<1981年5月15日発行 第297号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
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1. 健康相談室 徹底できる所はないか | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
大阪のさる商事会社の社長という方から、 「数年来、胃潰瘍をやっている。何回も入院。注射をうけたが一向によくならず、さいきんの胃鏡検査でまだキズがある、といわれた。との電話。 「おっしゃる通り、潰瘍は手術で胃をとってしまわないかぎり、何度でもやる。それは、そういう、つまり、潰瘍のできやすいからだ(潰瘍体質)になっているからで、体質がかわらなければ、いくら薬をつかっても手術をしても、なおりきるものではない。 ところで、潰瘍体質なるものは、決して生れついた、もうどうにもならないものではなくて、多くは、日常生活のあやまり――現代のあまりにも不自然不合理になった日常生活、中でも関係のふかい食生活のまちがいから来ている。 いま、一般の食事は穀・肉・糖・脂・酒にかたむき、高度に加工され、雑多な調味料で味よくした、しかし、栄養的には、はなはだしくバランスのみだれた不完全食になっており、血のにごりを招いている。ために、全身ならびに胃の健康力(抵抗力・回復力)がよわめられ、傷つきやすく、治りにくいからだ(体質)になっている。 そこに、この病気のそもそもの原因があるとかんがえられる。荒がみの大食、タバコの乱用、有害有毒食品の氾らんなども、もちろんあずかっているだろうが。 ナッパ・青汁しかない このまちがいをあらためるには、つとめて安全な食品をえらぶこと、よくかみ、控えめに食べ、禁煙するなどの注意が大切なことはいうまでもないが、何よりも、まず、良質ナッパを十分にとり、栄養のバランスを完全にし、血をきれいにして、からだ中の、そして胃の健康力(抵抗力・回復力)の強化をはかるべきだ。 すなわち、青汁を中心とした正しい食養生(緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食)に徹底するほかない、ということになるわけだ。 やれる所があるか 私も、そういう養生のできる理想的な施設をもちたいと、かねて念願しているが、いまのところ、また実現していない。おそらく、日本国中どこにもないだろう。もっとも、私のもといた倉敷の中央病院では、青汁だけは存分にのめる。 また、希望すればイモ・マメ・ナッパ食もできるが、食品の安全性という点では、もひとつ完全なことは望みがたい。旅館にとまるか下宿して、青汁の配達をうけるという手も倉敷では可能だ。けれども、このばあいもほかの食べものの安全性には問題が残る。 家庭でやるのが一番 しかし、この食事とて、薬のように、しばらくやってみるだけではダメで、将来ともながく、いわば生涯つづけなければ意味がないものだし、徹底的にやるにも、やはり家庭が一番だ。 もちろんそれには材料の確保が先決だが、とりあえずは、亀山市の朝倉氏からケールの供給をうけたり、海老江の田辺食研の乾燥青汁(ピロサン)などで間にあわす。 その間に、近郊農家の信頼できる協力者を物色し、できれば幾人かの同志をつのり(おそらく、ほかにも欲しがっている人があるにそういない)同好会を組織し、農家と契約すれば、材料の入手もけっして不可能ではない(現に、東北の山形県などでも、ずっと以前から、そうした会があり、多くの会員が青汁の恩恵に浴している)。 そういうことも考慮されてはいかが。 (55・9)
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2. 不安神経症 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
38才の主婦。3才の女児がある。この児の妊娠初期、流産しそうになり、入院。帝王切開でうみ、産後に心身ともに疲れがひどく、アレルギー性結膜炎、鼻炎、膣炎、腎盂炎とつづいた。 この方は、もともとアレルギー性であり、歯がわるい。 そして、方々の痛み(おそらく神経痛であろう)に悩まされ、さいきんは、ひどく神経質になっていられるようだ。かねて乾燥青汁をのんでいるとも書かれていたから、それと気づかれているらしいが、これらはすべて、まさに野菜、いや、ナッパの不足そのものだ。 幼時からの虫歯、歯槽膿漏。ともに、菓子好きであり、肉・魚・卵などの濃厚味食にかたむき、野菜ことにナッパなど、見むきもしない、といった人にありがちなもの。 流産しかかったり、帝王切開しなければならないほどこどもが大きかったこと、産後のひどい疲労、また、ともに、同様まちがった食事のため。 次々に出たアレルギー性の病気も、目や鼻や膣や腎盂などの抵抗力がよわく、感受性がたかまっているためで、根本は、やはり食べもののまちがいにある。 胸や、肛門のおく、膀胱や膣のあたりの痛みも、おそらく同様であり、さいきんの悩みの不安症は、精神的のアレルギーといってもよい不安神経症で、いずれも、原因は同じく、食べもののまちがいがもっとも関係がふかいように思われる。 すすめたいこと そこで、すすめたいことは、何はともあれ、ナッパ・青汁。 おかずの肉・魚・卵、乳製品類をへらし、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物などをうんと多くすること。 青汁は、少なくとも一日3合(もとのナッパ750グラム)以上のむこと(もっと多ければ多いほどよい)。 主食はひかえめにし、白米よりは玄米か粗搗き米、黒パンなどにし、豆・芋も併用する。調理は簡単に。自然のままか、自然にちかいかたちで食べ、味はうすく。既成食品、インスタントものはつとめてさけ、なるべく安全食品にすること。 間食はくだもの(農薬に汚染されてない)とし、甘みのつよい菓子やジュース類はさけること。もし、ふとりすぎていれば、標準体重以下までやせること。 ただし、あまり急いでやせ、体力・気力をそこねるようでは、かえってよくないから無理に強行せず、食欲、便通、睡眠がよく、つねに気分爽快であるよう心がけながら、熱心に徹底してみてほしい。おそらく、しだいに元気は回復。やがて次の妊娠を計画するだけの自身もわいてくるにそういない、と私は思う。 (55・3)
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3. 青汁食養生で考えること(7) 食物選択の自由について | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
友成 左近
自分自身の存在根原を培う意味で (つづく)
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次回参照 | ||||||||||
4. 種子を採りたい | ||||||||||
兵庫県 K.O.
昨年種子をわけていただき、大変うまく成育いたし、自家では飲み切れないほど沢山でき、本当に喜びました。しかし、後半害虫や病気にやられ、殆んど使うことが出来なくなり、秋には全部ダメになってしまいました。種子のとり方を知りたいと思います。 | ||||||||||
5. 健康な福祉都市を | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
賀陽町の生活改善協議会の招きで出かけた。 (55・12)
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6. 切迫流産 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
金光町の教育長、貝原先生によると、全国的の傾向だそうだが、さいきん流産しかかって(切迫流産)安静を命ぜられ、欠勤する女教員がふえて困っている、とのこと。 (55・12)
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7. 杉の花粉症 | ||||||||||
春になると、毎年のように、杉の花粉症がやかましくなり、東京のド真中でも、これほど花粉がとんで来ていると、顕微鏡写真をのせたりなどするが、杉の花粉に今も昔もない。 (54・6)
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8. 健康不安時代 中年男の胃カイヨウ | ||||||||||
快適で便利な生活とはいっても、こと仕事に関しては別。 「心配ごとがあったり、仕事で忙殺され、そのうえアルコールを飲む―などから胃カイヨウ、十二指腸カイヨウになる人が多い。特に中年男性。職場の検診に行くと必ずカイヨウの患者が見つかりますよ。中年男性ということは結局、中堅層で責任ある立場にあり、職場では最も気をつかうし、家庭でもマイホーム建設、子供の進学、就職、結婚など気の休まるときがないのも事実。という。中年男性の代表的な病気のひとつだ。 岡山市門田558、印刷業楠戸一雄さん(49)は48年、この胃カイヨウで胃の3分の2を切りとった。活字を間違ってはいけない。製品の納期に遅れてはいけない。ガタゴトやかましい工場。毎日時間に追われながら神経をすり減らしついにダウン。 「仕事上のストレスが原因」と医者から言われた。退院後、知人のすすめで水泳を本格的に始めた。「仕事が終わって水に飛び込めばすべてが発散できる」―最大の収穫だった。 細かった身体に筋肉がつき、胃の調子もまことによくなった。苦手だった冬の寒さも平気になり、足腰も軽い。子供の時から病弱でスポーツに縁のなかった楠戸さんは運動の効果が心身にプラスすることを体験し、中年の身体づくりに励んだ。 50年春、長男の大学入学を機に「子供の勉強と競争し4年間で1千キロ泳ごう」と一念発起した。それから毎晩のように午後7時ごろになると楠戸さんの姿がプールに現れた。現在970キロ。平泳ぎ専門で1日千メートル。目をつむっていても25メートルのターンをする時がわかるようになった。あと2ヵ月。胃カイヨウも治り7月末には息子さんの卒業より一足早く平泳ぎ1千キロを達成する。 中年で運動を盛んにしている人ほど死亡率がひくい―というデータがある。 アメリカのハモンドという学者が年齢別に運動実施と死亡率との関係を研究した結果、年齢が進むにつれて当然死亡率は増加するが、運動の非実施者と盛んに実施している人とを比較すると、非実施者の方が死亡率が約5倍も高いことがわかったというのだ。 40代になると公私ともに責任も重くなり仕事も忙しくなる。ところが体力は年齢に反比例して低下し、いろんな病気も出始める。 働き盛りの時期を乗り切るためこのデータは気になるところ。中年の身体づくりは、真剣に考える必要があるだろう。 (53・5・29 山陽)
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9. 5年悩んだ血圧が そしていろいろ | ||||||||||
大分県 M.H.
5年前、年末集団検診によって高血圧最高215〜低110と診断。 こうしてしたためる字も一つも苦なしに書けます。これも青汁を飲み出してからの事ゆえ、絶対青汁の効果と思っております。 青汁はのみにくい。臭いがいやだ。面倒だ。のもうとは思っているが忘れる。何故だろう?私は考えます。元気な者。そして危機感のうすい者ほどおろそかにしている。結局病状の重い者程真剣に養生するが、そこまで考えられぬ病人は養生が持続しない。 特に健康な者が予防的養生するということは出来ないものですね。 病気と判った時は手おくれのケースが多い。人事ではなく私自身もそうでした。然し省みますと70すぎても手当を根気よくすれば全治するものだという自信をもちました。 | ||||||||||
10. 癌、結石、ウオノメ、歯槽膿漏 | ||||||||||
兵庫県 H.I.
青汁がよいことは20年ほどまえから存じており、子宮癌の時にもずっとつづけて飲んでおりました。息子の尿道結石もよくなり、足の指にたくさん(10ヶ以上)ウオノメが出ていましたのも、いつの間にかとれてしまいました。また、歯槽膿漏で、歯を全部抜いてしまわねばいけない、といわれましたが、これも青汁をつづけることでよくなりました。 | ||||||||||
11. 鼻のウガイとニオイ | ||||||||||
静岡県 M.N. いぜんからチクノウがあり、ニオイが全然わからなくなっていた。鼻のウガイもかなり以前から時々やっていたが、ここ数年来は、毎朝10回づつつづけていた。ところが、さいきんになって、アルコールのニオイが感じられるようになった | ||||||||||
12. こんなに豪華 | ||||||||||
総社市 T.Y.
いつの間にか、みどりしたたる頃となりまして、みずみずしい大きな柿の葉や桑の葉っぱの大変おいしいことです。 | ||||||||||
13. 質問箱 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
問
手術してみたら癌でした。あとどうしたらよいでしょう。 | ||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||
医心方
其言の其行に過ぐるを恥ず 論語
人を相手とせず天を相手とせよ 天を相手にして己を尽し 人を咎めず我が誠の足らざるをたづぬべし 南洲
五事調和 飲食を損ねて腸胃を強健にし、 睡眠の則をさだめ 動作を節して体躯の化育を資け、 呼吸を調和へ体容を寛舒にす。 病を去り、意を転らしむるの捷路は、 この食眠体息を調適ふに優れる術あるべからず 養生訣
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