健康と青汁タイトル小
高血圧インデックス:掲載紙面選択

高血圧(1)
高血圧(2)
高血圧(3)
高血圧(4)

  1. 意義ふかい新春                    211号
  2. 高血圧                        218号
  3. 本態性高血圧と食塩                  218号
  4. 高血圧治療と心臓                   218号
  5. 有難いことばかり                   218号
  6. ウンとやせた                     233号
  7. 81才至極元気                    236号
  8. たのしみにしている                  241号
  9. 油断は禁物                      242号
  10. 友以上に嬉しい思い                  243号
  11. 高血圧と糖尿                     247号
  12. 高血圧を体験して                   250号
  13. 青汁に救われる                    256号
  14. 驚いている                      256号
  15. 高血圧と潟血                     258号
  16. 高血圧を克服して                   261号
  17. 主治医も驚ろく                    268号
  18. 高血圧                        269号
  19. 高血圧と日常                     269号
  20. 高血圧                        269号
  21. 私のばあい                      269号
  22. 血圧下がる                      271号
  23. 一生欠かせぬ                     277号
  24. 血圧おちつく                     278号
  25. なくてはならぬもの                  289号
  26. ほんとによく効く                   293号

高血圧(5)
高血圧(6)



4-1. 意義ふかい新春

    大分県 S.O. 

     青汁歴10年になりました。一日も欠かしたことはありません。
     10年前の、青汁を始めた頃は、2回目の卒倒で面会謝絶、絶対安静で、高血圧や心臓病等で、もし生命があっても廃人同様だろう、ということを後で知りました。悪化する一方でした。
     そんな状況のとき、青汁をはじめました。家族や娘一家が真剣青汁をつくりました。いつとなく病は峠をこして、丁度2ヶ月目に退院いたしました。早速、翌日から勤めに出まして、今日まで、病気で休んだことは一日もありません。
     定期的に検診をうけています。極めて順調な体調を保っています。それから、軍隊生活の土産に皮膚病をもって帰り、毎年、早春から夏にかけてはジクジクとなやまされまして、近代的治療や、温泉に行きましたが、少しもよくならずに、本当に困っていましたが、青汁を始めたら、いつの間にか「根治」いたしました。
     ひとにもすすめ、5人ほど続けていますが感謝されています。私も、決して壮健そのものではありません。日常生活に無理をせず、規則正しい生活と食生活に気を配っています。これからも、今まで通り続けます。私には極めて意義ふかい新春をむかえ、今日あるを感謝いたしいる次第です。



4-2. 高血圧

     WHO(世界保健機構)の専門委員会によると、正常血圧と高血圧とを画する明確な線はひけないが、一応の目安には、140/90を正常、160/95以上を高血圧、とすることができよう。
     なお、年令別には、男性も女性も、次の数値以上のものは高血圧とすべきだ、としている。

       20〜29才、150/90以上、
       30〜64才、160/95以上、
        65才以上、175/95。

    (メジカル・トリビューン 1973、3、15号)



4-3. 本態性高血圧と食塩

     本態性(特別な原因疾患のない)高血圧は、一般に、食塩のとりすぎが原因と考えられ、治療には、食塩と水分の制限がいわれている。
     Schechterらは、本態性高血圧者10名と、平圧者12名についてしらべた結果、食塩にたいするこのみは両者ほぼ同じだが、高圧者は平圧者にくらべ、水は約2倍、食塩は4倍多くとっていることがわかった。

    (JAMA、1973.9.10号)



4-4. 高血圧治療と心臓

     フランスのJouve博士が、高血圧患者を2群(治療を施した群と対照群)に分けて、2年間観察した結果によると、高血圧治療は、合併症を防ぐには役立ったが、冠状動脉疾患(心筋梗塞など)の予防には役立っていなかった、という。

    (メジカル・トリビューン 1971・12・2日号より)



4-5. 有難いことばかり

    東京都 K.O. 

     青汁を始めて1年と1ヶ月になりました。高血圧と心臓神経症からのがれることが出来ましたことを、私をはじめ家族の皆がよろこんでくれております。
     4年半も高血圧の薬をのみましたためか、体のぐあいがへんになり、ピリン系の薬をのむと急に、前胸部の不快感、呼吸困難がおこり、20分ぐらい苦しみます。
     これがこわくて薬を飲むこともできず病気になったらどうしよう、となやみました。
     主婦の友社で「青汁と健康」を買いまして、毎日毎日よみつづけました。それからというもの、すっかり元気をとりもどし、食養生につとめ、おかげさまにてカゼにもかからず、心から感謝しております。
     昨年10月30日、孫の男の子が生れました。
     11月から、玄米のおもゆに豆乳を入れ、リンゴで甘味をつけ、青汁粉末を入れて飲ませております。
     カゼをひいても薬のいらない元気な子です。くしゃみぐらいで、熱も出ません。有難いことばかりです。



4-6. ウンとやせた

    1、K夫人(岡山)
     高血圧・不整脉で、10年間安静をまもり、薬にしたしんでおり、体重は80キロもあった。
     まず、青汁だけ、1日5〜6合。ついで、イモ・マメ・ナッパを加えた。
     あまり極端にやりすぎて、一時メマイをおこしたが、これは、食事を少しふやして、なおった。
     1年して、体重は62キロにへり、極めて快調。血圧正常。不整脉なし。毎日、畑仕事に精出しており、自転車でスイスイ走れ、山登りも平気。



    2、Y夫人(玉島)
     20才の時、腎炎。そのためか10年来、高血圧(最高250)。
     結代があり、動悸も強かった。
     昨年3月15日、卒中発作、ものがいえなくなり、20日間入院。7月の青汁教室いらい、熱心にイモ・マメ・ナッパ青汁食実行。
     青汁は毎日5〜6合のんだ。発病当時体重は65キロだったが、約1年たった今45キロ。
     血圧正常、結代なし。いつも小走りに歩くようにしているが、動悸もない。
     ある事務所につとめているが、階段を走り上ることもできる。ケール畑の仕事もさかんにやっている。
     さいきん、病院で腎臓の検査をしてもらったが、機能は完全だ、といわれた。
     なお、いぜんは、鼻がよくつまっていたが、すっかり通りがよくなった。



4-7. 81才至極元気

    大分市 H.N. 

     本月8日をもって81才を迎え、至極健康です。昭和38年、高血圧のため困っておりましたが、知人より青汁の話をきき、種子をもらって今日まで続けています。現在、血圧は150〜80程度で、かかりつけの先生も驚いております。なお、ご推奨のイモ・マメ・ナッパ食を主食とし、みな私自分でつくり、農薬使用は絶対いたしません。おかげを以って大変元気です。老人会の世話をしておりますので、会員にすすめますが長続きせんようです。



4-8. たのしみにしている

    長崎県 H.I. 

     おかげ様で、血圧も下がってしまいました。お情けのたまものと、お心づくしの程、一生忘れません。食欲もあります。また便も、青い便ばかりしますので、たのしみにしています。



4-9. 油断は禁物

     愛媛県 越智 廓明 

     4月下旬、日赤へ献血に行って血圧測定を行ったところ、34回目初めての不合格となった。それは、最低値が120に最高170だったからだ。考えて見れば、前日、十余名の人を案内して、早朝6時出発、岡山市へ瀬戸内水軍展を見に、日皈りの強行軍と、睡眠不足がかさなったためであった。
     一日休養し翌日は140に88になっていた。
     警察官や行政職の人々の不眠不休の事件に当り、往々40代の若さで夢想だにせぬ急死ということも、なにかわかる様な気がする。平素青汁を飲用はしているが、過労連続、ストレス、睡眠不足に血圧上昇の恐れのあることを知りえたのは何よりの貴い体験であった。



4-10. 友以上に嬉しい思い

    三重県 T.M. 

     青汁に第一歩入りましたその時より、今日までの間の一日一日の自分のからだが、青汁により、よき方に進んでいることは、まことこの上もないよろこびと感じているしだいです。
     私の友に、1年前に高血圧にて軽い発作がおき、シビレ、顔面のマヒ、足のビッコ等で苦しんでいたものが、私のすすめで青汁を常服していたところ、血圧も下り、足も楽になり、現在よろこんで勤めている姿を見るとき、すすめてよかったと、友以上に嬉しい思いがするのは私です。



4-11. 高血圧と糖尿

    千葉市 R.Y. 

     「青汁と健康」を拝読いたしましてから、毎日、青汁をのんでおります。三年来、薬をのみつづけました高血圧と糖尿が、すっかりよくなり、お医者さまから、今後は、月に1度検査にだけ来るように、といわれました。ほんとうに有難うございました。



4-12. 高血圧を体験して

    倉敷市 K.M. 

     昨年10月半頃です。その日は、1日中客と話したり、長電話でしゃべったりして、夕刻にはかなり疲れ、目が充血し、頬が紅潮し、首筋が異常に凝って来ました。
     数年前から、時々測る私の血圧の数値が常に正常値を上回って居り薄気味悪く思っていた矢先でしたので、外科医の夫に血圧を測って貰いました。上が180、下が100の数値に、夫が驚いて、注射を打ち薬を飲ませました。
     血圧はすぐ下りました。しかし、遂に、親譲りのいまわしい老人病に取りつかれたことを思い、半病人としての今後の生活に暗澹とした気持ちになりました。
     その時、遠藤先生の奥様が高血圧に青汁がよいことを話していられたのを思い出し、翌日、お尋ねして御指導を受けました。
     「一日三合以上の青汁を飲むこと。塩分を出来るだけ減らすこと。葉っぱを沢山とること。お米の代りにじゃがいも。牛乳、豆腐はよろしい。但し少量のこと。肉類は控えること。等々。」
     私は医薬を用いずにこれで治すことを決心し、早速に実行に取りかゝり、夫にも了承を得ました。
     初めに注射と薬で下げた血圧は四日目に再び上りはじめ、高い数値を示しました。夫は「頼むから一錠だけでも飲んでくれ」と申します。やむなく一錠飲みました。血圧はすぐ下りました。それから二日目に、血圧はまたもや頭をもたげて上り始めました。
     今度は「頼むから」には応じないで、薬を飲まず、ひたすらに青汁の効果を期待しました。果して、その夜より血圧は下り始め、心より安堵しました。それから三日経って、高い数値が124、低い方が62を血圧計が示しましたので、ご報告しましたら遠藤御婦人は「成績優秀やわ」とほめて下さいました。
     寒い夜が過ぎ三月に入りましたが、この間、私の血圧は正常を保ち続けました。青汁を飲み、塩分を少なくして、少食を心がけています以上、高血圧症にはかゝらないという確信を得るに到りました。以来、私の体験をお話しして、人様に青汁をおすゝめしている次第でございます。



4-13. 青汁に救われる

    兵庫県 T.O. 

     15年ほど前から、高血圧で治療を受けておりますが、一向によくなりません。最高200、最低105位いつもあるので、精神的にもまいってしまい、なんとかしなければと、不安の余り考えつきましたのが、体質改善をはかることでした。
     減食と塩分を少量にし、食事療法をいたしました。半年も経過した頃には、血圧も160−170位にさがりましたが体力がなく、病人同様になりました。
     これではいけないと思い、また食事を少量づつ元にもどしました。それから5年位過ぎた頃から、左手前膊がシビレ痛むようになり、ずっと医者にもかかり、たくさんお薬も飲みましたがよくなりません。そのうち、両手に痛みとシビレ、指先の感覚がなくなり、不安と前途は暗やみでした。
     ちょうど其の頃、三原保健所長さんに青汁のお話を聞き、ケールの種を頂いたので蒔いておりました。畠でケールが大きくなっているのを見まして、ワラをもつかむ思いで早速、ジューサーを買い青汁にして飲みました。
     10日も飲んだ頃より、あの苦しかった手の痛みがらくになり、1ヶ月もつづけた頃には、指先の感覚がうそのようによくなってきました。それから2ヶ年、主人にもすすめ、毎朝ケールを飲んでおります。血圧も今では150に落着き、薬も飲んでおりません。私は長年高血圧に苦しみあきらめていましたが、50才になった今、青汁に救われ、家族とともに楽しい毎日を送っております。



4-14. 驚いている

    岐阜市 K.M. 

     申しわけありませんが、ケールの種子をおくっていただけませんか。大阪センターの乾燥青汁を飲用していますが、体調はほんとうによくなってきました。家では、父が高血圧であるため飲用させていますが、だんだん安定して来ています。ありがとうございました。母も、そして子供も、ただおどろいています。



4-15. 高血圧と潟血

     医学博士 遠藤 仁郎 

     以前は好んで応用されたが、いまは、あまり行われなくなった。
     それは、かなりの量の血液をとっても、血圧には殆んど影響はないか、たとえ少々下っても、ほんの一時的にすぎず、繰り返していても治りきるものでもない。
     つまり、ほんの間に合わせの処置にしかすぎない、と考えられるようになったからだ。
     けれども、潟血後ただちに、頭痛や耳鳴がなくなり、気分きわめてさわやかになることが多い。
     そこで、中には、月々相当量の潟血をする、といったこともあった。
     ただし、あまり度々とることは、造血機能を刺戟して却って血液を増すので、考慮を要するともいわれている。
     古人の、年1回〜春秋2回、というのが妥当というものであろうか。なお、狭心症のあるものには、時にその急劇な悪化を来すおそれがあるので、一時に多量とることは危険、とされている。むしろ、少量をとるか、蛭でもあてる方が無難というものだろう。



4-16. 高血圧を克服して

    倉敷市 S.S. 

     銀行員として奉職した青年時代から、酒席による話上手に加えて社交々々、退職後某会社の重役となり、酒豪がいつしか酒害者となりました。
     集団検診で、高血圧!!として注意されましたが、生来の無病で、暴飲暴食は意のママ、酒・ビール・饅頭・肉食・米食、その結果は、ついに現実となってしまいました。
     4年前、自家用車を運転中に、フゥーと目の前が暗くなり、頭と手足に麻痺がおこったのです。路上に急停車して附近の人の介護により、救急車で倉敷中央病院に直行、入院をいたしました。
     脳波検査室で、「君は小原庄助さん式で、田地も家もいらない朝寝朝酒組か?といわれたのが、薄ボンヤリ、夢の中で聞く感じでした。
     2ヶ月の入院中に、妻が押す車を無理に捨てて、杖を頼りに少しでも還元しよう。「今から寝たきり老人になっては、会社も家庭も破滅のみだ。男の一念、できないことはない」と、一大決心をいたしました。
     
     自立運動室では、人一倍の苦労を続けまして、正月を前に退院したものの、左半身の後遺症や、言語障害は、人目にも痛々しく見え聞えたことでしょう。
     某日、知人の青汁愛飲家I氏の訪問をうけて、効用の多々あることを聞きました。以来、妻はケールを栽培してくれ、私は酒と糖による酸性体質を青汁により一変させました。
     この4年間、葡萄酒一滴も口にしたことのない現在です。酒はやめられないと申しますが、絶対断酒出来ます。酒に代わる一日3合の青汁を愛飲することが日常となり、風邪もひかず、ギャランシグマの自家用車を運転できる健康状態になりました。
     病前同様に還元して、言語障害も全然なくなり、詩吟の先生として門下生も多数の復帰もいたしました。会社も上々、家庭も良々です。
     病院の主治医H氏の指導に感謝するとともに、出張から帰宅して青汁を愛飲する楽しみは、健康体の現在の最大因です。今も患者として、月一回通院して検血検尿をうけますが、報告はOK。勿論、アルコール・糖の検出はありません。これも、理屈抜きの青汁飲用のお蔭だと感謝をいたしております。永久に一生続けたいと堅い決意でございます。
     青汁の効用は、毎月の健康と青汁の紙上に発表されていますから、研究して飲用して下さい。私は、素人療法でも出来る青汁を、万病克服のためお奨めいたします。(照会先 倉敷市浜町)



4-17. 主治医も驚ろく

    大分市 H.N. 

     11月8日をもって84才をむかえます。高血圧で困っていた時、友人よりケールをすすめられ、昭和38年いらい青汁を続けております。数年来、血圧も安定し、140−60程度にて、主治医もおどろいています。先生のイモ・マメ・ナッパ、これも続けています。至極健康で、庭木の手入れや草取りを楽しんでいます。衷心より感謝申し上げています。



4-18. 高血圧

     医学博士 遠藤 仁郎 

     高血圧には、腎炎や妊娠中毒、あるいは、ある種の内分泌疾患などのばあいにみられる症候性高血圧と、そういう特別な原因のない、ふつう、ただ高血圧といわれている本態性高血圧とがある。
     この本態性高血圧は、いまや、代表的現代病ともいうべきもので、さいきん非常にふえ、中・高年層はもとより、若(青・少)年層にも、しだいに多くなりつつある。
     その成因については、確定的なものはわかっていないが、遺伝的・体質的の傾向(素質)のあることと、食塩(ナトリウム、Na)やカロリーのとりすぎとの関係がいわれている。
     しかし、どうも、それだけではなく、もっと広い、食のあやまりをはじめとする近代的日常生活のあり方そのものに由来しているように思われてならない。

    食塩(Na)のとりすぎ
     食塩を食べないところに高血圧がないこと。
     実験的に、動物ことに幼若動物に食塩を多くあたえると、高血圧をつくることができることなど、たしかに、塩分のとりすぎと高血圧との関係はふかい(唯一の原因とみているものもある)。
     そして、治療的には減塩食・無塩食がすすめられており、予防的にも、なるべく早く、幼児期からの制限が強調されている。
     しかし、体質により、同じ高血圧でも、食塩に過敏なものと、そうでないものとがあり、その制限の効果も、決してすべてにあるわけではない。

    食べすぎ、ふとりすぎ
     高血圧が大食家・肥満家に多いこと。
     戦時中から戦後にかけて食糧が不足し、一般に痩せていた当時は、殆んどないか、ごく少なかった高血圧が、食糧の豊富になるにつれてふえてきたことは、ともに、食べすぎ(ふとりすぎ)との関係をしめしている。
     また、ふとったままでは治りにくく、減食と運動による体重減少が、治療・予防のカギであることも、よく知られている。
     しかし、この影響とて、食塩制限と同様、決して一様ではない。
     つまり、食塩(Na)、カロリーのとりすぎだけが、高血圧の原因のすべてではない。

    生活の不自然化
     ところで、高血圧が、一般に、未開国ほど少なくて、文明のすすんだ国ほど多いこと。わが国でも、以前、開化の度が低く、経済的にもめぐまれず、質素な生活をしていたころには少なかったが、国がひらけ、経済力は充実し、西欧先進国なみの贅沢なくらしができだし、同時に、生存競争は激化し、環境が悪化してくるとともに、急増してきたこと。
     これらの事実からすると、高血圧の多発には、体質的因子(素質)はもとよりだが、ただ食塩やカロリーだけでなく、食全体としてのみだれ、さらに、運動の不足、精神的ストレスの増大、環境のよごれなど、現代文明社会の、あまりにも不自然化し不合理化した日常生活に、より重大なかかわりがあるのではないか。

    食のみだれ
     高血圧家の食は、穀・肉(獣鳥魚介)・卵・乳製品・糖・脂など、高熱量・高蛋白食品にかたより、野菜・果物に乏しい。
     しかも、高度に加工(精製・調理)され、雑多な調味料(食塩・糖・脂のみならず、各種香辛・刺戟物や化学調味料)により濃厚に味つけされた贅美食を飽食し、菓子・酒類も愛好されている。
     つまり、こってり味つけされたご馳走の食いすぎの病気、ともいえるわけだが。
     こういう食では、カロリー、蛋白質ばかりが多く、それらの代謝になくてはならぬアルカリ・ミネラル・ビタミン類ははなはだしく乏しい、という不完全きわまる欠陥栄養になっている。
     ために、蛋白質・脂肪・糖質などの体内処理(代謝)が完全に行われず、いろいろ有害なものができる(血のにごり)だろうが、その際、血管を痙攣し血圧をたかめるようなものができるのではないか。
     それには、また、乱用されているタバコや薬品、氾濫している有害有毒食品、あるいは、運動不足、公害いっぱいの環境、精神的ストレス過剰、などの影響もあろう。
     なお、精神的ストレスは、そのほか、神経性に、血管の反応性をたかめ、痙攣しやすくもするだろう。
     ともあれ、こうした現代の文明社会における諸般の不良因子が、素質(遺伝的・体質的)と複雑にからみあっているところに、その真因はひそんでいるのであろう。
     そして、その予防にも、治療にも、食を中心とするこれら日常生活諸般の合理化・自然化をはかり、代謝を正常化して、「血のにごり」を除くことが根本であろうとかんがえられる。

    食の合理化(完全安全食の少食)
     食の合理化には、減塩、減食(蛋白質・脂肪・糖質は必要の最低限にとどめ)とともに、アルカリ・ミネラル・ビタミンはなるべく豊富に、むしろ、多すぎるくらいにする。
     つまり、バランスのよくとれた、しかも、熱量・蛋白質にたいし、アルカリ・ミネラル・ビタミンに十分余猶のある、完全食にすること。また、なるべく安全な自然食品を主とし、危険な農薬や産業廃棄物に汚染されたり、有害有毒な薬剤・色素・人工調味料などの添加されたもの、そのおそれのある加工・貯蔵・既成食品、インスタントものは、できるだけさけること(安全化)。
     すなわち、完全・安全食の少食がのぞましい。

    食品の吟味

      主食品
       白米はアルカリ・ミネラル・ビタミンが少なく(完全食にするには良質ナッパ約3倍が必要)、腹ごたえが少ないので、つい食べすぎる。
       玄米は、この点でも、栄養の点でもずっとよい(同量のナッパで完全)。
       小麦粉は、ビタミンは多いが(2倍量のナッパで完全)、加工品には添加物の害がないとはいえない。
       ソバ粉はミネラル・ビタミンも多い(同量のナッパで完全)。
       マメ類(同量のナッパで完全)、イモ類(半量のナッパで完全)はさらにすぐれているし、満腹価も大きい。
       で、主食には、米よりは小麦もの。
       むしろ雑穀がよく、マメ・イモはさらによい。

      蛋白食品
       肉類は、一般に、アルカリ・ミネラル・ビタミンに乏しく(完全にするには良質ナッパ2〜3倍が必要)、危険な薬品(飼料中の農薬や添加物など)の汚染があり、加工品は特にそのおそれが大きい。
       また、陸棲動物の脂肪が動脉硬化を原因することは周知のとおり。
       魚介類はこの点安心だし、全体食べられる小魚類は栄養的にもすぐれている(五分の一量のナッパで完全)。
       しかし、海水の汚濁(養殖ものでは飼料にも)には注意せねばならない。
       卵や乳は栄養的にすぐれているが(鶏卵は二分の一量のナッパで、牛乳は十分の一量のナッパで完全)、脂肪は陸棲動物のそれと同じ性質があり、農薬その他の汚染のおそれがないではない。
       そこで、質的には乳もっともすぐれ、次が小魚・卵の順で、肉類はもっとも劣っており、しかも、いずれも、必ずしも安全とはいいきれない。
       大豆には動物蛋白にちかい蛋白質があり、ミネラル・ビタミンにもとむ(同量のナッパで完全)優秀食品であり、農薬その他の汚染の少ない、良質かつ安全な蛋白源だ。

      野菜・果物
       アルカリ・ミネラル・ビタミンともにそろって多いものは良質ナッパ類(ホウレンソウ・フダンソウ以外の、緑色のつよい葉菜類)だけで、果物や白い(無色)野菜はもとより、比較的よい黄色菜でも、とても青ナッパ類には及ばない。
       で、農薬汚染の心配のない良質ナッパ類を主とした野菜・山菜・海藻類を十分多くそえ、なるべく多くを生で食べ、青汁にもする。

      調理・調味
       調味は簡単に。自然のままか、なるべく自然にちかいかたちで食べること。
       調味はうすく。
       塩分だけでなく、香辛・刺戟物はもとより、糖分や化学調味料も少なくする。
       糖分は目にみえない主食、ずいぶんのカロリーになる。
       化学調味料のグルタミン酸ナトリウムは、食塩ほどではないがNaをますことになるから、いずれもすぎると血圧をあげる。

      嗜好品
       ことに菓子には十分気をつけること。
       酒やタバコの害については、よく知られているが、菓子には存外無関心。
       三度の食事は厳重にやっているのに、どうもよくならぬ、といったようなばあい、ここに手ぬかりのあることがよくある。
       菓子・餅・団子・オカキ・パンなど、みな主食。
       カロリーの多いものであることを忘れてはならない。
       酒また同じ。
       やめるかひかえ、少なくとも飲みすぎはつつしむ。

      茶・コーヒー類
       抹茶・緑葉・番茶はよいが、お茶うけの菓子、紅茶・コーヒーでは砂糖に注意。

      タバコ
       血圧をあげる。
       あまり影響はないとの説もあるが、動脉硬化を原因する。
       禁煙。
       せめてできるだけ節煙。

     以上、大ざっぱにいって、食べものの総量をへらし、主食には米よりは雑穀、むしろマメ・イモ。
     蛋白食には肉類よりは乳・小魚、むしろ大豆。
     良質ナッパを主とした野菜類をうんとそえる。
     調理は簡単に、味はうすく。
     嗜好品にも十分気をつける。
     というので、昔から健康長寿食としていわれている食べ方――粗食・少食・淡白食・菜食・生菜食・乳菜食と一致する。

    その実際
      (1)緑葉食・青汁
       まず、青ナッパを主とする野菜・山菜・海藻類をうんと(生ナッパもせめて50〜100グラムはサラダにして)食い、青汁は少なくとも1日3合(もとのナッパ750グラム)はのんでみる。
       4〜5〜6合と多いほど結構。
       そして、蛋白食はすぎないよう、適宜とし、主食の米飯は毎回軽く一杯程度とし、理想体重(身長cmから100〜110をひいたキロ)に保つよう加減する。
       なお、そのためには、食事回数や食順序の工夫も大切。
       すなわち、同じ食量でも、少量づつ頻回に分けて食べる方がふとりにくい。
       また、まず、青汁をのみ、野菜・果物類を食べ、そのあとで主食や蛋白食をとると、十分の満腹感がえられて、実際には、かなり減食することができる。

      (2)しかし、それでも下らなければ、主食をイモかマメ、せめてソバ粉に、肉類をやめて大豆ものにかえてみる(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)。

      (3)それでもダメならば、思いきって、2〜3日か数日、青汁だけ1日5〜6合のむか(青汁絶食)、青汁と生ナッパ、果物だけにする(野菜果物日)。
       ついで、イモ・大豆・小魚と、しだいに増して様子をみる。
       これで、大抵は下ってくるものだ。

     血圧が安定してき、調子がよければ(2)にもどし、さらに(1)にもどす。また、逆に、(3)の青汁絶食からはじめてみるのもよい。(血圧が急に上ったときなど特に)。
     これまでも、高血圧の食事としては、減食・菜食ことに生菜食・減塩食がいわれているが、その実行は相当むつかしく、また、ながく続けにくいうらみがあった。
     いったい、高血圧の食の影響は原因的とみるべきものだから、一時的な食療法では、単なる対症薬剤療法と何等えらぶところはない。どうしても、ながく続けられるもの、つまり、常食となるものでなければならない。
     それには、通常食にちかく、しかも、本症にたいし合理的に組合わされたものであることが望ましい。
     緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食は、まさにこの条件をみたすものであり、邦食の欠陥である、穀・肉・糖の偏食を改善するため、野菜ことに緑葉菜を十分に配し、熱量・蛋白質をアルカリ・ミネラル・ビタミンとの間の均衡をはかった完全食だから、ながく続けることは望ましくこそあれ、決して障害をまねく懸念はない。
     なお、ナッパには、食を完全にする栄養分だけでなく、その他にもいろいろな有効成分があって、頭痛・頭重、耳鳴り、メマイなどは早くおさまり、睡眠も便通もよくなって、からだ中がいかにも爽かになる。
     もとより、すべての高血圧にきくわけではないが、熱心にやると、多くのばあい、馬鹿にならぬ効果がある。
     せめて、青汁だけでも十分――少なくとも1日3合以上のんでみてほしい。4〜5〜6合でも多いほどよい。

    その他の合理化運動
     つとめてからだを動かす。
     ことに運動の不足しているばあい、適度の運動はきわめて大切で、この励行によって、最高・最低血圧ともに、しだいに下がってゆく。
     運動そのものの効果(浄血、体重調節など)のほか、精神的リラックスの効も大きい。
     体操、散歩、テニス、ランニング、水泳、その他体力に応ずる運動。
     但し、過激な運動はさけること。

    呼吸運動
     深呼吸、発声、朗笑、歌唱などでも血圧は下がる。
     歌手などつねに呼吸をさかんにするものには高血圧が少ないと、毎日、5分間歌を唱えと、いわれている(Tirala氏歌唱法)。
     呼吸運動による浄血効果や、精神的効果によるものであろう。

    心のやすらぎ
     イライラ、不安緊張など心労がつづくと血圧は上がる。
     なるべくリラックスすること。
     入院して雑事から解放されるだけでも血圧は下がるものだ。
     能力に適応する仕事と十分の休養。
     なお、健康管理には十分細心でなければならないが、病気のことは気にしないこと。
     とりこし苦労するほどつまらぬことはない。

    ねむり
     十分のねむり。

    便通
     毎日快通すること。
     排便時怒責で血圧は急騰する。
     繊維にとんだ完全食、運動ことに腹部の運動とで、毎日、気ばらずに出す習慣をつける。(むつかしければ緩下剤・浣腸もやむをえない)

    入浴
     熱風呂、長風呂をさけ、適温、短時間。

    とくに注意すべきこと
     はげしい運動、はげしい興奮、セックス。
     寒冷時の外出、入浴、便所。
     寒さにさらされると血圧が上がる。
     脱衣するだけ、室外・戸外に出るだけでも急騰し、しばしば事故のもとになる。
     また、冬の夜の排尿にはし瓶使用が無難。


     よく効く薬がいろいろできている。
     そして、血圧が高いとすぐに薬をのむ。
     それで、脳や心臓の血管事故はへったといわれる。
     しかし、降圧剤の売れゆきに見合った死亡率の低下、あるいは余命の延長は、残念ながら、まだ明らかではないようだ。
     しかも、薬はあくまで薬。
     ともすると、厄介な副作用がつきまとう。
     それに、高血圧の多くは、食を中心とした日常生活をあらためることで、かなりよくなる。
     だから、日常生活の建直しをはかることが望ましい。
     いきなり薬に手を出すのは余り賢明とはいえない。
     たとえば、それは、柿の木にのぼっている子供を、引きずりおろすようなもの。
     のぼる必要のないようにしてやらないかぎり、手を放せばまたすぐ上るだろうし、うっかりすると大けがをさせてしまう。
     そんなものだ。
    (53・7)



4-19. 高血圧と日常

     気温が下ると血圧は上る。
     とくに、温い室内から寒い室外に出るとき、急に上る。
     食事や運動でも上る。

    飲酒
     はじめ上り、のみしだいに下る。
     酔いざめの時、また上る。
     タバコはあまり影響しないらしい。

    排尿
     尿意があると上り、排尿で下る。
     深呼吸数回で下る。

    入浴
     脱衣で急に上り、入浴を終えた後から1〜2時間は下っている。



4-20. 高血圧

     正常血圧と高血圧とを画する明確な線はひきにくい。
     WHO(世界保健機構)では、一応の目安として、

        最高140−最低90以下を正常。
          160−  95以上を高血圧。

     年令別では、男性も女性も、

        20〜29才で、150−90以上、
        30〜64才で、160−95以上、
         65才以上は、175−95以上

    を高血圧とすべきだ、
    としている。



4-21. 私のばあい

     おやじは酒好きで、53才の若さで脳溢血。
     おふくろは、明治9年9月9日生れの、ねっからの苦労性だと自分でもいっていたが、おやじの死後、いっそう気苦労が多かったのであろう、50代から、260以上もの高血圧。
     食養生はあまり守らず、秋にはけわしい山の茸狩りに出かけたりなどしていたが、75才で脳溢血。
     父方の祖父母についてははっきりしないが、母方は二人とも脳溢血。
     そして、男2人、女4人の6人兄弟のうち、兄と妹3人(いずれも肥満型)に高血圧があるから、遺伝関係はかなり濃厚。
     そこで、これをいかに防ぐかは、中年以後の私にとっては、いわばライフ・テーマだったわけだが、43〜4のころから、ナッパ、青汁中心の食をつづけているためか、あるいは痩せだちのせいか(高血圧のない妹の一人もやせ型)、最高血圧140以上になったことは一度もなく、78才の今でも120〜30/70〜80というところで、至極快的な毎日をおくっている。

    (53・7)



4-22. 血圧下がる

    兵庫県 R.M. 

     3年前、脳血栓でたおれ、それいらい、当地の奥本さんのすすめで、青汁を愛用しております。その後、180−100あった血圧も、今では、130−80くらいになり、よろこんでいます。



4-23. 一生欠かせぬ

    遠野市 E.O. 

     青汁にはケールが一番です。毎日飲んでいます。朝はケールだけで、昼と夕食は玄米飯。からだの調子がよく、血圧は135−80を保っており、老人病にもならず、ケールと玄米は、私らの生活には欠かすことのできないものになっています。
     老人クラブの集会には、いつも宣伝しております。



4-24. 血圧おちつく

    津山市 R.T. 

     老人で、血圧が、上150〜160、下80〜90くらいでしたが、青汁にハッサクまたはリンゴを混ぜ、2週間ほどつづけてのみましたら、130/70に下りました。
     家族のものにもすすめています。薬は中止しました。

     ○ 
     リンゴはナッパといっしょにはつぶさないようにして下さい。ビタミンCがこわれるので勿体ないです。別々に汁にして、飲むとき混ぜて下さい。



4-25. なくてはならぬもの

    兵庫県 S.K. 

     いつも先生にはお元気で、毎月ご教示をいただきましてありがとう存じます。
     高血圧で困っておりました主人も、只今では、おちつきまして、青汁のおかげとよろこんでおります。
     わたしも、わかい夫婦も一緒にのんでおりますが、体の調子がよく、カゼもひきませず、もう、青汁がなくてはならないことになりました。



4-26. ほんとによく効く

    兵庫県 H.H. 

     高血圧の方が、青汁でよくなられた記事を拝見しまして、1月より血圧が上り治療中の私が、さっそく、自分なりにチシャをスリ鉢ですり、絞り、1合ほど飲み、1週間ほどつづけましたところ、大変体が自然な感じになり、ずっと不眠で、勤めのある身ではあり、困っておりましたが、眠れるようにもなりました。
     ほんとによく効くのにおどろいているのでございます。





つづいて、高血圧(5)へ






ご意見・ご要望はこちらへ
階層リンク 田辺食品 青汁 健康と青汁 上の階層へ
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法

Copyright 2011 03 田辺食品株式会社