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1. 青汁は完全食のために

    神戸市山手学園 M.W. 

     私が青汁を飲みだしたのは、退院後の29年11月からでした。腎臓炎で入院中、先生の“緑葉食青汁の話”を初めて拝見し、二度と病気になりたくない、青汁はきっといいと思ってからでした。
     その後満2年続け、だんだん其効果は日を重ねるにつれて明らかで、信ずることも一層加わり、今では全く青汁信者で、どんなに多忙でも万障繰合せ、毎朝作り飲みます。同時に、三度の食事にも“完全食を。主食よりお菜を多く。その内野菜を多くことに青(有色)野菜を多く、そして出来るだけ生食を”と先生の御主旨にしたがって致して居りますが、30人近くの若い人達を預って居りますと、其の健康は一番気懸りなことでございますが、その様に心がけて1年、健康状態が大変よくなったように思われました。

     寝つく程の風邪ひきや、疲れて床につくものがなくなり、その為医師を迎えることが全くなくなりました。そして満2年を迎えました此頃では、皆の理解も進み、一層強化して居りますが、皆が集った感じは、生々している様に思います。そして調子が悪いと私共の青汁の相伴をして貰います。青汁は特効薬ではないから、数日ではと思いますが、その間の栄養補給に、と思って居ります。
     青汁を奨めましても、なかなか党になるものがございませんが、休暇に帰省し、家中風邪をひいて居たり、夏痩される家人の為に、早速青汁を作った、とは微笑ましいと思いました。私も以前は、一冬2,3回必ず風邪をひいて居りましたが、青汁を飲みだしましてから、全く風邪とは縁切れになり、歯槽膿漏も余程よくなりました。髪も又毛がすっかりなくなり、色もいくらか黒くなった様に思います。そして皮膚の艶が特別だ、と申して下さいます。

     私の青汁作りは、約2坪の畠から自家製の清浄野菜(青作りのキャベツ、ケール、春菊、小松菜、パセリ)4百−6百瓦のとりたてを、ミキサーで長くかけない様に心懸て作り、粉ミルクを入れていたゞきます。2合から3合あります。新しい食生活によって、みんながもっともっと体力を、そして健康をと思い、いろいろな方にお奨めして居ります。先生のおっしゃる食生活が、もっともっと広く行われ、青汁が普及されます様に。そして其時皆の体力が、健康が、今よりずっとレベルの高いものになることを確信致して居ります。


2. 完全食の少食で寮生の健康増進

    神戸市山手学園寮 M.W. 

     昭和三十一年十二月九日現在一番進んだ食生活に関する権威者と確信して居ります遠藤先生の御来舎を頂き、お話を伺う機会を得まして、一同食生活に対する考えは一大革新致しました。
     そして私共が過去二年余り様々の困難に遭い乍ら、たゆまぬ努力を続けた小さな足跡をも見て頂きました。
     常々先生の御主旨、「お菜を多く。野菜を、ことに緑葉を。出来るだけ生食する」の完全食を心掛けて居りましたら、さして蛋白が何瓦、カロリーどれだけ等と気にしなくてもよいように考えておりましたが、三十一年六月中旬の一週間の栄養価の計算を致しましたところ、平均一日一六九六カロリーで、標準私共の必要とされて居ります二〇〇〇〜二四〇〇カロリーよりはるかに少く、カロリーの少い原因が主食と砂糖の少いためかと考えましたがこのような食事を腹一杯いただき、また糖分も少く少くと申しながら、まだ相当量使っている様にさえ思って居りました。(一ヶ月平均砂糖消費量二五二匁〜一・六斤弱)
     一方寮生の健康状態は大変よく、だんだんよくなる様に見られるものですから計算間違いか等考えて居りました。十月下旬上京。母校自由学園に参りまして、先生の御主旨による食生活を始めましてから、寮生の健康が大変よくなったことを話しましたら、その資料を送って欲しいとのこと。十一月上旬一週間の献立、材料、分量及びそ経費を書き送りました。
     生活学校の食の勉強に、いろいろ検討して下さり、カロリーが一四五六で大変不足している。それがやはり主食、砂糖、油が少いところからカロリーが上がらないことを指摘されました。生活学校ては二四〇〇カロリー摂ることに大変心して居られ、参考にと献立表を送って頂きましたが、主食が多く、砂糖を使ったものも食事及びデザート共大変多いこと。油脂も多く、調理が手がこんでいるように思いました。
     いいと思ってやっていたことに不安を感じましたので、先生におたずね致しましたところ、早速にお返事下さり、完全食だとカロリーは大変少くてよいこと、従来必要と考えられている約半量でよい。一〇〇〇カロリーでも故障を起こさないことを御教示いただき、(青汁読本、緑葉食青汁の話に方々載っている所を読みなおしました) 意を強くすることが出来、ますます先生の御提案に従ってゆきたいと思っております。
     今までの食事に対する考えをかえなければいけない。
     蛋白質やカロリーに意を用いるより、ビタミンやことにミネラルに力を入れる。そして未知のもののある緑葉を充分にとるよう心がけたいと一層思いました。調理にも、もっともっと心を用い、出来るだけ生食する。そして無闇に手を加えないこと。揚げたものを煮込むとか茹いたものに更に手を加える等のことをさけ、調理によるロスを出来るだけ減じたいと思います。
     私どもでは、十二月九日以来、毎食生食できる野菜大根、人参など材料をひき出し生食します。千切りにしサラダオイル、醤油か白す干で極く淡味に致します。みかんの皮も、外皮までいただくように努めて今では全員頂けるようになりました。
     次に咀嚼によるロスも出来るだけ少なくしたいと、ゆっくりよくかみ、いただくように心がけて居ります。  先生のお話を伺いまして以来、いいことを知ったら直に実行する熱意を、食生活にももっと積極的に現したいと思っております。大切な食生活をあずかる人達に、自分の家庭から、周囲から、次代へとはたらき出したい意気に燃えて致して居ります。
     二月末に健康状態を調べましたところ、寮生活を始めてから一年、また二年で健康状態がよくなったと自覚するもの七〇%。以前と変わりないもの二三%悪くなったのは七%(これは高校の終りに盲腸を手術してから健康が思わしくないものと、現在不眠症の二人)だけでした。


3. 和仁女史のお話によせて

     一面所載の和仁女史のお報らせは大変面白いと思います。
     女史は腎臓炎の療養中(昭和ニ九年)からこの食養法は興味をもち、以来ずっと実行され、あずかっている寮生にも熱心にすすめられている方です(本紙十一号参照)。寮生の健康状態はよくなり、体重も増した(中には八〜一〇キロも肥ったものがある)。ところが意外にも、食餌の栄養価値を調べてみると、ひどく熱量が少い。
     たとえば普通二四〇〇といわれているのが、僅か一三〇〇〜一七〇〇、平均して一五〇〇たらず、主食を比べてみても、朝食のパンは自由学園(東京、和仁女史の母校)では一一二瓦の所が僅か五五瓦。昼夕食の米飯は、東京では米二六〇瓦平均というのに、神戸では二〇五瓦といった塩梅で母校の方から、主食や糖分や脂肪が足らぬ、と注意された、という次第です。
     しかし寮生の健康状態がよくなったことは事実ですから、熱量の少いことは少しも問題ではない筈です。
     また完全食であれば、栄養分の体内での利用が無駄なく行われるのですから、不完全食の場合よりは、少くてすむことは理論的にもわかることです。昔から「粗食少食健康長寿のもと」といいますが、この山手学園寮の成果は、まさにそれを、即ち完全食は少食で足ることを、実証した貴い記録といえます。
     私はあの日、寮の夕食に招かれて、このお嬢さん方お手並の緑葉食料理をいただいたのですが、それはほんとうに明るい、希望の未来を予見させるかに感じられた、たのしい一時でした。(遠藤記)


4. 若く見え病を癒し長生きする青汁の成分

     貝原 邦夫 

     年と共に増加して行く青汁の愛飲者。本会の機関紙「健康と青汁」も回を重ねること十五回。この間に寄せられた数々の貴重な体験記。学校、事業場等集団飲用の驚異的な効果をはじめ皆様の御自覚になる青汁の効き目の絶対的であることについては、すでに、度々遠藤先生の著書に講演にとその理由を説明せられているところではあるが。
     尚広く世の識者の納得を得るために、現在製造されている「遠藤青汁」の成分分析を大阪府立衛生研究所に依頼してあった。その結果を現在最も必要とされているミネラル、ビタミンについて、それぞれ一合宛の青汁と牛乳を比較考察して見ると、

     青汁中のカルシウムは牛乳の約三倍、ビタミンAは牛乳の四、五升分、B1B2は二倍強、Cにいたっては実に二斗一升の牛乳に匹敵することが解った。この事実のみをもってしても、他の栄養品に比較して圧倒的な効果のあることが、御納得頂けると思います。
     尚「遠藤青汁」の生命とする所は、決して分析表にある成分にとどまるものではなくして、未だに現代科学の発見し得ない未知の因子(ビタミンB12葉酸等は終戦後に解ったもの)魔の驚異といわれる葉緑素(クロロフィル)等々。
     それは太陽のエネルギーと大地の力によって合成せられた、真の生きた生命力をそのまま我々の体内にとり入れようとする所にある。これらの貴重な既知、未知の成分も味つけ、加工、時間的経過によって刻々に変質し、純度の低下することはさけられない。このために本会では、つとに加工しない、生地のままの青汁を出来るだけ早く御飲み頂くよ提唱している所であります。


5. ビタミンのとり過ぎ

     大阪市 山田守之亮


     大阪毎日2月4日の記事(ホームドクター欄)にビタミンA・Dの過剰症のことが出ています。私は、青汁によるビタミン類はいくら取っても、不必要な分はすべて排出され蓄積されることはないから、多くとればとる程よい。即ち量の多い事を心配することはない、と同時に、また反面毎日とらねばならん、と理解し説明も致しています。私の体験でも異常を感じたことは3ヶ年間かってありません。如何なものでしょうかおたずね申上ます。


     ご説の通り少しも心配はありません。なるほどAやDは、余りに大量をとれば過剰症がおこります。しかし、それは、普通の食物からはあり得ぬことで、大概高単位の薬剤の場合です。大量のAやDのはいった糖衣錠などを子供がお菓子と間ちがえて食べたとか、神経質な母親が無暗にビタミン剤を与えた、とかいうような時に限られています。
     またAでは、それは純粋のビタミンAの場合だけで、カロチン(プロビタミンこれはビタミンAの前階段のもので体内でビタミンAになる)ではいかに大量を与えても過剰症はおこりません。青汁の中のビタミンAはこのカロチンですから断じてその心配はありません。なお青葉の中にはDはありませんからこれまた問題になりません。B群やCなどは余分に貯蔵されることはなく、不要分はどんどん出てしまいますから、もとより過剰症をおこす懸念は全然ありません。少しもご心配なくどしどし飲んで下さい。


6. 脂肪とくにバタのこと

     医学博士 遠藤 仁郎 

     このごろ、しきりと「もっと脂肪をとれ、脂肪をふやせ」といわれます。
     従来の邦食には確かに脂肪が乏しい。脂肪の少い穀物が主食になっており、副食物もとかく「あっさりしたもの」が好まれる結果です。そのため、いきおい食餌の「かさ」が大きくなり、胃腸に負担をかけます。
     そこで日本人が怠惰で無気力なのも、結核の多いのも、そのためだといわれていました。

     脂肪は濃縮された熱量源で、出るカロリーが大きいから、食餌の「かさ」を減らすによいし、体の抵抗力を増すにもよい、といわれます。だから脂肪をふやすのは悪いことではないにちがいありません。
     しかし、そうかといって、むやみに脂肪を食いさえすればよいのではありません。
     勿論他の栄養素、ことに脂肪の代謝に大切なビタミンやミネラルとのバランスがとれていなければなりませんが、それは暫くおいて、まず一番よい脂肪とされているバタについて、少し考えてみましょう。

     天然バタは確かによい食品です。味もよければ、質もよく、消化も吸収もよろしい(下痢している時でも生でたべれば治る位)。そこで脂肪といえばバタというほどにもてはやされていますが、少々文句がないでもありません。

     その一つは、今では天然バタの純粋なものは殆どなく、大なり小なりマーガリンがはいっていること。マーガリンは牛豚脂やヤシ脂、固化した植物油などからつくられるものです。
     そして外観がバタに似ているだけでその性質は段ちがいに劣っています。
     色々の栄養物を添加した強化品も出ていますが、決して本物の天然バタのようにすぐれた食品ではありません。

     また、それは兎も角としても、良質の天然バタ自身でさえも、食べすぎれば害があります。
     今欧米で死因の第一としてやかましい問題となっている心臓の血管(冠状動脉)の硬化には、脂肪ことに陸棲動物の脂肪(バタや牛豚脂など)やマーガリンの食べすぎが最も関係している、とされています。
     この血管硬化の原因と考えられているものは血液の中のコレステロールの増加ですが、このコレステロールはこれらの脂肪類の摂取で著しく増します。

     ところでマーガリンの原料である液状の植物油はヤシ脂を除き、種類によって多少の差はあるが、いずれも、この血液コレステロールの量を増さないばかりか、ふえているのを減らす作用さえもっています。
     つまり、心臓血管の硬化の原因をとり去る力があるわけです。この作用が何によっているのかは、まだはっきりわかっていませんが、一つにはこれらの植物油に多い不飽和の脂肪酸(水素を充分にもってない炭素の結合した脂肪酸)がどうやら関係しているらしい。
     この液状の植物油をマーガリンにするためには、水素添加ということをやって、融点をかため、固形化するのですが、それは不飽和脂肪酸を飾和することです。いいかえれば、血液コレステロールを下げ、動脉硬化を防ぐという、植物油のもっている大切な性質を破壊してしまうことなのです(実際そうして固化してつくったマーガリンは血液コレステロールをし増します)。
     その他、不飽和脂肪酸のうちのある種のもの(必須脂肪酸)が不足すると、癌や白血病になりやすくなるとか、皮膚病や神経系の病気にも関係があることもわかっています。

     兎も角こうして、バタまがいのものが欲しいために、折角神さまからいただいている植物油の有難い性質をむざむざ捨ててしまい、わざわざ病気のもとになるものをつくり、それをよろこんで食べているという、馬鹿気たことをやっているわけですが、それだけでもありません。
     さらに困ったことには、今大概のバタはバタ黄という色素で色づけされています。
     この色素でネズミの肝臓に癌ができることは、いちはやく日本の学者によって研究されたのですが、近頃の研究では、たとえ1回に摂る分量は極く僅なものにすぎなくても、ながい間にそれが積り積れば、ついには癌ができるようになる、というのですから物騒極まる話です。

     もともとはマーガリンの色づけに使われたのですが、今では天然バタにもマーガリンのはいっていないものはない位ですし、天然バタでも「色がよくなければ売れぬ」というので色づけされていますからたまりません。
     純粋のバタの適量はまことに結構です。マーガリンのように外観だけを似せ、しかも原料の持っているよい性質を殺してしまった勿体ないもの、まして危険な色づけされたものは、つとめてよしましょう。
     かような不良食品、有害食品は買わなければ、やがて姿を消すことでしょう。混り物のない、ほんとうに安全な純正食品でなければ買わぬという同盟をやろうではありませんか。

     また、いたずらに西洋かぶれして、バタ、バタといわずに、遠い私どもの祖先の時代から使いなれた植物油を精々利用しましょう。質はよいし、色つけもされてはいません。もっとも「色抜き」をするために色々の薬品が使われているようですから、手放しに安心は出来ません。
     ですから、色は悪くても搾ったそのままのものにするか、いっそのこと、ゴマ、ナンキンマメ、クルミ、ダイズ、カボチャの実などの含脂食品そのままを利用したいものです。

     これならば脂肪以外の栄養素(蛋白質、ミネラル、ビタミンなど)の補給にもなる上に、添加物の心配はさらにない(色をつけたゴマがあるようではありますが)。全く神さまのお恵みをそのままにいただくことが出来ます。


7. 遠藤青汁と牛乳各1合宛の成分比較表

    遠藤青汁と牛乳各180cc(1合)宛の成分比較表
    熱量蛋白質脂肪糖質カルシウムビタミンAB1B2
    遠藤青汁48.65.30.545.752281000.1120.558189.0
    牛乳106.25.45.88.11801800.0540.2700.9
    備考青汁の成分 昭和32年3月 大阪府立衛生研究所分析結果(材料ケール)
    牛乳の成分 総理府資源調査会食糧部会決定改訂日本食品標準成分表(昭29)による
    単位 熱量はカロリー。蛋白質、脂肪、糖質はグラム。カルシウム、B1、B2、Cはミリグラム。Aは国際単位
    熱量、蛋白質、脂肪、糖質は厚生省発表国民栄養の実態によっても余り不足はない


8. ダイコンの根と葉の成分

    ――各生100g当り――

    熱量蛋白質カルシウムB1B2
    CalmgIUmgmgmg
    161.1280.030.0220
    405.219090000.100.3090
    秋大根中丸1本約1,200g、内 根部 900g
    葉部 300g


9. 知識の値段と値打

     友成 左近 

     「大根のひとりごと」を書いた序に、これに関連して、もう一稿つけ加えておきたい。それは、日常生活に必要な知識には、これを心得るのに、この頃では、なにほども費用がかからないものが多い、けれども、これを生かして使えば、はかりがたい利益が得られる、ということだ。

    大根葉を食用しないのは大損だ
     大根を例にあげてみよう。葉ッぱは根ッこより栄養価がはるかに高い、ということを知らない人、あるいは葉ッぱの食べ方を心得ていない人は、ヤオヤで葉ッぱをチョン切って帰るであろう。畑に捨てたり、トリやウシにやって食用しないであろう。よく心得ている人は、必ず葉ッぱも持ち帰って食用する。秋大根一本は、だいたい1200グラム、このうち根ッこは900グラム、葉ッぱは300グラムで、市価は10円だ。そこで別表をみてほしい。
    大根1本の根と葉の成分比較表
    重量
    g
    熱量
    Cal
    蛋白質
    g
    カルシウム
    mg
    ビタミンA
    iu
    B1
    mg
    B2
    mg

    mg
    9001449.925200.270.18180
    30012015.6570270000.300.90270
    120026425.5822270000.571.08450


    755539310471840
    25456169100537260
    葉を捨てた
    場合の損失
    ¥8¥15¥22(¥1000)¥11¥40¥15
     大根一本のうち、根と葉に含まれている主な栄養素の比較である。葉ッぱをチョン切って、根ッこだけ持ち帰って、これが10円だと思っている人が、大根一本買う毎に、どれだけ損をしているか、主要栄養素毎に比較してみたものだ。
     この金額は、いうまでもなく「たとえば」であるが、とにかく大損をしていることは分かるであろう。大根を食べるのは、大根おろしにして、ビタミンCをとるためだ、とのみ思っていると、大根一本買う毎に、その60%をとりそこね、15円損をすることになる。
     われわれの食事で最も不足しているのは、ふつう、カルシウムとビタミンAとB2である。葉ッぱを捨てると、Aは全然とれない。ところが、大根葉は、あらゆる食品のうちで、最も多量にAを含んでいる。マル損の大損となる。
     B2については、大根一本買う毎に、その72%をとりそこね、40円損をする。カルシウムは、69%22円の損となる。蛋白質については、根ッこに含まれているものは大半役に立たないのであるが葉ッぱに含まれているものは極めて優秀である。これまた大損だ。熱量とB1については、同様、約50%の損失だ。いかにも、もったいないことである。

    食品成分表の活用を
     いったい、われわれが物を食べるのは生きており毎日働らいているカラダが必要とする各種の栄養素を摂取するためである。これが根本だ。おいしさを味わうのは派生的、副次的なことで、逆立ちさせてはならない。
     ところで、どんな食品に主な栄養素がどれ位含まれているか、ということは、食品成分表をみれば、すぐ分かる。これには、いろいろな冊子がある。参考までに、末尾に四点ほど付記してある通り、僅か50−80円である。コーヒー一杯代だ。われわれが常用している食品の殆んどすべての成分表が出ている。その上献立や調理その他の手引もついている。これによって得られる知識を生かして使えば、栄養と健康に大いに役立つ食事ができるようになる。しかも安価で、おいしく。

    それには努力が必要  だが、そうなるには、やはり少々努力が必要である。いかに知識の値段が安いといっても、自ら何も努力せずに得られるわけではない。また、これを生かして使わなければ値打はでてこない。ここにも、やはり努力が必要である。だが、この努力は、程度の差はあるにしても、誰にも出来ることだ。

    (35・12・7)

      付記
      第一出版発行、定価80円 資源協会編「日本食品標準成分表」
      第一出版発行、定価70円日本栄養士会編 「食品標準成分表」
      大和文庫発行、定価60円稲垣長典編「標準食品成分表」
      光生舘発行、定価50円有本邦太郎編「新版食品成分表」


10. 野菜のB2

    京都市 U.Y. 

     入院してもう1年4ヶ月に近いのですが、まだ全快には至りません。しかし青汁をやって抗結核薬を服用したお蔭で、今までヒドラジッドをのむと血痰が出て困っていたのが、近頃はいくらヒドラジッドをつづけても血痰が出なくなり、それがために三者併用、マイシン、パス、ヒドラが規則通りつかえるようになり、今後病状が好転していくと思います。
     本月9日の読売新聞に、京大満田教授の別項のような記事が出ました。野菜中にビタミンB2の母体があって、それが肝臓の酵素によってB2に変化し、日本人が欧米人のよう卵や牛乳、肝臓など余り食べないのに、菜食するためにB2の不足を来さず、B2不足による患者が少い理由が科学的に立証され、いよいよ青汁の飲用の重要性が科学的に立証されて来たわけです。
     

 
 野菜にビタミンの母体
 体内でB2に変化
 欠乏症の少ないナゾを解明
 

京大 M教授 

 ビタミン学界の長年のナゾだった「ビタミンB2の摂取量が極端に少ない日本人になぜB2欠乏症が少ないのか」という問題が、このほど京大農学部農芸化学教室満田(みつだ)久輝教授(栄養化学担任)の研究で解明された。
 健康を維持していくためのビタミンB2の摂取必要量は成人で一日1.2mg、幼児では2mgとされており、これをみたすためには卵の場合一日6、7個、牛乳は6本、肝臓なら50gは必要だが、乳製品や肉食の少ない日本人の食生活ではせいぜい保健量の半分程度で欧米の文明国に比べるとわずか3分の1程度しか摂取していない。
 B2摂取量は後進国ほど少なく、それらの国では口角炎、眼瞼炎(目のただれ)をはじめ食欲減退、貧血、皮ふい縮、慢性下痢などのいわゆるB2欠乏患者が多い。しかしわが国では近年青森の一地方でこの症状がみられたほかは非常に少なく、世界のビタミン学界のナゾだった。満田教授は外国人に比べて日本人がとくに多く食べるキャベツ、ホウレンソウ、チシャ、ハクサイ、ダイコン、カブの葉などにB2以外にB2に似たビタミンがあると推定、実験の結果、さる32年武田薬工研究所桑田智、増田了両薬博が微生物から発見したB2の前駆物質(B2そのものではないが、その母体)の6・7ディメチール・リボルマシン(G物質)がこれら植物の緑葉中にも含まれていることをつきとめた。ついで動物の体内にB2を生合成する酵素があることをニホンザルの肝臓を用いて実証、さらに交通事故などで急死した人の遺体(病人の死体では意味が薄い)解剖から人の肝臓内からも同様の働きをする酵素を発見、日本人の多食する野菜類が体内でB2に変化することを確認、日本人にB2欠乏症の少ない理由を解明した。

満田教授の話
 『植物中のG物質がB2の母体になっていることは諸実験で確実に証明された。現在どのようにしてB2に変化していくかを追求しているが、それもほとんど結論らしいものが出ている』

(37.5.9読売)


 



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