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1. ケール種とり

    東京 T. 

     2月下旬から3月はじめ迄に良種のものを4、5本土を充分つけて2尺おき位に移植する。その前に畑の一隅に場所を定めて径1尺以上、深さ1尺位の穴を作り元肥には特に過燐酸石灰か鶏糞のようなリンサン系肥料を加える(前者なら1にぎり宛、后者粗粒なら2にぎり位) 1本毎に1間位の高さの竹を立てて支柱とする。又適当の高さで、長い竹を横にして2段か3段のテスリを作る。竹は北側からケールを支えるようにしてわらでしばると春の強南風に都合よし。
     蕾が出る頃から、チョイチョイとベト病にかかるものが出るし、アマコ(油虫)がつき出すから、前もってボルドウ水和剤を1―2回かけておく。アマコか見え出したら、BHC、ボルドウ混合水和剤をかける、2―3度は必要。ベトは実が半熟する頃にも出てくるから、ケールの種切れを心配の人は機を逸せず、はみがきようじにボルドウの粉又は濃厚液を含ませて、ベトの患部くされを拭ってからよくすり込むと大体助かる。外科手術のように、ボルドウの上をビニールで包み、副え木をしばるとよいこともある。
     毎朝毎晩見ておって、すぐやると中々効果があります。油虫は蕾がつくに従ってふえるから、花枝は先の方3分の1位は虫のつかない中に切りとる。虫は枝の先の方ほど沢山つきます。又余り密生しておる弱い枝は、惜しげなく、切りすかすこと。それでも虫がふえれば、煙草汁マラソン、硫酸ニコチンなどもありますが、種とり以外のものに毒がかかると悪いから、BHCと煙草位で止めて、あとは手で征伐すること。2本も上手に育てると種は知友に分けても余るほどとれるから枝切りは思い切ってやるがよろし。ツリー種とポルトガル種、キャベツなどは開花の時機の差が少くてまじり易いから出来るだけ離すこと、知人と協力して別々の畑にするがよろし。
     実は黄色くなったら、余り乾かない中にその枝を刈り取って干す。乾きすぎると、こぼれてしまいます。八分乾きになれば、手でもんで実をとります。
     種とり以外の古ケールは1カ所に移して当分葉と蕾を利用する(歯ぬけのままでは土地の不経済)。油虫は全部につかず、特定の木に集中するから、それを抜きとって種木にかける農薬を利用して処分する。蕾は青いうちに生食、サラダ、肴なます、豆腐あえもの、オムレツ、汁の身、茶わんむし、サンドイッチ、トマトケチャップ煮など何にでもよし。蕾はつめば、あとからあとから出てきます。


2. ケールのつくり方

    松江市 S.H. 

     浅い経験ではありますが気づいたところをお送りいたし、青汁同好者の人々に少しでもご参考にと思いましたので、愚書をおくり、会のご手数を加えました。

    1、青汁材料のケール
     ケールは1人が毎日1回1合5勺宛のむとし、ケールの葉を大小平均14、5枚を要し、水は全く混ぜないのみか洗った際の水気を十分ふりおとし製造にかかる。
     この葉数は3月頃〜10月末ころまででのことで、冬季になると植物も冬眠するのか、地中より水分、養分を吸収しないのか、葉中に含有される水分が減り、また緑色が甚だ悪くなるので同量をのむのに殆んど倍数の葉数を使用せねばならない。
     そのようにすると一人前ケール25〜30枚を要する。

    1、ケールの播種
     播種は4月、9月の2回実施いたしますが、それでこそ他の野菜や野草と異り一年中ケールの青汁がのまれる。ケールは苗を作り移植するより、初めから十分種子をえらび実ったのを3、4粒づつ、30センチ位の間隔と距離をとり、10センチ位成長してから、よいのを残し、他は抜き捨てるか、他に移植した方が、成育がよいように思う。
     移植の目的でバラ播きして、10センチ位のびてから移植するとよいけれども、植えいたみができて、地播きよりははるかに遅れて成長する。
     そしていずれにしても除草と中耕は十分注意を要する。

    1、害虫の駆除
     害虫といえども矢張り長命を望むらしく、各種滋養のあるものを食いたいらしく、ケールには余程害虫がつきやすく、油断すると青汁唯一の材料を台無しにする。だからというて110番へ電話しても駄目。自分で熱心に駆除しないと駄目である。
     当地方でも折角ケールの種子とか苗をわけて渡しても、手入が不十分のため成長が不良とか、また害虫にやられて、全く使用できず抜いて捨てた人が6、7人もあり、さらに私から苗を差上げるということになる。
     害虫は各地方地方で異る場合もあろうが、当地はアマコ、青虫。それに病害か虫害かわからないが葉に茶かっ色の斑点が出来る。これは害虫以上にケールをいためる。
     アマコは煙草のアク汁を散布すれば全滅する。青虫は、葉に穴があくから直ちに発見ができるから除き易い。唯困るのは、ケールの新芽の中にアマコがつき、新芽を巻いて養分を吸うから一々新芽をひらいて駆除せねばならないからだ。
     しかし会でも虫喰い葉でも青汁には支障はないと申されていますが、私も穴だらけの葉でも捨てるのは勿体ないようで使用しております。ケールの花が散り、いざ実になろうとする時のアマコ発生は大変なもので、これを等閑にすると十分実らず、それのみか全く莢になりません。
     お互にケール作り方を十分研究し、これを人体に役立たせようではありませんか。
     以上のことは、青汁に関心のある人は十分ご承知かとも存じますが、平素の会のご指導にたいしお礼の言葉にかね、つまらないことを書きました。
     何卒ご笑読くださいませ。

    (36・8・25)


3. ケールのさし芽

    松阪市 Y.M. 

     ケールを作らしていただいて春になり、大きくなりまして、花が出るかと昨春は楽しみにしておりましたが、花も開かず大きく生長しまして、一体、如何になりますかと気になる程大きくなりましたので、脇芽で若木作っておかんものと存じ、昨初冬から脇芽でふやしましたところ、今春になり花が咲いて来ました。
     楽しみにしておりましたところ、親木が花がつきましたと同じに、脇芽の草も皆一せいに開花してしまいましたので、そのあとはケールをいただけなく、只今では白菜の葉ですごしております。
     とれた種子で若芽をつくっております状態です。親木からわかれた脇芽もやっぱり親と一緒に花が咲いて種子ができるということは初めてで、よい経験になりました。年寄りの私はケールをいただいてからは少し元気になってよろこんでおります。


4. 害虫発生期をさけた蔬菜健康栽培



5. 土の条件

     これは伊東清先生(熱帯植物研究家、元農林技官)のお話の中から土壌に関することだけをぬき出したものです。

    (文責在記者)

     青汁をしぼる上にもっとも大切なことは、新鮮で良質の清浄野菜を確保することである。野菜の出来は次の三条件による。
     すなわち天候、土壌、肥料。

    まず土壌について
     今では水耕栽培法といって、土を全然つかわぬ方法もあるが、われわれの普通の栽培方法では土壌の性質が基本になる。
     土壌には、水はけ、空気の流通、地温などの物理的条件。窒素、燐酸、加里、石灰などの化学的条件。さらに細菌学的の条件がある。
     青汁の主要原料であるケールのように、成長速度のはやいものでは多量の水分が必要。しかし、それと同時に、十分の空気があり、呼吸のできることが大切。(鉢植で、根が鉢の辺りに多くできているように、空気のあるところに根の発育がよい)。土壌がしまりすぎると、空気が乏しいため根の発育を妨げられるので、鍬を入れて耕さねばならぬ(中耕)。
     土壌には単粒組織と団粒組織とがある。単粒組織というのは、同じような小粒子からなりたつもので、これでは空気が乏しいし、毛細管現象によって地下水が蒸発しやすいため、やけやすい。団粒組織というのは、小さい粒子の集った団粒からできているので、その隙間に空気が保たれ、また毛細管現象による地下水の蒸発を防ぐ。
     そこで、植物成長上には単粒よりも団粒のほうが望ましい。これがためにも中耕が必要なわけである。ただし、中耕の度がすぎると、水を蒸発させ乾燥をはやめる結果となるから、注意を要する。
     なお中耕は土壌の細菌条件にも影響する。空気の乏しい、固くしまった土壌には有害菌、たとえば硝酸を亜硝酸にかえる亜硝酸菌が繁殖し根をいためるが、この菌は、空気を嫌う菌(嫌気菌)であるから、中耕して空気を入れてやると繁殖せず、反対に、好気菌である有益な硝酸菌の繁殖がよくなる。
     なお団粒組織にするためには、有機質を十分にふかくすきこむとよい。これには緑肥がいちばんよい。堆肥にしたものでなく、生のまま入れてよい。豆科のクローバー、ゲンゲ、ザードウイッケン、などならば窒素の含有率が多く窒素肥料にもなる。その他、枯草、枯葉、わら、など。根でもよい。ただし、イチジク、モモ、クルミの根は害がある。松葉は作物によってはよくない。
     乾燥を防ぐには敷わらを十分にする。これは、水の蒸発を防いで水分を保ち、団粒質の単粒化を妨げる効力がある。ただし、降水や灌水が土にしみこむのには邪魔になる。また石をおくと、土との間に空気を保ち、土壌の毛細管現象を中断することで、水分を保ち、乾燥を防ぐ。

     灌水 少しづつ度々やるよりは、時々十分にやるほうがよい。


6. 害虫発生期をさけた蔬菜健康栽培(その2)

    (奈良県五条市健康を守る会) 蔬菜健康栽培


7. さんざん からかわれたが<

    東京都 I.N. 

     昨年頂戴しましたケールが今2本だけ残り、目下結実中です。
     一、五〇米位の背丈ですが、種子の収穫がたのしみです。
     青汁をはじめてもう1年になり、お蔭様でいろいろの病が治りつつあります。
     青汁を始めた頃は、周囲からさんざんにからかわれたものですが、日の経つにつれ、これらの人々も皆青汁のよさがわかって来たらしく、私の菜園つくりをまねて、さかんに始めているようです。


8. 積雪地のケール(越冬研究)

    秋田県 H.S. 

     昨年、わが秋田地方のごとき積雪地帯でもケールの越冬は可能なるものや否やにつき、おたずねしましたところ、回答には、目下試験期であるが、ともかく雪の下に残しておいて見て下さい、とのことでした。
     私は特別の施設をしたのでもありませんが、次に述べるが如き簡単なやり方で殆んど100%にちかい越冬成績を得ました。ただ、単に1ヶ年だけの結果では疑問視さるる向きもあることと思われますが、私の観察感では、越冬状態の経過からみて、自信を得ておりますから、ここにご報告申上げる次第であります。



    1. 10月中旬に中耕を打ち上げケールの根元に土寄せした。
    2. 11月に入れば葉の収穫を制限し、多くの葉を残すことに努力した。
    3. 12月上旬根雪前に長さ1米位の支柱を立て軽く藁で結束した。
    4. 葉の収穫を無計画にして、比較的葉数の少いものは、翌春消雪期までに先端が凍死するようである。
    5. 最近における当地方の消雪期は3月下旬であったが本年(38年)は例年より遅れて4月上旬であった。


9. 質問箱:根瘤病

    山形県 Y.M. 

     ケールを本畑に移植すると、本葉5‐6枚になると、根に塊がつき、それがだんだん大きくなって、遂に枯れます。何という病気ですか。予防法はありませんか?

     答
     根瘤病でしょう。酸性土壌のところに出来やすいものです。反当り30‐40貫の石灰を施してアルカリ性にすること。湿地をさけ、排水をよくすること。病株は焼きすてること。


10. 積雪地のケール作り

     山形 小林 啓蔵

     寒くなるとケールの青汁は格別うまくなる。然し当地方では幾年か冬季間のケールの確保に苦心した事であろう。寒くとも雪さえなかったら、ケールは存外耐寒性があって苦労が少くなるが、積雪(多くて50センチ位)にも対策を建てねばならない。青汁会の支部を作っても、ケールの配給が止まる様では、存在の意義を失うにも等しい。当支部が出来て4年目に入り今冬は漸く確保の目安がついたので、寒い地方の方々の御参考になればと思って、左に報告する。

     かっては暖い地方の人々を羨しく思ったのであった。何等苦労をしないでケールの栽培が出来、入手が出来ると云うことについてである。然し今ではこうして確保出来ると、雪国のケールは特に清浄でうまい事に、感謝せざるを得ない。これも熱心な会員の栽培者伊藤孫三郎、たけ両氏夫妻と云う人物が居ったからであろう。当支部会員は130名近くであるが、其の内ケールの受配者は40数名で、週に2回、冬分だけ1回配給し、1回の配給の量は80キロほどである。大体4ヶ月分1300キロのストックが必要になる。この植付面積は約1段歩である。会員も最初は少いし、どうせ冬期は駄目とあきらめて、お隣りの福島支部から分けて貰った事もあった。4年たった今日、配給受ける会員も年々5割位増加し本格的に冬囲い対策を建てられる様な経済性も出来た訳である。

     然し経済性より熱意であろう。伊藤夫妻に感謝したい。雪囲いの方法としては、個人的なものと当支部の様に集団的なものと二つに分けられるかと思う。個人的なものについては11月号に載って居った秋田県の梁田久之助氏の御報告が非常に参考になった。積雪前に長さ1米位の支柱を立て、軽く藁で結束した、とありましたが、非農家の自宅では、ビニールで軽く包む様にして居ります。葉の収穫を制限せよとの事で尤もです。
     次に集団的なものとして当支部でやっているのは、写真でお目にかけましょう。個人的なものと違って数量確保の条件を必要とします。ケールの生長する夏季には購入希望が少く、冬季だけ倍加します。一番困るのは消雪期の3月末頃から5月上旬頃の期間です。それでケール不足の時の補充用として、前年5・6月頃から雪下甘藍なども栽培して居ります。ケールは越冬用、早春用と幾段階に播種育成して居る事は勿論です。

     2・3年間の経験での失敗は、越冬法としてケールの株寄せをして、それに小屋掛などして大事にした事でした。採光の少い密閉式は黄葉が出来腐れが発生するのです。それで今年は徹底的大事にするならとビニールハウス栽培方法を採り、あとは写真の様に畑に株寄せしてビニールで包みました。放置しても葉の雪折れ以外は存外丈夫です。ビニールハウス内でのケールは、厳冬でものびます。最良の方法です。
     来年あたりから本格的に取組まうかと思って居ります。然し僅かの資金では出来ません。一冬のケール代金を棒にする覚悟が要ります。当地方の冬季は農山村でも、野菜が不足し血圧患者も多く発生します。此のシーズンにケールの入手が確保されると云うことは、ほんとうに遠藤先生の云わるる「天与の恵み」の感が致します。

    (40・12・16山形支部長)


11. 雪中のケール摘取

     山形支部 小林啓蔵

     山形駅から仙台に向う仙山線の高瀬駅近くの中里にこのケール畑があります。
     伊藤孫三郎、たけの夫妻が丹精こめて約一段歩ばかり栽培しているのですが、冬が一番苦心します。
     ケールの冬季間の確保は難問題で色々やって見ましたが、現在ではこうして畑の栽培のままビニールをかぶせるのが、経済的であり効果的だと結論づけて居ります。
     冬季ケールがなく残念がっている全国の約半数の人のために写真でお目にかける次第です。
     これでも勿論凍葉や、くされが出て収穫は半減します。
     でも、雪中から掘り出したケールの味は又格別ですね。
     遠藤先生の云う天与の味です。
     雪国の皆さんもあきらめないで頑張って工夫して下さい。




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