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食養生インデックス | |||||||||||||||
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食養生05 |
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食養生06 |
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06-01 | 179号 | 食養断想 病気の今昔 主として高血圧と動脈硬化について(上) | |||||||||||||
06-02 | 180号 | 食養断想 病気の今昔 主として高血圧と動脈硬化について(下) | |||||||||||||
06-03 | 181号 | 食養断想 病気の今昔(上) 主として糖尿病について | |||||||||||||
06-04 | 182号 | 食養断想 病気の今昔(下) 主として糖尿病について | |||||||||||||
06-05 | 183号 | 青汁教室の食養断想 ガンの予防について(1) 発ガン原因と予防の着眼点 | |||||||||||||
06-06 | 184号 | 青汁教室の食養断想 ガンの予防について(2) 発ガン性物質の排除 | |||||||||||||
06-07 | 185号 | 青汁教室の食養断想(3) ガンの予防について | |||||||||||||
06-08 | 185号 | 食生活のくふう 自然をうまく生かして | |||||||||||||
食養生07 |
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06-01. 食養断想 病気の今昔 主として高血圧と動脈硬化について(上) | |||||||||||||||
友成 左近
高血圧や動脈硬化、これが主な原因で起こる脳出血・脳梗塞といった脳卒中や、狭心症、心筋梗塞といった心臓病が、この頃目立って多くなっている。 これはおそらく、お互い日本人の生活環境・生活様式が、目立って変わってきたからであり、わけても毎日の食物が、著しく間違った方向で向上し、ゆがめられた仕方で洋風化してきたからであろう。 と共に医学が、これまでもっぱら病原菌による病気に重点をおいていたため、こうした病原菌によらない、病気の予防や治療が、まだなにほども研究・普及していないからであろう。 従って、この予防も治療も、毎日の生活、わけても食物の改善以外に、これに勝る妙手はないのだ。 生きた体は、すみからすみまで、たえず栄養を消費しているが、この栄養は血液で運ばれ、この血液は、血管を通り、心臓の圧力で送られている。そこで血液は、血管に圧力をかけて通るわけで、この圧力が血圧というものである。 そしてこれは、大動脈・小動脈・細動脈・毛細管に至るほど低くなり、戻りの静脈では、さらに低くなり、心臓に戻るときには降圧になっている。 ふつう血圧は、上腕動脈で測定し、心臓が収縮したときの最大血圧と、拡張したときの最小血圧をはかる。 日本人の統計では、最大は年令に90を加えたあたり、最大と最小の開きは50といったところが、おおよその標準になっている。 血圧を一度計ってもらって、標準より少し高かったからといって、ただそれだけで高血圧症というわけではない。 血圧には、素質による個人差が著しいからである。 従って、他に頭痛・耳なり・目まい・どうき・息ぎれ・手足のしびれといった自覚症状はなく、その上、尿・血液・心電・眼底検査などをして別に異常がなければ、それが当人にとって正常なのだ。 また血圧は、心身の状態によって、たえず上ったり下ったりするからである。 はげしい運動をしたとき、急に冷えこんだとき、一度に大食したあと、酒やタバコをとりすぎたとき、びっくりしたときなど、心身が緊張したときには一時高くなる。 平素より多量の栄養・酸素が必要であるため、心臓がより強い圧力をかけて血液を送り出すわけであって、これは、生きた体の当然・正常な営みなのだ。 そこで血圧は、まず第一に、心身ともに平静なときに、何回も計ってみることが大切である。 そして、その度毎に標準以上であれば、一応、高血圧症ではないかと疑ってみればよい。 そして第二に、自覚症状だけにたよることなく、尿・血液・心電・眼底検査などをして、そこに異常がある場合に、高血圧症ときめることが大切である。 高血圧症になる主な原因としては、 動脈硬化というのは、たとえばゴムホースが古くなって硬くなるように、弾力性が少なくなり、また狭くなり、モロくもなることである。 が、人々だれでも生命あるものとしては、成長期をすぎれば、だんだんと硬化してくることはまぬがれないわけであって、年令と共に血圧が高くなるのは、このためである。 だが人によって、早期に異常に硬化することがあって、こんな場合が動脈硬化症である。 そしてこれは、太い動脈と細い動脈で様子が少しちがっている。 太い動脈では、コレステロールが、はれもののように内膜にたまる場合が最も多い。 ために血液の通過を妨げるようになるが、高血圧症を引き起こすほどたまることは少ない。 細い動脈では、膜壁全体が厚くなる場合が最も多い。ために血液の通過を妨げるようになるが、全身にわたって異常に硬化することは少ないので、これがために高血圧症になる場合は、そう多くはない。 高血圧症の大部分の原因は細動脈のケイレンであって、これは全身にわたって起こりやすいからだ。 動脈硬化症の度合は、血圧のように測定することができない。 血液検査でコレステロールのたまりぐあいを調べたり、心電検査で心臓のはたらきぐあいを調べたり、眼底検査で細動脈のごく一部の様子を調べたりなどして、おおよそのところを推定するわけである。 高血圧症になっていると、その症状のため、毎日の仕事に精が出ず、日常生活も不快であり、ときに目まいなどによって災害を招くことがある。 (つづく)
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06-02. 食養断想 病気の今昔 主として高血圧と動脈硬化について(下) | |||||||||||||||
友成 左近
また、心臓が負担過重でまいってくる。細動脈がケイレンしている場合は動脈硬化を引き起こす。 | |||||||||||||||
06-03. 食養断想 病気の今昔(上) 主として糖尿病について | |||||||||||||||
友成 左近
糖尿病患者が、このごろ目立って多くなっている。専門家の調査によれば、お互い日本人で、40歳以上では100人中5人というほど多数かかっており、また30歳からこれにかかる人が急に多くなり、全体では100人中1人がかかっているといわれている。だが、昔は、そう多くはなかったのであり、また30代でかかる人は極めて少なく、とくに戦中戦後の頃には、これにかかる人はまれであったのだ。
第二に、手先や足先がしびれたり、神経痛が起こったり、視力が衰えたり、ソコヒになったりする。 第三に、体があちこちカユクなり、湿疹が出、病原菌に対する抵抗力が衰えて、化膿その他あれこれと細菌による病気にかかりやすくなり、かかれば重症になる。 第四に、血管に異常が起こり、眼の網膜から度々出血してついには失明することがある。また、腎炎が起こることがある。さらに、脳や心臓に動脈硬化が起こって、脳出血や脳軟化、狭心症や心筋梗塞を引き起こすことがある。 第五に、糖分の利用が全くできなくなって酸毒症を起こし、生命にかかわることがある。 尿に糖分が出るのは、腎臓の故障による場合もあるが、大部分は、体内で糖分がうまく利用されないためであって、これが糖尿病なのであり、それは、こういうわけだ。
そこで糖尿病が起こるのは、このラ島に、生まれつきか、その後の変化か、とにかく故障があって、インシュリンを十分に分泌しない場合や、十分分泌してはいるが、正常に作用する能力のないインシュリンを分泌している場合や、あるいは、正常に作用するインシュリンを十分分泌してはいるが、なんらかの作用をうけて正常に作用しなくなった場合である。 実は、ここのところがまだよく分かっていないのであるが、いずれにしても、体内における代謝という生理作用が異常になったために、糖尿病が起こるのだ、と考えたら、このごろ目立って多くなっているわけがよく分かり、この予防や治療の手がかりがえられる。 糖尿病は、その原因からみても、その症状や合併症からみても、全身的なものであって、まことに厄介な病気である。しかもこれは、いちどかかると、胃炎や肺炎などとちがって、全治せず、終生つきまとうのだ。そこで、これはぜひ予防しなければならないが、それには、体内の代謝作用の正常化をはかる以外に妙手はない。が、そうすれば、糖尿病だけでなく、その他の病気、わけても高血圧や動脈硬化などの成人病の予防にも有効である。これが生きた体というものだ。 代謝の正常化をはかって糖尿病を予防する最も手近な工夫は、標準体重に調整することである。それは、スモウとりに糖尿病が多いように、肥満すると、かかりやすくなるからだ。(なお標準体重は、自分の身長をcmで表わした数から100を引き、0.9をかけたkgとするのが簡便)。 肥満するというのは、必要以上に脂肪がつくことであって、肥満すると、ただその体をもちはこぶためにも、また不必要な脂肪の代謝のためにも、よけいなエネルギーが必要になり、それだけ多量のインシュリンが必要になって、膵臓内のラ島によけいな負担がかかるようになる。ところが、内臓、わけても膵臓やラ島は、成長期をすぎると、だんだんと老化こそすれ、成長はしない。だが体重は、成長期をすぎてもふえ、とくにこの頃は、異常にふえている人が多いのだ。そこで、成長期でも同様であるが、とくに30代40代ともなれば、ぜひとも標準体重に調整することが大切なのだ。 だが、ここで重要なことは、ただたんに標準体重になることだけではなく、心身ともにますますさわやかに、毎日の仕事に精が出るようになることである。それには、いかにも平凡なことながら、美食・過食をつつしんで、毎日の食物に完全栄養をはかると共に、適度の運動と睡眠と精神的安定に心がけることが大切である。だが、これにはお互い、すなおにみずから反省して、細心の注意と非凡の努力を払わなければならない。 (つづく)
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06-04. 食養断想 病気の今昔(下) 主として糖尿病について | |||||||||||||||
糖尿病を予防する最も手近な工夫としては、肥満しないように標準体重に調整して、心身ともにさわやかに仕事に精が出るようになることが大切である。 こうすれば、摂取した熱量源も蛋白質も完全に利用されて代謝が正常になり、体重も標準になって心身ともさわやかに、食事もまた楽しく、けっこう人並に生活できる。 | |||||||||||||||
06-05. 青汁教室の食養断想 ガンの予防について(1) ――発ガン原因と予防の着眼点 | |||||||||||||||
ガン対策が、最近、高血圧対策などと共に、大きくとりあげられている。 そして治療法は、手術と放射線、さらに治療薬の面でも、さいきん、かなり進歩してはきたようだが、それでも、早期に発見して治療しなければ有効でない場合が多いからである。 けれども、早期では自覚症状が無い場合も少くないし、また、簡便有効な検診法がまだも一つ十分には開発されていないのだ。 それに、人々の間に「ガンの診断は死の宣告」といった考え方が根強いため、みずからすすんで定期に検診をうける人が少なく、また、早期に発見しても、とかく治療をためらう人が少なくないのだ。 まだ科学的に究明されていないことには、軽々しく発言しないのが学者の心得であろう。 だが、これほど重大問題となっている以上、お互い素人にできる大切なことを、学者の識見から、なんとか言ってほしいものである。 それが、もしあとで、ガンの予防としては的はずれになっても、健康全般の向上に役立つことであり、別に決して妨げとなることでなければ、少しも差し支えはないはずだ。 生きた体の細胞は、たえず新陳代謝をしている。 そして、成長期では正常に増殖して組織は大きくなるが、一定の大きさになれば、その現状を維持するだけの新陳代謝をし、損傷をうけた場合にだけ、それを修復するために増殖する。 ところが、なんらかの原因で、細胞が異常になって、とめどもなく増殖し始めると、そこに新生物ができるわけである。そしてこの新生物は、その性質によって、引き起こす障害や、増殖や転移の様子がちがい、悪性・良性の点で各種各様である。 ガンというのは、このうち悪性のものであって、無制限に増殖してゆくだけでなく、ある程度まで進行して来ると、他の器官に転移して、そこでも異常に増殖し始めるといったものだ。(皮膚にできるただのイボのようなものは、新生物ではあるが、良性のもの) また、ひと口にガンといっても、病名に○○ガンとか○○肉腫とか白血病といったものがあるように、できる場所や性質によって、いろいろなものがある。 他にあれこれと原因があることが、だんだんと究明されているからであって、これは、およそつぎの四面から探求されている。 第一面は発ガン性物質である。石炭タールを、たえず皮ふが塗っているとガンができることがあるように、ある種の物質には、その刺激がつづいていると、ガンができる性質があるのだ。 第二面は放射線である。原爆にあった人や、放射線を扱っている人にガンができることがあるように、一定限以上、放射線にさらされるとガンができるのだ。 第三面は組織細胞の異常変性である。胃潰瘍にかかっていると胃ガンになることがあるように、どこぞ体の細胞に、ある種の異常がつづいていると、その刺激によってガンができるのだ。 第四面は発ガン性ビールスである。ある種のビールスの感染によってガンができることがある、というわけだ。だが今のところ、どんなビールスでどんなカラクリでガンができるのか、まだはっきりとはしていない。 その他に、栄養状態の不良である。およそ病気にかかるのは、その原因に対して、これに抵抗する体力・栄養状態が劣っているからであって、ガンにかかるのも、ひとつには栄養状態が不良であるからであろう。 そう考えたら、その昔もガンにかかる人があり、それが主として老人であったことがよく分かる。 長年生きているうちには、いわばやむをえず、こうした原因があれこれと積み重なることがあるからだ。 と共に、最近目立ってガンにかかる人がふえ、しかも、だんだんと年令が若くなっているわけや、とくに小児に多くなっているわけがよく分かる。 発ガン性物質や、各部器官の細胞に異常を引き起こす有毒物が、生活環境に、労働環境に、さらにお互い毎日の食物に、最近急速にふえてきたからである。それに栄養摂取が向上してきたといわれているが、それは偏って向上しているのであって、栄養状態は、かえってますます不調和・不良になっているのだ。 ために、その昔より、はるかに年若いうちから、発ガン原因になるものが、あれこれと積み重なっている人がふえてきたのだ。 そしてこの作用は、身体各部の組織が急速に分化・発育する胎児には極めて強いのであるが、最近の妊婦に、これを知ってか知らずか発ガン原因をつくるような食べ方をしている人が、意外と多いのだ。 これ以外に、当面、これといった妙手はないのだ。 | |||||||||||||||
06-06. 青汁教室の食養断想 ガンの予防について(2) ――ガン性物質の排除 | |||||||||||||||
ガン予防の食養には、すべての物をよく吟味して、発ガンの原因になるものを極力排除すると共に、毎日の食物構成を改めて、できる限りの完全栄養をはかることが大切である。 発ガンの原因になるものとして、まず第一に排除しなければならないのは、食品添加物のはいっている加工食品である。 最近いよいよ多量に使われている市販の加工食品・既製食品には、殆んどすべて多かれ少なかれ、人工の着色料・発色剤・漂白剤・甘味料・香料・防腐剤・殺菌剤・酸化防止剤・品質改良剤・乳化剤・糊料等々といった数多くの添加物があれこれとはいっている。 そしてこれらは、殆んどすべて、多かれ少なかれ有害有毒作用を及ぼすものだ。 従って、このあいだ、ズルチンやチクロなどが禁止されたように、発ガン性その他の毒性のあるものは、使用が禁止されたり制限されたりしている。 けれども、実状、その疑いのあるものが今なお少なからず許可されており、また使用基準も、それではたして安全なのか、また実際、その通りに使われているか、極めて疑わしいのだ。 このうち、発ガン性の疑いの強い主なものは、紫色・黄色・赤色といったタール系着色料と、サフロールなどの香料類。 また、ハム・ソーセージなどの発色および防腐の目的に使われている亜硝酸塩は、肉や魚のアミンと化学反応を起こして、強力な発ガン物質ができるおそれがあるもの。 またクン製品には、煙や煤の発ガン性成分がついている。 その他の添加物のうちにも、今後の研究で、発ガン性のあることが分かってくるものがあろう。 これまでの経過から、そう予想することができるのだ。 食品添加物は、発ガン性以外に、殆んどすべて多かれ少なかれ、肝臓・腎臓・神経その他に有毒作用を及ぼし、従ってまた体の抵抗力を弱めて、ガンができやすい素地をつくるわけだ。 そこで、ガンを予防するには、添加物がはいっているもの、というよりも、およそ市販の加工食品は極力食べないこと、食べるとしても、よく吟味することが大切である。 たとえひとつひとつの食品には、ごく微量であっても、どれにもはいっている以上、よせ集めると、かなりの量になり、しかも各種の添加物は相互に作用しあって、よりいっそう有毒になることもある。 それに、こうした添加物は、多少とも体内に蓄積する性質があるので、毎日食べるとなると、なおさらに有毒作用を及ぼすようになるのだ。 これはたとえば、きれいに見えるような部屋でも、掃除をしてみると、意外とゴミが多いようなものだ。 発ガンの原因になるものとして、第二に排除しなければならないのは、有害有毒な農薬や医薬や産業排出物に汚染されているものである。 この頃の食料は殆んどすべて、栽培や飼育に、また保存のために、有害有毒な農薬や医薬その他の化学薬品があれこれと使われ、それが残留していることがあり、また地域によっては、有毒な産業排出物に汚染されており、その発ガン作用は、市販の加工食品とほぼ同様である。 発ガンの原因になるものとして、第三に排除しなければならないのは、カビた南京豆や黄変米などである。 このカビが、強力な発ガン性毒素をつくるからだ。 従って、これを原料にした加工食品も、これを飼料にした食料も、この毒素が残留しているので、同様に排除しなければならない。 とはいっても、これは、添加物のはいった加工食品や農薬などに汚染された食料と同様に、いな、それ以上に、お互い素人には見分けがつかない。 であれば、業者に誠実を期待すると共に、食品行政をシカと監視しなければならない。 発ガンの素地をつくるものとして、第四に排除したり制限したりしなければならないのは、使い古した油や白砂糖や食塩などである。 油は、何回も使っていると、空気と熱で酸化して毒物ができ、胃ガンの素地をつくる。 また胃ガンそのものをつくる疑いもある。 従って、使い古した油や、これを使った市販のアゲモノは排除しなければならない。 砂糖わけても白砂糖は、たえず多量にとっていると、栄養が不調和になって抵抗力を弱める。 いったい砂糖というものは、ふつうに食物をとっておれば、栄養に必要な糖分は十分とれるので、調味上はともかく、栄養上にはなくてもよいものであって、これを極力ひかえることが大切である。 菓子もまた同じであり、なおその他に種々の添加物の害も加わる。 食塩の食べすぎも、胃癌の原因になるといわれている。 塩分は栄養上必要不可欠であり、食塩は食物の調味や貯蔵に重宝である。 だが、ふつうに食物をとっておれば、その原材料に塩分があって、ほぼ必要なだけはとれるのだ。 ひどく汗をかいたり、下痢や嘔吐をしなければ、食塩は、ことさらにはとる必要はないので、できるだけひかえめにすることが大切である。 およそ食物というものは、水と食塩を除いては、本来すべて自然の動植物であり害性毒性のないものである。 従って、それぞれ特有の色や味や香りや口ざわりがあり、時間がたてば、カビもはえ、腐りもするのだ。 そこで肝要なことは、動物とちがった、人間固有の胃腸その他の生理的構造や機能にかなうように、栽培・飼育・加工といった手を加えなければならないのが、できるだけ自然のままに近い色や味や香りや口ざわりで食べること、そして、カビもはえれば腐りもするようなものを、カビがはえず腐ってこないうちに食べることである。 決してよけいな手を加え、それも、自然の動植物以外の人工的な化学薬品を加えないことだ。 これが人間本来の食べ方であり、そうして初めて、毎日の食物がおいしくなり、文字通り、おいしいものが身について、栄養がよくなり、ガンをはじめ、その他厄介な病気を予防する体力・抵抗力が養なわれるのだ。 (友成) | |||||||||||||||
06-07. 青汁教室の食養断想(3) ガンの予防について ―抵抗力強化・完全栄養の必要 | |||||||||||||||
友成 左近
ガン予防の食養には、一方においては、すべての食物をよく吟味して、添加物のはいった加工食品や農薬その他に汚染した食料、カビた南京豆や黄変米、使い古した油や食塩といった、発ガンの原因になるものを排除したり制限したりすることが大切である。それ自体に発ガン性のあるものや、発ガンの素地をつくるものがあり、また、殆んどすべて肝臓・腎臓・神経その他に病気を引き起こして、ガンに対する抵抗力を弱めるからだ。そして他方においては、毎日の食物構成を改めて完全栄養をはかり、ガンに対する抵抗力を強化することが大切である。発ガンの原因になるものを食物から排除しようとしても、実状、そこには限度があるからだ。また、生活環境や労働環境にも発ガンの原因になるものがあり、これは個人として、どうにも排除しきれない場合があるからだ。 | |||||||||||||||
06-08. 食生活のくふう 自然をうまく生かして | |||||||||||||||
山形県 initial
食べざかりのこども3人をかかえて、身体障害者でもある労務者のわたくしは、わたくしなりに真剣になって食生活に取り組まざるをえません。8年前に、約2600平方メートルの荒地を借り、懸命に畑づくりをはじめ、そのほかにも、およそ考えられるいろんなことをやってみました。収入が少ないので、いくぶんなりとも食糧を補おうと思ったからです。 | |||||||||||||||
引き続き、食養生07へ | |||||||||||||||
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