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2-1. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その1
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友成 左近
病気で医師の診療をうけている方にも、また、どことなく体具合が悪く、あれこれ養生につとめている方にも、さらに、もっと丈夫になりたく、よりいっそう肌つや美しくなりたいと、いろいろ工夫している方にも、あるいは、丈夫な赤ちゃんを生んで、さらに丈夫に育てたい方にも、また、心身ともに健やかに長生きをしたい方にも、その他、これこの通り丈夫です、という子供にも青年にも、成人にも老人にも、とにかく、どんな方にも、私は、こうすすめています。
私のすすめをひと口でいえば
まずはさておき青野菜をもっと沢山食べるように、おおざっぱにいって、毎日300gいな500g以上、体重の1%以上は食べるように。それも、できるだけ緑色の濃い良質のもので、必ず安全清浄栽培したものを、つとめて生のまま、よくかんで食べるように、その方便として、これを青汁にして飲むように。そして、さらに、これを手がかりにして、だんだんと毎日の食物を全面的に改善して、よりいっそう各種の栄養素がうまく調和した完全栄養食にするように、また、できるだけ有害食品を排除した安全食にするように。
受け入れた方はすばらしい効果をあげているのに
こうしたすすめを、私は20数年来つづけていますが、よくきいてくれた方は、当人も周囲の人々もびっくりするような、すばらしい効果をあげています。けれども実は、よくきいてくれる方は、まだまだ、まことに少なく、多くの方々は、ちょっとやそっとすすめても、容易に理解してもくれず、受け入れてもくれません。
その根拠は至って簡明で分かり易いことなのに
ところで、こうしたすすめは、別に決して気違いじみたことではなく、それ相応に、はっきりとした根拠があるのです。それも、至って簡単明瞭なもので、別に少しもむつかしいことではありません。中学校や高等学校の家庭科の教科書、食品分析表その他ありふれた書物や新聞雑誌にたえず公表されている、健康や栄養や食物に関する記事から、アタマをはたらかせて、綜合的に判断すれば、たやすく分かる知恵です。ところが実状、多くの方々は容易に納得しないのですが、それは、おそらく、こういうわけではあるまいか、と思われます。
(つづく)
付記
この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。
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2-2. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その2
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友成 左近
――これが容易に納得されないのは
ところが実状、多くの方々は容易に納得しないのですが、それは、おそらく、こういうわけではあるまいか、と思われます。
健康の土台は安全な完全栄養食であるのに
第一に、健康の土台は毎日の食物であって、これが完全栄養食であり、それも安全なものでなければならない、ということについて、しっかりとした理解と自覚が足りないことです。
病気で診療をうけているときでも、もっと丈夫になりたいとつとめているときでも、とにかく健康をはかるには、それ相応に、安静にして養生をしたり、環境衛生をはかったり、運動と休養の調和をはかったり、その他いろいろ工夫しなければなりません。
このうち最も重要なことは、毎日の食物で、各種の栄養素を必要なだけ十分とり、その間に過不足がなく、うまく調和するように工夫することです。そして、この食物がすべて、生理上有害作用をしない安全なものであることが肝要です。
青野菜が完全栄養食に必要不可欠であるのに
第二に、こうした完全栄養食をはかる実際的な方法について、的確な理解が不足していること、それには、青野菜をもっと沢山食べることが必要不可欠であり、これ以外に、これにまさる妙手はない、ということについて、しっかりとした理解と自覚が欠けていることです。
私たちが毎日とっている食物で、ただ一種類で完全栄養となるものは、一つもないのです。いろいろな種類の食品を、相当量ずつ、うまく取りそろえて、初めて完全栄養となるのです。そして、そこに相当量の青野菜が必要不可欠であり、これが最も簡便なのです。
ところが、この青野菜が、あまりにも身近なものであるためか、値打のないものと思いこんでいる方が、以外に多いようです。また、その値打を理解していても、実際は、なにほども食べていないようです。しかも、その食べているものが、至って栄養価の低いものばかりです。栄養価の高いものでも、とかく調理しすぎて、大切な成分を著しく損失しているようです。
また、この頃の既成の加工食品には、殆んどすべて、多かれ少なかれ、有害な添加物がはいっているのです。さらに、その他の食品、原材料の食品でも、有害な農薬その他で汚染されているものが少なくないのです。けれども、殆んどすべての人々は、これをさけようと工夫していないようです。
とかく好き嫌いに走って正しく食べる努力が不足
第三に、とかく目先・鼻先・口先の好き嫌いに走って、正しく食べようとする努力が不足していることです。
いったい、好きなものは食べたく、嫌いなものは食べたくない、というのは、私たち人間の本性です。
ところが、人間の目・鼻・口は、至って頼りなく、たやすく迷わされるのであって、生後養育され、その後この世の中で生活していく間に、だんだんと迷わされてしまうのです。
現に私たちのもっている目先・鼻先・口先は、かなり迷わされているのです。そして、青野菜が嫌いになっている方が、まことに多いようです。
このため、習慣通りに、好きなものを食べ嫌いなものは食べない、といって、青野菜をなにほども食べないようでは、大間違いが起ってきます。
そこで私たちは、完全栄養食について正しい理解をはかり、好き嫌いのわがままを一時おさえて、正しく食べるように努力することが大切です。
とりわけ、そこに必要不可欠な青野菜を十分食べることが肝要です。
そうすれば、そのうち、目・鼻・口がだんだんとマトモに働くようになって、ぜひ必要なものが好きになり、そう必要でないものは、あまり食べないようになります。
けれども、この頃、多くの人々は、こうした努力を怠っているようです。
そして体具合が悪くなれば、安易に薬剤とりわけ栄養剤にたよっているようです。
宣伝されていない食品はとかくおろそかにする
第四に、商品化して大いに宣伝されている食品は、重宝がって利用するが、そうでないものは、とかくおろそかにすることです。
この頃は流通経済の時代で、農家以外では、すべての食品を商品として買い、農家でも、数多くの食料を商品として買って利用しています。
このとき、だれでも、長い間の習慣に従うわけですが。これも、だんだん変わっていきます。
この流行をつくり出すのが、なんといっても企業とその宣伝です。ところで、商品化する場合、とくに流行をつくり出すほどの宣伝力をもった大企業が取り上げるものは、大いに儲け易いものばかりです。
商品化して儲け易いものは、多くの人々の目先・鼻先・口先にあうものであり、保存し易く輸送し易いものです。
従って、必要不可欠なものでも、商品化しにくいものは、本気になって取り扱いません。その代表的なものは青野菜です。青汁に至っては、なおさらで、これは商品化に極めて不向きなものです。さらに、商品化する以上は、人々の目先・鼻先・口先にあうように、また保存し易く輸送し易いように、いろいろ加工します。
ところが、この加工に使う添加物は、程度の差はあるが、殆んどすべて有害なものです。従って、こうした商品は、殆んどすべて、栄養価が云う通りでないばかりか、多かれ少なかれ、有害食品ともなっています。
けれども、人々は、こうした理解と自覚がしっかりしていないためか、つい宣伝されている食品を、宣伝文句通りに、ありがたがって利用し、青野菜のようなものは、とかくおろそかにしているようです。
健康と食物に自主的な総合判断と責任の不足
第五に、自分の健康と食物について、自主的に綜合判断して、みずから責任をはたす努力が不足していることです。
いうまでもなく、私たちは互いに分業し協力して生活しているわけです。自分の健康と栄養をはかる場合も、自分一人ではどうにもならず、いろいろと人々の協力をうけています。けれども、互いに分業し協力するのは、それぞれ、食物や知識のごく一部分です。
この一部分については、そう間違いのないようにしているわけですが、一人一人の健康と栄養と食物については、そうそう行き届かないわけです。
そして、この頃は、とくに企業と宣伝とマスコミによって、ごく一部分のことが強調されすぎています。
このため、私たち一人一人は、こうして強調されていることに目や耳が奪われて、強調されないことは、ついうっかりすることがあります。
けれども、これでは、とうてい健康と栄養ははかれません。そこで私たちは、めいめい、こうして強調されている断片的なことに、とらわれることなく、健康と栄養とについて、食物全体的に、よく行きわたって自分自身よく考え、みずから責任をもって、いろいろ工夫し努力することが大切です。
生命と弁当は自分もちです。けれども、この頃、社会の無責任な親切ぶった協力に振りまわされているようです。
心を開けばよく分かり身をもって納得できる
ところで、青野菜食・青汁の知恵は、お互い日本人の健康と栄養と食物の実状に関する、ごくありふれた調査研究に基づいて綜合的に判断したもので、その根拠は至って簡明なものです。前にもふれたように中学校や高等学校の教科書にも出ていることです。
ゆがめられている習慣や宣伝や流行に心を奪われることなく、すなおに心を開けば、容易に理解できることです。そして、これを毎日の食物に正しく取り入れたら、やがて身をもって納得するようになります。それでは、この青野菜食・青汁の知恵とその根拠はどうなのかというと、つぎの通りです。
(つづく)
付記 この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。(友成)
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2-3. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その3 栄養出納ということ
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まず最初に理解して頂きたいことは、栄養出納ということです。
生きた体は栄養出納を土台にしている
私たちの生きた体は、これを科学的にみると、一定の、いろいろな物質で構成されています。
そして、こうした物質が、一定の、いろいろな生理的化学的作用を営なんで、生命の保持その他、発育・成長・運動・労働などの土台となっているのです。
ところで、こうした生理作用を営めば、当然、それに必要な体の成分が、栄養として消費されるわけです。
けれども、体の成分は別に無尽蔵ではありません。たえず食物その他、空気・水・日光などで、この栄養を補給しなければならないわけです。
こうした栄養の消費と補給は、ある意味で、家計その他の金銭出納にたとえてみることができるので、これは栄養出納とよばれています。
いかにも分かりきったことですが、私たちの生きた体は、こうした栄養出納を土台としているのです。
栄養出納の良不良が健康病弱の土台
そこで私たちは、それぞれ、毎日、生命の保持その他に消費される栄養を、必要なだけ十分、食物その他で補給すれば、健康を保っていけるのですが、もし、そうしないと、家計が赤字となるように、健康にいろいろな障害が起こるわけです。
病気にかかったり、体具合が悪くなったり、その他健康に障害が起こるのは他にもいろいろ原因があるわけですが。
この栄養出納の不良が、根本的に重大な原因となっているのです。
従ってまた、病気の治療にも、体力の向上にも、また美容にも、その他およそ健康の保持増進には、他にもいろいろ大切なことがあるわけですが、この栄養出納を良好にすることが、その重要な土台なのです。
なお、ふつう栄養出納という場合、これは、主として食物について考えているわけです。
それは、栄養には、確かに空気・水・日光などが必要不可欠ですが、これは、ふつうでは、そう努力し工夫しなくても、十分とれるわけですが、食物は、とうてい、そうはいかないからです。
といって、最近は、とくに都市や工場地帯では、空気・水・日光などが汚染され、不自由となって、栄養と健康に重大問題を引き起こしていますが、これは、栄養とは別に、衛生の問題として考えることになっています。
良好な栄養出納には食物の選択と節制が肝要
そこで「ハラがへってはイクサができぬ」といわれているように、健康の保持増進には、まずもって、食べて栄養を補給しなければなりません。
けれども、栄養出納は、金銭出納と少々事情がちがって、これを良好にするには、ただなんでも、ジャンジャン食べればよい、というわけにはいかないのです。
「雀は食べ物を選び、亀は食べ物を節する」といわれているように、真の健康の保持増進には、食物の内容を選択し、さらに過不足のないように、食物に節制をはかることが肝要です。それは、こういうわけです。
(つづく)
付記
この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。
(友成)
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2-4. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その4 体の成分とその作用について
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栄養出納について、もっと詳しく理解して、完全栄養をはかるには、まず初めに、ごく簡単ながらも、私たちの生きた体は、どんな物質で構成されているのか、そして、それが、生命の保持その他に、どんな作用を営なむのか、体の成分とその作用について理解して、かかる必要があります。
体の成分
生きた体は、これを化学的に分析すると、酸素・炭素・水素・ちっ素・カルシウム・りんその他、数多くの元素で構成されていますが、それを化合物として分類すると、だいたい、つぎの通りです。
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蛋白質 | 16%
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脂 肪 | 13%
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糖 質 | 少量
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活性質 | 少量
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無機質 | 4%
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水 | 66%
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蛋白質 | 蛋白質は、いろいろな種類のアミノ酸が多数結合したもので、これは炭素・水素・酸素の他に、ちっ素を含んだ化合物であるのが、その特質です。
これには、アミノ酸の結合具合や、その他の元素との結合具合によって、いろいろな種類のものがありますが、これは体重の16%を占める大切な成分です。
- 第一に、これは骨・歯・筋肉・皮膚・内臓・神経などを組織している細胞の主成分であり、この細胞を養なう血液の主成分です。
- 第二に、これは熱量源としても使われ、とくに体内に糖質や脂質が乏しくなると、これが分解して熱量を出すのです。従って、こんな場合、文字通り体が消耗するわけです。
- 第三に、これは熱量発生や、蛋白質の合成と遺伝や成長などに重要な作用をしています。(もっとも、これは、ふつうの蛋白質と少し性質がちがっていますが、ちっ素を含んだ有機化合物ですから、広く蛋白質の一部とみられます)。
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脂 質 | 脂質は、炭素・水素・酸素の化合物で、これには、脂肪と、いろいろな種類の類脂肪体があり、体重の13%をしめている成分です。
脂肪は、熱量源として使われるものですが、体内で熱量を出すとき、蛋白質や糖質が1gにつき4カロリーであるのに、これは9カロリーで重さに比べて熱量が多いのがその特質です。
すなわちこれは、体内で熱量源を貯える形であって、栄養素として糖質を補給した場合でも、熱量として消費されなかった残りは、脂肪に変形して貯えられるのです。
類脂肪体は、熱量源というよりも、細胞組織の構成分として、重要な作用をしています。
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糖 質 | 糖質は、脂肪と同様に、熱量源として使われるものであり、炭素・酸素・水素の化合物ですが、脂質や蛋白質に比べて、酸素の含有率が多く、体内で酸化して熱量を出し易い性質のものです。
ところで、栄養素として補給する糖質は、蛋白質や脂質より、はるかに多く、全食量の85%にも及んでいるのですが、体の成分としては、ごく少量で、350g程度です。
それは、これが消化吸収されると、ブドウ糖となって、すぐ熱量源に使われ、ごく一部がグリコーゲンに変形して筋肉や肝臓に貯えられ、残りは脂肪に変形するからです。
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活性質 | 活性質というのは、酵素・ビタミン・ホルモンを総称したもので、いずれも体の成分としては、これまでみた蛋白質・脂質・糖質に比べて、ごく微量です。
けれども、これは、体の諸成分が生命の保持その他の生理作用を営なむとき、なくてはすませぬ大分な成分です。
酵素は、蛋白質の一種であり、体内で合成されるものであって、これには、全くもって、いろいろな種類があります。
そして体内至るところにあって、食物の消化・熱量の発生・蛋白質や細胞組織の合成など各種各様の生理作用の触媒となっているのです。
この触媒があるからこそ、生きた体の成分が、無生物の化学変化とは全く異なる、代謝という化学変化を起こして、生理作用を営なむのです。ビタミンは、こうした酵素に必要な成分となっているものと、必ずしもそうではないものもあり、いずれも、体内で起こる化学変化の触媒となっています。
これにも、いろいろな種類がありますが、ふつうビタミンとよばれているものは、体内で合成することができないか、あるいは合成することができても十分でないため、どうしても食物で摂らねばならないものです。
ホルモンは、酵素と同様に、生きた体内で合成されるもので、それには、蛋白質の一種のものもあり、そうでないものもあって、いろいろな種類があります。そして、これは、神経系の統制を補なって、体の各器官のはたらきや代謝の調節をしているのです。
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無機質 | 無機質というのは、体を焼いて灰にした場合に残る無機塩類で、ふつうミネラルともよばれています。
これには、いろいろなものがありますが、その主なものはカルシウム・りん・カリウム・いおう・ナトリウム・クロール・マグネシウム・鉄・銅・ヨードで、全部で体の4%をしめています。
このうち、カルシウムとりんは、骨や歯の主成分になっているので、2%、1.1%と最も多く、その他は、いずれも、ごく微量です。
けれども、こうした無機質は、それぞれ、細胞の内や外の体液に、一定の組成と一定の濃度で含まれて、生理に大切な作用、例えば水分の保持・しんとう圧の維持・体液の酸アルカリ平衡の保持・神経や筋肉や血管の適度な緊張の保持・消化吸収の保持・熱量の貯蔵や発生の促進・蛋白質の合成や酵素の合成や作用の促進・ホルモンの合成や分泌の促進・有毒物の中和といった作用をしているのです。
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水 | 生きた体は、こうした成分がとかされて、複雑なコロイドとなって、構成されているのですが、その触媒となっているものが水です。水は水素・酸素の化合物で体重の約66%をしめています。
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作用からみた主成分の分類
私たちの生きた体は、だいたい、こうした成分によって構成され、そうした成分は、生命の保持その他の生理に、それぞれ一定の作用を営なんでいるのです。
そこで、体の主成分を作用の性質から分類すると、だいたい、つぎの通りです。
構成:蛋白質 無機質の一部 脂質の一部
熱量: 糖質 脂質 蛋白質の一部
調節: 酵素 ビタミン ホルモン 無機質 蛋白質の一部 水
付記
この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。
(友成)
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2-5. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その5 栄養基準量について
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友成 左近
私たちの生きた体は、その成分を栄養として消費しながら、生命の保持その他の生理作用を営んでいるのです。それでは、いったい、毎日どれくらい補給する必要があるのでしょうか。昭和35年に改正採用された「日本人1人1日当り栄養基準量」をみると、つぎの通りです。
熱量 | 2200 | カロリー |
蛋白質 | 71 | g |
カルシウム | 0.6 | g |
鉄 | 10 | mg |
ビタミンA | 1900 | iu |
ビタミンB1 | 1.2 | mg |
ビタミンB2 | 1.2 | mg |
ナイアシン | 12 | mg |
ビタミンC | 63 | mg |
ビタミンD | 400 | iu |
食塩 | 13 | g |
日本人総栄養所要量を 総人口で平均したもの
この基準量は、日本人全体の総栄養所要量を総人口で除した平均値です。
従って、広く栄養の問題を考えるのに、適切な手がかりです。けれども、特定の個人や団体については、この基準量を計算した基礎となっている「日本人の栄養所要量」を活用するか、基準量を修正して活用する必要があります。
栄養所要量は個人の 諸条件によって異なる
というのは、個人個人の栄養所要量は、年令別・性別・労働強度別・妊婦授乳婦別・体重身長別その他、体の諸条件によって異なるからです。この異なり方は、だいたい、こうです。
なお、基準量は、中くらいの労働強度の成年男子の所要量より少し少なく、同じく女子のそれより少し多い、といったところになっています。
第1に、年令別では、15―19才が最も多量に必要で、12―14才と20―29才がこれにつぎます。それは、栄養所要量は、ほぼ体重身長に比例すると共に、さらに発育成長の速度に比例するからです。従って、体重身長のわりに、発育成長期は多量に必要であり、中年以後は少量でよいわけです。
第2に、性別では、男の方が多量に必要です。それは、平均して体重身長が多いからですが、それ以外に、まだ不明の事情もあるようです。
第3に、労働強度別では、運動や労働のはげしいものほど多量に必要であり、とくに熱量は、非常に重い場合は非常に軽い場合の2倍近く必要です。もっとも、これは肉体労働の場合で、精神労働の場合は、まだ研究が十分すすんでいないようです。
第4に、妊婦は、月かすすむにつれて、だんだん多量に必要となり、授乳婦は、さらに多量に必要となり、成年女子の1倍半近くとなります。
その他、病気中は、病気によって、いちがいには云えませんが、安静にしている割りに、多量に必要である場合もあります。
栄養素は食物で不足する 恐れのあるもののみ
ところで、基準量でも所要量でも、そこに取り上げている栄養素は、毎日、食物で補給する必要のあるもの、しかも、この場合、不足する恐れのあるものだけです。
いうまでもなく私たちは、食物をとって、こうした栄養を補給しているわけです。ところで各食品は、成分の組成といい、性質といい、私たちの人体と、全く異なって、それそれ特質を備えているわけですが、ほぼ共通した種類の成分からできています。従って、体が消費する成分と、補給する必要のある栄養素をいちいち書き上げて、その数量を考える必要はないわけです。よく気をつけて摂取しなければ、不足する恐れのあるものだけ取り上げたらよいのです。そうすれば、他の必要な栄養素も、それと同時に摂取できるわけです。
このため、糖質・脂質・蛋白質といったあげ方をせず、熱量・蛋白質といったあげ方をしているわけです。また、ミネラルもビタミンも、そのごく一部をあげているわけです。さらに、酵素やホルモンは体内で合成されるので、別に取り上げないわけです。
実際に口に入れた時の数量
基準量で示している数量は、実際に口に入れた時のものです。
食物については、別に「日本食品基準成分表」が作られていますが、これは、調理前の原材料に含まれている主な成分の平均数量です。従って、これを食物として摂取するときには、各成分は、それぞれ、保存や調理によって損失します。けれども実際上、この損失はさまざまで、一様にはきめ難いので、ここでは、一応、実際に口に入れて食べるときの数量をあげているわけです。
最低の必要量に多少の 余裕を見込んだもの
ここに定めた数量は健康を保っていくにあたって必要最低の量に多少の余裕を見込んだものです。
消費する栄養を補給するといっても、その所要量の決定には、いろいろと段階があります。それ以下では、どうしても健康を保っていけない、という必要最低の段階から、最高度の健康をはかり、さらに、これこれの体位体力をはかろうという目標を立てて、それに必要な栄養を考える最高の段階があります。この基準量と、その基礎となっている所要量は、この最低必要量に、消化吸収その他による損失を考慮に入れて、多少の余裕を見込んで定めた数量です。
ところで、これは、栄養指導や食糧生産の行政上に、一つの目標を立てたものです。従って、厚生省では、この基準量とは別に、昭和38年には、「昭和45年を目途とした栄養基準量及び食糧構成基準」といったものを立てています。
これでは、さきの基準量より、熱量2、300、蛋白質75、カルシウム0・66と、少し多量になっていますが、その他は同様です。
活用にあたっては それ相当の配慮を
この基準量は、だいたい、こうした性質のものです。また、いうまでもなく、これまで進められている科学的な研究調査に基づいて改正採用されたものです。けれども、その科学的研究調査に、全く異論がないわけではなく、細かくみれば、いろいろと異論があるのです。
そこで私たちは、これを手がかりにして、毎日食もをとって栄養補給を工夫する場合、それ相当に、賢明な配慮をすることが大切です。
付記
この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。
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2-6. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その6 栄養摂取目安量(上)
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医学博士 遠藤 仁郎
栄養基準量を手がかりとして、さて実際、私たちは毎日の食物でどれくらい栄養を補給したらよいか、というと、それには、いろいろな試案があります。私は、さしあたり別表の目安量によって工夫するのが適切であろうと考えています。なお、ここでは、基準量と少しちがって、ミネラルはカルシウムだけを取り上げています。それは、実状、カルシウムの摂取が著しく不足しがちであるからです。また、ふつうの食物でカルシウムを十二分にとれば、その他の必要なミネラルも、だいたい同時に十分とれるからです。
つぎに、ビタミンはA・B1・B2・Cだけを取り上げています。これも、ほぼ同様の事情からです。さらに、食塩は別に取り上げていません。それは、実状、ふつうの食物で食塩が不足することは、まずないからです。実は、もっと控える必要があるくらい多すぎているのです。ところで、この目安量は、だいたい、中ぐらいの労働強度の、成人男女の中間といったところですが、基準量より著しく多いものがあります。それは、こういうわけです。
調理前の食品成分値を手がかりとして
この目安量は、まず第一に、「日本食品標準成分表」を手がかりとして、調理前の食品成分値で定めたものです。基準量では、一応、実際に口に入れたときの数量をあげているわけです。けれども、実際に食物を工夫するときは、食品成分表以外に、手近な手がかりがないので、こうした基準量では不便です。そこで、この目安量では、食品成分表の数量で、摂取する栄養量を示したわけです。
調理による損失を考慮に入れて
栄養摂取目安量 |
栄養素 | 熱量 | 蛋白質 | カルシウム | ビタミン |
A | B1 | B2 | C |
単位 | cal | g | g | iu | mg | mg | mg |
基準量 | 2,200 | 71 | 0.6 | 1,900 | 1.2 | 1.2 | 63 |
少なくとも | | | 1.0 | 3,000 | 1.8 | 1.8 | 120 |
目標として | 2,000 | 75 | 1.5 | 5,000 | 2.0 | 2.0 | 150 |
従って、第二に、この目安量では、食物の保存や調理によって損失する数量を考慮に入れて定めたわけです。私たちは、実際上、食物を保存し調理して食べますが、栄養素によっては、これによって著しく損失するものがあります。一定の数量の食物をとっても、成分表の数量通りに口に入るわけではありません。食品成分表を手がかりとして食物を工夫するには、つねにこの損失を考慮に入れる必要があります。
より以上の健康をめざし栄養に完全調和を考えて
さらに第三に、この目安量は、より以上の健康をめざして、消化吸収上の損失を十分考慮に入れ、栄養に、できるだけ安全調和をはかろうとして定めたものです。基準量は、行政上の必要からか、これ以下では、どうしても健康を保っていけない、という最低必要量に、消化吸収その他の損失を考慮に入れて、多少の余裕を見込んだものです。けれども私たちは、実際上、より以上の健康をめざしています。それには、各食物の性質を考えて、消化吸収と体内における利用上の損失を十二分に考慮した上、各種の栄養素を必要なだけ十分とり入れ、その間に、過不足がないように、うまく調和をはかることが肝要です。ところで、栄養所要量といい食品成分値といい、保存調理上の損失といい消化吸収上の損失といい、熱量については、かなり研究が進んでいますが、蛋白質については、まだ不十分であり、ミネラルやビタミンについては、まだなにほども研究が進んでいないのです。そこで私たちは、実際問題として、こうしたことを考慮に入れた上、すでに研究されていることを手がかりとして、総合的に判断し、そこは賢明に工夫する必要があるわけです。
目安量を要約すれば
そこで、この目安量を要約すれば、基準量に比べて、熱量は別にふやさず、蛋白質を少しふやし、カルシウムとビタミンは多量にふやしたわけです。より以上の健康をはかるには、いうまでもなく、それ相応に、熱量・蛋白質をふやす必要があります。だからといって、熱量・蛋白質だけをふやしても、これが体内で利用されるときに必要な、ミネラル・ビタミンといった調節素を、それに見合って、必要なだけ十分とり入れて、そこに調和をはからなければ、うまく利用されずに、ムダとなります。その上、未利用のものが栄養と健康にいろいろと障害を引き起こします。けれども、カルシウム・ビタミンは、ふつうの食物でとる限り、少々ふやしても、いな実状どんなにふやしても、決して栄養と健康に障害を引き起こすことは、まずありません。その上、熱量・蛋白質が体内でムダなく利用されるので、それは、そうふやす必要がなくなるのです。
ところが、栄養摂取の実状をみると、熱量はだいたい十分とっており、蛋白質はまあまあといったところですが、カルシウム・ビタミンが著しく不足しがちになっています。この頃、厄介な病気がふえているのは、こうした栄養上の不調和が一つの重大原因となっているのです。
そこで、まずはさておき、とかく著しく不足しがちなカルシウム・ビタミンに、よく気をつけて、これを多量にふやして、栄養に完全調和をはかることが必要であり、また適切です。といって、カルシウム・ビタミンを必要なだけ十二分にふやすからとて、体力・運動をこえて、熱量・蛋白質をふやすと、これは栄養過剰になって健康を損ないます。また、いうまでもなく、カルシウム・ビタミンと調和をはかるからといって、熱量・蛋白質を体力・運動以下にへらしては、栄養不足となって健康を損ないます。
要は、体力・運動にみあって、各種の栄養素を、必要なだけ十分とって、その間に調和をはかることです。こうした考え方は、別にトッピなことではなく、各種の病気の療養法として、また真の体力の向上をめざした健康法として、多くの人々が研究していることです。私自身も、長年、こうした工夫で患者の治療に大きな成果をあげており、また広く、こうした工夫をすすめて、病気の療養に、また、より以上の健康増進に大いに役立っているのです。
付記
この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。
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2-7. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その7 栄養摂取目安量について(中)
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医学博士 遠藤 仁郎
栄養基準量を手がかりとして、より以上の健康をめざして、栄養に完全調和をはかるには、これまでみてきたように、さしあたり別表の目安量によって、毎日の食物を工夫する必要があります。これを、もっと詳しく、各栄養素について説明すると、こうです。
熱量はそうふやす必要はない
熱量は、実状、穀類・芋類・砂糖類・油脂類、あるいは豆類・獣鳥・魚介類などでとり、わけても米・麦で半分以上とっています。
そして、これは、ふつうの保存調理では、あまり損失しません。また、消化吸収上の損失も僅かです。
そこで熱量は、一応、基準量通りの数量を目安とすればよいわけです。
ところで熱量素は、たとえ必要なだけ十分とっても、これが体内で利用されるときに必要な、カルシュウム・ビタミンといった調節素が、必要なだけ十分ともなわなければ、熱量として十分利用されず、それだけムダとなります。
その上、未利用の熱量素が体内にたまって、栄養と健康にいろいろと障害を引き起こします。ところが実状、この調節素の摂取が著しく不十分である上に、もっと丈夫になろう、しっかり食べようとして、とかく米・麦その他で熱量素をとりすぎるきらいがあります。そこで、実際上の工夫としては、こうして熱量素をふやすよりも、むしろひかえめにして、調節素の方を十二分にふやすこと、すなわち低熱量調和食を目安とすることが大切です。
蛋白質は良質のもので少しふやす
蛋白質は、実状、豆類とくに大豆・獣鳥・魚介類・卵類、あるいは穀類・乳類などでとっています。
そして、これは、ふつうの保存調理では、あまり損失しません。また、消化吸収上の損失も僅かですが、だいたい質的に劣っているものが多いので、蛋白質は、基準量71グラムより少しふやして75グラム程度とすること、それも、より良質なものをとることが適切です。
それは、こういうわけです。蛋白質も、熱量素と同様に、これが体内で利用されるときに必要な調節度が、必要なだけ十分ともなわなければ、体の構成分として十分利用されず、それだけムダとなり、その上、未利用の蛋白質が、栄養と健康にいろいろと障害を引き起こします。
ところが実状、この調節素の摂取が著しく不十分である上に、もっと丈夫になろう、しっかり栄養をつけようとして、とかく肉・魚その他でとりすぎるきらいがあります。そこで実際上の工夫として、より以上の健康をはかるからといって、やたらと蛋白質をふやすよりも、これはほどほどにふやすと共に調節素を十二分にふやすことが大切です。
ところで、ひとくちに蛋白質といっても、栄養上、優劣の差があります。蛋白質は各種のアミノ酸が結合したものですが、その含有状態が各食品によって異なっています。
そして、これは、アミノ酸に分解吸収されて、体内で再び人体固有の蛋白質に合成されるのですが、このとき、ぜひ必要なアミノ酸がいろいろあります。
こうしたアミノ酸がよくそろっているのが良質の蛋白質です。こうした良質のものは肉・魚・卵、それから大豆の蛋白質ですが、米・麦の蛋白質は少し劣っています。
そこで、肉・魚・卵・大豆などで良質の蛋白質をふやせば、それは効率がよいので、そう沢山ふやさなくてもよいわけです。けれども、米・麦などで蛋白質をふやそうとすれば、それは効率が劣るので、それだけ沢山ふやさねばなりません。その上、未利用のアミノ酸が、それだけ多量に体内にたまり、その処理で、栄養上いろいろと障害が起こります。
このため、より良質の蛋白質を少し多めにとることと、と共に、それに必要な調節率を十二分にとることが大切なのです。なお、こうした点からも、やたらと米・麦をふやして熱量素を多くとらないことが大切です。
カルシウムは良質なもので多量にふやす
カルシウムは、実状、乳類・野菜類とくに青野菜・魚介類とくに干魚・小魚・豆類とくに大豆その他、数多くの食物でとっています。
従って、保存調理の仕方も食べ方もまちまちで、その損失の度合いも、ひと口では云いかねます。けれども、これは、かなり煮汁にとけ出るので、それを捨てたり食べ残したり、とくに干魚・小魚は骨ごと食べなければ、著しく損失します。
ところが実状、そうした傾向が強いので、調理上の損失は30−40%とみたらよいでしょう。
さらに、これは、乳類を除いては、よくかんで食べなければ、消化吸収上かなり損失します。
しかも、基準量0.6グラムは、どう考えても、ちょっと少なすぎ、かっては1グラムあるいは0.8グラムとみられていたのです。
栄養素 | 熱量 | 蛋白質 | カルシウム | ビタミン |
A | B1 | B2 | C |
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単位 | Cal | g | g | IU | mg | mg | mg |
基準量 | 2200 | 71 | 0.6 | 1900 | 1.2 | 1.2 | 63 |
少なくとも | - | - | 1.0 | 3000 | 1.8 | 1.8 | 120 |
目標として | 2200 | 75 | 1.5 | 5000 | 2.0 | 2.0 | 150 |
そこで、これは、調理上の損失を見込んで、少なくとも1グラム以上、さらに消化吸収その他における損失を十二分見込んで、1.5グラム以上を目安とする必要があります。しかも、これは、良質のものでとることが大切です。
それは、こういうわけです。食物中のカルシウムは、その他のミネラルと共在しています。そして、例えばホウレンソウなどでは、蓚酸が多すぎるため、カルシウムが、これと結合して吸収しにくい上に、吸収した蓚酸が、体内のカルシウムと結合して、これまで無効にします。そして、多量にとりすぎると腎臓結石となる恐れもあります。
また、米・麦や肉・魚などでは、燐が多すぎるため、これが吸収されて、それだけ多く、体内のカルシウムと結合して無効にします。
これに反して、ホウレンソウの類以外の青野菜や牛乳では、カルシウムがより多く、しかも蓚酸が微量であり、燐もほどほどであって、これはもっとも良質のカルシウム食品です。主として、こうした食品でカルシウムをとることが大切なのです。
付記 この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生がくりかえし強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。(友成)
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2-8. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その8 栄養摂取目安量について(下)
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栄養基準量を手がかりとして、より以上の健康をめざして、栄養に完全調和をはかるには、前々号でみたように、さしあたり別表の目安量によって、毎日の食物を工夫する必要があります。
前号でみた熱量・蛋白質・カルシウムにつづいて、ビタミンについて説明すると、こうです。
ビタミンAは青野菜で多量にふやす
ビタミンAは、実状、緑黄色野菜類・卵類・果物類・乳類・魚介類・油脂類などでとっていますが、その80%以上は緑黄色野菜類、とりわけ青野菜でとっています。そして、これは、日光や空気によって損失し易く、また、長時間加熱すると、いく分損失します。
このため、ふつうの保存調理では、損失20−40%とみられています。
また、これは、青野菜で大部分とっているので、よくかんで食べないと、消化吸収が著しく劣り、さらに、油といっしょにとらないと、吸収が劣ります。ところが実状、そうした傾向が強いようです。
ところで、こうした植物性食品でとるのはカロチンで、ビタミンAそのものではなく、体内でAに合成される原料です。
そして、その効力は、かっては二分の一とみられていましたが、この頃は三分の一とみられており、実は、まだはっきりしていないのです。ために、カロチンのビタミンA、効力を三分の一とみた場合の、基準量1,900IUは、ちょっと少ないのではないか、という恐れがあります。
といって、動物性食品でビタミンAそのものを十二分にとろうとすると、この過剰は栄養上いろいろと障害を引き起こす恐れがあります。
栄養摂取目安量 |
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栄養素 |
熱量 |
蛋白質 |
カルシウム |
ビタミン |
A |
B1 |
B2 |
C |
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単位 |
Cal |
g |
g |
IU |
mg |
mg |
mg |
|
基準量 |
2,200 |
71 |
0.6 |
1,900 |
1.2 |
1.2 |
150 |
少なくとも |
|
|
1.0 |
3,000 |
1.8 |
1.8 |
120 |
目標として |
2,200 |
75 |
1.5 |
5,000 |
2.0 |
2.0 |
150 |
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また、同時に蛋白質や熱量を、必要以上に多量にとり入れるようになり、これまた栄養上いろいろと障害を引き起こします。
けれども、植物性食品でカロチンをとるのであればこうした恐れは少しもないのです。このためビタミンAは、その大部分を植物性食品わけても青野菜でとり、しかも多量にとって、十二分に補給することが必要であり適切であるわけです。そこでこれは保存調理上の損失を見込んで、少なくとも3,000IU以上、さらに消化吸収や利用上の損失を十二分見込んで5,000IU以上を目安とすることが大切です。
ビタミンB1は米以外でふやす
ビタミンB1は、実状、各種の食物でとっていますが、主なものは穀類・野菜類・豆類とくに大豆・肉類・魚介類です。
そして、これは、水にとけ易いので、ふきこぼしたり、煮汁を捨てたり食べ残したりすると、かなり損失し、ふつうの調理で30−50%とみられています。
その上、これは、よくかんで食べないと、消化吸収上かなり損失します。
ところで、ふつうの食物では、穀類とくに米飯を主食として、これから熱量とB1の半分以上を期待しています。
この場合、調理上、熱量は、なにほども損失しないのですが、B1は、玄米で15%、半つきで40%、七分つきで55%、白米では80%以上も損失します。
このため、B1が僅かしか残っていない白米を飯にたいて、B1を期待することは、実際上およそ無意味なのです。
それかといって、七分つき、半つき、玄米とすれば、B1はより多く残っていますが、この頃は、厄介な水銀剤農薬が、それだけ多量に含まれているので、それは危険です。
けれども、B1は米以外からでも相当にとれるので、米をB1食として、また熱量食・主食として大きな期待をよせず、麦や雑穀や芋その他に、より多くの期待をよせることが適切です。(こうした点、B2についても、ほぼ同様です)。
ところで、B1については、研究がよほど進んでいるので、基準量1、2mgは、最低必要量としては、だいたい適当と考えてよいでしょう。
そこで、これは、米以外で十分とる、といった、とり方に新たな工夫をした上で、調理上の損失を見込んで、少なくとも1.8mg以上、さらに、消化吸収上の損失を十分見込んで、2.0mg以上を目安とすれば適切です。
ビタミンB2は青野菜でふやす
ビタミンB2は、実状、B1以上に、各種の食物でとっていますが、主なものは穀類・緑黄色野菜類・乳類・卵類・魚介類・その他の野菜類です。
そして、これは、日光に非常に弱く、水にとけ易いので、保存調理や食べ方を誤るとかなり損失します。
けれども、これは、B1ほどには、穀類とくに米飯に期待していないので、保存調理上の損失は3%とみたらよいでしょう。
といって、これは青野菜にかなり大きな期待をよせており、いずれにしても、よくかんで食べないと、消化吸収上かなり損失します。
ところで、B2は、B1ほどには研究が進んでいないのですが、これは、B1と同様に、調理上の損失を見込んで少なくとも、1.8mg以上さらに消化吸収その他の損失を十分見込んで、2.0mg以上を目安とすれば適切です。
ビタミンCは多量にふやす
ビタミンCは、実状、緑黄色野菜類・その他の野菜類・果物類と、少量ながら芋類でとっており、これ以外では殆んどとれないのです。
そして、これは、日光にも空気にも加熱にも非常に弱く、水にとけ易いのです。ために、保存や調理による損失が多く、ふつうで50%以上とみられています。
その上、これは、よくかんで食べないと、消化吸収上かなり損失します。
ところで、これは、研究がよほど進んでいるので、基準量63mgは、最低必要量としては、だいたい適切と考えたらよいでしょう。
そこで、これは、保存調理上の損失を十分見込んで、少なくとも120mg以上、さらに消化吸収上の損失を十二分に見込んで、150mg以上を目安とすれば適切です。
付記
この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生がくりかえし強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。
(友成)
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2-9. 飲みにいかぬと気が済まぬ
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横浜市 K.M.
青汁成分分析データーを見て驚いた。
世にも、都会にも、こんな能率の良いものがあるんだろうかと。
僕も57才になんなんとしている。別に何処といって悪い所も無さそうだが、転ばぬ先の杖とやら。
これで1年近くも御厄介になったかなあ。人体の健康や、病気に関する書籍も10冊余り読んで見たが、兎に角、健康は自分自身で守るものなんだなあ、と思えた。
青汁一辺倒という訳にも行かないようだが、青汁が保健や抗病に対するウエートは絶大だという事は理解されねばならぬと思えた。
何処迄無病息災が続くか、兎に角、青汁スタンドに毎日一杯飲みに行かぬと気が済まぬようだ。
データーに惚れたんだろう。味も新鮮で、甘く、すこぶるよろしい。人生の第一義的目的は、先ず生きる事にあるのだと思うと、青汁を飲み、大根、人参、山芋、キウリ、ピーマン、パセリ、セロリ、サラダ菜、カリフラワー、葱、ニンニク、レバー、肉魚、貝類、コンブ、其の他目にふれるもの何んでも食べちゃう。
1日、30種類以上も食べちゃう。
皆少量だが、毎日快便。終戦後、お医者様のお薬も、保健薬も、飲んだ事が無い。
無病、老衰で死にたいなあと思う。
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引き続き、成分について(3)へ
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