健康と青汁タイトル小
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2-01 083号 台湾にも青汁の会支部を クリック
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2-01. 台湾にも青汁の会支部を

    中華民国 R. 

     長らく御無沙汰致しましたが、遠藤先生を初め青汁の会の皆々様益々御健勝の事と存じます。
     毎月「健康と青汁」の月刊お送り下さいまして有難う御座居ました。厚くお礼申上げます。同好者に回覧致して居ります。頂きましたケールの種、只今では台湾セメント会社蘇澳工場医務室専属内科医、楊清磯先生の賛同と推拡のお蔭で繁茂したケール畠となりました。
     又、医務室に来る患者毎に青汁飲用をすすめて居りますので、同好者も急激に増えて参りました。
     今では青汁飲用が、健康に欠く事の出来ない事が話題と注目の的となって居ります。
     此れから後も工場全般に普及出来ます様、努力致す心算です。
     ケール畠の一部を写真にして同封致します。写真は直接ケール増植に尽した方々です。
     毎日の虫取りに、皆いそしんで居ります。支部として発足致し度いのですが如何でしょうか。
     若しよろしいでしたら台湾蘭陽支部として下さい。楊清磯先生を支部長として下さい。お願い申上げます。尚あとで支部員が増えましたら又お便りをします。
     小生去年の年末あたりから、チシャを材料にして、青汁を飲んで居りました所、一個月後になりますと、手の掌と足の裏が又、顔の色も黄色に染まる様になりました。
     初めは黄胆と医者から診断されましたので、早速、地方病院に入院治療致して居りました所、とうとう不眠になりましたので、国立大学附属病院に転院治療致しました。
     入院中は青汁も中断せざるを得ませんので、日がたつにつれて、黄色もだんだん消えてしまいましたので退院、家で休養中又続いて青汁を飲んでいます中に、手のひらと足の裏が又黄色に染る様になりました。
     小生は肝硬変病で、神経が非常に敏感になって居りますので、皮膚、それから手のひら、足の裏が黄色くなる事は、青汁飲用者共通の返応的現象なのでしょうか。不安でなりません。先生の御返事をお願い申上げます。


     緑野菜で手のひら、足のうら、面などの黄色くなるのは、ミカンやニンジンを沢山食べて黄色くなるのと同じく、柑皮症といって、少しも心配のないものです。
     それはカロチン(プロビタミンAで、肝臓でビタミンAになる成分)が血液の中に多くなるとき出るものです。あなたの場合は、肝硬変で肝臓でAになるはたらきがおとろえているのが原因でしょう。青汁の会の支部はぜひご結成下さい。そして、一人でも多くの人に、この福音をお伝え下さい。


2-02. アメリカ便り

    ロスアンゼルス S.H. 

     此のローザンゼルスにも食料品、野菜の大マーケットが、何処も此処も大繁昌をして居ります。
     それが醤油、酒、味噌、ウドン、米、松茸、竹の子の缶詰めなどを売って居るので愉快であります。
     之が皆、夜中12時迄での営業。所が半数位は、終夜営業と言う有様で戦時の日本海軍よろしく、月々火水木金々、土曜日曜あるものか、と言った商魂の逞ましさには驚く外御座いません。
     私共が最初渡米した以前頃には「日本人は日曜働きをする」と言って排日理由にした国の人が今、やって居るのが是であります。
     原子力潜水艦スレシャーの沈没には米国上下に一大衝撃を与えたようであります。
     東京の清水某と言う大先生は今や四面楚歌。
     自業自得とは言え、之又日本の朝野上下から総攻撃を受け、動きが取れなくなったらしく、其の中、料理学校とかも、国民の良識によって、料理せらるる事請合ひ一ト儲けし損った大馬鹿者、理の当然とは言え実に痛快至極であります。
     枯れ木も山の賑わいかなで、こんな手合いが居るので、遠藤先生の名声が益々中外に輝く事となるのは、もっけのさいわいで天の摂理の至妙なるに、自ら頭が下ります。
     愈々先生の御自重御自愛御健闘を祈らずには居れませぬ。

      奥山の谷の清水は清けれど料理学校の清水は猛毒。


2-03. 青汁に感謝して

    ブラジル K.H. 

     私青汁を愛用し続けて早や2年余りになり、生来の弱体ながら毎日元気に楽しく暮し得られるのも遠藤先生と青汁のお蔭と感謝し居る老人です。
     一日も早く、一人でも多く青汁党になり、健康を楽しむ人の増加し、人生の為、国家の為にと祈り居ります。
     さて、特別御口演の記事梁瀬義亮先生にお願い申上ます。
     36年10月号、37年7月号拝見。御説の浸透剤の農薬のおそろしさに感じますが、大方に予防法が行き渡りかねると思います。
     食品の場合、成熟期、成果前何日使用が安全か、ほんとの安全は無いか、農薬生産者の良心的と云う事は当にならぬ、保証できません。
     当ブラジルでは、自給自足の出来る家庭はおそらく一戸も無いと思います。
     リンゴ・トマテなど、病人病後の者に医師から強要して食わしむる品。
     ジャガイモは常食に等しい物。落花生、コーヒー、稲作、何一つ猛毒を使用せぬ者は無く、消毒施行使用人など中毒死するもの毎年多く有りますが、食品に永く毒性の残る事を充分知る者はまず少い。
     今迄の先生の記事を一部の小新聞でなく、大新聞、毎日や日日に、又国内放送、国外放送のNHKから、何回となく発表放送なさる事が、人類の為、国家の為。
     それをなさらぬは智あって勇なきなりと思われます。
     私は昨年NHKへ手紙にて、奈良の梁瀬医師の農薬の人体に対する害を取材して国外へ放送なされたしと申し込んだ事があります。
     私の思うには、そうする事によって(死の農薬)一般知らしめれば、それに対する特効ある解毒薬も発明されるとか、食品に当てて毒の有無を検する検毒機を発明されるとか、何か宜い道が得られると思い、失礼ながら大きく発表を切願して止まん者であります。
     下手な文をくどくど書きましたか、要は、梁瀬先生の御説を、日本の大新聞、大毎・朝日など、及びNHKの国際放送で、大獅子吼なさるる事に依り、需要者が中毒外のおそろしさを知り、次で生産者が良心的に農薬の使用と時期を加減する事になり、食品について浸残毒物を含有無を検出する機械も発明されたり、人体の中毒を解消する良薬も発見する学者も出る事と思い、その一日も早くある様祈り居るのです。
     先生の大獅子吼により農家が浸透剤を使用せんようになれば、農薬製造業者も考える。
     如何でしょう。一日も早く大勇を出して天下に御説を大獅子吼なされよ。
     先生の御許しがあれば、当地発行の邦字新聞に貴説36年10月、37年7月の青汁誌の記事を転載して、在ブラジルの日本人に、食品に残含毒物の恐ろしさを訴えたいと思います。


2-04. カナダだより

    カナダ K.T. 

     1962年5月より青汁をのみはじめ、真剣につづけました。はじめはケールの種子が少しばかりであったため、不十分でありましたが、今年(1963年)1月にいただきました種子を多くまき、とても立派なケールをつくることが出来まして、夫婦とも毎日2合位づつのみつづけています。
     7年間薬をのんでいましたが、どうもハッキリせず悩んでいました血圧も、以前とは余程よくなりました。うしろに倒れそうになることもあり、めまいのする時もありましたが、それも6月ごろよりよくなりました。青汁のおかげさまと深く感謝しています。今年は朝1合、午後1合というようにのんでいます。11月の末頃より青菜っ葉は全部なくなりましたので、今はニンジン、セロリ、アプルなどを青汁の代用にするようつとめています。今年のケールは本当によくでき自分ながら感心しています。来年も今年に劣らぬよう努力して、早くよりケールをつくりたいと楽しんでいます。血圧の人々には、青汁をすすめ、ケールの効きめを話しあって行きたいものと望んでいます。


2-05. ハワイ見たり聞いたり

     医学博士 遠藤 仁郎 

     このたび私どもは、ハワイ豊寿会の招きで、ハワイ各島へ講演旅行に出かけました。一行は私ども夫妻と田辺兄弟の4名。全行程は次のようでした。

    4月17日(金) 午後10時の日航機で羽田発。
    ハワイ時間の同日午前10時すぎオアフ島ホノルル空港着。その間の所要時間は約7時間。
    小林ホテルに入る。
    午後3時KOHO局より放送。
    4月18日(土) 午前8時、新聞社(ハワイタイムズ、ハワイ報知)訪問後、ワヒアワ行き。
    パイナップル研究所および農場見学。
    午後1時よりワヒアワ本願寺仏青会館において講演。
    午後6時半よりKOHO局ピプル・スピーク。
    4月19日(日) ワシントン・ジュニア・ハイスクールにて12時より歓迎会。
    午後1時より一般講演引続き健康相談(連協文化部後援)。
    4月20日(月) 9時より12時まで健康相談(小林ホテル)。
    午後1時KZOO局より放送。
    2時より市内見学。
    4月21日(火) 9時より12時および午後2時より4時まで健康相談(小林ホテル)。
    4月22日(水) 9時より12時まで健康相談(小林ホテル)。
    午後市内見学。
    4月23日(木) 9時より11時まで健康相談(小林ホテル)。次でド−ル・パイナップル工場見学。
    正午ヌアヌY木曜午さん会で講演(YMCA主催)
    夜8時半ワイキキKTRG局より放送。
    4月24日(金) 9時葵裏オアフ(モルモン寺院、ポリネシア文化センター)見学。4時帰着。
    夜7時よりワシントン・ジュニア・ハイ校で一般講演(連協文化部後援)。
    4月25日(土) 8時すぎホノルル空港発。アロハ機でマオイ島へ。
    9時まえカフルイ空港着。イアオ渓谷、針の山、次でハレアカラ山見学。
    夜7時半よりカフルイ仏青会館で講演および健康相談。
    ワイルクの木部氏宅宿泊。
    4月26日(日) 9時すぎカフルイ空港発。アロハ機にてハワイ島へ。 
    10時まえヒロ空港着。ヒロホテル宿泊。
    昼食後葵キラウエア火山公園見学。
    4月27日(月) 早朝ラジオKHBC録音市内および近郊見学。
    午後7時半より大正寺ホールにて講演、健康相談。
    4月28日(火) 9時半ヒロ空港発。アロハ機でオアフ島へ。
    10時すぎホノルル空港着。
    午後2時より4時まで健康相談(小林ホテル)。
    4月29日(水) 7時半ホノルル空港発。アロハ機でカワイ島へ。
    8時すぎリフエ空港着。
    東海岸見学。
    正午ハナペペにて歓迎午さん会。
    午後近郊見学。プリンス・クヒオ・ホテル宿泊。
    夜8時よりハナペペ本願寺ホールで講演および健康相談。
    4月30日(木) 9時よりワイメア渓谷公園、カララウ展望台へ。
    午後5時すぎリフエ空港発。6時まえホノルル空港着。
    8時半よりKTRG局より放送。
    5月1日(金) 午後4時より岡山県人会。
    8時半より金光教教会にて講演。
    5月2日(土) 午後1時45分発日航機にて帰途につく。
    日本時間5月3日(日)午後4時45分羽田着。


     このようにハワイ滞在15日のうち、1週間はホノルル。次でマオイ、ハワイ、カワイの島々へわたりましたが、講演、ラジオ放送、健康相談と、スケジュールはぎっしりつまっており、全くいそがしい毎日でした。
     したがって、自由に、ゆっくり見て歩く暇は殆んどありませんでした。しかし、豊寿会の皆さんやその他の方々か、ひまひまを盗んで連れて行って下さったので、かなり広範囲にわたって見学するこが出来たのは有難いことでした。
     ここに、ホノルルはじめ、各島の空港にお出迎えやお見送りいただいた皆様にたいし、また、こうしてご多忙の業務の時間をさいて、私どものために案内の労をとられ、至れり尽せりのご歓待を賜りました皆様方にたいし、心からの感謝をささげたいと思います。
     なお今回のハワイ行について、多大のご支援とご激励を辱ういたしました皆様がた、またご多用中倉敷駅や羽田空港に、お見送りお出迎え下さった多数の方々にたいし、ここに謹で厚くお礼を申し上げます。


2-06. ハワイ見たり聞いたり

     医学博士 遠藤 仁郎 


 
 言葉  

 人口の3分の1は日系人です。同じく3分の1が白人。残り3分の1が土人(ポリネシア系)、ヒリッピン、中国など。ですから、どこを歩いていても日本人(正しくは、の顔)に出あいます。そして、邦字新聞(昔懐しいかな付き活字の)あり、日本語放送あり、盛んな書道展も開催されている、という状態で、大抵のところで、日本語が通じますから、ちっとも不自由はありません。
 よく「日本語話します」という貼紙がしてありました。もっとも、2世までは日本人と少しもちがいませんが、3―4世と下るにつれて、しだいに心細い日本語です。あるシャピンセンターで、日系らしい若い女店員が、「これムツドル」といっていました。6ドルのことです。まあ、こういった日本語ですが、私どもの英語よりはずっとマシでしょう。裏オアフのポリネシア文化センターで私どもを案内してくれた混血土人のガイド嬢は、2年間東京で勉強して来たといっていましたが、「私の日本語わかりますか」と気にしながら、時折つまって来ると英語をまぜながら説明してくれました。

 
 服装

 向うへ行ったらアロハになって、などと考えて行きましたが、だいたい日本と同じでした。アロハやムウムウ姿ももちろんありましたが。
 はきものは靴、サンダルが主でしたが、子供や若い人には裸足のものもありました。帽子は余りきていませんが、ラオハラ製のパナマ帽を一日中(夜でも)アミダにかぶっている人もあり、赤いリボンをつけている人もありました。

 
 食べ物

 およそ日本の食べ物で、ないものはないといってもよいでしょう。百貨店にはこちらから行った飲食物(漬物も、味噌も、醤油も、酒も、ビールも、味りんも、酢も、菓子も、缶詰、瓶詰類はいうまでもない)、食器類、台所用具、何んでもそろっています。米は加州米だそうですが一般に内地人ほど多くは食べないそうです。手うちのウドンやソバには、忘れていた古い本当の味にめぐり逢うた感じでした。粟を食べることも豊寿会の指導で流行していると聞きました。肉食がさかんで、ことに牛、豚、鶏が好まれ、チーズやバタもよく食べるようです。

 
 果物

 いろいろおいしいのがあります。

パイナップル  オアフ島のワヒアワその他どの島にも広い農場があります。畑でよく熟したものは、日本で食べる生のものに比べ、さすがにおいしい。新鮮味と香りは何ともいえません。
バナナ  いつも台湾か南米の(青いのをムロで黄色くした)ものしか食べたことのない私どもには、木で熟れたバナナの味は大きなあこがれの一つでした。で、ある日、わざわざお願いして栽培地へ連れて行ってもらったわけです。やや短かめですがよく肥って、皮はうすくて軟かい、香りもよい。いかにも美味そうでしたが、これは意外に大味でした。炊いて食べるバナナは今はもう無いらしく試食できませんでした。
マンゴ  どこにも、といっていいくらい、大抵の家に大きな木があり鈴成りになっていました。私どもの行った頃ちょうど出初めの時期だったそうで、十分賞味することが出来ました。外皮が残っていると、ちょっと松脂くさい匂がしますが、中の橙色の身の味はすばらしいものです。果物の王と呼ばれるのもまたむべなるかなと感じました。ビタミンAが多く、BやCもかなりあるそうです。あるお宅の庭に、こぶしよりも大きい程のが沢山落ちていたので、私ども競って拾ったものですが。「それはワタマンゴ(水っぽいマンゴの意)といって、まずいので子供も食べません」ということでしたが、私どもにはとても美味しいものでした。
パパイヤ  成分的におそらく最もすぐれた果物でしょう。日本で食べた台湾産のは枕のように大きいものでしたが、ここのは改良種ということで、まずマクワウリくらいの大きさでしたが、味は比較にならぬほどよいと思いました。ハワイ島のヒロ市のちかくのカポポが特産地だそうですが、ヒロのホテルの朝食にたべたパパイヤの味は忘れられません。
グアバ  マンゴよりやや小さい果物で、外観はちょっとイヌビワに似ています。ビタミンCがきわ立って多いのが特長だそうです。うす赤紫の肉は甘酸っぱくて香味もありおいしいのですが、ピーマンの種子に似た形なり大きさの、とても硬い種子があって歯にかかり邪魔になるのは難というものでしょう。(私など歯の磨滅がひどくて洞穴ができているので、それにかかり、さりとて硬くてなかなか咬み割ることもできず、少からず悩まされました)ホテルでは生のジュースを出していましたが、野生にいくらでもあるので、ジャムやゼリーなどの加工品もできているようです。
リーチー
(茘枝)
 カワイの矢坂氏の宅には鈴なりになっていました。台湾からとりよせたということです。一般にあるのかどうか聞き洩らしました。まだ少し早いということでしたが、これまた結構おいしいものでした。

 

2-07. ハワイ見たり聞いたり

     医学博士 遠藤 仁郎 


 
 野菜  

 キャベツ、玉葱、ナス、キウリ、セロリ。トマト、カボチャ、ニンジン。ホウレンソウ、フダンソウ、レタス、キクナ、セリ、パセリ、莢豆類など。日本にあるものは大体なんでもあります。日本であまり見ないものにワタクレス(オランダ水タガラシ)。支那街ではエンサイ(アサガオナ)。それにカンピョウ(ユウガオ)の新芽も出ていました。

 
 菓子

 洋菓子はもとより、日本菓子、羊羹、おかき、おこし、饅頭、月餅、あん餅、その他。それこそ何でもあります。キャンデー、チョコレート、ガムなどの自動販売機がいたるところに立っています。アイスクリームやジュースまた同じです。

 
 酒

日本酒
 いろいろ行っています。ビール ハワイ産もありますが、日本のものの方が評判がよいようでした。ウィスキーをよく飲みますが、みなハイボールかワタ・ハイで、ソーダ水や水に割って飲んでいました。
土人酒
 ヤシ酒といったものがあるだろうと思いますが、これは飲めませんでした。一般によく飲むようですし、盛り場は夜半の2時ごろまでやっていますが、日本のような酔っぱらいはいないそうです。

 
 人のよさ

 年中気候がよいので、衣類は簡単なものですみ、暖房費もいらねば、冷房の必要もない。食べ物は豊富。最低賃金1時間1ドル25セン=450円は確保されており、根が勤勉と来ているのですから収入もよい。いたって住みよいわけです。
 そこでみんなしごく暢んびりしていて、こせこせせず楽天的。アロハ精神というやつだそうで土人ともなると底ぬけのお人よしといいます。ホノルルのような大都市は格別ですが、田舎でも、またヒロのような市でも、めったに物をとられることはなく、外出に戸締りすることもしないそうです。
 「銀行ギャングはあっても、こそ泥はいませんよ」とはヒロを案内して下さった山本さんの話です。仕事は週5日制で、土日曜は休み。出勤は7時か8時、9時に出るのは官庁のほんの一部だけ。ホノルルの宿で朝早く目がさめると、小鳥の声と一緒に、まるで俄か雨のようなサアサアという音が聞えましたが、それは出勤のカーの音でした。
 南方熱帯地のような昼寝の習慣はありませんし、だらしなさもありません。とくに気持のよかったのは、すべての集会が時間励行でキビキビしていたことです。

 
 古いよい日本

 ともかく、景色はよい、気候はよい、食物はよい。それにもまして人情の美しさ。私は、ハワイの印象は?と聞かれて、「古い、よき時代の日本、明治のよさがここに残っている。今はなくなってしまいかかっているよき日本が」と答えたものです。

 
 アメリカというところ

  1. 海岸にちかい街路にはヤシの木が沢山並んでいます。しかし一つも実がついていません(よそでは鈴なりになっているのに)。訳をきくと。万が一にも落ちかかって市民に怪我をさせようものなら、管理者は物凄い補償金を払わなければならない。そこで市の方で早目にもぎとってしまうのだ、そうです。
  2. また、もしも隣の子供が来てあそんでいて、怪我でもしたら、その家の主人が訴えられ、ひどい目にあう、のだそうです。
  3. もっとひどいのになると、子供が親の金を僅か30ドル盗んだ。親はその子を訴え、懲役6年の判決が下った。
 ちょっと日本人の頭では想像もつかぬことですが、これが「アメリカ」というところだそうです。こうした国柄ですから、日系人のこのよさも、果していつまで続くことでしょうか?」とある方が語られていました。

 
 物価

 日本の、まあ3−4倍というところでしょうか。ある日本食堂で天プラウドンを食べました。1ドル25センです。これを日系人は1円25銭といっています。ちょっと安いなといった錯覚をおこしましたが、勘定してみると、なんと一杯450円也です。概ねこの類のようです。
 そこで日系の老人たちは、出来ることなら日本に帰って、養老年金で安気に暮したいと希望しており、日本に、気楽にはいれる養老院のような施設をつくろうじゃないかといった計画もあるやに聞きました。


2-08. ハワイ見たり聞いたり


     医学博士 遠藤 仁郎 


 
 健康運動  

 こんどの渡布にあたって、なぜ私のようなものの話を聞こうなどということになったのだろうかと、実は、いささか不審でした。
 しかし、私を紹介される豊寿会の会長近藤先生の言葉でその謎は解けました。先生は仰言るのです。

  • 「私どもは病気することも死ぬこともできない」
  • 「私は先年家内をなくしたが、そのため私の貯えはすっかり無くなってしまった」

 と。医療費は一体どれくらいだろうかと、ある日訪れたホノルルの日系クアキニ病院で聞いてみました。
 ふつうの入院でも1日40−50ドルはかかるのですが、重症で看護婦がつきっきりとなると、1日100ドル(3万6千円)以上になる、というのです。
 一般に収入のよいことは前にものべましたが、いかに収入は多くても、これでは、とてもたまったものではありますまい。
 それに、墓地がまたべらぼうに高いんだそうです。ヌアヌパリの展望台から見えるカネオへの、眺めのよい丘に、それは美しい墓地がありますが、その一尺四方が何ぼとか(うっかりメモするのを忘れたのですが)聞きました。
 だから、「とてもお互は病気することも死ぬこともできぬ」というのです。
 そこで豊寿会が中心になって、いろいろの健康法を研究され検討されているのですが、「いかによいものでも金がかかってはダメだ。青汁はわれわれのところでは、やろうと思えば金なしにやれる。で、わざわざ日本から来てもらったのだ」というわけでした。
 

 
 緑葉食・青汁

 ところで青汁は、青ナッパを生でしっかり食べる(緑葉食)一方便にすぎません。
 良質のナッパを食い、その絞り汁を飲むことによって、誤った食習のために招かれている栄養のバランスの狂いを正し、健康上の欠陥をなおそうというのです。

 
 日本人の食べ方

 そして、私ども日本人のばあいは、米の食べすぎ(漸次少なくはなって来ていますが)、肉類や糖分、さらに最近では脂肪にも、に偏った食べすぎとそれらに、釣り合わねばならぬ筈の良質ナッパの不足とが、主な原因です。

 
 日系人の食べ方

 ハワイの日系人のばあいは、日本人よりは米の食べ方は少いようで、この点は確かによくなっています。しかし、その代りに、肉類、卵、チーズ、バタ、糖分などのとり方がずっと多く、野菜は同じように少い。それは、ちょうど、今日日本ですすめられている食べ方と同じです。

 
 健康状態

 そして体格はなるほど大きくはなって来ましたが、健康状態はも一つ香しくないのです。(一世二世は元気でよく働いたものだが、世代が下るにつれて、からだは大きいがねばりがなく、早く衰え、病気しやすくなった、といいます。)健康相談でも、高血圧、脳出血、動脉硬化、リウマチや痛風(血の中の尿酸がふえて関節が腫れ痛む、リウマチ様の病気)、あるいは糖尿病などが多いようでした。
 そして子供には虫歯が多いし、見かけた子供たちの顔色は生気に乏しく冴えがないようにも感じられました。
 これらのことがらは、今の日本の状態と全く同じで、いわば、ハワイは日本の先輩。そのままを今の日本が真似、おなじ運命をたどろうとしている、と見てもよいようです。もっとも、私どもが出会った一世二世の年配の方々は、とても元気がよく、大抵は10−15才は若く見えました。
 また随分長生きしている人もあると聞きました。それは、これらの方々が元来頑健であった(あるいは強い人々だけが残っている)ことにもよるのでしょう。
 また、楽隠居のゆとりのある生活のためかも知れません。しかし、むしろそれは、開拓当時の乏しい質素な生活になれた人たちだけに、野菜や果物を多くとる習慣になっていたのではないでしょうか。

 
 良質果物

 実際、パパイア、マンゴ、グアバなどといった質のよい果物の豊富なハワイでは、これらを十分に食べれば、別に青ナッパや青汁は飲まなくてもよいにちがいありません。
       パパイア マンゴ   グアバ  パイナプル
蛋白質     0.8  0.7   1.0   0.5
脂肪      0.2  0.2   0.6   0.2
糖質      6.2  15.2 17.0  11.7
カルシウム   220  11.0  2.0    18
鉄       3.0  0.4   0.3   0.5
ビタミンA  1000  1900  200   820
ビタミンB1 0.04  0.05 0.05  0.08
ビタミンB2 0.08  0.06 0.09  0.03
ビタミンC    60    48  350    40
 ハワイに行って、こうした果物の多いことを知ったとき、実は私、少々狼狽しました。
 というのは、折角遠いところを遙々来は来たもの、これでは、やって来た意味がないのではないか、という疑念がおこったからです。
 しかし、暮しに落つきが出来、裕福になると、生活はしだいに贅沢になって、存分にとられている肉、卵、糖、脂肪などに釣り合うだけ十分に、果物をとることはとても出来ないことで、どうしても良質ナッパによる他はありません。
 しかし実際には、日本におけると同様、余り食べられてはいないのです。

 
 ナッパ畑

 その何よりの証拠は、野菜畑、ことにナッパ畑が余り見かけられないことです。
 ホノルルなどの市内では、美観上から農業や養鶏養豚等は禁じられているそうですが、個人住宅の家庭菜園らしいものも殆んど見ませんでした。
 ただクアキニ病院にだけネギやいろいろのナッパ類が植えてありました。また、郊外や田舎に行っても、見渡すかぎり砂糖キビやパイナップル畑ばかりで、野菜畑らしいものは少しも見あたりません。これも美観上からハイウエイから離れたところにあるのかも知れませんが、どうも大したものはなさそうでした。ですから、八百屋の店頭には若干のものがあるにはあっても、余り需要はないのだと見てよいでしょう。
 もっとも、ケールを作っている方がカワイ島に一人だけありました。主婦の友の愛読者の夫人が、高血圧を治すため、主婦の友社から種子をとりよせて作り、青汁にして飲んで、今ではすっかり元気になられたのだそうです。ここの菜園には、ブロッコリやキャベツ、パセリ、シソ、タヒチ・スビニチ(タロによく似ていました)、ニラ、その他いろいろのナッパ類がよく出来ていました。

 
 加工食品

 今一つの問題は加工食品の多いことでしょう。どこの家のキッチンにも大きな冷蔵庫、いや冷凍庫がそなえつけてあり、いろいろ便利な、例のインスタントの加工貯蔵食品がいっぱい詰っていました。食べ物がこうした加工品に傾けば傾くほど、たとえ、ふつう必要と考えられている栄養素だけはそろっていても、未知で、しかも本当の健康のためには無くてはならぬ大切な、そして生の食品にだけしかない成分の不足はさけられないでしょう。
 こうした点からも、どうしても、自然のままの良質野菜が必要になります。そこで私は、ハワイの人々にも、日本におけると同様、「もっと緑を」、「もっと自然に」、「緑のナッパをなるべく多く、それも、なるべく多くを生で食べよう、食べにくければ、すりつぶして汁にして飲もう。」「材料はこちらでは年中できる。市内では困難にしても、郊外にはあり余る肥沃な土地がある。ぜひ良質の安全野菜をうんと作って、うんと生で食べてほしい。青汁にして飲んでほしい。」また、「もっと歩く運動もおこしてほしい。」そして、「この自然の恵みのみちみちた、美しいハワイに、本当に健康で長寿の、この世のパラダイスを創り上げていただきたい」とのべて来ました。

 
 土人の食べ方

 ハワイに行ったら、ぜひ土人の食べものを食べてみたいと、かねて思っていました。
 それというのは、以前、アメリカの雑誌で、ハワイの日系の子供には虫歯が多いが、同じ澱粉食なのに、ポリネシア系の子供には虫歯が非常に少い。
 そして、それは同時に一般の健康状態にも通用することだ、という論文を読んだことがあり、土人の食べ方に興味をおぼえていたからです。
 彼等の主食ポイはタロ芋(里芋そっくりのものです)を搗いてつくったもので、出来たては茶褐色の塊りですが、これを少し醗酵させて、ドロッとねばったもの。
 それに、豚肉を沢山のタロの葉でくるみ、その上をチーリーフで包んで蒸し焼きにしたラウラウ。
 海藻(オゴノリ)や生玉葱のスライスに岩塩をちょっとつけたもので、いずれも箸はつかわず手づかみで、ポイも示指と中指の2本でうまくすくって食べるのです。
 甘味品としてはココナット(椰子)の羊羹という、ウイロようの菓子が出ました。
 これはむしろ客人用のご馳走でしょうから、ふだんはもっとナッパや海藻、それに果物が豊富につくことでしょう。
 したがって栄養のバランスからいえば、日系人の食べ方よりは、ずっと優れているわけです。
 そのためか土人(今では殆んど混血し純粋なものは少いそうですが)は、頑丈な体格で血色もよく、堂々とした肉体美の娘たちをよく見かけました。
 

 
 旅舘


 ワイキキあたりの一流ホテルになると、外人客が多いので、エチケットがむつかしく、チップなどにもひどく気骨が折れるようです。
 私どもの宿はホノルル港近い日系人経営のホテルで、移民当時からやっているという老舗ですが、宿料も安いし、だいいち面倒なエチケットやチップの心配もいらず、日本の旅舘と同じようにしてよかったので、大変気が楽でした。
 但し室を貸すだけで食事はつきません。
 すぐ近くに日系人経営の食堂がいくらでもありますが、夜おそくまでやっているので、朝食は食わせてくれません。
 また、たいていの商店は夕方の5時には仕舞うので、朝食のパンや間食の果物などは、そのつもりで買いこんでおく必要がありました。
 ハワイ島とカワイ島では外人のホテルに泊りましたが、食事時間がキチンときまっているので、却って窮屈。
 うっかりすると食べそこなうので、朝食以外は外食しました。
 部屋にはみな洗面所も便所もシャワーもついており、いつでも熱い湯が出ました。
 しかしどのホテルにもバスはありませんでした。
 少し物足りぬ感じはありましたが、さして不便はありませんでした。

 

2-09. 蘭陽支部だより

    台湾 S.Y. 

     蘭陽支部一年間の主なる愛用結果をご報告申し上げます。

    1. 驚く十数年来の肝臓病
       ほとんど毎日薬を飲んでいました。半年前、蘇澳水泥廠医務室へ、数日間通院いたしました所、健康の青汁、ケールの良薬だと承り、早速1ヶ月ばかり飲用いたしました。現在では病気がすっかりなおり、体重が61キロ。まったく青汁ケールのお蔭で救われて喜んでいます。

    2. 鼻汁とクシャミ
       つねに鼻汁とクシャミでなやみ、感冒はよくひく。この病で2、3年間も苦しんでおります。その後、蘭陽青汁会支部よりケールを100本ばかりいただき、半年前20日間ほど愛用しました。現在ではすっかりなおりました。実にケールは仙薬だと1日でもやめられぬと申して愛用しております。

    3. 白帯もなおります
       ある日私ケール畑で仕事をしてる所へ、ヒョッコリと、20才前後のお嬢さんが2人まいり、まことに失礼ですが、ケールの葉っ葉を少しいただきにまいりました。実は私たち永年の白帯で苦しんでいます。ケールは治萬病の王、良薬だとある友人から教えられ、飲んで見たいと思います。早速少しばかり差し上げました。ところが3日間つづけて服用しましたところ、大変よい結果を得ました。日本へ厚く御礼申して下さい。

    4. 胸やけ首すじのこり
       常に健康でいらっしゃった90才のおじいさんが、僅か数分間で高血圧症でなくなりました。これを見て急に命が大切になり、自分の畑に作りましたケールを、従来友人にわけていましたが、早速飲みはじめました。実は、自分の体は、時々胸やけがするし、首すじがひっ張るように痛みます。さいきん血色、便通、食事がすすむし、毎日一生懸命に活動しています。ケール服用は1日もやめられぬと申して、青汁会へありがたく感謝しています。

    5. 胃潰瘍
       胃潰瘍でながい間くるしんでおられたのですが、ケールを飲用以来ひとつも病まず、食事もすすむし、1日も不快な感じもなくはたらいています。


    6.  歯痛でお医者さまにかかりましたが、抜いたほうがよいということですが、自分は抜きたくありません。友人より、ケールを飲んだらなおります、といって服用しましたが、痛みもとれて、炎症も自然きえて抜かずにすみました。誠に感謝にたえません。

    7. 弱かった家族
       私の家族はいったいに体が弱いのですが、ケール青汁を飲用して以来、全部健康で、子たちは欠席なく学校に通う。親たちはたのしく仕事に従事し、家族中全部血液循環がよろし。肌肉が発達して皮膚が赤くなり、実に健康体だとよろこんでいます。万病はケールでないとダメだ、と家中は毎日感謝いたしています。

    8. (民国53年7月27日)



2-10. ハワイ見たり聞いたり

     医学博士 遠藤 仁郎 

     こんどの旅行で感じたこと。

    街をよごさないこと
     その一つは街をよごさないこと。観光都市をうたったり、文化都市を以て任じているところでは、少くとも、もっときれいにしなければなりません。
     区劃整理や家の建て直しは論外としても、せめて土埃は無くしたいものです。
     それには道路を舗装することと、裸地を芝生にするほかありません。
     しかし、それも、とてもにわかには出来そうもありません。また、煙をなくすることも、仲々、おいそれとはまいりますまい。こうした積極的な美化策はさておくとしても、各自の心懸け一つで出来ることは街をよごさないことでしょう。
     市民の一人一人が、紙屑や煙草の吸い殻やマッチを捨てない。持って来たものは必ず持って帰る。落ちているものは一つだけでも拾う。ただそれだけのことを、心がけさえすれば出来ることなのです。
     しかし、いかに一部の人が熱心に努力しても、一方でまき散らして行けば、結局無駄骨に終ります。
     そこで違反者にはうんと高い罰金を出してもらう(一件少くとも千円位の)。
     それを積み立てておいて紙屑箱を備えたり、清掃人夫をやとったり、芝生や植えこみなど、美化運動のたしにする、というのもよいじゃないですか。
     県とか市の条令あたりで何とかならぬものでしょうか。
     これはもはや出来るの、出来ぬの、と論議している問題ではなくて、もう、やるか、やらぬかだけの問題です。
     現にハワイでは、それで成功しています。
     欧米の先進国の街も、みんなきれいだと聞いています。
     ハワイもアメリカだから当り前だ。日本とは事情がちがう、という論も一応はもっとものように聞えます。
     けれどもハワイには日系人が3分の1います。そして、事実、日系人でもっている。
     いや、日系人の努力でひらけ、日系人の努力によって動いているのです。
     ハワイの街が美しいのは私どもと同じ血の流れている日系人がやっていることなので、欧米諸国とはいささかわけがちがいます。
     私どもでも、やる気にさえなればやれることです。オリンピックでだいぶ綺麗になったようですが、それだけに終らせたくないものです。

    時間励行のこと
     その二つは時間の励行。
     倉敷には倉敷時間、岡山には岡山時間。いや大阪にも東京にも、大阪時間があり東京時間があります。
     20分や30分はおろか、1時間以上おくれても、まるでそれが当り前であるかのように考えられ、黙過されています。
     日本での集会で時間が励行されているのは、せいぜいロータリーかライオンズくらいのものでしょう。
     私など神経質でかなり几帳面な方なので、どの集会でも定刻に行くことにしていますが、宴会などではむしろ気恥かしさを感じさせられるほどです。
     それがハワイでは、どこの会合でも、全くきちんと集り、きちんと始められていかにも気持がよろしい。
     これも、私どもでも出来る、もう一つのことがら。
     ぜひそうあってほしいものです。

    健康に責任をもつこと
     その三つはお互にもっと健康に責任をもちたいものだということ。私どもは、ハワイの人たちが、いかに健康ということについて真面目に考え、真剣にとり組んでいるかということ、そしてその原因の全部ではないにしても、主なものは医療費が物凄く高いことにあることを知りました。
     わが国では、ちょっと調子が悪くても、ただで、またはほんの僅かだけの出費で、すぐに医者にかかれ、薬が飲め、病院にはいることも出来ます。たしかに、病気してから治すよりは予防が大切であり、手おくれよりは早目の方がよいにはきまっていますから、これはまことに結構なこと、まさに病人天国ともいえましょう。
     しかし、これは、果して本当にしあわせなことでしょうか。医者は、つめかける大勢の病人のためにおいまわされ、保険金は無駄づかいされる。
    そして、本当に十分の手をつくさねばならぬ大切な病人には、手がたらず、金がたらぬ、ということになっているのがわが国保険医療の現実の姿です。
     しかも、それは、医療費がかからぬか、安すぎるために、誰れも彼れも、医者や薬にたよりすぎ、まかせすぎて、自分の健康ということに余りに無頓着になり、無責任になっているからではないでしょうか。
     そして、それがために、防ぎうる病気も防ぐことができず、病人はいよいよふえて来ているのではないでしょうか。
     理想は、今のままで健康教育を徹底して、みんなが健康になり、病人をへらすことでしょうが、これは、いうべくして仲々行いがたい。
     そこで多少個人の負担額を増してでも、病気せぬよう、自分の健康には自分で責任をもたねばならぬことを自覚するよう。
     そしてまた、少々の病気は我慢もし、それでも結構おし切れるだけのからだにしておくよう。
     国民総ぐるみで、もっと真剣に、健康のために努力すべきではないだろうか。
     そうしてこそ本当の福祉国家というものではないだろうか。
     また、それが健康保険の本来のねらいというものではないだろうか。
     そういったことを考えさせられました。



2-11. 映画にもなる

    京城 T.K. 

     今年の9、10、11月号の「新しい家庭」誌上に、会員中の張寿哲教授の(肝硬)体験記が載り、なお11月25日から、当地一流封切館、国際劇場に上映中の「夫婦戦争」には、ケールを牛耳洞の当緑汁会農園から、3ヶ月毎日求めて行って、その舅夫に飲ました結果、高血圧が治り、ハッピーエンドになるというストリーが展開され、ケール普及に大変役立っています。
     映画に出て来る当農園をたずねて来る人が毎日ある始末です。これは、当国一流の劇作家(緑汁会員で高血圧を本人が治った体験者)任熙宰の作品です。
     「緑汁」、「ケール」が漸次一般の人々に膾炙されるようになって来ました。



2-12. ヴェトナム便り

    サイゴン T。T。 

     お蔭様で至極元気で、ヴェトナム、ラオスを股にかけて活躍させていただいております。
     わがヴェトナムは、ご存知の通り、国乱れて、混沌として、国民も随分困窮してはおりますが、これは、大局からみれば、独立国家となって日浅く、それに過去90年間、国民は誰ひとりとして政治に関与させてもらえなかった。
     すなわち仏国の植民政治の下で搾取し、奴隷に近い環境に育てられて来たものが、にわかに国の政治を司る、という大役に直面するのだから、100%まごつくにきまっています。
     しかしながら、越南国は二千年の伝統ある国柄であります。
     大古より興亡常なく、幾多の経験を重ねて来た国民の血は、そう簡単に滅亡するものではありませぬ。
     その証拠には、米国が過去10年間、弗と力を投げこんで(現在では1日250万弗)、やっきとなって圧力をかけ通しであるけれども、畏縮するどころか、ますます根を張って、枝を栄えさせて、のびのびと強くなりつつあります。
     西洋人は肉食なるが故にのぼせ易く、酸性の血の中には慈悲心が宿らぬらしく、とかく自惚れで、自己主義で、傲慢心をおし通そうとする。
     つまり、奥深い東洋文化の精神を理解できないらしく、したがって得手勝手に強引に、おしまくってみるが、どうも勝手がちがう。
     現在では、踏みこんだ泥沼の足がぬけずに困っているようです。
     日本の新聞では、南ヴェトナムは、今にも赤に染めかえられてしまうように騒いでおりますが、ヴェトナム人は所謂二千年の伝統精神が混在しているから、ヘナヘナに表面はみえても、なかなか根強いものがあることを認識せねばなりません。
     さて小生の仕事は、そのヴェトナム農民の困窮を、少しでも生活が楽になるように、つまり、現金収入の道が開けるようにと努力しております。
     これまで試験研究の結果、養蚕業が農民の副業として最適であることがわかりましたので、現在この奨励について、没頭しております。
     気候と地味に恵まれているために飼育が容易で、年間5−6回以上簇することができます。
     したがって現金収入も、めぐりが頗るよいわけです。動乱のために若者が召集されたもの60万。
     たいていの部落は老人と女、子供であるが、養蚕ならば、老人、女、子供でも結構仕事ができる得点もあります。
     以上のように小生は、農民と宿舎をともにしております。
     田舎では桑園の畦にタンポポが密生していますから、タンポポ、桑葉をミンチにかけて、青汁を自分でつくり、いただいております。
     おかげで好調であります。

    (65、2、10)



2-13. 道遠し

    ソウル T.K. 

     当地にケールの種子が大地に播かれ、青汁運動が始って、今年で3年目になります。
     前月中にはアンケートを出してみたり、今年からは「健康と青汁」新聞の購読を募集してみたり、牛耳洞にケール園を設け、毎日曜日には会員の方に、1日田園の野趣を味ってもらい、なお健康と青汁新聞やその他保健と病気治療に関する通俗読物を備置して供覧したり、ソウルで1番目抜きの地にある五洋茶室に、信頼出来るケール青汁を実物宣伝さして見たり、ラジオやテレビを通じてPRして、青汁にひそむ自然の恵みを出来るだけ多くの人々に伝えたく望んでいますがまだ道遠しという所です。
     青汁運動の要諦は、「実際に青汁を継続して飲ましてみせること」にあるようです。去年も、種子を約400人に頒ち与えましたが、ケールを植える地面がないとか、不適当とか、虫、病、鼠害のためケール栽培に失敗したとか、未だケールを実際に飲んでも見ずに投出した方が大部分のようです。





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