健康と青汁タイトル小
添加物の害インデックス

添加物の害(1)
添加物の害(2)
添加物の害(3)
添加物の害(4)
4-01 226号 ファンタの販売中止
4-02 232号 つけ物
4-03 233号 オセチ料理 合成着色食品にご注意
4-04 245号 いつまで続く公害列島(色素の巻)
4-05 266号 鶏卵 黄身の色まで着色 規制される飼料添加物
4-06 274号 食品添加物でゼンソク 除外療法で効果
4-07 289号 燻蒸剤
4-08 356号 危険な人工色素に代わるもの 栄養にもなる着色料
4-09 364号 添加物締め出し 近代病にさらば
4-10 366号 チューインガムによるアレルギー
4-11 396号 添加物入り食品おことわり



4-01. ファンタの販売中止

     京大生協 有害色素含む疑いで

    【京都】京大生活協同組合(野村秀和理事長)は清涼飲料水のファンタ(日本コカ・コーラ製)が「有害の疑いのあるタール系色素を含んでいる」として、6日から販売を中止した。同生協では同時にタール系色素を使用している疑いのある食器類を点検、日本コカ・コーラと厚生省に

    1. タール系色素の使用実態と安全性についての研究データの公開
    2. 同色素の使用禁止

     を求める要請書を送った。
     タール系色素は現在日本で11種の使用が許可されており、ファンタは着色用にグレープが赤色102号など3種、オレンジが同2号など3種を使用している。
     ところが赤色2、102号は一昨年、世界保健機構(WHO)でソ連の学者が「動物実験の結果、死産や妊娠率の低下など遺伝上悪影響がある」と指摘。10月24日の参院決算委で野末陳平議員(二院ク)がこの問題を取り上げ、厚生省に使用禁止を迫った。
     消費者団体などの間でも使用禁止運動が高まっており、10月末に開かれた京都消費者大会では分科会で「即時禁止」を申し合わせている。京大生協にはファンタの自動販売機が9台あり、年間紙コップで約15万杯の売り上げがあるが、これらの動きを受け販売中止に踏み切った。
    (49・11・7 山陽)




4-02. つけ物

    本物の味評判 無農薬野菜に天然塩
     塩は天然塩、原料は無農薬野菜――。
     不振の畜産に見切りをつけた島根県の農業青年が野菜の加工に踏み切り、昔のような本物のつけ物の味を求めて生産に励んでいる。
     風味のない最近の化学塩、合成着色料などを使ったつけ物がはんらんすることに疑問を持って始めたもの。
     天然塩は市販の化学塩の10倍近い値段。
     製品のつけ物の価格もそれなりに高いが、一味違い、消費者からの評判もよい。
     いまこの青年は“安全な農業”の輪を広げようと夢見て自然食品づくりに張り切っている。
     島根県大原郡大東町山王寺の細田豊さん(28)。
     3年前まで、中国山地が一望できる標高370メートルの自宅近くの50アールの牧場で牛百頭を飼っていた。
     47年4月「大暴落の兆し」の報に百頭いっぺんに売り払った。
     この資金をもとに、妻登志子さん(26)と、自宅の納屋を改造、つけ物加工を始めた。
     原料は自宅の1ヘクタールの畑でできる野菜。
     水は山からでるただの水.この水が良かったのか、「うまい」という評判がたって、松江市内を中心に販路は順調に伸びた。
     だが、細田さんが気づいたのは、他業者のつけ物に、合成着色料や合成甘味料が無雑作に使われていること。
     新興業者だった細田さんは、販売を広げるためにも、独自のものを開拓する必要もあったが、なにより細田さんは農家育ち。中学卒業後、島根県農事試験場で農業を1年間学んだこともあり、化学薬品に警戒心を持ち続けていた。
     そこで、昔風のにがりを持った天然塩を使い、本物のつけ物を目指した、という。
     試作品を何度かつくり、今年に入ってようやくメドがついた。自然食品開発に力を入れている県内の有力スーパーチェーンと販売契約を結び、4月から本格生産。評判は予想をはるかに越えた。
     天然塩を使っている関係で、製品はどうしても2、3割高い。それでも生産が間に合わない。生産量は4月が月間40トンだったのが、現在は120トンのペースで3倍。
     “本物”を求める消費者の存在に自信を深めた。 細田さんは同時に、原料として有機農法による無農薬野菜を使うことも始めた。
     島根、鳥取両県にまたがる10軒の農家をトラックでまわり、野菜を買い集めてくる。
     自宅の1ヘクタールの畑ももちろん無農薬野菜。
     いまでは、無農薬野菜が原料の2割に。
     直売方式は中間経費を浮かすメリットもある。
     細田さんの夢は将来、原料を有機野菜と天然塩だけにすることだ。
     天然塩使用の製品は設備の関係もあって現在半分しかできない。
     そこで、8月から工場を1棟増やしている。細田さんは関西市場へも販路を広げたいと今月末、有機農業家グループが大阪で催す試食講演会に参加、出席するスーパー店主などに“島根の味Wを売り込む準備を進めているが、「努力に工夫を重ねれば“安全な農業Wの輪を広げられそうです」と張り切る。

    (朝日)




4-03. オセチ料理 合成着色食品にご注意

    シヤトル M.S. 

     食品に添加されている合成着色料、赤色104号の遺伝性毒性が問題になっているが、岡山県下で販売されている食品を対象に岡山県消費生活センターが最近、色素抽出テストをしたところ大半の食品に合成着色料が使用されていた。
     この着色料は他の防腐剤などのような実用的な効果はほとんどなく、ただ消費者心理をくすぐるために見た目を美しくしているだけ。しかも着色料の中には遺伝性の毒性作用を持っていると指摘されているものもあるとあっては消費者としても着色食品の購入を考えねばならなくなりそうだ。

    天然色素に比べてより安価
     ここ数年、岡山市内のスーパーやデパートなどの食品売り場にならんだ食品は色鮮やかになる一方。
     しかし、そのほとんどは合成着色料で着色されている。現在、食品添加用の着色料には、自然の植物などから抽出した天然色素と化学的に作られた合成着色料の二通りあるが、天然色素に比べて安価で、より鮮明な色彩が得られる合成着色料がもっぱら使用されている。
     この合成着色料は色あいに応じて、赤色が6色、黄、青色が各2色、緑1色の合計11色あり、これらの色素を調合していろいろな彩色を行っている。
     中でも一番使用率が高いのは赤色の赤色2号、同3号、同102号、同104号、同105号、同106号の各色。この色素の中には昨年9月、国立遺伝学研究所の黒田行昭形質遺伝部室長が「多用していると遺伝学的に突然変異が起きる」と警告している赤色104号色素も含まれている。
     このため、岡山県消費生活センターでは岡山県で販売されている食品の着色料使用状況を知ろうとこのほど主な食品の試買テストを行った。
     その結果「テストした全商品に着色料が使用されていた」という全くショッキングな報告が行われている。

    マウスの実験で各種の障害
     この調査の対象になったのは菓子46点、板付きカマボコ10点、チェリー4点、紅ショウガ4点の合計64点。
     もちろん、これら食品は合成着色料が使用されやすい食品ばかりだが、中でもひどいのが菓子類。チョコレート、ウエハース、ビスケットの中には遺伝学的に問題があるとされている赤色104号色素が使われていたばかりか、食品衛生上問題があるとして日本を除くほとんどの国で使用を禁止されている赤色105号、同106号を使用していたものがキャンディー、ゼリーの中に5点も含まれていた。
     ほかでも板付きカマボコでは全商品に赤色106号を使用、チェリー、紅ショウガで各1点ずつ106号が使用されていた。
     これら着色料のうち一番の問題は赤色104号。
     黒田行昭国立遺伝学研究所形質遺伝部室長の警告に基づいて佐賀大学農学部の榎本則行教授がマウスを使ってテストした結果は、104号色素を与えたマウスの子は、

      1)粗毛や脱毛障害
      2)後シの歩行運動障害
      3)肉シュのようなかたまりの発生

    −などの障害が出ており、厚生省で現在、安全性のテストが行われている真っ最中。
     ほかでも「105、106号など百番台の合成着色料は催奇形性や代謝障害の懸念がある」といわれているとあっては全く恐ろしい限り。

    実用的効果はほとんどゼロ
     これほどまでに合成着色料が食品に入り込んできた原因について岡山県消費生活センターは「一つには製造業者が売り上げを伸ばすため消費者の“目”に訴える商品づくりを進めたため」と指摘する。
     普通、人間の食欲は、舌で味わう味とともに見た目に美しい“見栄え”にも大きく左右されがち。
     その見栄えの決め手になるのが色素。このため、製造業者は消費者が喜ぶ商品づくりを進めたいあまりに毒々しい色素の合成着色料使用の食品をつくりだしたともいえそう。
     もともと着色料には他の添加物の防腐剤などのような実用的な効用はほとんどない。
     効用としては「服用薬剤などで誤飲を避けるため危険薬を区別する時色づけする効用がある程度」といわれる。にもかかわらず着色食品が伸びてきた背景には「いくら製造業者が商品づくりを進めたとはいえ、それら商品を無差別に受け入れてきた消費者にも一端の責任がある」と岡山県消費生活センターでは指摘している。

    “品質表示”ラベルの確認を
     今回の調査では対象品目にならなかったものの、ほかにもタラコ、ソーセージ、サケの切り身・・・など合成着色を使用している疑いの濃い食品は他にもいっぱいある。
     この中で岡山県消費生活センターは、同センター展示室に代表的な合成着色料使用食品を展示して、一般消費者の注意を促すほか、機関紙を通じても合成着色料の啓発を進めていくことにしているが「その一番手として“品質表示”のラベルをよく見て購入する習慣を呼びかけたい」としている。
     現在、合成着色料や人工甘味料など使用している食品は食品衛生法で品質表示が義務づけられ、ラベルなどで表示されているが「この表示を確認して購入している消費者はどのくらいいるだろうか」と同センター。
     もっとも表示を確認していればこれまでいくども問題になっている合成着色料の添加食品などは避けていたはず。やはり無関心が“不要”な添加物を伸ばしてきた−ともいえそう。
     岡山県消費生活センターでは「いま一度、梅干しやつけ物など本当の自然の色彩を確認、見直してはどうだろうか」と呼びかけている。
     (50・7・4 山陽)




4-04. いつまで続く公害列島(色素の巻)

    はんらんする“合成着色料“
    二重添加の食品も 疑わしきは買わぬよう
    (51・5・7 山陽)

    購買意欲そそる色鮮やかさ
     「まあ!おいしそうな色」―百貨店、スーパーなどのお菓子売り場、食品売り場には鮮やかな色をした食料品が、消費者の購買心理をくすぐる。ところが、こうした“おいしそうな色”の中に合成着色料で色づけされた食品がかなり含まれている。日常なにげなく食べている梅干し、紅しょうが、福神づけのほかサクランボ、ようかん、子供たちに好まれるあめ、キャンデー、ドロップチョコレート、ガムなど数え上げればキリがないほど これら食品を色づけする時に使われるのが着色料。この着色料は合成と天然に大別されるが、合成着色料の主流を占めているのは、いわゆる食用タール系色素。これは当初コールタールの中の成分から合成されたため、そう呼ばれているが、いまでは石油が原料。現在、日本では赤色2、3、102、104、105、106号、黄色4、5号、青色1、2号、緑色3号の計11種類の使用が認められている。この中には、一昨年9月国立遺伝学研究所の黒田行昭形質遺伝部室長が「多用していると遺伝学的に突然変異がおきる」と指摘した赤色104号、または今年1月、米国毒性中央研究所が「動物実験の結果、発ガン性の疑いがある」と発表、同19日、FDA(アメリカ食品医薬局)が使用禁止を打ち出した赤色2号も含まれている。

    菓子類に多い「赤色2号」
     こうした背景のなかで岡山県消費生活センターは、このほど赤色2号が、食品の中にどの程度使われているか調べるため、赤色着色料が使われていそうなものの試買テストを行った。テストにはあめ、キャンデー、ドロップなど菓子類41検体、ジュース類5検体、ジャム4検体、さくらんぼ(チェリー)10検体、つけ物類23検体、ふりかけ4検体、さくらでんぷ3検体、つくだ煮2検体、かんてん2検体、その他5検体の合計99検体が選ばれた。その結果、赤色合成着色料を使用していなかったのは4検体だけ。使われている着色料を種類別にみると、今問題になっている赤色2号が20検体、3号が35検体、102号が39検体、106号が17検体からと合わせて111の赤色着色料が検出された。検体数よりも使用着色料が上回ったのは、よりきれいな、おいしそうな色を出すため2号と3号、2号と102号と106号というように食品によっては何種類もの“赤”を用いているものがあったため。ただ、遺伝毒性が問題になった赤色104号がひとつも検出されなかったのは、せめてもの救い。赤色2号の使用されていた20検体の内訳は、あめ、キャンデー、ドロップ類が9検体、ゼリー類が2検体、チョコレートとガムが各1検体、ようかん2検体、清涼菓子類3検体の合計18検体で、菓子類がほとんどを占めている。残り2検体はジュース類。

    見向きされない無添加食品
     合成着色料が多くの食品に使われているのは、食品の色具合で売れ行きが断然違うから。スーパーのダイエーでは「ずっと以前から無着色のタラコを着色されたタラコとともに販売しているが、売れ行きは格段の差。また無添加のポークソーセージも色が非常にみおとりし、売れ行きが悪い」と話し消費者はどうしても“みばえ”のよいものを買いがちという。見た目の美しさが商品の売れ行きを左右するため、製造メーカーでは何種類もの色素をつかって“おいしそうな”色づくりをやめないが、この合成着色料には他の添加物の酸化防止剤や防腐剤のように食品を腐らせないなどの効用はほとんどない。それだけに消費者としてはこうした着色料が本当に必要かどうか、もう一度考え直す必要がありそう。岡山県食品の安全を守る会の山吹賀子さんは「一般の消費者が食品の本当の色をわすれてしまっているようで、メーカー側の売り込みにおどらされている。合成着色料を使わない商品をできるだけ買うようにふだんから心掛けなくては……。また着色料も国によって許可されると必ずメーカーが使うので、許可する方の姿勢も“疑わしきは罰す”式に改めてもらわなくては……」と話す。また岡山県消費生活センターでも「食品類には必ず原材料名などを書いた品質表示があり、そこに合成着色料使用とあるものは避けるぐらいの注意が必要」と言う。着色料を追加するには、メーカーの社会的責任の自覚も必要だが、消費者も“疑わしきは買わない”態度が大切なようだ。



    相変らず「赤色2号」 試買テストで判明 (51・6・22 サンケイ)

     発ガン性物質として問題となった合成着色料「赤色2号」は、相変わらず菓子類を中心に使われている―
     こんな結果が、このほど県消費生活センターが行った「赤色着色料使用食品の試買テスト」で明らかになた。このテストは、アメやキャンデー、ドロップなど菓子類41種、つけ物類23種など「合成着色料添加」と明示された食品99種を無作為に選び、抽出法、定性法のテストをした。菓子類についての赤色着色料の使用比率は「赤色2号」35.4%、「同3号」45.8%、「同102号」8.3%、「同106号」10.4%で、「同104号」「同105号」は使われていなかった。
     また、全商品についての使用比率では「赤色102号」35.2%、「同3号」31.5%、「同2号」18.0%、「同106号」15.3%の順。昨年、遺伝毒性で問題となった「赤色104号」は使用されておらず、「赤色105号」も検出されなかった。この結果、発ガン性で問題となっている「赤色2号」は、菓子類には相変わらず使われていることがわかった。この「赤色2号」はことし1月、米国食品医薬品局が使用を禁止したが、日本では明確な結論が出ておらず、企業の自粛に頼っているのが現状。このため同センターでは「消費者は、赤色着色料にかぎらず着色をほどこした食品はなるべく食べないよう」と注意している。



    まだ多い発ガン性着色料
    安全確認まで使用禁止を
     (51・5・1 朝日)

     加工食品の中に発ガン性が指摘された合成着色料赤色2号の含まれている食品が26%もあった。東京都消費者センターの試買テストで明らかになったもので、同センターは30日、業界に対しては使用を自粛、厚生省には使用中止措置をとるよう申し入れた。
     試買テストは、2月26日から3月31日まで、同センターが都内のデパート、スーパーマーケット、小売店から買い入れた加工食品258点を日本薬学会協定衛生試験法に基づき、赤色2号と、遺伝毒性(突然変異などを引き起こす)の疑いがあるといわれる赤色104号を中心に分析した。
     その結果、米食品医薬品局(FDA)がことし1月、発ガン性の疑いがあるとして米国での使用を禁止した赤色2号は258点中67点と、26%も使われていた。使用が最も多かったのは輸入品のドロップで25点中14点、国産のあめ・キャンデー類の38点中11点、ガム・ゼリーの14点中9点など。せんべいなどの米菓や和菓子、果実加工品類からは検出されなかった。
     一方、49年9月、国立遺伝学研究所から遺伝毒性の疑いがあると発表され、業界でも使用を自主規制している赤色104号はさすがに少なかったが、それでも板橋区T製菓所製のドロップ「五しき玉」から検出された。この赤色2号、同104号をはじめ赤色3号、同102号、同105号、同106号の赤色合成着色料は消費者団体などから使用しないよう再三指摘されているが、それでも全体の79.45%(205点)の食品になんらかの赤色合成着色料が含まれており、同センターでは極端な色の着いているものはできるだけ避けるよう呼びかけている。
     現在、合成着色料の表示義務は食品衛生法施行規則5条により、使用しているかどうかだけでよく、使用色素名は義務付けられていない。店頭で包装するばら売りについては表示義務もないのが現状。このため同センターは製造・販売業界に対し

    1. 赤色2号、同104号の使用自粛
    2. 同色素使用食品の販売を控える
    3. 使用着色料の明示
     などを要請するとともに、厚生省に対しても同色素の安全性が確認されるまで使用中止の措置をとるよう要望書を出した。




4-05. 鶏卵 黄身の色まで着色 規制される飼料添加物

     家畜の飼料に抗生物質など薬品が混ぜられていることから“薬づけ畜産”と消費者が不安の声をあげていた。
     その飼料添加物は24日から実施される「飼料の安全性の確保および品質の改善に関する法律」によって規制される。主な点は使ってもよい飼料添加物を抗菌剤30種、栄養剤12種、カビ防止剤2種の合わせて44種に制限され、従来126種も使われていたものが約3分の1に削減された。
     この中には発ガン性で問題となった食品添加物のAF2と同じニトロフラン系化合物のフラゾリドンなどが含まれている。添加出来なくなった抗菌剤は24種。これらは病気が発生した時、獣医の処方せんにより添加が出来る指示薬となった。
     また抗菌剤を添加した飼料はこれまでいつでも使えたが、今後は採卵鶏の場合、フ化後10週間までに限られそれ以後の添加は禁止されている。

     このように初めて規制された飼料添加物だが、使われてきたのにはそれなりの理由がある。30年代中ごろまでは“庭先養鶏”といわれるように何十羽、何百羽単位の養鶏がほとんどだった。当時は鶏舎といっても自由に動き回ることが出来、エサもくず野菜などが与えられた。
     ところが経済の高度成長とともに養鶏規模も拡大。一ヵ所で何千羽、何万羽、さらには何十万羽も飼うようになり、給飼、給水、採卵がボタンを押すと自動的に出来るオートメーションシステムとなってきた。さらには窓が全然なく、空気、湿度、明かりまで自動的に調節されるウインドレス鶏舎まで出現、ニワトリは“卵を産む機械”と化している。
     こうした大規模化、機械化を支えているのが抗菌剤、カビ防止剤、栄養剤など飼料添加物。エサの効率を上げ成長を促進、病気の発生を防ぐため使用種類と量がふえ“薬づけ”の批判が聞かれだした。これの規制がスタートしたのはよいが、規制が実際に末端養鶏農家の段階で守られるかどうか。
     例えばヒナにしか与えてはいけない抗菌剤入りの飼料を成鶏に与えることはないかなどを監視するシステムは、まだない。今後の問題点である。

     ところで「最近の卵は黄身の色が白っぽくなった」など消費者の間から“苦情”が聞かれる。この卵黄の黄色は飼料に含まれているルティン、ゼアキサンチンなどカロチノイド系の色素が沈着して色が出ているもの。従って黄色が濃いものは卵の中にカロチノイドが多く含まれているが、色の濃淡はビタミン含有量とは直接関係がないといわれている。
     このカロチノイドは緑黄野菜やトウモロコシ、アルファルファミールなどに含まれているが、最近では生野菜は全く与えていないのでトウモロコシとアルファルファミールに含まれているものが鶏卵の色に移動している。ところが飼料につかわれるトウモロコシは、その時の飼料相場によって飼料メーカーが混入率を変えるため、鶏卵の色は一定しない。そこで色を平均化するために使われているのが合成着色料のカンタキサンチン。今回の飼料添加物の規制でも“天然にもあるもの”ということで現在のところ規制対象となっていない。自然のものと思われていた鶏卵の黄色まで人工的に着色されているのだ。

    (52・2・3 山陽夕刊)




4-06. 食品添加物でゼンソク 除外療法で効果

     日常生活で使われる医薬品、食品の添加物がゼンソクの一因になっているという研究報告が、4月5日から東京で開かれる日本内科学会総会で発表される。
     発表するのは、名古屋保健衛生大学の末次勧助教授。
     問題の添加物は着色料「黄色4号」など3種類で、つけ物や菓子のほかゼンソクの治療薬にも含まれており、同教授はこれらを除外する療法で治療に成果を上げている。
     末次助教授によれば、添加物で発作を起こすのはアスピリンゼンソクと呼ばれる症状。
     ほこりや花粉によって起こる普通のアレルギー性のゼンソクと違って、アスピリンなど解熱鎮痛剤によって起こる。
     ゼンソク全体の約1割を占め、治りにくく重症化しやすい。
     最近、アスピリンゼンソクの原因物質が解熱剤以外にもあるらしいことが米国などで注目され始めたことから、同助教授は医薬品や食品の添加物を洗い出す研究をした。
     その結果、“犯人”として突きとめたのが、着色料のタートラジン、防腐剤のパラベン、漂白剤の亜硫酸水素ナトリウムの三つ。
     このうち、タートラジンをゼンソク患者に微量与える「負荷テスト」をしたところ、約10%が発作を起こした。
     パラベン(安息香酸化合物の一種)では30%、亜硫酸水素ナトリウムでは約80%が発症し、いずれも“クロ”と出た。
     タートラジンは「黄色4号」と呼ばれ、つけ物、菓子、ジュースやビタミン剤などに広く使われている。
     また、パラベンと亜硫酸水素ナトリウムは、ゼンソクの注射薬や気管支拡張剤に含まれており治療のつもりがかえって症状を悪化させていた疑いも出てきた。
     末次助教授は、この三つ以外にも発作の原因となる添加物はかなりあるとみており、実際の治療面にこの研究を生かし、患者に添加物のない食品や薬しか与えない「除外療法」を実施して成果を上げている。
     

    (54・3・28 夕刊)




4-07. 燻蒸剤

     食品の燻蒸に臭化メチルが用いられている。
     聖マリアンナ医大内科の余村吉一氏らは、日本内科学会(50・4月)で、燻蒸従事者に中毒症状が出たし、動物実験でも、燻蒸飼料でパントテン酸(ビタミンB2群の一つ)欠乏症状に似た症状が出る。
     食品の燻蒸用に規定されている比較的低濃度の臭化メチルで燻蒸した飼料で飼育したばあいは、中毒所見は軽度であったが、もし、燻蒸食品のみを毎日摂取したり、大量の濃厚燻蒸食品を摂取したりすれば、人体にも有害となる可能性がありうると思われる。
    と報告している。

    (日本内科学会雑誌、50・9月号)




4-08. 危険な人工色素に代わるもの
   栄養にもなる着色料の使用を

     【ワシントン】コールタールをベースにする食品用および化粧品用の色素を禁止しないことに対し、食品医薬品局(FDA)と厚生省(HHS)を相手どって訴訟を提起したFoundation for Nutritional Advancementによると、それらの一般的に使用されている色素10種に代わるものとして、安全で栄養さえある着色料が存在するという。
     ノーベル賞受賞者で、ビタミンCを強力に推奨するLinus Pauling博士らが当地に9年前に設立した財団の訴状によると、赤色3号をはじめとする色素のほとんどは、動物に癌を生じることが証明されている。このワシントン地区連邦裁判所に提出された訴状は、オレンジ17号、赤色3号、8号、9号、19号、33号、36号、および37号、黄色5号と6号をFDAに市場から撤去させることを求めている。
     これらの色素は飲料、デザート類、キャンデー、ビタミン剤などの食物、薬剤、化粧品に広く用いられている。訴状によると、「問題になっている人工色素10種のうち6種(オレンジ17号、赤色3号、8号、9号、19号および37号)は、実験動物に癌を生じることが発癌性試験で明らかに確立されている。残りの4種(赤色33号と36号、黄色5号と6号)についても、発癌性試験で重大な疑問が生じている」という。

    ある種の癌から保護するものも
     今回の訴状によると、コールタールから作った色素のような発癌リスクがなく、健康的でさえある“天然または天然のものと同じ”着色料が幾つかある。それらにはアンナット(の種子から得られる染料)、ウコン、カロチノイドが含まれる。
     ベータ・カロチンなどのカロチノイドは、ニンジンや他のオレンジ色、濃黄色、濃緑色、赤色の果実や野菜の色素でありビタミンAのもとである。カロチノイドは、ヒトをある種の癌から保護することも主張されている。これらの化学物質の多くは合成できるし、すでに食物や化粧品での使用が認可され、現に使用されてもいる。

    (Medical Tribune85.6.20)




4-09. 添加物締め出し 近代病にさらば

     59年度、日本人一人が医師や病院に支払った医療費は、12万5千5百円だという。
     月1万余円だが、年々増える寝たきりや恍惚の人、そして成人病等が避けられないとすれば、医療費の膨張はさらに進むだろう。
     病気になって一番苦しむのは当人である。
     その病気はなぜ起きるのだろう。
     それを考えて30年になるが、実は私には仮説がある。
     その前に一言。実父は30年代、七転八倒の末、がんで亡くなり、また義父は20年前ひどい糖尿病で他界した。
     そのころから私は、漠然とだが異物(化学物質)が原因ではないかと疑った。
     そして歳月は流れ6年前、今85歳の義母が、成人病を含め6つの病気にかかり、1年半苦しんだ。
     もちろん、ワラをもつかむ思いで病院、医院を転々とした。
     その結果はかんばしくない。
     そこで私は悩み、考えた。そうだ、体組織に適合しない化学物質の体内流入が原因ではないかと。
     つまり自分の仮説に挑戦したのである。
     結果は見事的中、半年もたたないうちに6つの病気が治り、今では、血圧、心臓、尿、血液等の検査はすべて正常である。
     一言でいえば、添加物排除の食生活である。
     加工食を避け、化学物質の入った菓子、飲料にも気を配った。
     いわゆる塩を含め、徹底した自然食で、この認識は私の頭の中に焼き付いている。
     皆さん、文明病は化学物質の相乗作用です。
     中でも四六時中口にする添加物が主因で、これに目覚めた人が、近代病から解放されることを断言しておきましょう。

    (川崎市 結城学)
    (61・8・21 サンケイ)




4-10. チューインガムによるアレルギー

     タルトラジン、アゾ染料、安息香酸塩、メタ重亜硫酸塩、ブチレーテッドハイドロキシトルエン(BHT)などをはじめ、種々の食品添加剤がアレルギー反応を起こすことは知られている。
     特にBHTは、ポテトチッポスやピーナッツ、ケーキミックスそれに粉末のマッシュポテトといった食品の抗酸化剤として広く使用されているが、フランスのVandoeuvreles-Nancyの免疫アレルギー学者らが、BHTの副作用について報告している。
     女性患者が皮膚に、ジンマシン性の発疹を呈したが、薬の副作用や食事の変化などで説明することはできなかった。唯一変わったことは、患者が最近、チューインガムをかみ始めたことであった。
     ガムは、クロロフイル(E140)、メントールそれにBHTを含有している。チューインガムをかむのをやめて一週間以内に、皮膚の発疹は消えた。その後、プラセボ、クロロフイルそれにBHTを使用した誘発試験で、試験開始数時間に発疹ができたことから、発疹の原因はBHTだと判明した。
     患者がはっきりした原因のないアレルギー症状を呈したときにはチューインガムの使用の有無を聞いてみることだ、とチームは結論している。

    Lancet i;617,1986(Medical Tribune 86.5.15)




4-11. 添加物入り食品おことわり

    奈良県高校生 Y.M. 

     毎日暑い。こう暑いと、どうしても冷たい物を飲み食いしたくなることは、だれしもやむを得ないことであろう。私なども極力我慢をすることにしているが、おのずとアイスクリームやジュース類に手が出る。
     しかし、そのアイスクリームやジュースの原材料名を見ておどろく。なんとまあ添加物の多いことといったら、安定剤、乳化剤、甘味料、着色料、香料等々数えあげればきりがないほどだ。これで体によいはずがない。それもほとんどのアイスクリームやジュースには数種ずつの添加物が入っている。
     私は前に、これらの添加物の中には体に蓄積すれば発ガン性やなんらかの害を与えるものがあるということを、学校の授業で習ったことがある。こんなものを飲み食いしているということは、自分から病気のもとを買っているようなものである。
     しかしながら町には自動販売機のはんらん、いかにもおいしそうに宣伝するTVコマーシャルなど、誘惑がいっぱい。個人個人が、このようなものはなるべく買わないようにするのが大切だが、メーカーも健康食品や飲料についてもっと真剣に考えてほしいと思う。




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