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4-1. 果物のペクチン

     医学博士 遠藤 仁郎 

     ペクチンは、血液のコレステロールを下げる。したがって、動脈硬化を防ぐ作用があるわけだ。
     ここには、栄養学雑誌、49・1月号の川端晶子氏らの報告から、ふつうよく見られる果物のペクチン量を抜き出してみた。

      イ   チ   ゴ   0.748 %
      サ ク ラ ン ボ   0.472 〃
      ビ       ワ   1.250 〃
      モ       モ   0.393 〃
      イ  チ  ジ ク   1.110 〃
      ブドウ{キャンベラ   0.170 〃
         {デ   ラ   0.147 〃
      ス   イ   カ   0.178 〃
      ナ シ{廿 世 紀   0.441 〃
         {洋 ナ シ   0.487 〃
      カ       キ   0.678 〃
      リンゴ{国   光   0.719 〃
         {イ ン ド   0.642 〃
         {紅   玉   0.506 〃
      ミカン{果   皮   4.550 〃
         {パ ル プ   1.881 〃
         {  汁     0.045 〃
      バナナ{台   湾   0.678 〃
         {フィリピン   0.657 〃
         {エクアドル   0.551 〃
      ト   マ   ト   0.199 〃
      レ   イ   シ   0.810 〃


4-2. もっとビタミンCを

     平和運動でも有名なノーベル賞受賞者の化学者Linus Paulingは、昨年風邪はビタミンCの大量摂取で妨げることを一般雑誌に投稿してセンセーションをまきおこした。
     ところが今度は、ビタミンCの1日摂取量はもっと多くしなければいけないと警告をはじめた。(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.,67,1643,1970)
     ビタミンCの一日摂取量は国によっても異なるが、1日20〜75mgが勧告されている量である。
     これに対してPaulingは1日2500カロリーを摂取する成人は、ビタミンCを2.3g以上摂取しないと健康はたもてないはずであるといっている。
     彼の説のもとは、現今の勧告量は壊血病を予防する量であって、健康をたもつのによい量ではなく、ヒトはもっと生野菜などビタミンCに富む食物をとるべきだというところにあるらしい。

    (News Spots新薬と治療No.152.1971.6月)


4-3. 食塩とカリウム

     医学博士 遠藤 仁郎 

     食塩の摂取量は、ふつう1日15グラムが標準になっている。
     けれども、これは、それだけの食塩が必要ということではなく、ふつう、それくらい食べている、というだけのこと。
     栄養学の教えるところでは、実際に必要な食塩量は僅かに2〜3グラムにすぎず、これくらいは、ふつうの食事には十分含まれている。
     だから、理窟からいえば無塩食でも少しも差支えないわけだ。

    カリウム
     カリウムの必要量も、大体その程度(2〜4グラム)だが、これは、とかく不足がちで、日本人では一日1.5〜6グラム(欧米人は3.3グラム)にすぎず、これがわが国に脳卒中の多い原因の一つだ、ともされている。
     これは、主食に、比較的カリウムの少ない白米が多く、副食に、カリウムの多い野菜ことに緑葉菜が少ないこと。および、食塩のとりすぎ(すぎるとカリウムの排出がふえる)にあるようだ。
     そこで、食塩のとり方をへらすとともに、なるべくカリウムの多いものを食べるよう心がくべきだ。なお、さいきんの新薬の中には、カリウムの排出を増したり、まだ十分あきらかでない原因でカリウム不足をおこすものがあるので、注意が肝要だ。

    カリウムにとんでいるもの
     主食品では米・麦には少ないが、雑穀・ゴマ・イモ類には多く、豆類はとくに多い。蛋白食では、肉類よりは魚の方が多いし、大豆はズバぬけてカリウムにとんでいる。
     野菜・果物類では、緑葉菜・海藻類にめだって多い。したがって、緑葉食青汁、ことにイモ・マメ・ナッパ・青汁食は、カリウムの補給食としてもすぐれているわけだ。

    食塩を少なくするには

      なるべく生食すること
       煮物は、無塩で料理し、それに、食塩、味噌、漬物、佃煮などを適宜そえて食べること。すりゴマ、キナコ、酢などを加えると、いっそう食べよくなる。
      汁物はなるべくさける
       味がうすくなり、つい、食塩のとりすぎになる。たとえば、味噌汁を2倍にうすめると、塩味は1/10にへる、という。

    腎炎とカリウム
     腎臓の機能がおとろえてカリウムの排泄が悪くなると、血液中のカリウム量がふえる(高カリウム血症)。そして、心臓がよわり、全身の衰弱、意識がこん濁するなど、重篤な症状をおこす。
     そこで、腎炎の経過中に血中カリウム値が上ってくると、カリウムの多い野菜を食べたり、青汁をのむことがひどく恐れられ、折角、緑葉食・青汁やイモ・マメ・ナッパ・青汁食でよくなりかけているのに、厳重に禁止されてしまう、ということがままある。
     なるほど、緑のナッパ、したがって青汁には、たしかにカリウムは多い。
     しかし、この表でもわかるように、カリウムの多いものは、決して野菜に限られているわけではなく、肉類、穀その他の種実、豆、芋などにも、かなり多いものがある。
     それはともあれ、血中カリウム量が非常に高く、それ以外にも、真に腎臓の機能が悪化して、はっきりした尿毒症の兆候があればともかく、ただ、カリウム値がいくらか高目だというだけの理由で、いきなり、ナッパ・青汁を禁じ、栄養のバランスをくずしてしまうことが、はたして当を得ているかどうか、私は、うたがわずにはいられない。

    カリウム量(ミリグラム)
         ソバ粉 336
         小麦粉 130
          白米 115
          大豆 1360
         アズキ 1080
          ゴマ 480〜490
         落花生 440
      サヤエンドウ 250
       ヤツガシラ 492
       サツマイモ 455
       ジャガイモ 360
         パセリ 1000
      ホウレンソウ 416
         ケール 410
        コマツナ 252
        キャベツ 235
       タマチシャ 220
         大根葉 152
        タマネギ 120
        ニンジン 47
        ダイコン 43
         トマト 37
         キウリ 16
         ブタ肉 250
          鶏肉 250
          牛肉 245
          タイ 422.3
         カツオ 312.8
         サンマ 280
          イカ 280
          カキ 260
        ハマグリ 221
          牛乳 160
          鶏卵 98
        タケノコ 468
     シイタケ(生) 160
         バナナ 320
         ミカン 156
       ナツミカン 140
         リンゴ 115
         乾ノリ 3800
    コンブ(トロロ) 3500
         ワカメ 2700

    (日本食品標準成分表昭39版、
    ケールはシャーマン氏による)


4-4. 体内総カリウム

     医学博士 遠藤 仁郎 

     体の総カリウム量は、体内の代謝組織の量をよく反映しているので、体内総カリウム量で、代謝の状態がわかる。
     日大老人病研究所臨牀部の村地悌二博士によると、総カリウム量は、40才以後、年とともにへり、60才の健康者で、すでに成人平均の80%になっている。
     それ以後、1年ごとに1%内外へり、75才以後は一年に約3%と急激にへってくる、という。
     それだけ代謝能力は衰えて来るわけだ。とすると、おそくとも40才台からは、なるべくカリウムの多くて塩分の少ない(食塩が多いとカリウムが失われる)食をとるべきであり、カリウムにとんでいる緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食の若返り効果の一つは、おそらくここにもあるのだろう。

    (50・6)


4-5. 蔬菜類のペクチン量

    莢インゲン0.505
    サトイモ0.478
    ナス0.470
    ルバーク0.436
    ウド0.401
    タマネギ0.354
    ダイコン 中央0.333
         根元0.319
         先端0.303
    カブ0.294
    キウリ0.162
    レンコン0.122
    青トウガラシ0.086
    エダマメ3.451%
    オクラ1.526
    カボチャ1.240
    ニンニク1.113
    ゴボウ1.096
    エシャロット0.976
    ビート0.919
    クワイ0.853
    ジャガイモ0.831
    ニンジン0.628
    ヤマノイモ0.622
    莢エンドウ0.567
    ピーマン0.508
     ペクチンには、血液コレステロールを下げる作用があるといわれているが、川端・沢山氏ら(栄養学雑誌昭48・1月号)によると表のようだ(多い順にならべた)。


4-6. ピロサンのアミノ酸

     蛋白質のよしあしは、それを構成しているアミノ酸のあり方でわかる。
     この図は、田辺食品研究所製造のピロサン(乾燥青汁)のアミノ酸と、牛肉のそれとをくらべたもの。
     そして、そのあり方が殆んど同じであることは、ナッパの蛋白質が、動物蛋白にまさるとも劣らぬ優秀なものであることを、はっきりしめしている。
    ピロサンと牛肉のアミノ酸組成比較


4-7. フキノトウ

     野生のフキノトウの乾燥粉末を、ラット(白ネズミ)の飼料に8〜13%の割合にまぜてあたえると、肝細胞が変化し、やがて、肝硬変をおこす。
     また、4%に下げて、ながくあたえると、肝臓にいろいろの腫瘍(わずかには癌腫も)が発生する。
     但し、その物質の本体はまだ正確にはわかっていない。

    (岐大広野巌 癌の臨床 61集、昭51・1)


4-8. 糖害

     医学博士 遠藤 仁郎 

     ふつう食べている砂糖の栄養価は、表のように、殆んど純粋の熱量原。
     熱量蛋白質脂肪糖質カルシ
    ウム
    ビタミン
    B1B2 
    白双3871000.1 
    三温3770.996.8×401.8×蔗糖95%
    黒砂糖3531.589.9×293399.00.020.04×蔗糖80%
    糖蜜2772.569.6×2507010.00.120.18×蔗糖29%
    蜂蜜3070.279.235140.80.010.01 
    ビール酵母28846.02.835.450100080.015.63.7 
     カロ
    リー
    グラムグラムグラムミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    国際
    単位
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
     
     精製糖(白双)では100%糖質。
     粗製糖(三温)でも95%が糖分。
     ミネラルはごく微量しかなく、ビタミンは皆無、という不完全食品。
     そこで、砂糖がすぎると熱量過剰となるうえ、食全体としてのバランスがみだれやすい。

      ビタミンB1不足
       そのだいいちはビタミンB1の不足。
       糖分の代謝にはビタミンB、ことにB1が必要(糖質の1カロリーにたいしB11ガンマ=千分の1ミリグラム)。B1が十分あれば、糖分の代謝は完全におこなわれ、炭酸ガスと水まで分解される。が、不足すると、分解はピルビン酸どまりとなり、これがたまると脚気になることはよく知られているとおり。
       もっとも、この糖害はビタミンB1と、できる酸を中和するアルカリ、ことにカルシウムを十分補給すれば、防ぐことができる。

     しかし、糖害はそれだけではない。

      美贅食の害
       それは、砂糖になれた舌が、しだいに美味をもとめ、精白米飯(白パン)、肉魚卵の濃厚味にかたむき、野菜類をほしがらなくなる。ために、熱量・蛋白質は十分〜十二分でも、それらの代謝に不可欠のミネラルやビタミンが甚しく不足する、という不完全食(欠陥栄養)となり、代謝の不完全、血のにごりをまねき、体調を悪化。いよいよ美味をもとめるという悪循環に陥り、不健康をつのらせるもととなるからだ。
       この美贅食は、現在の文明社会に共通の食型式であり、その弊害とともに、まさに砂糖によってもたらされたもの、といっても少しもいいすぎではあるまい。

      肥満
       砂糖は377〜387もの高カロリー食品だから、すぎれば、当然ふとってくる。そして、血のにごりとともに、高血圧、動脉硬化、糖尿病をはじめ、多くの文明病の原因になる。
       しかも、その傾向は、すでに生後間もないころからはじまっている(人工栄養や離乳食に多量の砂糖が加えられ、また間食は甘味のつよい菓子や飲物になってしまっているなど)。

      動脉硬化
       砂糖は血液の脂肪やコレステロールを増し、動脉硬化ことに冠状動脉(心臓を養っている動脉)の硬化(心筋梗塞や狭心症をおこす)との関係がいわれており、砂糖消費の甚しい欧米では、その下地は、すでに幼児期にきざしているという。わが国でも、このままでは、やがて、その轍をふむことになろう。

      高血圧
       高血圧は食べすぎ、ことに濃厚味食の食べすぎから。食塩をへらすとともに、熱量をへらすこと(減食)。それも、主食だけでなく、間食の菓子、味つけの砂糖(目に見えない飯のようなもの)にも注意が肝要。

      糖尿病
       砂糖好きに多い病気。素質(遺伝関係)のあるものはもとより、食べすぎ(ことに美贅食の)だけでも、ついには発病するようになる。糖の負担過重および血のにごりによるのだろう。

      痛風
       痛風も、同様。砂糖好きに多い。

      栄養失調
       動物実験で、限界量の蛋白しかない飼料の、澱粉を砂糖にかえると、発育が悪くなる。
       すなわち、蛋白質が不足しているとき、砂糖を多くとると、蛋白質不足の影響がいっそう甚しくなる。つまり、砂糖は蛋白質の利用を妨げるわけ。アフリカのこどもに多いカシオルコルという栄養障害は、そのため(蛋白が乏しくて砂糖の多い食をとっている)らしい(Yudkin)。

      骨が軟らかくなる
       砂糖がすぎるだけでも血が酸性になる(酸血症)。肉・卵・穀食などの酸性食品が多ければなおさらだ。その酸を中和するためにカルシウムが奪われるが、食べものからの供給が十分でなければ、骨のカルシウムで補充されるので、骨は軟らかくもろくなる。なお、肉食では成長ホルモンの分泌がさかんで、からだは大きくなろうとする。
       そこで、カルシウムが不足すれば、骨は細長くなることを余義なくされる。さいきんのこどもに、骨折が多い(ボールをなげただけでも折れるのがある)ことや、細長型の体格が多いのは、糖分のとりすぎと、カルシウムの少ない穀肉食に傾いている結果と思われる。

      歯が悪くなる
       砂糖がすぎるとウ歯や歯槽膿漏ができ、歯がぬけやすい。

        ウ歯
         砂糖好きの不完全食では、歯質がよくないうえに、粘着性のプラクが出来やすく、そこに繁殖するバイ菌(ウ蝕菌)のつくる酸のために琺瑯質がとかされ、ウ歯になる。

        歯槽膿漏
         歯と歯肉との間に化膿菌が繁殖するもので、不完全食や砂糖の食べすぎによる血のにごりで、バイ菌にたいする抵抗力がよわるため。

        歯ぬけ
         歯のぬけやすいのは、不完全食によるカルシウム不足や血のにごり、および、ウ歯や歯槽膿漏での咀嚼不足により、歯槽骨(歯を支えている骨)がおかされるため。

      近視になる
       発育中のネズミに、蛋白質の乏しい砂糖食をあたえると、回復不能の近視になるという(Yudkin)。欠陥栄養のために、鞏膜(眼球のかたい膜)がよわくなり、眼軸がのびるためであろう。わが国に近視の多いのも、おそらく、欠陥栄養と砂糖のとりすぎの結果であろう。

      食欲がおちる
       菓子がすぎると食欲がなくなる。それは、菓子のために、いつも満腹しているからでもあろうが、ビタミンBの不足や、血のにごりのため、胃のはたらき(分泌や運動)がわるくなるからでもあろう。

      胃アトニー、胃下垂
       ビタミンBの不足だけでも、胃の筋肉の緊張がよわり、活動がにぶり、胃アトニーや胃下垂を原因する。

      便秘する
       大腸また同様。腸管筋の運動がおとろえ、便秘しやすくなる。常習便秘のばあい、少々食事をかえても、糖分(菓子や味つけの砂糖)がすぎていると、どうも、うまく通じない。

      胃・十二指腸潰瘍
       砂糖好きには胃・十二指腸潰瘍が多い。糖分がすぎるとカルシウムが欠乏し、神経が不安定で、感じやすくなるため、胃液の分泌がさかんになったり、血管が痙攣して粘膜の抵抗力がよわり、強力な消化力に抵抗できなくなるためであろう。

      胃癌も多い
       砂糖好きには胃癌も多いようだ。血管栄養のため抵抗力がおとろえているところへ、贅美食に多い発癌物質(有害有毒食品、添加物、喫煙など)の影響が加わるからであろう。

      肝臓
       菓子や濃厚味にかたむいた欠陥栄養のばあい、不完全な代謝による血のにごりや、有害有毒食品の処理、また、便秘による腸内有害有毒産物の処理のため、負担が過重され、肝臓はつねに過労状態にあり、抵抗力がよわめられている。

      胆のう
       砂糖好きには胆のう炎や胆石が多い。ビタミンB不足で、胆のうの緊張がよわり、運動がにぶり、胆汁が停滞しがちなこと。血のにごりのため抵抗力がおとろえ、バイ菌の感染をうけやすいこと。糖分過剰で血液コレステロールがふえ、胆汁にもふえていること、などによるのであろう。

      腎石
       腎石も愛糖家に多いようだ。

      腎炎
       腎臓はビタミンB不足に敏感。それだけでも腎炎がおきるらしい。三代にわたって腎炎の多発した砂糖問屋があった。

      喘息
       砂糖好きに多い。気管支の神経が不安定となり感じやすく、アレルゲンにたいして強く反応するためであろう。その他のアレルギー症また同様。また、冷え性、しもやけ、イライラ、自律神経失調(不安定で感じやすい)なども、糖愛好家に多いようだ。

      痛み
       リウマチ、神経痛、炎症痛その他のコリや痛み、すべて、砂糖であらわれたり、強くなる。

      感染
       菓子好きのこどもはカゼをよくひき、扁桃腺もよくいためる。血管栄養の血のにごりのため、体調不良となり、バイ菌にたいする抵抗力がよわる結果であろう。
       また、砂糖好きは膿みやすく、慢性になった蓄膿、中耳炎、歯槽膿漏なども少なくない。ニキビまた同様。砂糖がすぎると皮脂の分泌がますことと、バイ菌の感染によわいためであろう。

    糖害を防ぐには
     ともかく砂糖(菓子、味つけの砂糖)をへらすこと。それには、
    1. )まず、砂糖はただの魅惑食品であり、食べなければならないものではないことを、よく承知しておくこと。(糖質はもちろん大切な栄養素ではあるが、澱粉〔穀・芋など〕として十分とっているし、蛋白質〔肉類〕からもできる。)
    2. )どうしても欲しければ、なるべく粗製糖にすること。白双を黄双にしたくらいでは、大して変りはないが、黒砂糖にし、さらに糖蜜・蜂蜜にすれば、栄養的にずっとよくなる。しかし、それとて、いくら食ってもよいというものではない。
    3. )糖分の直接の害を防ぐには、ビタミンBの不足を除くことで、そのもっとも有力な給源はビール酵母。白双100グラムの熱量は387カロリーだから、ビール酵素2.5グラム(B1 390ガンマ)で釣り合う。しかし、食全体としても、Bは一般に不足がちだから、もっと多い方がよい。
    4. )なお、栄養が完全になると、代謝は完全、血はきれいになり、体調が整って来、それにつれて、糖分にたいする欲求もへってくるものだ。そこで、糖害を防ぐには、糖分のとり方を少なくし、粗製糖にかえ、ビール酵母をとるほかに、良質(ビタミンにとみ吸収しやすいカルシウムにもとむ)ナッパを十分にそえ(白双100グラム(387カロリー)に相当するB1を大根葉で供給するには約400グラムが必要)、食全体としてのバランスをよくすること。すなわち、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食にするか、せめて青汁だけでも十分(1日少なくとも3合、もとのナッパ750グラム以上)のむことが大切だ。

    (51・9)




4-9. もっと実際的に

     医学博士 遠藤 仁郎 

     栄養のことをかじってみて痛感するのは、その指導は、もっと実際的でなければならぬということ。講義をきいても、本を読んでみても、熱量は、蛋白質は、ミネラルは、ビタミンはと、それぞれについてはまことに詳細をきわめている。
     しかし、それら相互の関係とか、食品個々の性質については、あまり語られない。現に、蛋白質60グラムを肉60グラムとまちがえている若いドクターに出会ったことがある。学校出たてではあったが、指導的立場にある医者さえもがこれでは、ズブの素人にわからせようなど、ドダイ無理というものだ、とあきれかえったことだった。

    理論的すぎる
     これは、これまでの栄養学が(ほかの学も同じだが)、あまりに理論的にすぎ、実際からかけはなれ、地に足のついてないものになってしまっているためであろう。少なくとも栄養などといった、すべての人が心得てしかるべきことがらは、もっと実際的、具体的でなければならない。
     たとえば、食品は栄養素の複雑に組合されたものだから、熱量がどうの、蛋白質がどうのというよりは、どういう食品を、どういう風にとりあわせれば、栄養素のそろった完全食になるかさえのみこめば、それでよいし、そうするのでなければ、とても理解はされまい。
     また、個々の食品について、栄養素のあり方を一々知りつくすことなど、とてもできることではないし、産地や生産方法、その他の条件によってもちがってくるのだから、こまかいことにはこだわらず、大雑把に、

      (1)米・麦・雑穀・雑豆・芋類は熱量源。
      (2)肉類・卵・大豆は蛋白源。
      (3)野菜・山菜・海藻類はミネラル・ビタミン源。

     そして、(1)(2)にたいし、大体2〜3倍の、緑葉菜を主とする(3)をそえねばならないこと。(もっとも、芋・大豆では、比較的少なくてすむ)。
     これだけを承知していれば、それでよい。なお、有害・有毒食品の氾濫している現在では、同時に、安全性についても、十分配慮しなければならないことは、いうまでもない。
     また、食品の分量についても、おおまかに、米1合150グラム、卵1ヶ50グラム、砂糖茶サジ1杯5、大サジ1杯15グラム、といったぐあいに、実物の目分量で覚えておくことだ。でなければ、いくら数字をならべあげてみても、まるで宙に浮いた話になってしまう。
    (52・4)


4-10. 大衆魚

     医学博士 遠藤 仁郎 

    高級魚
     熱量蛋白質脂肪糖質カルシ
    ウム
    ビタミン
    B1B2
    カツオ13725.43.00.3220400.030.15
    サバ11418.04.00.31901.5500.150.20
    タイ10118.02.50.3151500.41000.200.28
    ブリ16922.58.00.32200.71000.140.10
    マス14322.05.30.3132301.11000.220.07
     カロ
    リー
    グラムグラムグラムミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    国際
    単位
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム

    大衆魚
     熱量蛋白質脂肪糖質カルシ
    ウム
    ビタミン
    B1B2
    イワシ13017.56.00.380240600.020.15
    トビウオ9521.00.40.4432001.4100.010.09
    フナ10317.03.00.7150150500.380.10
    ドジョウ10119.31.90.36408901000.030.44
    ワカサギ10017.12.90.27506801000.130.36
     カロ
    リー
    グラムグラムグラムミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    国際
    単位
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
     高級魚と大衆魚の5種類づつの栄養価をくらべてみた。
    蛋白質・脂肪・ビタミンなど、いずれも大同小異だから、どれを食べてもよいわけだ。しかし、カルシウムにははっきりちがいがあり、高級魚のカルシウムは6〜15mgにすぎないのに、大衆魚には43〜150もあり、骨ごと食べられるものでは640〜750と、断然多い。

    主食品と牛肉
     熱量蛋白質脂肪糖質カルシ
    ウム
    ビタミン
    B1B2
    白米飯1452.10.232.5350.20.020.01
    食パン2708.01.554.311681.00.100.03
    ウドン1162.60.324.8250.30.040.01
    ユデソバ1173.30.723.510801.00.060.02
    ユデソバ14621.06.10.31903.6400.060.13
     カロ
    リー
    グラムグラムグラムミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    国際
    単位
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
     ついでに、主食品と肉(牛)についてみてみると、主食品に糖質が多く、肉に蛋白質・脂肪の多いことはいうまでもないが、共通していることは、いずれもカルシウムやビタミンの少ないことだ。そこで、魚をそえて食べるばあい、高級魚では、肉のばあいと殆んどちがわないが、大衆魚だと、カルシウムだけは、ずっと条件が有利になる。したがって、主食や肉類に不足するカルシウムやビタミンを補うために必要な良質ナッパの量は、大衆魚だとよほど少なくてすむわけだ。


4-11. イモナ汁バラエテ

     医学博士 遠藤 仁郎 

    イモナ汁
     わが家の朝食、イモ・ナッパ汁は、イモ(ふつうサツマイモかジャガイモだが、サトイモ、キョウイモのこともある)とナッパ、ほぼ同量(150グラムくらい)。
     適当の大きさに切ったイモを、出しジャコを入れて炊き、大体煮えたところに、細かくきざんだナッパを入れて2〜3分炊き、卵1ヶおとす、という簡単なもの。

    そのバラエテ

      イマナ汁
       卵の代りに煮豆(大豆)50グラムくらい入れたもの。
      イナナ汁
       納豆50グラムくらい入れたもの。
      イキナ汁
       黄粉20〜30グラム。

     いずれも、そのままでも結構うまい。
     味噌、梅干、塩昆布、色々な漬物などそろえればいっそうおいしくたべられる。
     その栄養価は表のように大体同じで、すべての栄養素がそろい、ミネラル・ビタミンにも十分余裕のある完全食になっており、イナナ汁では、とくにB2の多いことがめだっている。
    (55・12)

     熱量蛋白質脂肪糖質カルシ
    ウム
    ビタミン
    B1B2
    イモナ汁331.516.16.9552.3323.54.4549050.4250.66180
    イマナ汁394.517.956.2569.1324.54.5545050.400.525180
    イナナ汁349.018.06.3557.3337.04.8045050.410.79180
    イキナ汁360.019.356.1559.7338.55.4045060.4750.55180
     カロ
    リー
    グラムグラムグラムミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    国際
    単位
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
      イモ サツマイモ 150 煮豆 納豆 50 キナコ 25 大根葉 150




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