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1. 良質ナッパを作るコツ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     多年私どもは、本当に健康になるためには、ナッパをうんと、それも、なるべく多くを生で食べ、青汁にもして飲むべきだ、といっています。そのためには、何としても、それが、安心して食べられるものでなければなりません。しかも、ただ清浄であればよいというだけでなく、危険な農薬もかかっていてはなりません。また、すべてのビタミンがそろって多く、吸収しやすいかたちのミネラルにも富むものでなければなりません。つまり、下肥や農薬による汚染の心配のない、安全かつ良質のナッパでなければなりません。したがって栽培法が問題になります。

    清浄栽培
     清浄栽培とは、ふつう、下肥をつかわず、化学肥料だけで栽培することと理解されています。なるほど、そうすると清潔で、寄生虫の危険はなくなります。そして、見かけも立派に出来ます。けれども、味がよくない(ニガ味が出る)し、成分的にも劣っています(ミネラルもビタミンも少い)。そのうえ、病虫害に弱いので、いきおい、農薬もつかわなくてはなりません。
     そこで、こうした栽培法では、清潔には相違ないが、決して、私どもが求めているような、安全かつ良質のナッパがつくれるとは限りません。なぜかというと、ナッパのみならず、すべての農作物に必要な肥料成分にも、ちょうど私どもの栄養と同じように、一定のバランスがありますが、化学肥料には、主要成分(窒素、加里、燐酸、カルシウムなど)は十二分にもあるけれども、所謂痕跡成分(ごく微量ではあるが作物にとって欠くことの出来ぬ成分)が十分含まれていません。ために、化学肥料の使用が多いだけ、成分バランスがくずれて来るからです。
     これら痕跡成分は、化学肥料の中にも、ある程度配合されたものが無いではありません。しかし、そのもっとも豊富かつ完全に含まれているものは、

       一つには、耕地の地下約1米くらいの層であり、
       二つには植物ことにその緑葉です。

     だから、健康良質ナッパの栽培のコツは、

    1. まず深耕。出来れば1米内外の天地がえし。あるいは、せめてなるべく深く掘りかえすこと。
    2. そして堆肥、緑肥、木葉、草、わら切れ、古たたみ、厨芥などの有機質肥料をうんと混ぜこむこと。
    3. あとは、石灰を施すくらいで、その他には、特別の肥料を用いなくても、結構よく育ち、味はよく、ビタミン・ミネラルに富み、病虫害にも強い、したがって農薬を使用する必要もない、 本当に健康な作物をつくることが出来ます。

     これは、私どもの遠い先祖の時代から行われていた自然農法であり、これこそ本当の健康農法で、そこに育った作物を食べていた昔の人たちが頑健であった所以でもあります。
     ともかく、ただ下肥をつかわず、化学肥料だけにたよった、所謂清浄栽培では、決して本当に安全良質ナッパは出来ないし、本当の健康もえられません。本当の健康を得るためには、したがって、そのもとである安全良質のナッパをつくるためには、どうしても、昔から私どもの祖先がやっていた自然農法=健康農法によるほかはない、と私どもは考えています。


2. 化学肥料と栄養薬剤

     宮崎市 渡辺 忠夫

     ケールを作るとき、皆様は如何様な肥料を使われますか。
     堆肥、鶏糞、油粕、骨粉等の有機質肥料を施した場合は、良く出来ますが、硫安、尿素、過燐酸石灰、熔成燐肥、硫酸加里等の化学肥料だけで育てるのは、非常に難かしく、時に、思わぬ失敗を招くことがあります。窒素、燐酸、加里の肥料の三要素の他に、カルシウム、鉄、硼素、其他、微量要素と呼ばれる成分迄配合結合させた、化成肥料や、混合肥料も多く売出されて居ますから、水稲、果樹、蔬菜等総ゆる農産物の生産に大いに役立って居ることは事実です。
     しかし、これは、有機質肥料に比べて安くて便利だから用いられて居るもので、同じ値段なら、多少不便でも、有機質肥料が用いられる筈です。蘭やおもと、又は高価なサボテン等の栽培には、化学肥料を使う方は殆んどありません。
     人の健康と生存の為の栄養を補う為に、多くの種類の栄養薬剤が売出されて居ますが、その大部分は、人工合成のビタミンやミネラルを含んで居ます。このような人工合成のビタミンやミネラルは、肥料の場合の化学肥料や化成肥料等と同様に、欠点の多いものです。
     栄養薬剤の広告には、良い事ばかりが書いてありますが、欠点や副作用等の事は殆んど書いてありません。また、同じ成分の天然栄養食品との比較等も書いてありません。植木でさえも、大切なものには化学肥料はやめて、天然の有機質肥料を施す方々が、一番大切な自分自身の健康と栄養の為に、人工合成のビタミンやミネラルを服用することに若干の矛盾を感じます。

    (日南市 サボテン公園技師長)


3. 大きくならぬケール

    大津市 K.N. 

     以前、青汁ブームが起った頃、狭い庭を利用してケールを作り、青汁を飲用したことがあったのですが、日当りも土地も悪く、ケールが思うように育たず、青汁の効果を十分認めながらも断念してしまいました。
     最近、農村地帯の方へ引越して、土地も広くありませんが、ケール作りを再開しました。
     しかし、当地で手に入るケールはチジミケール(あまり大きくならず、汁にする際、洗う面倒が大変です)、もしくは品種名のわからぬケールで、品質もよくないように思います。
     そこで、最初の時、貴会より送っていただいたケールの種を思い出し、遠藤先生の本をひもとくと、ツリーケールとありました。
     そういえば、あの時のケールは、とても大きく育ちました。
     いま植えてあるのは、少しも上へのびず、すぐ葉が地面にすれて、枯れたり腐ったりして、ベト病の原因ともなっています。



4. 採種を楽しみ

    京都市 Y.S. 

     前にいただいたケールの種子を、なんとかして育てたいと、苦心さんたん致しましたが、ものの見事に、青虫と毛虫にやられてしまいました。木箱の中で育てたため、育ちが悪く、僅かに2本残ったのが年を越しました。春には花がさき種子がとれるのを楽しみにしております。


5. 年中とるには

    昭島市 K.K. 

     以前、2回ほど種子をいただき、とてもよく成長し、家中で飲みました。今年も春になると花が咲きそうです。やはり一年に2回は種子をまきませんと、だめですね。毎年、種子をとろうと思っているのですが、時期が悪かったり、いつも失敗してしまいました。今年こそは、と思っています。
    (年中とるためには、年3〜4回まくとよろしい。私どもは3〜4月、6〜7月、8〜9月、10月中下旬にまくようにしています。おためし下さい。)


6. 質問箱:農薬をつかわずに……

    和歌山県 H.S. 

     問
     農薬をつかわずに作ることが私にはどうしても出来ないのですが

     答
     ともかく土をよくして下さい。なるべく深くたがやす。そして十分の堆肥や緑肥、石灰を入れ、肥料には油粕や鶏糞、魚粉。こうして土をよく肥やすと丈夫な野菜が出来るので病気になりません。また蝶々が来ても葉の伸びが盛なので、青虫にならぬうちに葉がとれますから、大した被害はうけません。


7. 天の配剤

     一切農薬を使わずにミカンを作っている方の話。
     第一年は、さすが、ひどい被害をうけた。
     しかし、2年目からは、しだいに害虫の天敵があらわれ、被害はだんだん減って来た、という。
     やはり、天工の妙。
     神は決して見捨てたまわぬ。
     いずれ、詳しい手記を書いていただくようお願いしてありますが、とりあえず速報します。


8. よい土がほしい

    埼玉県 M.I. 

     先頃お送りいただきましたケールは、あくもなく、くせもなく、とてもよいジュースが出来ますのに、おしいことに、ここは隣りが田で、田の埋立地ですので、石ころやガラスと粘土のような土が混っています。
     ここへ来て土の有難さをしみじみ感じております。
     一握りのよい土をどんなに欲しがっていることでしょう。
     十数年まえ胃潰瘍のときにグリーンジュースで出血がとまった経験をもっております。
     当時は東京に住んでおりましたので、夏は早朝アカザ摘みに空地を探しまわりましたが、その後、空地にも、みな農薬がまかれて使用できなくなりました。
     ホウレンソウでもつくってみました。塩でよくもんでアクをとって使用いたしましたが、あまりこまかくつぶすと、組織が入ってよくないようで、食欲不振をおこしました。
     コマツナでもつくりました。河原の土手のヨモギでもつくってみましたが、できませんでした。
     これまで、ケールのようによい青葉を知りません。青虫やバッタのような虫に喰い荒されなさけなくなりますが、きっとおいしいから、よく虫がつくのでしょう。


9. 堆肥用のワラ

     健康な作物をつくる根本の条件は土壌の健康化。
     そのためには十分の堆肥の施用が必要であり、材料としては山野の草木や落葉が最適なのだが、その採集は必ずしも容易ではない。
     手頃なのはワラ。古俵、古むしろ、古ござ、古縄、スクモなど。利用できるものはいくらでもある。
     けれども、もともと痩せた田畑のものだけに、質的に劣っているのは止むを得ない。
     それは我慢するとしても困るのは農薬汚染。
     DDTやBHC、その他が残留しているかも知れないし、24Dや245Tなどの除草剤ともなると、作物自体をいためつけてしまうおそれが多分にある。
     安心なのは、こうした農薬のまだつかわれていなかった、少なくとも20〜30年まえまでにつくられた古たたみのワラ。
     古くなっているから肥やしにもなりやすい。
     たたみ屋も、この古ワラの始末には困っているそうだから、もらいうければ大量の堆肥が安価(おそらくタダで)にえられるし、たたみ屋からもよろこばれようというものだ。


10. エンサイを上手に作るには

     宮崎市 渡辺忠夫

     エンサイ(甕菜)は夏の緑葉食と青汁の不足を補うに最も適当な南洋野菜です。
     標準播種季は5月6日の立夏の頃ですが、気温25度を超える日が続けばよく発芽します。それ以下の温度では発芽が悪いので、北国や高冷地方では、6月中、下旬迄待って播種してください。大体播種後10日乃至15日で発芽します。畑に直播する場合の間隔は30cmの畦巾に15〜20cm間隔に、2〜3粒づつ点播して、0.5cmの深さに土を覆います。深過ぎると発芽しません。
     一般に植物の種子の発芽には温度と湿度と酸素が必要で、酸素は空気中の酸素が水中や土中にも溶け込みますが、深部では不足するものです。
     エンサイの種子が発芽する初夏の頃は、多くの昆虫類が冬眠から目を覚して、旺盛な活動を開始しています。青虫の親のモンシロチョウはエンサイには卵を生みつける事がありません。又、蟻が運ぶ(アブラムシ)も着く事はありませんから安心ですが、コオロギやバッタの類、及び夜盗虫は、植物の種類を選ばず、何でも喰う悪い虫です。

     発芽したばかりのエンサイの子苗を、此等の虫から守るには、水をジャンジャン掛けてやるに限ります。豊臣秀吉が備中高松城を水攻めにした故知にならって、エンサイ畑の周囲に低い土手を築いて、浅く水を貯めるのも良い方法です。此の際エンサイの葉先だけは水の上に出してやってください。夜盗虫やコオロギは日中の強い太陽光線を嫌って、昼は土の中にもぐっていますが、水に溺れて死ぬか、逃げ去るかです。農薬は少しも必要としません。エンサイが水を好み、水に強い性質を利用して、水で虫を防ぐ事が出来るものです。

     7月の盛夏に入って、エンサイが伸長を開始しますから、主幹の軟かい茎と葉を摘み取って、先ず味噌汁のみにして召上ってください。
     主幹を摘み取るとワキ芽が出ます。ワキ芽を多く出させ、それを又摘み取って、ワキ芽のワキ芽を出させる様に、芽数を多く、株を大きく育てるのが、エンサイを上手に育て、又ウマク利用するコツです。エンサイの蔓に朝顔の様に竹等の支柱をしてやろうか、との質問を受けますが、支柱等は全く必要としません。支柱は無益です。
     エンサイの株元から10〜20cmの処に鶏糞、魚のアラ又は骨、卵の殻、其他台所の残査で肥料になりそうなものを埋めてやれば、夏の暑さで、直ぐ分解して肥効が現われます。
     硫安や尿素等の化学肥料も勿論効きますが、骨や卵殻等のカルシウム質を混ぜた、有機物の分解肥料の方が、畑の地力を増進し、エンサイの栄養価を高めます。8月の炎暑に入って、エンサイは生命力の旺盛を示し、驚く程繁茂を続けますが、遠慮なく毎日でも、摘み取って利用してください。
     いくら飽食しても、此のやさいで食べ過ぎと言う事はありません。多く食べれば食べる程健康に役立ちます。青汁の原材料として、茎葉の軟かい部分は勿論、茎の相当硬くなった部分も利用出来ます。夏負け、夏瘠せはエンサイを知らぬ人の事で、無農薬の緑葉菜を、自分で作って食べる方には、自力健康の道が拓かれます。

     夏の台風や豪雨の後、野菜不足と高価で、台所経済に負担が重荷するのは、殆んど毎年の事ですが、エンサイは台風や豪雨に最も強く、災害対策野菜としても第1等です。
     秋の涼しさが20度以下になると、エンサイの役目は終りです。充分利用して抜き捨て、ケールや小松菜等、寒さに強いやさい畑を開け渡した方が宜しいです。エンサイの採種や苗のままの越冬は、25度以上の温度を保てば出来る訳ですが、日本の大部分の地方では実行困難です。種子は毎年配布します。
     御遠慮なく御請求ください。
     (宮崎市丸山町191、延才会 幹事 日南海岸サボテン公園技師長)




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