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材料の菜っ葉について インデックス | ||||||||||||||||||
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材料の菜っ葉について (1) (2) (3) (4) (5) | ||||||||||||||||||
材料の菜っ葉について(6) |
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6-1 | ツユクサ | 167号 | ツユクサ | |||||||||||||||
6-2 | サツマイモの葉 | 168号 | サツマイモの葉 | |||||||||||||||
6-3 | エンサイの青汁 | 168号 | エンサイ | |||||||||||||||
6-4 | 良質の青野菜とは | 171号 | パセリ、シソ葉、ニンジン葉、コマツナ、ミズナ、タカナ、ナタネ、カブ葉、ダイコン葉、カキバダイコン、ケール、シーオー、レープ、シュンギク、ミツバ、セリ、レタス、チシャ、ニラ、ネギ……他 | |||||||||||||||
6-5 | エンサイを作りましょう | 176号 | エンサイ | |||||||||||||||
6-6 | オバコ(車前草) | 177号 | オバコ(車前草) | |||||||||||||||
6-7 | 飲める葉が知りたい | 178号 | クローバー | |||||||||||||||
6-8 | サトイモの葉 | 179号 | サトイモの葉 | |||||||||||||||
6-9 | 藍 | 182号 | アイ | |||||||||||||||
6-10 | コンフリー | 187号 | ※コンフリーの有害性について→ | |||||||||||||||
6-11 | アケビ | 188号 | アケビ | |||||||||||||||
6-12 | オナモミ | 190号 | オナモミ | |||||||||||||||
6-13 | 質問箱 | 193号 | ダイコン葉 | |||||||||||||||
6-14 | 質問箱 | 198号 | CO | |||||||||||||||
6-15 | 質問箱 | 199号 | ケール | |||||||||||||||
材料の菜っ葉について (7) (8) | ||||||||||||||||||
6-1. ツユクサ | ||||||||||||||||||
野傍や畑の、湿りがちの荒地に多い。
とあるが、生のまま、グリーンサラダにしてもよい。 軟くて、すりつぶしやすいので青汁の材料にもなる。 本草綱目、主治には、
と、むつかしく書いてあるが、まずは、いろいろの熱病、化膿、丹毒、腫れ、胃腸病、食肉中毒、蛇や犬の咬傷といったものによい、というところらしい。 また、
(大明)
「小便不通に一両。車前(オオバコ)一両の擣汁に、蜜少量を入れ、空心に服す」(集簡方)
「喉痺(扁桃炎・ジフテリーの類)に擣汁」ともあるが、要するに、すべての青汁に共通の効能だ。 | ||||||||||||||||||
6-2. サツマイモの葉 | ||||||||||||||||||
新潟市 T.E.
私こと、青汁材料に、常に困っておりましたが、サツマイモも盛夏によいと、会報に読んでから、5本ほど植えましたところ、大変よく繁り、大助りでした。 | ||||||||||||||||||
6-3. エンサイの青汁 | ||||||||||||||||||
東京都 H.E.
春にお送りいただきましたエンサイ、芽の出はじめには、虫にたべられ、日暮から、何度か虫取りをして、大切に育てました。 | ||||||||||||||||||
6-4. 良質の青野菜とは | ||||||||||||||||||
どんな病気を療養するにも予防するにも、そして疲れも知らず仕事に精を出すにも、その土台として完全な栄養をはからなければならない。
第二に、ワラ、草、木の葉、豆粕、鳥糞、魚粉といった有機質肥料を十分施すことである。また時に山土、わけても木の葉の腐蝕したものを客土することだ。そうすれば、作物に必要な肥料成分が既知未知すべてにわたって完全になる。その昔、せっせと山草を刈れ、木の葉を掻け、といわれたのはこのためである。 第三に、石灰を適量施すことである。日本の国土は石灰分が少なく、作物の成長に不十分であるからだ。けれども、それ以外の化学肥料はひかえめにすることが大切である。ましてや、有機質肥料を十分施さずに化学肥料ばかり多量に施してはならぬ。そんなことをすると、見た目には立派なものが早く成長するが、成分も劣り味も悪く、病気にもかかりやすくなる。毎年くりかえしていると、有益細菌が減少して土地がやせてくる。その昔、買い肥ばかりすると農家はつぶれる、といわれたのはこのためである。 第四に、農薬としては、除虫菊、ニコチン、デリスコンといった付着性のもの、それも必ず純正なものを、必要やむをえないときに、使うのは差し支えない。だが、最近広く使われている滲透性のものは決して使ってはならない。確かに効果は高いが、せっかく作った青野菜が有毒化する。毎年くりかえしていると、有益細菌が死滅して土地が死んでしまう。こんな危険な農薬が盛んに使われ始めたのは十数年前のことである。そして、これを追うかのように病人が多くなっている。それも、その昔は極めて少なかった病気が目だって多くなり、その上、原因も治療法も分からない新しい病気も発生しているのだ。 自家栽培・委託栽培のすすめ ところが残念なことに、このごろ市販されている青野菜には、品種としても良質のものが少なく、その上ほとんどすべて、化学肥料と危険な農薬を多量に施したものである。そこで、こうすすめたい。戦中戦後のように、僅かな土地でも活用して自家栽培をすることである。その土地がなければ、ベランダでもよし、日あたりさえよければ鉢作りをすることである。そして特級品や一級品を作るのだ。 これができない場合はいうまでもなく、これだけでは十分自給できない場合は、本当に正しい栽培をしてくれる人に委託して供給してもらうことである。いかにも思いすごしのようではあるが、この頃の事情では、まずもってこうすすめないわけにはいかない。ことは、かけがえのない自分自身の健康と生命にかかわることであるからだ。 (45年度の総会で遠藤先生がお話しになったことを、平素くりかえし力説されていることで補足しながら、ながながとお伝えしてきたが、ここでひとまず終わりとする。文責友成) | ||||||||||||||||||
6-5. エンサイを作りましょう | ||||||||||||||||||
宮崎市 渡辺 忠夫
エンサイは丈夫で作りやすい野菜です。甕菜(エンサイ)は、甘藷に近縁の植物で、いもは着きません。いわば甘藷の蔓だけ作るようなもので、夏の季節の野菜としては、最も作りやすく、素人作りで容易に出来るものです。 | ||||||||||||||||||
6-6. オバコ(車前草) | ||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
南方全集に、 「撈海一得に、本邦の小児がガマを殺し、土を掘って、オホバコをしき、死んだガマをのせ、またオホバコを被せ、子供等取巻て、蛙殿のおにしやった、オンバク殿の御弔い、と誦へると忽ち跳り出す」と出ているとあるが、 私どもも、地面にたたきつけてのびた蛙を、オバコの葉にのせ、オバコの花穂で腹をたたいて、いきかえしたものだ。 牧野先生によると、 「オバコに、カヘルハとか、ゲーロッパといふ名のあるのはこれからだ」そうだし、 「支那で蝦蟇花と称するが、これは、蛙が好んでこの葉の下に隠れ伏しているからの名だ」という。 なお南方全集には、 「ホール僧正のセレクト・ソーツ(1647年)に、動物が各々其病を自ら治す術を列べて、ヒキカヘル病めばオホバコの葉を憑む、と書いた」ともあるから、蛙とオバコとはよくよく縁がふかいとみえる。 また私どもは、オバコをスモトリグサ(相撲取り草)ともいって、悪童たち大勢で、花穂の強い軸をもちより、一本づつからませて、引きちぎり合う相撲取りあそびをやった。 庭の草取りで、いつも感心するのは、ほかの草はみな楽に抜けるのに、こいつばかりは仲々抜けず、スコップや鍬で掘りおこしたり、けずりとらねばならぬ、根の頑強さだ。 漢名で車前草というのは、好んで路傍に生え、車にしかれても栄えるからだそうだし、ドイツ名ウエゲワルツ(道番)というのは、 「女が情人を街道で待ち侘びて此草になり、土にひっつきをるのだ」(南方全集)という。そのいわれもうなづけるわけだ。 さて、この利用については、カゼや百日咳の咳によいというので、陰干して煎じ、茶代りにのむことくらいしか知らなかったが、青汁に興味をもち、古医方をしらべてみて、煎用、黒焼、食薬としてのほかに、青汁の応用の記載の多いのに、実は、少なからずおどろいた。 中でも目立って多いのは止血に関するもの。金瘡の血を止めるほか、衂血、下血、血淋(血尿の出しぶるもの)、月経過多、産後の出血、などに良効がいわれている。 また、 「よく五臓を補し、目を明にす」とか、子供の「疳」によい。あるいは、泄精に主效あり、遺精・夢精に甚だ効験がある」。さらに、烈公食薬には、 「ふい(車前草の別名)嫩葉をヒタシモノにし、その他にも煮などして食し、婦人産を軽くす。詩経に、婦人楽有子とふいの詩にいへるは此效ある故か」とあるなど、強壮・強精効果もあるようだ。なお、小便を利し、浮腫によく、「五淋を通ず」とあって、小便の出しぶるにもよい。 便秘にも、下痢(血痢にも)、咽頭痛やフグの中毒によいともある。材料はいくらでもあるし、味も悪くはない。 安全な場所に出来たものならば、青汁として大いに利用すべきだ。食用には、ふつう、嫩葉をゆがき、水にさらし、ヒタシモノにするとあるが、もちろん生で食べてよい。 わかいものや小型のものはサラダにも出来るが、たけたものや大型のものは、繊維が少々強すぎて、いささか食べつらい。あげものにすると食べよい。 | ||||||||||||||||||
6-7. 飲める葉が知りたい | ||||||||||||||||||
京都府 N.S.
ケールの種子ありがとうございました。芽が2センチほど出て、毎朝水をやり、大きくなるのを楽しみにしております。 | ||||||||||||||||||
6-8. サトイモの葉 | ||||||||||||||||||
夏から秋にかけてのサトイモの葉は、いかにも、青汁によさそうに見える。 | ||||||||||||||||||
6-9. 藍 | ||||||||||||||||||
藍染めのアイ。タデ科。いろいろの効能がいわれている。
「縊死に藍汁をそそぐ」といったぐあいであり、毒虫にさされたり、馬の咬傷、毒矢の負傷には藍染めの布や糸を浸けた汁をのんでもよい、とある。 忍者の衣類が藍染めになっているのは、闇にまぎれるカムフラージュの意味は勿論だが、手負いのときの血止めや、中毒や急病にたいする備えでもあったようだ。 タデ科だが、特別の味はない。生食も出来る。青汁党の菜園にあってもよいものの一つだが、藍染めのすたった今日では、本場の阿波でも、もう殆んど作っていないそうだ。 子供のころ、私の村には紺屋もあったし、藍畑もあった。写真は、徳島の木村氏が私のためにようやく見つけ出して下さったもの。 | ||||||||||||||||||
6-10. コンフリー | ||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
クコの次にブームになったコンフリー。 いろいろの効能がいわれ、奇蹟の草ともてはやされている。 たしかによいものらしい。それは、コンフリーの根が深くはいるので、ふつうの草では不可能な、深層の養分(ミネラル)の利用ができること、したがって、ふつうの草よりは成分にとんでいることが考えられるからだ。 また、栽培にあたって、多量の堆肥が必要であることもあずかっていよう。 コンフリーに限らず、どんな作物でも、堆肥が十分施されるほど質がよくなり、味もよくなる。 つぎに、コンフリーには虫がつかず、夏の材料として、まことに都合のよいことだ。青汁材料として、私どもはケールをとりあげているが、それは、質がよく、味のよいことのほかに、年中大量に供給できるからなのだ。しかし、困ったことに虫によわい。岡山大学農学部の研究所が倉敷にあるが、その昆虫科では、かねて、害虫飼育に必要な飼料に困っていられたそうだが、ケールが導入されてから、その悩みは簡単に解消したという。ことほど左様に、よく虫がつく。そして、うっかりしていると、忽ちのうちに網の目のように食い荒らされてしまう。 ところが、このコンフリーは虫がつきにくいので、夏場の材料の補いにと、私どももはやくから目をつけ、一時栽培を試みた。 けれども、惜しいことに夏場だけで、冬はすっかりダメになってしまう。 そのうえ、ねばりがあってしぼりにくいのは我慢するとしても、どうも味がも一つ感心できず、アクが強いというか、ドス黒い、いかにもいやな色あいになり、いささか飲みづらいので青汁の材料にすることは断念した。 勿論、効力が変るわけではなし、からだにさわるわけではないから、飲んで少しも差支はない。(もっとも、ねばりのため胃に石が出来るといわれているから、うすめて飲むか、ほかの材料に混ぜるのが無難だろう。) それに、青汁として飲まなくても、調理用とたとえば粉食料理の水代りにつかってもよいわけだ。そのまま食べてもよいが、十分のびた葉は舌ざわりがよろしくない。 ごく若い軟いところは食べよいが、大きくのびるものだけに、わかいうちに摘みとってしまうのは勿体ない。あげものにすれば食べよいし、おいしくもあるが、これとて、とても十分の分量は食べにくい。乾燥粉末にすれば利用しよいし、冬場にそなえることも出来るから、大根葉の乾燥法や製茶法に準じて精々貯蔵しておくべきだ。 ところで、コンフリーはもともと主に根が用いられ、しかも、外用が多かったようだ。根をすりつぶして布にのばし、巴布として貼りつけると、火傷や外傷、骨折あるいは化膿の炎症部、痛風やリウマチの関節、壊疽、脱疽、湿疹その他の皮膚病にもよい。 また、医者もサジをなげるほどの皮膚癌瘡に応用して著効をあげた、などのことから奇蹟の草といった名も出たらしい。 そして、根だけでなく、葉でもよいし、外用だけでなく、煎汁を飲んだり、根や生葉のしぼり汁や、乾燥葉の粉を飲んでも、胃潰瘍、喘息、心衰弱などによいといわれている。 その効はアラントインによるものだという。このアラントインというものは、傷の治りをよくする成分なので、外用の場合は、あるいは、それで説明されよう。しかし、青汁や粉末の効果は、やはり栄養の改善によるものに相違あるまい。 したがって、いかに成分がすぐれているとしても、栄養のバランスをとるに足るだけの十分な量が必要であることはいうまでもない。このことは、さきに流行し、はやくも忘れ去られたクコでも同様で、決して、あのちっぽけな葉を一日数枚食べるだけでとか、コンフリーの少々を食べるだけで、健康になり、不老長寿の効が得られるといったものではない。 なお、先年、ジキタリス(心臓薬にされる毒草)の葉をコンフリーとまちがえて、飲み、中毒した例があったことを、念のため付記しておく。 | ||||||||||||||||||
6-11. アケビ | ||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
山地に自生する蔓性の木本で、秋、長腎臓形の実が出来、たてに裂けて肉をあらわす。そこで開肉(あけび)。
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6-12. オナモミ | ||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
青汁の効能については、もう充分に理解されているので、ここでは「作り方」について2、3の体験を申上ましょう。 | ||||||||||||||||||
6-13. 質問箱 | ||||||||||||||||||
宮崎県 T.
問 | ||||||||||||||||||
6-14. 質問箱 | ||||||||||||||||||
愛媛県 匿名
問 | ||||||||||||||||||
6-15. 質問箱 | ||||||||||||||||||
奈良県 Y.
問 | ||||||||||||||||||
引き続き、材料の菜っ葉について(7)へ | ||||||||||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | ||||||||||||||||||
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