健康と青汁タイトル小
材料の菜っ葉について インデックス
 
材料の菜っ葉について (1) (2) (3) (4) (5) (6)
材料の菜っ葉について(7)
7-1 農薬がこわい 200号 コマツナ
7-2 ツボクサ 202号 ツボクサ
7-3 カキドウシ 203号 カキドウシ
7-4 バショウ 204号 バショウ
7-5 アカメカシワ 205号 アカメカシワ
7-6 小豆葉 206号 小豆葉
7-7 質問箱 ツルムラサキの葉の青汁 214号 ツルムラサキの葉
7-8 質問箱 ドクダミの青汁 216号 ドクダミ
7-9 ゲンノショウコ 223号 ゲンノショウコ
7-10 タカサブロウ 226号 タカサブロウ
7-11 スベリヒユ 227号 スベリヒユ
7-12 ハンノキ 240号 ハンノキ
 

7-1. 農薬がこわい

    東京都 U.K. 

     主人が糖尿病のため、5年以上、7年くらいも長いこと、市販のコマツナを、人参とレモン、リンゴ等と合せて、毎日2合5勺くらい、必ずのみ、只今では、どうやら元気に過して来ましたが、さいきんの公害問題で、BHCの残留等おそろしくて困却しています。
     また、7月初め、主人は前立腺腫瘍を手術して、とりました。
     目下、静養中でございますので、青汁は病院まではこんで、1日も欠かさずのんでいるのですが、今日の新聞をみてから、流石に、つくる私も、飲む主人も厭になりました。
     6、7年間も続けていた青汁をやめれば、糖尿病の方が悪くなるように思われて(いつ検査しても大したことはない、中程度の病状と申されています)、全く困っています。


7-2. ツボクサ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     路傍、田のあぜなどに見かける。多年草。ごくありふれた雑草だが、どうも大した効能があるらしい。
     Lucas博士著のNature Medicine(自然薬)によると、パリのMenier博士は、この草に、脳細胞や内分泌腺の若返り効果をしめす未知のビタミンX(Youth Vitamine X)がある、といっているという。
     また、この草は、中国の著名な本草家で256才も生きたLi Chung Yun先生が、毎日愛用していたというので有名なんだそうだ。
     このLi大人は1677年に生れ、1933年になくなった。23人の夫人にわかれ、亡くなった時は24番目の夫人と住んでいた。大学で長寿に関する講演を28回もし、3時間の講演をした時は、すでに200才をこえていたが、姿勢はよく、とても52才以上には見えず、髪も歯もあった。
     その生活は、「心は静かに」、「亀のように坐わり」、「鳩のように歩き」、「犬のようにねむれ」というのであり、厳格な菜食家であった。
     そして、二種の薬草からつくった茶を用常していたが、その一つはこのツボクサ。も一つは人参(朝鮮人参)だった。人参(根)以外は、すべて地上に生ずるものばかりを食べていた。などとLucas先生は書かれているのだが、それほどの長寿者が、しかも最近まで生きていたというのに、知られていないのはいかにも不審なので、中国の青汁同志の陳氏に問い合せてみた。
     その回答によると、
     「中国でも知っている人がない、おそらく架空の人物だろう。アメリカ人はずいぶんいい加減な知識でものを書くから云々。」ということであった。
     それはともかく、このツボクサには、強壮効果、栄養効果があり、虚弱者、衰弱者の治療に比類のないもので、消化、吸収をよくし、代謝をすすめ、顔色をよくする。また、大量には強精効果があるという。
     これは、あるいはこの草に特殊の有効成分があるのかも知れないが、一般緑葉の効果としても十分理解されることがらだ。煎用のほか、粉末としてもよいとあるが、生食したり、青汁にすれば、いっそう効果的だろう。少々味がきついようだが、材料の足しにはなる。


7-3. カキドウシ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     一名、カントリソウ、カンキリソウ、漢名連銭草。
     カキドウシ、堅固な垣でも、すき間があれば、これを通して隣までのびるからの名。
     カントリソウ、カンキリソウは、子供の「カン」をとるから。
     「カントリサウ、疳疾の薬なり。その名によりて、小児喰初の器物に、この草を画く。今の唐草(からくさ)の初なりという」(物類称呼)。
     「小児鷲風 連銭草のしぼり汁のまますべし」(経験千方)。
     全草に、いかにも薬草らしい芳香がある。大和本草に、「食して気味薄荷のごとし、本草に胡(こ)薄荷ともいう」とあるとおりだ。
     疳のほか小児諸病、その他、癰疔(ようちょう)、丹毒、結核、出血などにも、生のしぼり汁や煎じ汁、あるいは黒焼がもちいられている。
     「暴熱、小児の寒熱、腹内の熱結に擣汁を服す」(蔵器)。
     「コンニャクには血液コレステロールや中性脂肪を低下する作用がある。(印南敏ほか、国立栄養研究所研究報告、昭46)とすると、特別の栄養価はないようにみえるコンニャクも、動脉硬化の予防に役立つわけだ。
     疸に酒に擂り服す」。
     「丹毒に擣汁を服す」。
     「癧瘰(ルイシキ)、鼠漏、寒熱時節往来治す」。
     民間薬には、「婦人長血 カキドホシ黒焼一合、塩一勺、右二包、丸薬にして一度に三十粒、一日二度、湯にて葉用ふべし」(和方一万方)。といったぐあい。
     欧州では、強壮剤として茎葉のしぼり汁やスープ(薬草スープ)が常用されている。
     また、魔よけの力もあり、ドイツでは、五朔節(5月1日の前夜、魔法使が悪魔と宴会をひらくといわれている)の夜にこれを持っていると、悪魔を見つけることができるとされている。
     その他、一般緑葉の青汁と同じく、どんな場合にも応用できるわけだし、もちろん食べてもよい。
     救荒本本草啓蒙には、「葉も茎も煮て食べし。又、漬物にもすべし」とあるが、清潔なところのものなら、生でサラダや青汁に入れて、香味をそえるにもよい。


7-4. カキドウシ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     一名、カントリソウ、カンキリソウ、漢名連銭草。
     カキドウシ、堅固な垣でも、すき間があれば、これを通して隣までのびるからの名。
     カントリソウ、カンキリソウは、子供の「カン」をとるから。
     「カントリサウ、疳疾の薬なり。その名によりて、小児喰初の器物に、この草を画く。今の唐草(からくさ)の初なりという」(物類称呼)。
     「小児鷲風 連銭草のしぼり汁のまますべし」(経験千方)。
     全草に、いかにも薬草らしい芳香がある。大和本草に、「食して気味薄荷のごとし、本草に胡(こ)薄荷ともいう」とあるとおりだ。
     疳のほか小児諸病、その他、癰疔(ようちょう)、丹毒、結核、出血などにも、生のしぼり汁や煎じ汁、あるいは黒焼がもちいられている。
     「暴熱、小児の寒熱、腹内の熱結に擣汁を服す」(蔵器)。
     「コンニャクには血液コレステロールや中性脂肪を低下する作用がある。(印南敏ほか、国立栄養研究所研究報告、昭46)とすると、特別の栄養価はないようにみえるコンニャクも、動脉硬化の予防に役立つわけだ。
     疸に酒に擂り服す」。
     「丹毒に擣汁を服す」。
     「癧瘰(ルイシキ)、鼠漏、寒熱時節往来治す」。
     民間薬には、「婦人長血 カキドホシ黒焼一合、塩一勺、右二包、丸薬にして一度に三十粒、一日二度、湯にて葉用ふべし」(和方一万方)。といったぐあい。
     欧州では、強壮剤として茎葉のしぼり汁やスープ(薬草スープ)が常用されている。
     また、魔よけの力もあり、ドイツでは、五朔節(5月1日の前夜、魔法使が悪魔と宴会をひらくといわれている)の夜にこれを持っていると、悪魔を見つけることができるとされている。
     その他、一般緑葉の青汁と同じく、どんな場合にも応用できるわけだし、もちろん食べてもよい。
     救荒本本草啓蒙には、「葉も茎も煮て食べし。又、漬物にもすべし」とあるが、清潔なところのものなら、生でサラダや青汁に入れて、香味をそえるにもよい。


7-5. アカメカシワ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     アカメカシワ。わかい芽が紅赤色だから。1名ゴサイバ(5菜葉)。
     むかし、この葉に食べ物をのせて食べたからで、菜盛葉ともいう。楸や梓の字があててある。
     古くからヨウ(癰)やチョウ(疔)の妙薬とされた。

     楸葉
     楸葉は癰疸の奇薬なり。先年、大和より癰疸のみを療する人出で、煎薬のみ、膏薬を用ひずして全功を羮せり。甚だその方を秘す。後、その人漂白して東都に至り、大に債を負ふ。
     1薬舗購ふに2百金を以てして、遂にその方を得たり。即ち楸葉単煮なり。楸葉はアカメカシハなり。(蘭軒医談)

     梓葉
     土生玄碩曰く、余、梓葉を用ふること、之を和田先生に得たり。先生、大津薬舗某に得らる。
     某家治瘍奇薬あり。世にその法を知る者なし。
     某嘗て病あり。殆ど危し。先生之を療して医す。因って治瘍方を得んと欲す。
     某辞するに、先祖斬秘する所を以てす。
     居ること1年。某復た病む。先生復た之を療す。
     某その徳に感じ、その方を書し、先生に詣て、席上に置きて帰り去る。
     その方、梓葉一味、水煎して用ふ。蓋し、梓葉発揮の妙效あるを以てなり。尓後先生之を用ひ、累々奇験をうと。(水野善慶 師談録)こうした効能は、どんな菜っ葉にも、青汁にもみられることだが、これは煎じ汁だから、おそらく、ないか特効成分があるのだろう。これからつくった新薬にガロゲンというのがある。健胃整腸効果がいわれている。 (遠藤)


7-6. 小豆葉

     医学博士 遠藤 仁郎 

     小豆の葉は小便をへらすという。本当かどうか、まだためしたことはないが、本草綱目には、

      「小豆は小便を利するものだが、霍(葉)は小便を止める」。(時珍)
      「小豆葉は煮て食へば尿の頻数を止める」とか、
      「小便頻数に、小豆葉一斤を鼓汁の中に入れ、煮和して羹にして食ふ」。(心鏡)

    生汁でもそうらしい。医心方に、

      「小便多く、昼夜数十たび起るに、生葉一把の擣絞取汁、頓服三升、便に愈ゆ」。(小品方)
      「小便数たび 日夜出て節度なきに、苗葉の擣絞汁一二升、立ろに止む。極めて有効」。(医門方)
      と出ている。

     したがって、遺尿にもよいわけで、

      「小児の遺尿に葉の搗汁」。(千金方)

     とある。ふつう、青汁では尿の出がよくなるのだが、小豆にはなにか特殊の成分があるのだろうか。なお、

      「赤小豆葉、煩熱を去る」。(別録)
      とか、
      「煮て食へば目を明にす」。(日華)
      あるいは、
      「白豆葉、煮食、五臓を利し気を下す」。(日華)
      「生葉汁 小児利を治す」。(小品方)

     ともあるが、これらは、いずれも、ふつうの青汁に共通のことだ。


7-7. 質問箱

    高知県 K. 


     さいきんの評判のツルムラサキの葉の青汁はどうでしょうか


     よいでしょう。少々アクが強いといいますが、結構いけるそうです。
     ほかのものと混ぜればなおよいでしょう。
     ずいぶんよく茂るそうですから、これも重宝なものといえましょう。


7-8. 質問箱 ドクダミの青汁

    山口県 Y. 


     ドクダミの青汁はどうでしょうか


     毒草ではありませんから食べても、青汁にしてもよろしいが、匂いがつよく、いくらか刺戟性もあるので、かなり飲みづらいものです。


7-9. ゲンノショウコ

     下痢に、ことに赤痢によい。現の証拠。

    「葉茎花ともに陰干にして、末となし、湯にて服す。よく痢を治す。赤痢もっとも可なり。また煎となし、或は細末して丸ず。皆、験あり。本草にこの功能をのせず」
    (大和本草)

     で、一名赤痢草。タンニンが多い(約20%)ためと説明されているが、赤痢菌、チフス菌などにたいし殺菌作用があるらしい。
     食べてもよい。「痢に味噌汁にて煮食ふも亦よし」(経験千方)。
     「苗はよく灼灼炊、よく浸して食べし。老葉はいりこにすべし」
    (救荒本草抜卒)
     生で食べてもよし、青汁にしてもよい。


7-10. タカサブロウ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     漢名、鱧腸。路ばたや田のあぜ、荒地などに多い雑草。
     人の名まえのような名だが、どんないわれがあるのか、牧野先生も、語源不明と書かれている。救荒本草に、「苗葉を採り煤り熟し、油塩に調へ食ふ」とあるが、生でサラダに加え、青汁の材料にもなる。
     切り口が黒ずんで来る。いかにもアクが強そうだが、味はべつに悪くない。
     本草綱目には、「髭髪を黒くし、腎陰を益す(時珍)と、不老強精効果がいわれている。
     出血によい。「血痢」(唐本)。
     「血を止め膿を排す」。(大明)
     「尿血に車前と等分、搗汁を空心に三盃づつ服す。(医学正伝)
     胃腸を強める。「小腸を通ず」。(大明)
     痔漏によい。「痔漏に搗いて酒で服す」。
     「痔漏蒼発するに、一把石臼にて泥状に擂り、極熱酒一盃を注ぎ、絞汁を飲み、滓を患処につける。重きも三服にすぎず平安になる。(劉松石 保寿堂方)
     などとあるが、要するに一般緑葉の効だ。


7-11. スベリヒユ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     葉も茎も多肉性で、真夏の炎天下にもよく育ち、きいろい花をつける。とても強い。いや、しぶとい草とでもいうか、踏みつけられようが、ひき抜かれようが、びくともせぬ。
     私の田舎では「軒下三年」という。軒下に三年ぶら下げておいても、枯れぬというのだ。牧野先生の続植物記に、

    「その性甚だ強く、引き抜て放り出しておいても仲々枯れず、掛けておいても容易に死なぬ因業な奴だから、長命菜の名もある。」

    「スベリヒユ、ヌメリヒユともに滑り筧の意。葉も平滑な上、揉み潰してみると、頗る粘滑だから、さういふ。これを訛ってスベリヒョウ、ズンベリヒョウなどと呼ぶところもある。」

    「伯耆の国ではイハヰヅルといってゐる。幸い、これで、一つの難問題が解決された。万葉集に、入間道の大家がはらのイハヰヅルひかばぬるぬるわにな絶えそね。この植物について、古来、その的物が分らなかったが、この方言で分った。」
     とある。ふつう、ゆでてヒタシモノにしたり、胡麻和えにする。ちょっと酸っぱ味とねばりがあって、おいしい。
     東北や信州あたりでは、夏の間に、ゆがいて乾燥し、貯えて、冬のそさいにする。正月にかならず食べる習慣になっているところもある。
     これは本草書に、
    「6月6日に採り、晒乾し、元旦に煮熟して塩醋とともに食へば、疫癘の気を解す」
    (唐揺経験方)
     とあることから、また、
    「これを服すれば、天年を長くし、髪を白からしめず」
    (開宝)
     とか、
    「よく陽を肥す」(蘚頌)
     など不老強精の効がいわれているところから来たならわしであろう。
     ただし、
    「性寒滑、虚冷の人によろしからず」
    (大和本草)
     で、
     食べすぎると下痢するので、虚弱なものや小児・妊婦にはよくない、とされている。
    「葉を謀て、水に浸し、塩、味噌に調食す。妊婦小児は食ふべからず。」
    (備荒草本図)
     漬物にしてもよし(ヒポクラテスによれば、「新鮮なものは冷症、漬物は温性」、生食、青汁にもなる。)
     効能は、一般緑葉、青汁と同じだが、夏枯れの野菜不足の時のものだけに、まことに重宝といったものだ。


7-12. ハンノキ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     湿地をこのむ木で、湿りのある林野に自生したり、水田のふちに植えられ、稲架にされている。また、禿山の砂防用に植林されるのもある(ヤマハンノキ)。北欧神話では、この木から美女が生れたことになっているし、この枝に魔王がすんでいて、子供たちをかどわかすという。球状の果実――サルノカンザシと私どもはよんでいたが――は、むかしから染料にされた。万葉集七に、住吉の遠里の小野のまはりもちすれる衣のさかりすぎぬる しらすげの真野のはり原心よも思はぬ君が衣にすりつつ 葉の利用については記載がないようだし、いくぶん渋味があるが、少量ならば食べても差支ないし、青汁の材料のたしにはなろう。



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