて心楽んでいます。が、生きた体に必要な栄養分は十分摂れていないのであり、そのうえ有害有毒物をそれ相当量食べこんでいます。ために、医療の進歩普及にもかかわらず、その効果が予防にも治療にも及びかねる、厄介な病気にかかっている人が目立って増えています。
それで、栄養や薬物毒物などの研究は、動物実験をした後に人体実験をしているわけです。 第二に、生きた体に必要な栄養分にも、また、この栄養分を摂りいれるための各種の食料の成分にも、任意に変えることのできない自然の厳然とした法則があります。従って食養生は、こうした法則にかなうように毎日の食事を改めるわけであり、そして栄養学は、こうした法則を究明して、食養生に手がかりを提供しているわけです。 ところで第三に、動物の食習性は、種類によって相異はありますが、いずれも生得的に極めて強力に完備している本能に基づいているので、生まれたときにはほぼ完成しています。従って動物は、生来みずから、自然のままの環境のもとで、食料の種類も食べ方も食べる分量も、すべて食習性のままに食べているのですが、それが栄養の法則にかなっているので、環境によほどの異変が起こらない限り、必要な栄養分は十分摂っています。 そして、有害有毒物は、とくに野生では決して食べこんでいません。 けれども第四に、人間の食習慣は、動物と同様に生得的な本能に基づいてはいるのですが、この本能が極めて微弱であるため、ただそれだけでは、どうにも食べていけません。が、生後両親その他周囲の人々に養育されて食事をしていく間に、それがつぎのように補強されて、動物の食習性とは著しく異なる食習慣を身につけてきます。まず人間は、生後養育されて生活していく間に、動物とちがって知能が高度に発達してくるので、それによって学習した知識、すなわち、これこれのものを、こういうふうに取り合わせて、こういうふうに調理して、こういう作法で食べるのだ、これこれのものは食べてはいけない、といった世にいう常識によって食習慣を基礎づけていきます。 また人間は、同様に感情が高度に発達してくるので、食習慣は、好き嫌いといった感情に着色されて、好きなものは求めて食べて楽しむが、嫌いなものは排して食べない、という傾向を伴なってきます。 そして、食料が多種多様にわたって豊富になればなるほど、とかくこうした傾向が強くなります。 さらに人間は、動物のように、自然のままの環境から食料を選択するのではなく、高度に発達した知識技能によって、広く自然界から食料に適切なものを選択して、それを生産し貯蔵し加工し、さらに社会的に交換して食料を確保しています。 従って人間は、動物とちがって、地球上どこでも生活しているわけであり、また、個体数が制限されることなく、人口が増加しているわけです。 ところで第五に、こうした食習慣のままに毎日の食事をすませていては、とりわけ「美味しいものが身につく」などといって、好きなものばかり食べていては、動物のように、必要な栄養分を十分摂りいれることも、有害有毒物を排除することもできません。 それはいうまでもなく、食習慣を基礎づけている常識には、動物の食習性を基礎づけている本能とちがって、必要な栄養分についても、それを摂りいれるための食料の成分についても、従って毎日の食料の取り合わせ方その他についても、あれこれと不行届や間違いがあるからです。 また、食習慣を着色している好き嫌いの感情は、食料の成分の優劣には関連少なく、多くの場合、広く人々が好きなものには、栄養分を十分とるのに不適切なものが多く、嫌いなものには、適切なもの、さらには必要不可欠なものが少なくないからです。 (つづく)
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12-03. 人間しょせん動物(3)−食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
さらに、食料を生産し加工し販売する人々とりわけ企業は、専ら営利を目的にしているため、栄養分の摂取に、また安全の確保に適切なものより、とかく人々の好みにあったものを扱い、しかも、それを刺激もして扱うからであり、そして人々は、そうした刺激的宣伝には弱いからです。 人生最大の苦痛である病気を予防もし治療もして、人生なにより大切な健康をはかっていくには、いろいろ必要なことがありますが、そのうち実情最も重要なことは、食養生に心がけて、めいめい生きた体に必要な栄養分を毎日十分摂りいれること(けれども有害有毒はとりいれないこと)です。 そしてそれには、前記のようなしだいで、人間の食べ方を動物の食べ方と比べてみて、そこにひとつの手がかりをみつけることが大切なのですが、その主要点はつぎの通りでしょう。 動物の食べ方に食養生の手がかりをみつけること まず第一に、主として食料構成にかかわることですが、動物わけても哺乳動物は、その食習性によって、草食動物と肉食動物と雑食動物に大別されていますが、多少の例外はあるものの殆んどすべて、緑色の濃いハッパを、直接、あるいは間接に食べています。 それは、すでに栄養学で究明しているように、緑葉には、およそ動物の体に必要な栄養分が、すべてもれなくそろっているからです(それで、野生の草食動物や放牧中の牛馬は、青草だけを食べて栄養分を十分まかなっているわけです)。 そして、緑葉以外の食料には、エネルギー分や蛋白質は多いのですが、これが体内で栄養に利用されるときに必要な、各種の無機質やビタミンがあれこれと不足したり、全く欠けたりしているのですが、緑葉には、この無機質とビタミンが格別に豊富であるからです。 (なお、ここで間接にというのは、主として野生のライオンやトラなどの肉食動物についてですが、専門家の観察によれば、そうした肉食動物が食べるのは、必ず草食動物であって、しかも真先に必ず食べるのが、胃腸内でなかば消化している青草です。それは、肉食だけでは、各種の無機質やビタミンが十分摂れないため、これが豊富な青草を、それ相当量食べなければならないのですが、胃腸の構造や機能から、青草をそのまま、それ相当量食べることができないからです。 ところで人間は、胃腸の構造や機能などから雑食動物に差別され、そして実際、食料が各種の動植物にわたっています。 が、実情とかく嫌って、なにほども食べていないのが、この緑色の濃い菜っ葉です。けれどもこれは、どんなに嫌いであっても、めいめい生きた体に必要な栄養分を十分摂るには、毎日それ相当量(ふつうの成人で日に約500g、体重の約1%)は食べなければならないのであって、そこを、栄養学の究明により、また動物の食べ方によって確かと心得ることが大切です。 | |||||||||||||||
12-04. 人間しょせん動物(4) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
第二に、主として食料の確保についてですが、動物の食べ方は文字通り自然食であって、自然にある動植物をそのまま食料にして(そしてそれを、つぎにみるように、なにも手を加えずに、自然のままで食べて)います。 (つづく)
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12-05. 人間しよせん動物(5) −食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
人生なにより大切な健康をはかっていくには、いろいろ必要なことがありますが、そのうち実情最も重要なことは、食養生につとめて、めいめい生きた体に必要な栄養分を毎日十分摂りいれること(けれども有害有毒物はとりいれないこと)です。 | |||||||||||||||
12-06. 人間しょせん動物(6) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
友成 左近
これまでみてきたように、人生最大の苦痛である病気を予防もし治療もして、人生なにより大切な健康をはかるには、まずもって食養生に心がけて、めいめい生きた体に必要な栄養分を毎日十分摂りいれること、そして、有害有毒物はとりいれないことが大切です。 (つづく)
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12-07. 人間しょせん動物(7) 食養生に大切な心得 | |||||||||||||||
友成 左近
この他いろいろありますが、それとは少し意味あいのちがったことで、序に言い添えておきたいのは、栄養剤についてです。 ところで、人々ふつうの毎日の食事で不足している栄養分は、既知未知にわたって数多いのですが、栄養剤は、その既知のうちの、ごく一部についてです。 従って、どんなに優れた綜合栄養剤を処方しても、不足している栄養分を、すべてうまく補足することはできません。そのうえ、その多くは化学的に合成したものであって、その構造式は本物と同様であっても、それは人知の及ぶ範囲のことで、あるいは本物と同様の効能はないかも知れません。 また栄養剤は、ひとつひとつは無害有効であっても、体内の栄養では、多種にわたる無機質やビタミンが相互に関連して作用しているので、もしある種のものだけを過剰にとるなど、使い方をあやまると副作用を引き起こすことがあります。 それに、意外と多額の費用がかかることは、いうまでもありません。 そこで、不足している栄養分は、毎日の食事を改めて補足することが大切なのであって、栄養剤は、緊急に栄養分を補給しなければならない場合や、なにか特別な薬効を期待する場合に、一時利用するのは、それ相応の意義はあるのですが、それ以外で利用するものではありません。 そして、この毎日の食事を改めるのに、動物の食べ方も手がかりすることが大切なのですが、そこで蛇足ながら付け加えておきたいのは、こうです。
従って食料には、この法則通りに栄養分をとるのに適当なものを生産し、そこに科学技術を活用することが大切なのであって、成分や安全などは二のつぎにして、ただ広く人々の好みにあうようなもの、あるいは、ただ炊事の手数が省けるようなもの、さらには、ただ儲けさえすればよいようなものの生産に使って、人間が開発したもので、人間をいためつけるようなことをしてはなりません。 もうひとつ、めいめい生きた体に必要な栄養分には侵すことのできない法則があるのに対し、人々生来の食習慣は、たとえどんなに執着しているようであっても、それを基礎づけている知識も、着色している好き嫌いの感情も、これまでと変わってきているのであり、これからも変わっていくものである、ということをシカと分別することが大切です。 そして、人生なにより大切な健康をはかるためには、変えることのできない法則通りに栄養分がとれるように、変えることのできる食習慣を変え改めていくように、たゆまず努めることが大切なのであって、これを怠れば、病苦に泣くようになると、シカと心にとめておかねばなりません。 (おわり)
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