<1984年11月15日発行 第339号>
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目次
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1. 膵炎の食べもの
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医学博士 遠藤 仁郎
「膵臓には野菜はよくないといわれているんですが、どういう食べものがよいんですか。」
「へえ?
野菜がねえ。
消化が悪いからというんでしょうか?
ちょっと解しかねます。
なるほど、膵臓の病気では下痢することが多いものです。
しかし、それは、膵臓から出る脂肪の消化酵素の分泌が少なくなって、脂肪が消化されないため下痢する、というのです。
野菜の繊維の消化は大腸の中のバイキンの仕事で、膵臓とは直接関係はありません。
それどころか、野菜はむしろ必要ではないか、とかんがえられます。
というのは、膵臓のためには通じが大切だからです。
膵液の出口は十二指腸に開いていますが、胆管の出口と接近しており、合流していることも多いので、胆嚢炎や胆管炎があると、そのバイキンで感染され膵菅炎がおこりやすいんです。
便秘して胆汁の流れが悪くなると、いっそうそのおそれが大きくなります。
そこで、胆道にとっても膵臓にとっても、便通のよいことが大切で、繊維の多い野菜はむしろ必要だろうと思われるからです。
それに、膵臓の病気は、だいたい、美食飽食家つまり血のにごりがちな、ふとり気味の人に多いものです。」
「たしかにその傾向があり、少しふとっています。」
「だとすると、血をきれいにするためにも、やせるためにも、野菜食は必要なわけです。
ところで膵臓といってもいろいろありますが、どういう状態ですか?」
「初め痛みがあって、しらべて膵炎だとわかりました。」
「石でもあるんですか?」
「レントゲン検査で、石はなく、膵菅に細くなっているところがある、とのことです。」
「膵炎か、ひょっとすると悪性のものの初めかも知れません。
いずれにしても下地になっているのは血のにごりですから、ともかく野菜食、ことに青ナッパ・青汁を中心にした、バランスのよくとれた食をとって血をきれいにし、抵抗力をたかめるべきです。
せめて、青汁だけでもうんと飲んでみてほしいと思います。
なお、膵臓によくないものとされているのは脂肪とアルコール。
脂肪の消化が悪く下痢しやすいことは前述した通りですが、それがつづくと栄養障害をおこすおそれがあるというのです。
しかし、それは、欧米人のように大量の脂肪をとるばあいのことで、われわれ脂肪のとり方の少ないものでは、あまり問題にはなりません。
アルコールについては、大酒家に膵臓の病気が多いといわれているからですが、その方はどうですか?」
「のみません。甘いものはよく食べますが。」
「糖分はとくに膵臓にさわるとはいえないようですが、便秘しやすくなる点が問題ですから、すぎない方がよいでしょう。」
「ついでにタバコはどうでしょう?」
「どんなばあいにもよいものではありません。
とくに癌との関係で発癌を促がしたすける作用があるといわれていますからさけるべきでしょう。」
(59・11)
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2. 注射のカブレ
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遠藤 仁郎
16才の女子高校生。
かねてカブれやすく、ともすると発疹が出ていた。
そのほかには、少し便秘ぐせがあるだけで、いたって元気。
ハンドボールの選手で、毎日かなりきついトレーニングをやっている。
1週間まえ、流感の予防接種をうけ、その翌朝から顔がひどく腫れてきた。
夕方、近くの医院を訪ねたが、明日もいちど診ようといわれただけだった。
心配になって、翌日、大学へ行った。
ここでも、尿や血の検査を受けたが、結果は1週間さきでなければわからぬ、とのこと。
腫れは一向よくならず、眼もあけられぬほどになったので、と相談にきた。
いい体格。
とくに頭部が大きく、胴や手足はやや細い。
その大きな顔全体が赤く腫れ上っており、胸から腹にかけても点々と赤い斑点が出ている。
尿には、肝臓の時によく出るウロビリノーゲン反応がやや出ているほか、特別のことはない。
聞いてみると、この頃のわかいものによく見られる通りのひどい偏食。
運動をやるほどだから食欲はさかん。
よく食べる。
おかずには肉や魚、ハムだソーセージだといったものばかり。
インスタントものが多いし、菓子は好き。
ジュースもよくのむ。
野菜はいいわけ程度。
農家のことで無農薬ナッパはあるが、青汁はのんでいない。
これでは、平素からカブれやすいのも、便秘しがちなのも、至極当然。
こんどのも、おそらく注射のカブレだ。
心配はないが、折角来たのだから専門の皮膚科にも診てもらい、処置してもらおう。
家にかえったら、今日、明日、明後日くらいまで、何も食べずに青汁だけ、のめるだけのんでごらん(青汁絶食)、治りがはやいだろう。
そして、その後、これにこりて、食べものを変えること。
飯と肉や魚をひかえ、インスタントものなど出来あいの加工・保存食品はできるだけさけ、ナッパを主とする野菜・山菜・海藻類をうんとそえ、青汁も少なくとも2合(もとのナッパ400〜500g)はのむ。
菓子やジュースもやめて、くだもの(農薬のかかっていない)にする。
それをつづけていれば、感じやすく(アレルギー性に)なっている体質がなおり、少々のことではカブれなくなるだろう。
(58・11)
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3. 納豆で血がねばる?
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遠藤 仁郎
「高血圧の方にイモ・マメ・ナッパをすすめ、納豆がよいと申しましたところ、その方が、“納豆を食べていると血がねばってよくない”と新聞に出ていたと聞き、迷っているとのこと。
まさか、あのねばりがそのまま血の中にはいるとは思えないんですが、先生はどうおかんがえですか?」
との電話。
「私もそう思います。高血圧や動脉硬化で血はねばりますが、このねばりは、血の中のコレステロールや脂肪、その他の成分がふえて、濃くなり凝りやすくなっている――たとえば、血を採るために注射針を刺しても、うまく出ず、ぐずぐずしているとすぐにつまってしまう。
そういったねばっこさのことで、納豆のねばりとはまるでちがいます。
それに、納豆のあのねばりがそのまま吸収されて、そのまま血の中に出てくるわけではありませんから、もちろん無関係です。
(59・1)
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4. 日本食品成分表 3訂(3)4訂(4)比較 その10
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前回参照 |
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5. 食欲の秋 主婦よ食事革命を
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落ち葉をかき集めてたき火をすると、紫色の煙が澄んだ空気の中に吸い込まれるように立ち上り、あたり一帯に何とも言えない晩秋の芳香を漂わせる。
落葉を集めてのたき火に欠かせないものに、焼き芋がある。
焼き芋は、何と言ってもたき火に限る。
オーブンで焼いた焼き芋からは、とうてい秋の味覚は感じられない。
焼き芋の食べ方には、そのまま食べる、塩をつける、しょう油をつける、バターを塗るなど、人によってさまざまである。
最近の子供は、バターを塗って食べることが好きなようである。
中年以降の人の中には、塩をつけて食べることを好む人が多い。
食生活は、焼き芋の食べ方一つにしても、こうも違ってきているのである。
日本人は「食塩中毒」で、欧米人は「脂肪中毒」とよく言われるが、最近の私どもの食生活を省みると、食塩中毒と脂肪中毒の両方に、とりつかれているように思われてならない。
食塩や脂肪のとり過ぎは、ともに動脈硬化を促進することになり、これが原因となって高血圧、脳卒中、狭心症、心筋梗塞(こうそく)などの恐ろしい病気になりやすいことは、今や常識となっている。
しかし問題は、この事実をどのような形で自分自身に当てはめて考えるかである。
大部分の人は、何か物が上から落ちてくるとしても、自分の隣の人の頭の上に落ちてくることはあっても、決して自分の頭には当たらないものと確信している。
この流儀でゆくと、食塩や脂肪を少々多く食べたからといって、自分に限っては、世間で騒がれているようなそんな病気なんぞには、絶対になるものかと思うことになる。
事実、そう考えている人が非常に多い。
しかし、現実には、そう考えている人たちの中から、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などが頻発しているのである。
厚生省では、1日の食塩摂取量を10g以下にするよう指導しているが、アメリカでは、5gくらいにするような指導が行われている。
私たちは、平均1日15gくらい食塩をとっているが、東北地方では25g以上もとっているところがある。
それを10g以下にすることは、容易なことではないが長生きできるか、できないかが、かかっているとなれば、何とかして減塩に努めなくては損である。
脂肪のとり過ぎもまた深刻な問題である。
毎食の食器が、洗剤をつかわなくてはならないほど脂ぎっているなら、まさに脂肪のとり過ぎと言ってよい。
確かに私たちは、塩辛くて脂っこい食べ物に慣れすぎているようである。
ここいらで、家族中の口を預かる主婦の方に一念発起してもらって、食事革命の指導者になってほしいと思う。
長生きしなくては損である。
(石川恭三杏林大学医学部教授=内科)
(58・11・21 サンケイ)
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6. “こうするしかない”のご本
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在米 H.H.
“こうするしかない”のご本ありがとうございました。
先生の教えられる青汁・イモ・マメ・ナッパの健康食は“こうするしかない”現代の私どもの必要な健康食物ですね。
私は、ながい間の病身(慢性腎炎)なので、毎日の食事で、人の顔ならぬ自分の身体の調子をみ、食物のよしあしを知り、加減しなければなりません。
“病気や傷をなおすのは自然で、医者はただその手伝をするだけだ”と書かれましたが、私どもクリスチャンは、病気を神がいやし医者は手助けをする、といいます。
神のあたえた自然食物と自然の法則にしたがって生活すれば、自然と健康となり喜びとなることを覚えて、先生のいわれる“心・身・食の三元の合理化−自然化を忘れてはならぬ”の教えにしたがい、日々家族の健康に、私の養生にと努力して、自然に親しんでやっております。
娘もとても元気で、3年卒業で、卒業生中6人の一人としてバイオラジー・スカラシップ(生物学奨学金)500弗もいただきました。
勉強しながら仕事もしていて多忙なのに、弱音もはかずへこたれもせず頑張れるのも自分のとる食物だと心得てはげんでおります。
(84・7)
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7. 深刻化する除草剤問題
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山形県 S.S.
発癌性物質が取りざたされるなか、国内で大量に使われているジフェニールエーテル系の水田除草剤(商品名MO,NIP,X−52)の環境汚染が大きな社会問題になっている。
米軍がベトナム戦で使い、催奇性や発癌性があることから使用禁止になった「枯れ葉剤」に含まれている史上最強の毒物、2・3・7・8TCDD(ダイオキシン)と同種類のダイオキシンを生産過程の不純物として含み、環境中に長期に残留するのがこの除草剤。
枯れ葉剤に比べて毒性は低くて比較的安全、とされていたが、最近、このジ系除草剤も基礎的な毒性試験で、突然変異や奇形を起こし、発癌にも関与しているということが分かりかけているからだ。
一部の農家では除草剤の使用をやめ、消費者団体は「公害防止の原則は、疑わしきは使わず」と除草剤追放の運動を展開している。
また、研究者も「このまま放置すれば、環境汚染は続き、市民の健康は脅威にさらされる」と警告している。
(モダンメディシン84・3)
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8. とりつかれる人が少ないのが残念
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和仁 政子
「健康と青汁」いつもありがたく読ませていただいています。
よく知っている筈のことですが、繰返すことは意義のあることでございますね。
今春、津山高女の級会が京都であり、31人集りました。
その中の、41年ぶりに会った友が、
「今日の集りの中であなたが一番健康そうで輝いている。
肌のつやがちがう。
何か健康法をしているのでしょう」
とのこと。
で、緑葉食・青汁のお話しを詳しくいたしましたところ、
「他の人からのお話しだと半信半疑だけれど、証明しているあなたのお話しなので全く信用できるので、帰宅したら早速ケールをつくり、青汁をはじめる」
とのことでした。
一番大切なことが健康でいることなので、何かのきっかけで、緑葉食・青汁のお話しを、先生のうけうりでいたしますが、お味や手間などで、この友のようにとりつかれる方が少ないのは残念でございます。
(58・10)
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9. 兄弟とも元気です
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備前市 M.T.
先日、長男がカゼをひき3日間保育園を休みましたけど、熱が出ず、青汁に感謝しております。
次男は満1才、とても腕白です。
母乳で育ったせいか、この1年間、大きな病気はしておりません。
毎日、青汁の中にプルーンヨーグルトをあたえています。
甘いお菓子は食べませんし、甘かったら口からプッーと出します。
いま青汁は100ccくらいはのんでいます。
あせらず、ゆっくりふやしてゆきたいと思っています。
ご飯の量には、少しムラがありますが、おかずはよく食べます。
この間、保健所の検診へいきました。
みんな大きな赤ちゃんばかりでしたが、うちの子をみて、保健婦さんから、「こんな元気な顔のつやがよい方が、いいですよ。中味(病気しない)が大切です。」といわれました。
たしか、昨年の暮だったと思いますが、長男が水疱瘡にかかり、次男にもうつりました。
38度5分ほど熱がでましたが、ケロッとしており回復も早うございました。
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10. 多い時は一升も
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青森県 M.N.
ご指導いただきまして2ヶ年になります。
私のような病弱なものには、生きる力をあたえいただきまして、内臓関係の病気が非常に健康になり、有難く感謝申上げます。
残るのはこわばりのある膝関節炎で、歩行困難でありますが、信じて頑張っております。
その内必ず治るものと期待いたしております。
昨年いただいたケールが見事に育つ、6月9日から飲んでおります。
毎日の量は7〜8合、多い時は一升位飲んでおります。
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11. 1ヶ月にもならないのに
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12. 犬の喘息
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倉敷市 S.W.
生後13年のポメラリアン、メスの老犬です。
昨年秋頃喘息になり、日夜ゼーゼーと今にも息を引きとるのかと可愛想でした。
注射、のみ薬もあたえましたが思う様にならず、注射もこれ以上の薬を使うと後遺症が出ると申され、私共も夜もおちおち休まれず困っていました折、以前テレビで犬は日一食でよいものだと聞きましたことを思い出し、先生におたずねしました。
そして、喘息は多食が悪いですよとお教えいただきましたので、早速1日一食にいたし、今まで以上の青菜を入れてやり、夕食時に青汁10ccを注射器でのませましたところ数日後には快方になり、1ヶ月後の教室では全快の報告をすることができました。
白毛も出来ている老犬ですが、犬ともども有難く感謝申し上げています。
以前は2.5キロ位でしたが、現在では2キロ弱になっています。
(59・3)
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13. 紫色の葉になった
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栃木県 N.Y.
ケール並にピロサンを愛用して健康を保っておりますことを常に感謝いたしております。
今冬は厳しい寒さなので、日蔭のケールが枯れてしまいましたが、日当りのよい処は元気で、1枚1枚大事に頂いております。
実はそのケールが、自家採取の種を播いておりましたら、昨年秋にまいたものの殆どが紫色の葉になりまして、丁度観賞用の花キャベツの色です。
グリーンのものも少し出ておりますが育ちが悪く採取出来そうもありません。
(59・2)
○ケールはキャベツの原種で、これからキャベツやカリフラワー、ブロッコリ、ハボタンなどが出たのですから、あるいは、そういう変種かも知れませんが、寒さのためだけでも紫がかって来るものです。
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14. 大変な評判
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名古屋市 K.H.
昭和45年ごろより先生の青汁を実践し、玄米菜食を細々と今日まで続けてきました。
そのおかげか、病弱であった体が年をとるごとにむしろ健康体になり、よろこんでおります。
昨年より貸し菜園にて(5坪)ケール、エンサイ、バイアムなどを自然栽培によりつくり、青汁にしています。
すこぶる快調です。
近在のみな様にもひろめ大変な評判です。
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15. 質問箱
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コラム紹介
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