<1981年4月15日発行 第296号>
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目次
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1. 養生のかなめ
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医学博士 遠藤 仁郎
Natura sanat Medicus curat.(自然が癒し、医師は手当をする)ということばがある。これは、病気や傷をなおすのは自然で、医者はただその手伝いをするだけだ。治してやったなどと思い上ってはならぬ。という医者へのいましめであり、また、治るのは自然だ。医者や薬だけにたよりきってはならぬ、という病人へのいましめでもある。
では、何もせず、ただなりゆきにまかしておればよいということかというと、決してそうではない。この「自然」というのは、からだにそなわった自然の力。健康をまもり、病気や傷をなおす自然の力。自然の抵抗力・回復力、すなわち健康力(生命力)のことであって、自然の正しい生き方によってあたえられる神(自然)の恵み、というべきものだ。
自然の正しい生き方
自然界の動物は自然のおきてにすなおにしたがい、かれらにとって正しい生き方をし、それを終生つづけている。そして、あのたくましい健康力(生命力)をあたえられている。しかし、われわれ人間は、人間にとっては自然でも、それは人為的にゆがめられたものであり、本当に正しい自然の生き方はしていない。たとえば食べもの。
何でも食べる
自然界の動物は、かれらの適した、かれらにとって完全なもの以外は決して食べない。
それをかれらは本能的に知っており、また、本能的にためによくない有害有毒なものをみわける能力をもっている。人間は本当に何を食べてよいか知らず、ためによくないもの、有害有毒なものをみわける能力もなく、食べられるものであれば、うまいものであれば、食べよく、便利で手数がはぶければ、何でも食べる。
食べものの由来
自然の動物は、草食獣の草木葉、肉食獣の動物にしても、すべて、自然にあるもの、そだったものを、そのまま食べる。われわれは、自然のものももちろん食べるが、多くは栽培し飼育したものであり、その栽培法・飼育法ははなはだ不自然になっている。
農作物の栽培
むかしは、山の木が落葉・朽木を肥料として自然にそだつ、それをならった堆肥と、土をよく耕やす自然農法であった。いまは、便利な化学肥料と耕耘機にたよった労力の少ない不自然農法になった。
いやいや、それどころか、石油をうんとつかって抑制・促成栽培といったことまでやる。そこに育つ作物は軟弱・不健康となり、病・虫害をうけやすいので、強力な農薬の支えによって辛うじて生産をつづけている、というわけだ。そして、作物の成分が劣っている(ミネラル・ビタミンに乏しいだけでなく、蛋白質も劣質化している)だけでなく、農薬に汚染されたものとなってしまっている。
家畜の飼育
いぜんは、よい環境の中で自然の飼料をあたえられ、家畜はみな丈夫にそだった。いまは、不自然な環境の下(通風・日光に乏しい狭い畜舎、はなはだしくは暗室の中で)に、不自然不完全な合成飼料、さらに肥肉剤さえもあたえられ、不健康・病弱な家畜となってしまい、繁用される防疫用薬剤の汚染もまぬかれない、という始末で、肉も卵も乳もただ質的に劣っているばかりか、有害にさえなっている。水産物また同様。
加工
そのうえ、多くの食品は高度に加工(精製・調理)されており、そのさい、さらに大切な栄養分(ミネラル、ビタミン、蛋白質、繊維など)を失ううえ、有害なもの(発癌性のものや過酸化脂肪など)を生ずるおそれもある。
調味
自然の動物は、いかにもうまそうに、満足しきって食べている。それは、かれらが空腹を覚えてはじめて食べ、腹をみたせばやめる、という自然の法則をまもっているからだ。人間は、少なくとも今のわれわれは、いつも腹いっぱい食べ、腹のすくひまがないから、いきおい食欲をそこなう。そして、雑多な調味料(糖・塩・脂肪・香辛料、化学調味料など)で調味し、食欲をそそり飽食に飽食をかさねている、という不自然なことをあえてしている。
出来あい食品
さらにはなはだしいのは便利で安くてうまいとよろこばれている出来あい食品、インスタントものの氾濫。食品メーカーは、その需要をみたすために、いや、いやが上にも利潤をあげるため、あらゆる知識・技術を駆使するわけだが、そこに使用される製法、薬剤その他の添加物にはいかがわしいものも少なくない。事実、犬や猫、いや、蟻さえ食べようとしないものもいっぱいある。
その結果
というしだいで、いまや、すべての食品が、栄養的に劣質化しているだけでなく、有害有毒化されており、また、されつつあり、良質安全な自然食品は殆んどないといっても、少しもいいすぎではあるまい。世はまさに殺人食時代だ。
バランスのみだれ
しかも、食糧が豊富になり、経済的にゆとりのできた現在、毎日の食べものは、うまい穀・肉・卵・糖・酒にかたよったご馳走ばかり。その結果、カロリー、蛋白質が多すぎ、それに釣りあわねばならないミネラル・ビタミンの給源である野菜、ことに良質ナッパ類は殆んど食べないかごく少量、というあまりにもバランスのみだれ(アルカリとくにカルシウムその他のミネラルやビタミン類の不足)のはなはだしい不完全(欠陥)食になっている。
血のにごり
このようにして、われわれ人間は、栄養的に不完全であり、かつ、有害有毒食品も少なくないという、あまりにも不自然、反自然的な食べ方をやっているわけであり、ために代謝がうまくゆかず、血のにごりを生じ、諸機能の不調、ひいて健康力(抵抗力・回復力)の減衰をまねき、不健康となり、病気しやすく、治りにくくなっている、とかんがえられる。
人間も所詮は動物、原始の時代には、自然の動物と同様、本当に正しい自然の生き方をしており、旺盛な健康力(生命力)をもっていたにそういあるまいが、なまじ知恵の木の実を食ったばかりに、そして、貪欲のとりことなったばかりに、こうして、自分で自分のからだをさいなみつづけ、自然の力(健康力・生命力)を発揮することができなくなり、医者よ薬よと、医療にたよることが多くなってしまった。
現代医療と青汁
有力な新薬、新しい手術や放射線技術の開発と、現代医学の進歩はまことにすばらしい。にもかかわらず、いわゆる見放された難病が少なくないのはなぜだろう。
また、そういう難病が、青汁あるいは青汁を中心とする食養(緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食)によってよくなり、時には奇蹟といいたいほどの効果をみるのはなぜだろうか。
それは、この食養法(ミネラル・ビタミン類を十分補給すること、およびなるべく安全な自然食品をとるよう心がけること)で、習慣食のまちがいをなおすだけのことによっても自然の力(健康力・生命力)がもり上ってくることをしめすものであり、現代医学の有力な治療法(薬剤、メス、放射線など)にしても、この自然の力(健康力・生命力)のたすけなしには、十分の効果をあげえないことをしめすものではないか。
そして、正しい食、適度の運動・鍛錬、便通、睡眠をよくし、性の節制、労働と休養のバランス、心のやすらぎと強化など、正しい自然の生き方、すなわち正しい養生がいかに大切であるかをおしえるものであり、昔から「一に養生二に薬」といわれているいわれや、Natura sanatということのアカシといってもよいであろう。
これが本筋
青汁で病気や傷のなおりがたしかによくなる。また、医薬や手術や放射線などの効果がたかめられ、それらの副作用も防がれる。で、私は、はじめ青汁を医療の有力な補助手段とかんがえていた。
けれども、青汁だけでよくなるものが少なくないこと、現代医療の及ばないものさえもが救われる事実を知った今では、これなしには真の治療はありえないこと、青汁中心の正しい食養をはじめとする正しい日常生活、すなわち正しい養生法こそ治療の本筋であり、したがって、病気は自分でなおすべきもの、そう努力しなければならないこと。それは、自然のおきてに素すなおにしたがい、正しい養生法をまもることであり、そうするならば、医者も薬もいらない、いや、その以上の力をもつこともできる、ということを認めざるをえなくなった。
つまり、自然の力(健康力・生命力)は自然からあたえられるのではなくて、自らの努力、すなわち正しい養生によってかちとるべきものであり、その中心になるものは正しい食。正しい食の中心は十分の良質ナッパをとること。そして、青汁は、これを可能ならしめるものだ。したがって、青汁は正しい養生法のカナメであり、たくましい自然の力(健康力・生命力)の源泉ある、ともいえよう。
しかし、その効の完全を期するためには、材料が良質安全であり、分量が十分でなければならず、同時に食べものすべてが良質安全であり、バランスがよくとれていなければならない。そして、生涯つづけられなければならないこと、を忘れてはならない。(55・5)
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2. 喫煙と網膜(眼底)血管
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医学博士 遠藤 仁郎
Gaertnerが、17〜39才までの禁煙家30名と、平均13年(最短5年)間、毎日28(最少15)本のシガレットをすっている喫煙家28名について、網膜の血管をしらべたところによると(Kl.Mbl Augenhk.772,1978.694)血管径の不整なものが、禁煙家2名、喫煙家18名にあり、変化は主に動脈にみられた。
これは、長期にわたる喫煙では、若いものにも、あとで動脈硬化になる、血管の初期変化がおこることをしめすもので、ニコチンや一酸化炭素の影響と思われる。(D.m.W.104,1979.273 の抄録より)網膜の血管は、脳の血管の像をしめすものといわれているから、この事実は、喫煙と脳動脈硬化とのふかいかかわりあいをしめすものだ。
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3. 沖縄の青汁
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医学博士 遠藤 仁郎
沖縄は健康で長生きする人が多く、厄介な病気の少ないところと聞いていた。しかし、今の沖縄には、若いものにも高血圧が多く、心筋梗塞や癌、その他の成人病が本土なみになっている、ということだが、これには、日常生活ことに食習慣の変化が大きくかかわっているようだ。
むかしの沖縄
むかしの、少なくとも戦前までの庶民階級では、主食の米は正月と盆、その他特別の行事の日か、病気の時だけで、平素は、あけてもくれてもサツマイモのくらしだった。それも、決してあり余るというのではなく、たとえば、芋の澱粉は大切な食物だったが、それがつくれるのは裕福な農家だけだったということだし、そのカスも乾燥して非常用に貯蔵されていたそうだ。
蛋白食品の豚はどこの家にも飼っていたが、これまた盆・正月、その他祝事の時に限られており、いつもは主に大豆で、ほとんど毎日豆腐をつくって食べていた。そして、野菜や野草、海藻をうんとそえた。それは、おかずのことをカテイムン(糧物)といわれていることが示しているように、とかく不足がちな主食代りに大量をとっていた。つまり、昔の沖縄ではイモとマメ(大豆)とナッパ(野菜・野草・海藻)を常食されており、それも、塩か味噌でうすく味つけされた簡素な食事だった。これは、私の推賞しているイモ・マメ・ナッパ食そのものであり、栄養的にまったく理想的な完全食であるばかりか、豊富なミネラル・ビタミンによって、熱量・蛋白質が節約されるというすぐれた食べ方で、食糧が乏しかったにもかかわらず、昔の人たちが健康で長生きしたもとも、まさにここにあったわけだ。
今の食習
ところが、戦後これがすっかり変ってしまい、主食は白米飯・白パンに、蛋白源は肉・卵・乳製品になり、野菜・野草、海藻類はへり、しかも農薬に汚染されたものばかりになった。そのうえ、保存食品、できあいもの、インスタントものの氾濫ということになってしまった。
このことは、昔のふるさと料理と今の沖縄料理をくらべてみるとよくわかる。一例として、オーファジューシー(菜雑炊)をあげてみよう。名護市の老人クラブ会長の比嘉さんは、島内でも健康ナンバーワンにかぞえられる方だそうだが、「むかし食べたカンダバージューシー(カズラ=サツマイモの葉のおじや)は、米はチラホラとしか見えない程度のものだった」と話していられたし、「おばあさんの伝える味」(沖縄タイムス社発行)という本の中にも、同じような記事がある。
しかし、私が那覇の沖縄家庭料理店で食べたカンダバージューシーやフーチバー(ヨモギ)ジューシーは、カズラの葉もヨモギもほんの少しだけで、豚肉や米のたっぷりはいったおいしいおじやだった。なるほど名前だけはむかしのままだが内容はすっかり現代化され、調味料もいろいろつかわれているようだ。これはほかの沖縄料理についてもいえることで、前記「おばあさんの伝える味」の中で、あるおばあさんが、「沖縄のくらしも随分変りました。盆と正月が毎日あるような気すらします」といっているが、おそらくその通りであろう。
その結果、熱量・蛋白質ばかりがふえ、ミネラル・ビタミンはひどく不足するという、はなはだしい欠陥食になり下ってしまい、さらに有害有毒食品さえも加っているというわけで、こうしたことが、今の沖縄の人々の健康が本土なみにそこなわれ、病弱者や厄介な病気の多くなっている主な原因であろうと思われる。
青汁しかない
だから、昔の健康沖縄をとりもどすためには、何としても食べものをなおさなければならない。それにもっとも適切であり簡単なのは、先祖伝来の島の風土に適した健康食にかえることだ。また、この貴い伝統をむざむざ捨ててしまうのはあまりにも勿体ないことでもある。
しかし、うまい、便利な現代式の食事になれた今では、それはちょっと無理かもしれない。けれども、食が現代化すればするほど野菜ことに良質ナッパは大量に必要になるから(少なくとも400〜500グラム、理想的には1キロ)、とても十分にはとりきれない。そこで、どうしても青汁にたよるしかないことになる。青汁1合はナッパ約250グラムにあたるから、たとえ1キロでもらくにとることができるからだ。
材料の供給
問題は材料の円滑な供給だが、気候温暖な沖縄では、利用できる野菜や野草はいろいろあるようだ。しかし年間を通じて大量をまかなうにはケールがやはり最適ではなかろうか。夏分虫害がひどいそうだが、工夫しだいで何とかなろう。これを、農薬は一切つかわず、肥料にも化学肥料でなく、むかしながらの堆肥、廐肥、石灰、油カス、鶏糞、魚粉などの有機質肥料を施して栽培する(健康自然農法、有機農法)。
薬農協のケール
これについて耳よりなニュースは、具志川市の沖縄県薬農協同組合(理事長 金城慎作氏)で本格的にケールの栽培をはじめられていることだ。栽培地は数ヶ所あるそうだが、その一つは島南部の砂糖キビ畑の中にあった。肥料としてもっとも大切な堆肥用にキビの葉がいくらでもあるのも心強い。気になるのは台風の被害だが、背の高いキビに囲まれているので、ある程度は防がれよう。
薬農協では、青汁の製造頒布も計画されているようだが、これには法規上の制約があって、実現はかなり困難ではないかと思う(スタンドという手もあるにはあるが)。むしろ、ケールの葉の配給の方がよいのではないだろうか。そうすれば、道路網の完備している本島では、島内いたるところがその恩恵をうけることができよう。心からその成功をいのりたい。
(55・10)
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4. ウムワカシー
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医学博士 遠藤 仁郎
「おばあさんの伝える味」(沖縄タイムス社発行)には沖縄のふるさと料理がいろいろ紹介されている。中でも、大里村の幸地カメさんのウムワカシーは、わが家の朝食とそっくりなので、とくに興味をおぼえた。
これは、主食と副食をかねた食べもので、ごはん代りに食べたサツマイモのおツユで、
「ダシをとるといういまの考え方が通用する時代ではありません。お年寄りは、イモから出る甘味がなによりのダシだと決めてかかっていました。
ひと口にイモといっても皮は白、中の方が紫のミーハナクラガー、皮も中も黄色のダイワヌー、赤い皮に白い実のクラガーなどいろんな種類がありました。
なかでも一番おいしかったのは、皮が赤で実が黄色のウランダー、ねばりも味もよくウムワカシーにも最適でした。
作り方はいたって簡単。荒く大きく切ったイモを水でたき、イモがすっかりたけたらイモの若葉を入れ、ミソと塩少々で味をつけるだけです」
わが家では季節季節のナッパ何でもよろしい。大根葉、コマツナ、CO、ミズナ、ケール、バイアム、サツマイモの葉、エンサイ、アオイなどなど。イモは主にサツマイモだがジャガイモ、サトイモのこともある。
作り方も全く同じ。ダシにコジャコを入れ、味つけなしでも結構食べられる。ミソを少しそえればとくにおいしい。だしジャコも食べてしまう。大豆(豆腐・煮豆・納豆・キナコ)を入れれば、それだけでイモ・マメ・ナッパの完全食というわけだ。(55・11)
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5. 胃弱食
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医学博士 遠藤 仁郎
胃がよわいと、とかく、やわらかい食べものになる。消化をよくして、胃の負担をかるくしようというのだから、理窟にかなっているように、一応思える。やわらかい食べものといえば、白粥や、肉類、卵、乳製品などにかたむき、野菜類、ことに繊維の多いものは敬遠される。それを、手をかけ、時間をかけて、やわらかく煮ただらかしてしまったものになる。
そこでおこることは、まず、栄養のバランスのみだれ。カロリー、蛋白質は多いだろうが、ミネラルやビタミンは不足しがちだ、ということ。さらに、調理に手がこむだけそれらのロスが大きくなり、バランスのみだれはいっそう甚しく、その結果、血のにごりをまねくこととなり、そのためにも胃をよわくする。
そのうえ、繊維が乏しくなり、便秘しやすくなる。また、味つけが濃厚となり、雑多な調味料、とくに糖分が多くなると、そのためにも便秘する(菓子やジュース類がすぎても同じ)。便秘すると、腸内でいろいろ有害な分解物ができ(肉・卵など動物食ではとくに)、肝臓の疲労をまねき、血のにごりを増すことにもなる。
したがって、こういう消極的なやり方ばかりに終始していると、直接、胃への負担はかるくなるかも知れないが、不完全栄養、便秘などによる血のにごりで、全身的に体調をそこなうことになり、これでは、いつまでたってもよくなることは望めそうもないわけだ。
対策
そこで、すすめたいことは、むしろ、積極的に、繊維をふくめて栄養的にバランスのよくとれた完全食とし、これを粥(いやオモユ)のようになるまで、できるだけよくかみ、かみきれない粗硬繊維だけ出す(いわゆるカミ出シ)ことだ。
そうすれば、栄養的のみだれによる害がなくなるだけでなく、かむことによって胃の運動や消化液の分泌がさかんになり、消化も吸収もよくなる。また、繊維によって、便秘の心配がなくなるだけでなく、ある程度、腸内の有害物がとりのぞかれ、腸管内細菌の健常化によって、大切なビタミンも供給される。
もし、歯がないか悪くてよくかめないか、それだけの体力がないばあいは、スリバチですりつぶすか(スリ餌)、ミキサーにかけてドロドロにし(ミキサー粥)、それをよくかんで食べることだ。もっとも、ミキサー粥では、ビタミンCなどいくぶんのロスはまぬかれないが、それでも、煮くたすよりはずっとマシだ。
また、繊維はきついが栄養バランスをとるのに必要な良質ナッパ類は、青汁にすればよい。こうして、ただ、胃の負担を少なくするだけでなく、栄養のバランスを完全にし、便通をよくするよう心がけていれば、体調はしだいにととのい、体力・抵抗力をますとともに、胃も強くなってゆくだろう。
(55・4)
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6. 甲状腺と青汁
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医学博士 遠藤 仁郎
こどもが二人ある35才の女性の方から、15才くらいから、甲状腺機能障害と診断され、薬をのんでいる。さいきん、ある本のなかに、「青汁はよくない」と出ていたが、いかがなものか、との質問。
甲状腺の機能障害には、機能のたかまるバセドウ病型と、反対に、機能の下がる粘液水腫型とがある。ケールの青汁には、甲状腺の機能をおさえる作用があるので、バセドウ型には悪い筈はない。しかし、粘液水腫型のばあい、甲状腺の腫れが強くなることがあるので、悪いといえばいえる。けれども、何ともないこともあり、よくなることもあるので、一概によくないときめつけるわけにはゆかない。で、私は、ともかくやってみて、悪いようならやめればよい、とかんがえている
(55・2)
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7. 「とうふ」についてみんなで考えよう
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栄養豊富で割り安価格
「とうふ」を食べて健康な毎日を
日本料理の名ワキ役
江戸時代に庶民食品に
“とうふ”が最初につくられたのはいまからざっと2千年前。中国前漢の高租の孫、准南王が発明したとなっている。いまから2千年前といえばずいぶん昔のことになるが、日本に入ってきたのは奈良時代。
当時、仏教の修行に中国に渡った僧侶たちが、仏教とともに、とうふの製造法を日本に持ち帰ったといわれている。しかし、日本に持ち込まれたといっても庶民の間にはなかなか普及せず、初めのうちは高級料理として一部の貴族や僧侶たちの間だけで食べられており、室町時代に入って茶道が広く愛されるようになったのにつれて茶道の中の懐石料理のひとつとしてかなり広まってきた。
しかしまだまだ広く庶民全体が食べるところまではいかず、もっぱら貴族、僧侶と武士の間で好まれた程度。それが江戸時代に入ると「こんなにおいしくて栄養豊かな食べものを放っておく手はない」とばかり一般庶民の間に急速に普及し、それと同時に専門にとうふをつくって販売する“とうふ屋”もできたという。
母乳にまさる栄養価
いまでは“とうふ”といえば私たちの一番身近にある食物として毎日の食卓に上らないことがないほどなじみ深いものになっているが、その理由は?となると実にいろいろなものがある。まず一番最初に上げられるのは日本人の食味にぴったりくる味だ。もともと日本人は、他の西欧人らとは異なって油っこい味よりも、どちらかといえばさわやかで淡白な味を好むが、とうふはまさにその好みにズバリと当てはまる。
暑い時に、青ネギ、おろしショウガを添えて食べる“冷や奴”、朝食の食卓で香りのいいみそ汁に浮かんだ“絹ごしどうふ”、鍋物の具として入っている“とうふ”・・・そのどれもが日本の好みにぴったりくる味ばかり。
そして、栄養もまことに豊富。なにせ、とうふの原料は“畑の肉”とまでいわれる栄養豊かな大豆を使っているからだ。ちなみに、食品成分表によると、とうふ100g中の成分はたん白質6.0g、脂肪3.5g、炭水化物1.9g、カルシウム120mg、リン86mg・・・と栄養素、無機質とも他の食品に比べてぐんと高い数値になっている。
ここで、とうふの栄養にまつわる話をいくつか紹介すると「かつての中国大陸で、乳児たちが母乳不足に伴った栄養失調で死亡するケースが相次いだことがあったが、母乳のかわりにとうふをつくる前の“豆乳”を与えたところみんな立派に育った」や「ある時、長寿村を訪れてお年寄りたちの食事を調べたところ、毎日三食豆腐を食べていた」など。
とうふで頭のよい子に
ほかにも、最近では「とうふの中に含まれている植物性たん白質は良質でしかもアルカリ性。ミネラルも多く、グルタミン酸が豊富なので頭のよい子を育てるためには欠かせない」や「とうふは低カロリー食品なので成人の健康食、美容食には打ってつけ」といった声も出始めている。そのうえ、値段も安い。
80円で買える栄養価 岡山県豆富商工組合調べ |
項目 食品名 | 80円で 買える 量目 | カロリー | たん白質 | 脂肪 | カルシ ウム |
とうふ | 400g | 232 | 24g | 14g | 480mg |
牛肉 | 25g | 65 | 4.3 | 0.6 | 1.5 |
鶏卵 | 2.5個 | 194.6 | 15.7 | 13.9 | 81.1 |
牛乳 | 1.2本 | 130 | 6.4 | 7 | 220 |
とうふ一丁の値段は現在80円しているが、岡山県豆富商工組合(小幡行雄理事長)が80円で求められる主な栄養食品として、とうふ、牛肉、鶏卵、牛乳について調べたところによると(別表参照)
とうふは80円で400g求められ、232カロリー。たん白質は24g、脂肪14g、カルシウム480mgで他の牛肉や鶏卵、牛乳に比べて栄養豊かで割り安という結果になっている、とあっては“節約時代の食品”はとうふに限る、ともいえそうだ。
“ちゃんこ鍋”にはおとうふを
豊かな栄養料理として人気のあるちゃんこ鍋。そのちゃんこ鍋と相撲料理の店「常の山」(岡山市田町2丁目)を経営する大相撲元力士の鈴木日出生さん(34)
鈴木さんは
「ちゃんこ鍋には鳥肉や魚などいっぱい入れますが、中でもとうふは欠かせません。力士のみなさんは身体づくりをとても大切にしますが、その力士さんたちが食べるおとうふは身体にとてもいいんですね。私も大好きです。お客様の中にも“特別にとうふの量をふやしてほしい”といわれる方も結構います。いまやおとうふは人気なんですね」
と話します。
(55・11・30 山陽)
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8. やっぱりケールが一番
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9. サツマイモの葉の利用
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医学博士 遠藤 仁郎
ことしはやたらに雨が多いので、サツマイモのツルはどんどんのび、大きな葉が畑いっぱいに広がっている。毎朝とってきて、青い葉を汁の実にしているが、なかなかうまい。太く長い葉柄は別に、フキのように煮つけしているが、これもいたってやわらかく、食べよい。
一種独特の味わいがあり、まずは、恰好な繊維食といったところだ。また、少しネバるのを我慢すれば青汁にもなる。こういう年には、ケールは次々にベトにやられ、青汁の材料にこと欠くようになるが、その補いとしてもサツマイモの葉はけっこう役に立つ。芋の収穫には、どうもあまり大きな期待はかけられそうもないが、せめて、葉っぱだけでも大いに利用したいものだ。
(55・8)
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10. 青汁食養生で考えること(6)
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前回参照 |
友成 左近
食物選択の自由について
ロボット化時代の自己堅持に最も重要
毎日の食物を自由に選択する、というのは、その本当の意味では、これまでみてきたように、その本来の目的や方法を自ら確かと筋道たてて考えて、それを由りどころにして、(それはすなわち、食物本来の厳然とした不変の法則を把えて、それに適合するように)選択することです。そこでこれは、情報化時代とかロボット化時代、人間疎外時代とか自己喪失時代といわれている当節、めいめいかけがえもなく大切な自分自身を堅持していくのに、最も重要なことですが、それはつぎのような意味あいからです。
ロボット化時代というのは
私たちは当節、広く社会生活もさることながら、とくに職業生活では、農業その他の自営業者である場合もさることながら、とくに企業その他の諸団体の労働者である場合、巷間広くいわれているように、その職場の仕事が高度に規格化・機械化・自動化され、また職場関係も強力に組織化・管理化されています。ために職場では、めいめい自由な意思行動は極度に制限されて、あたかも巨大なロボットの部品であるかのように操作されています。
けれども人々だれしも、それと意識しているかどうかはともかく、内心最も強く欲求しているのは、一個の人間として、自ら自由に考えて行動することであり、そういう自分自身を堅持していくことです。従って、職場では、そういう自由が極度に制限されているため、しぜん欲求不満が内攻して、やがては仕事に意欲がうすらぎ、また職場関係も阻害されるようになりがちであり、そうなっては、めいめいにも、また企業にも重大問題です。そこで企業は、そうした欲求不満を解消しようと、職場の内外であれこれと施策しているのですが、その経営管理の原則から、またことがらの性質からもそこには限りがあります。
ために人々めいめい、職場外で、とりわけ家庭の日常生活では、つとめて自ら自由に考えて行動しなければ、とうてい一個の人間として、自分自身を堅持していくことができないのが実情です。ところで当節、この家庭の日常生活に必要なものもサービスも、企業をはじめ各種団体によって、生活各面にわたって、こと細かく提供されています。
そして、とくに企業は、専ら営利を目的にしているため、それを、いかにも巧妙な情報を流して盛んに宣伝しています。そして人々は、それをよしと思ってか、時勢の流れとさおさしてか、とにかく安易に提供されるままに受けいれている場合が多く、ためにここでも、自ら自由に考えて行動していると思っていても、結果的には企業その他によって、あたかもロボットのように操作されて、自分自身を喪失する仕儀になっています。
そこで人々めいめい、意識的にも無意識的にも、どうにかして自分自身を取りもどそうと、いろいろ工夫しているのですが、(その具体的なことは省略しますが、この自分自身が内心最も強く欲求している自由の意味を的確に把えていないため)首尾よく取りもどしていない場合が多いようです。
とりわけ、(まえにみたように、毎日の食物選択が企業にあやつられて、それがひとつの主要原因になって)自分自身の存在根源である生命をおびやかす病気にかかっている人々が多く、そして、療養にあれこれと心がけても、ここでも企業その他の情報化にわざわいされて、順調に治ってこない場合が、これまた多いのが実情です。
けれども、幸い縁あって青汁食養生に心がけている私たちは、まえにみたように、こと食物については、(まだ至って不行届きながらも)こうした情報化・ロボット化攻勢に抵抗して、自ら自由に考えて選択しています。そして、もしそう心がけなかったら、とうてい得られない健康を保っているのであって、これは、あいにく病気にかかって療養する場合には、とくに際立っています。従って、こうした食物選択自由は、ロボット化時代といわれている当節、めいめいかけがえもなく大切な自分自身を堅持していくのに最も重要なのですが、それはどういう意味あいからか、というと、ここではその主要点を2点、簡単にあげてみることにしましょう。(つづく)
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次回参照 |
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11. ケールで飼った山羊の乳
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医学博士 遠藤 仁郎
ケールはたくさんつくっているが、青汁はどうもなずめない。そこで、山羊に食わせてその乳をのんでいるがどうか、という質問が出た。
なるほど面白いアイディアだと申し上げたいところだが、なかなかそううまくはゆかない。ケールは確かにすぐれた飼料だ。フランスでは、鶏にやれば、よい卵をうんとうみ、豚は脂の少ないよい肉が多くとれ、牛はよい乳をよく出す、といわれているそうだ。したがって、いま時の配合飼料の乳はもとより、ふつうの牧草のばあいにくらべ、格段のちがいがあるにそういない。
遠藤青汁と牛乳及び山羊乳(各1合の成分) |
| 遠藤青汁 | 牛乳 | 山羊乳 |
熱量 | 48.6 | 106.2 | 111.6 |
蛋白質 | 5.3 | 5.4 | 5.6 |
脂肪 | 0.54 | 5.8 | 6.8 |
糖質 | 5.7 | 8.1 | 8.1 |
カルシウム | 522 | 180 | 216 |
ビタミンA | 8100 | 180 | 216 |
B1 | 0.112 | 0.054 | 0.072 |
B2 | 0.558 | 0.270 | 0.252 |
C | 189.0 | 0.9 | 1.8 |
- 青汁の成分 昭和32年3月大阪府立衛生研究所分析結果(材料ケール)
- 牛乳及び山羊乳の成分 総理府資源調査会食糧部会決定改訂日本食品標準成分表(昭29)による
- 単位 熱量はカロリー。蛋白質、脂肪、糖質はグラム。カルシウム、B1、B2、Cはミリグラム。Aは国際単位
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しかし、それとて、青汁とは、また比べものにならない。それは、青汁にはケールの成分がそっくりそのままあるわけだが、山羊の乳には、少なくとも、山羊のからだを養うに必要な成分はなくなっているし、じっさい、二三の成分についてみても、青汁よりは少なくなっている(表参照)。
だから、ケールを食わした山羊の乳でも、ケールの代りには絶対にならない。もともと青汁は、大切な青ナッパをしっかり食べる一方便なのだから、いかにまずくても、やはり、本物をのむほかない。
(55・9)
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12. 長雨とケール
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13. 39才のお産
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医学博士 遠藤 仁郎
児島の背板さん(助産婦)が、二女児の母親で、久しぶりに三度目の妊娠をし、丈夫な男児を儲けられた39才の方を同伴してみえてのお話。なにぶん年がいってからのことなので、ともかくと青汁をうんとのんでもらった。経過はしごく順調で、お産も軽く、母乳の出もすごくよい。まえの二児のさいは、ともに、うまく出ず難渋したが、こんどはあふれるほど出るので、赤ん坊は休み休みのんでいるほどだ、という。
(55・12)
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14. 沖縄出身の兵
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医学博士 遠藤 仁郎
ふるい話だが、応召中、部隊長が、「熊本の連隊にいたとき、行軍で落伍するのは、きまって沖縄出身の兵だった。イモばかり食ってそだっているので弱いんだよ」と話していた。とんでもない。沖縄の若ものは、イモとイモの葉や野草をうんと食って頑健そのものだったのだが、入隊して、毎食2合の米飯と、野菜の少ないオカズをあてがわれ、そのため、体調をくずしていたまでのことだ。ちょうど、今の沖縄の人々がそうであるように。
(55・12)
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15. 若菜病が恐ろしい
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鯖江市 K.O.
こどもが弱いので青汁をのましていましたが、先日、本屋で「あやまった健康法」という本が目にとまり、読んでゆくと、青汁の項で、若菜病など、寄生虫のことが書いてあり、また、「青汁の効用」の本文までのせてあったので、飲ますのが不安でたまりません。よろしくアドバイス下さい。
答
若菜病というのは、十二指腸虫の幼虫がついているとおこる病気ですが、今では下肥をつかうことはありませんから、そういう心配はありません。「青汁の効用」を出した頃にも、もうありませんでしたが、「そういうこともあった」と書いたのを引用したんでしょう。現在でおそろしいのは、寄生虫ではなく、農薬です。
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16. 野菜・果実食で調子が好い
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在 H.H.
「病気と青汁」の本ありがとうございました。防ぐにも治すにもしっかり飲もう、とありますように、青汁をのみ、野菜、イモ、マメを食べていれば、身体の調子がよいのですから、こんなによいことはありません。
今頃は果物も、スイカ、モモ、サクランボ、ブドウ、ナシ、パパヤ、パイナップル、マンゴーと、色々のものが沢山あり、野菜も家では、キウリ、ナス、トマト、廿日大根、ニンジン、ゴボウ、カボチャなど、おいしく食べています。どんな高価な食品より、この野菜の方が大事な食物とよろこんで食べて、元気でくらしています。
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17. 老人、投薬は成人の半分に
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老人は肝臓やジン(腎)臓などの機能が衰えているので、薬の量を成人の2分の1から3分の1にすべきだ―21日から東京・品川のパシフィック・ホテルで開幕した第11回国際老年学会議で、勝沼英宇(ひでよ)東京医大教授(老年病学)は老人に対する薬の投与量が成人並みになっているのは危険だ、と警告した。
役の投与量は子供と大人については決まっているが、老人については世界的にも決まっていないのが現状。ところが、勝沼教授が老人の肝臓、ジン臓、胃、免疫機能などについて調べたところ、成人に比べて大幅に低下していることがわかったという。勝沼教授によると、65歳以上の老人と60歳以下の成人について、テスト薬を与え肝臓の解毒、代謝機能を調べたところ、老人では解毒能力が成人に比べて約42%に、代謝能力が約67%にそれぞれ下がっていた。また、ジン臓機能も老人は成人の約67%に衰えていた。胃の機能も老人の場合、筋肉の委縮などによって運動が鈍り、その結果薬の胃内滞留が長くなり、副作用も成人に比べて起こりやすいことがわかったという。
一方、感染を防いだり、感染症を自らの力で治す免疫力は老人では成人の約半分しかなく、感染症の治療には逆に老人は成人の2倍の薬が必要という結果が出た。勝沼教授はこれらの結果から、老人の感染症治療は初め短期間大量投与し、そのあと徐々に量を減らす方法をとる必要があるが、その他の薬、特に長期間投与する高血圧治療薬や精神安定剤などは薬害を起こす危険性が高く、成人の2分の1から3分の1に減らすべきだ、としている。
老人の規定早くつくれ
勝沼教授の話
「薬の解毒、代謝能力には個人差があるが、特に老人の場合はそれらの能力が大幅に衰えている。ところが、薬の投与量の規定は子供と大人しかなく老人について規定がないのは問題だ。老人の各臓器について機能を調べて、副作用が最も少ない有効量を早急に決める必要がある」
(53・8・23 サンケイ)
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18. 青汁体験
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岡山市 H.N.
はからずも交通事故が私の身の上におこり、右マブタが縦に大きく真二つにわれ、眼球も飛出さんばかり。顔面血まみれのまま救急車で国立岡山病院の手術室に運びこまれましたのは、忘れもしない昭和54年10月30日午前10時の事でした。右眼40数ハリ、左眼5〜6ハリの縫合。両眼包帯を固くまかれ生れて初めての全盲生活に入りました。
「出来るものなら元の眼に戻りたい。治るものなら一刻も早く」との一心から断食を思い立ち、即実行に移しました。幸い25年前、1週間の断食を致しておりました。それを機に断食の知識をあれこれ得ておりましたので、この決心が早く出来たものと、過去のよい体験の尊さが解るとともに、そのご縁を感謝致しております。断食の決心と同時に、青汁を加えると、もっと回復効果が大きい筈だ」とヒラメキが生じました。
平素、遠藤先生から承っておりましたればこそ、この重大な時機に、すぐ青汁断食が頭に浮び私に活かされたものと、今もってそのヒラメキを「神の声」と有難く受取らせていただいております。加うるに、田辺様はじめ青汁工場の皆々様の暖かいご芳情とご支援により、入院翌日より毎日青汁1升がとどけられました。
これほど恵まれました環境の中でしたから、私の願いは絵に画くように見事にかなえられ、驚く程の回復力があらわれました。口の中も切っておりましたが、その傷跡が4日後には舌で全く感知できないくらい治癒したことにより、眼の方も同様回復しているものと察せられ、処置の迅速で正しかったことを私自身ひそかに喜んでおりました。
右眼は計3回の手術を繰返しましたが、私が交通事故に遇ったことを話さなければ誰も気がつかないくらい元の通りに戻りました。
ここで更に別の大きな収穫をご報告申上げます。それは手術中は勿論のこと、両の眼帯が取りはずされ再びこの眼で世の光と明るさを取戻すまでの暗い期間中も、青汁断食が今の私にとって、私のなし得る最善の治療法であると確信致しておりましたので、「これで必ず治る」という堅い信念、「青汁にまかせきれる」安心感、「良いご縁をいただいております」感謝、この三つが固く結びつき、ただの一回も不安感におそわれることもなく、腹も空かず、1週間の青汁断食を易々と了えることができました。
その後は少量づつ病院食を取入れ、病院側の驚きの内に20日後には退院することが出来ました。人生の大きな節というべき、今回の忘れ得ざる交通事故と引替えに、心に深く刻み込まれた得難い収穫を、折にふれ、事に当り、繰返し繰返し味わいながら今後、より一層深い感謝の日々が送れますものと喜んで暮している今日只今でございます。ありがとうございました。
註 田辺様からお届け戴きました青汁1升、内6合私が戴き、4合を家族4人で頒け、この状態を2ヶ月続けました。尚断食中は私が6合以上で、更にプルーンを少量加えましたことを申添えます。
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19. 肝炎快癒
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島根県 H.Y.
20代の婦人、肝炎で半年医療の効なく、ますます悪化。2ヶ月の入院をすすめられていました。
親類に見舞に出かけ(心筋梗塞軽快退院の男)、青汁をすすめたとき、同席していた彼女の祖父からきいて、ぜひ試み助かりたいと、翌日より開始。朝2合、昼2合、夜2合をのみつづけ、1ヶ月で、入院不要。通院月1回。薬不要(精密検査の結果)。主治医は頭をかしげられたが検査の結果は上々。
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20. 質問箱
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コラム紹介
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