<1984年10月15日発行 第338号>
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目次
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1. 高校生とナッパ
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医学博士 遠藤 仁郎
このごろの高校生はみな大きくなった。
けれども、ふとりすぎかひょろ長くノッポが多く、均斉のとれた逞しく健康的なからだばかりではない。しかも、体力的にはむしろ劣っているといわれているし、はやくも老化現象が出はじめている、と警告されている。
事実、学校や就職の検診で高血圧が発見されることが少なくないし、剖検で動脉硬化の兆しも認められている。
なぜだろうか。
いろいろ原因はあるだろうが、もっとも大きくかかわっているのは、あまりにも不自然になっている日常生活、なかでも食べもののまちがいであろうと思われる。
食のまちがい
発育のさかんな時、腹はよくへる。しかも、食べものはいくらでもある。家でも十分食べられるし、外に出れば、いたるところにうまいものがいっぱい。小使いはたんまりもらえる。なければアルバイトで稼ぐこともできる。
むかしのように、貯金しろなどいうものもいない。
まことに恵まれた、ありがたいご時世。
そこで、肉や魚や卵のおいしいおかずで、いつも腹いっぱい食べ、インスタントものはじめ出来あい食品も多い。そのうえ甘味のつよい菓子を食べ、ジュースをのむ。
この食事の特長は、必要以上の大食をしていること、栄養的にみて、カロリーと蛋白質ばかりが多くて、それに釣り合わねばならないミネラル(アルカリ、ことにカルシウム)やビタミン類が乏しい、という大層かたよった不完全食になっていること。
また、危険な有害有毒食品が少なくないということだ。
体格への影響
これでは、からだが大きくなったり、ふとってくるのは至極当りまえだろう。
しかし、もともとカルシウムが少ないうえ、その吸収・利用を妨げる酸性食品や添加物(燐酸塩)のため、骨になるべきカルシウムはいっそう少なくなり、頑丈な骨格にはなれず、細長いからだになってしまうのも、またやむをえない。
血のにごり
またミネラル・ビタミン類の不足したこの食事では、カロリーや蛋白質の代謝がうまく行かず、血がにごってくる。
機械にたとえて説明してみよう。
からだも一つの機械、それも極めて精巧にできた、何もかも全部自分で始末する完全オートメーション機械だが、機械を動かすには動力と潤滑油が要る。
すなわち、石炭や石油を燃してエネルギーを出すわけだが、燃料が燃えるには空気が要る。空気が十分(燃料に釣り合うかそれ以上に)あれば、完全に燃え、煙や煤はないか少ないし、燃料も少なくてすむ。
が空気が不足すれば、燃料は不完全で、有害な煙や煤が出、燃料は多く必要。
また、潤滑油が十分だと機械はスムースに動き、摩擦が少なく、すりへりも少ない。
しかし、不足するとうまく動かず、摩擦がつよく、すりへりもはやい。
からだのばあいの動力源は糖質・脂肪・蛋白質などカロリー食品。
これをうまく燃やし、うまく始末、つまり代謝するための空気・潤滑油にあたるものはミネラルとビタミン類。
このミネラル・ビタミン類が十分だと、カロリー源は完全に燃え(利用され)、うまく始末(代謝)されるから、血はいつもきれいであり、すべての必要な養分がそろい、その流れもよいから、からだ中のすべてのはたらきがよく、したがって体調(健康状態)はよく、ながもちもする。
しかし、ミネラル・ビタミン類が不足していると、代謝は不完全、いろいろな有害産物ができ、血がにごって来、流れも悪くなり、からだ中のはたらきがうまく行かなくなり、老廃物の処理も不完全で、血はますますにごる。
ために、体調をくずし、病気しやすくなり、老化もはやめられる。
なお、有害有毒食品――危険な農薬その他生産用薬や有害な添加物などに汚染された――は、いわば、不純物のまじった燃料や空気や潤滑油といったもので、直接からだをいためることもあれば、少なくとも血のにごりを増すことになる、というわけだ。
正しい食
そこで、からだの発育をよくし、健康になり、それを長もちさすためには、何としても、まず食が正しくなければならない。
正しい食とは、食品そのものが安全であることと、バランスがよくとれた食であるということ。
すなわち食品はすべてなるべく安全なものでありたい。しかし、そういうよい食べものの殆んどない現在、せめて、バランスだけでもできるだけ完全にしなければならない。
それには、とりすぎているカロリー・蛋白質は必要の範囲内におさえ、それに釣り合うだけか、むしろ多すぎるくらいのミネラル(アルカリことにカルシウム)・ビタミン類をそえることだ。
ミネラル・ビタミン源
ミネラル・ビタミンのうち、アルカリについては、いぜんからアルカリ性の野菜やくだものをしっかりとれ、といわれていた。
たしかに、そうすれば酸性食品の中和には役立つ。
けれども、不足がちなカルシウムやビタミン類の補給源としては、その多くが殆んど無価値にちかく、それらすべてがそろって多いのは良質ナッパしかないから、これを十分にとる必要があるわけだ。
その必要量
その必要量は、わが国一般の習慣食からいって1日400〜500g。
しかし、これは平均的な数字であって、飯や動物食品、糖分、脂肪、あるいは加工・保存食品を好む若い諸君ではもっと多くが望ましい。
しかも、その利用効率をたかめるためには、生でよくかんで食べなければならないが、それが困難ならばしぼり汁(青汁、400〜500gのナッパで約2合)にして飲めばよい。
それに、野菜ことにナッパ嫌いのものには、食べろといっても無理だろうが、鼻をつまんででも飲めば飲める青汁のほうがとりつきやすいのではなかろうか。
薬ではいけないか
このように、ほんとうの健康体になるためには正しい食事が必要であり、青汁の中心になるものは青ナッパなのだが、それが、ミネラル・ビタミン類を補うためだというのであれば、別にまずいナッパを食べ青汁をのまなくても、薬で十分間にあうのではないかと考えられるが、それではなぜいけないのか。
それは、われわれに必要な栄養分には、わかっているもののほかに、まだわかっていないものがあり、そのすべてがそろってはじめて本当に完全になるわけだが、薬になっているのはわかっているものだけで、わかっていないものははいっていないからだ。
ところが、緑の葉には、それが草食獣の唯一の食べものであることからわかるように、必要な栄養分はすべて完全にそろっている。
だから、われわれの栄養を完全にするには、野菜・くだもののどれでもよいのではないし、薬でもダメ。どうしても青ナッパ(ホウレンソウ・フダンソウ以外の緑の濃い)でなければならない。
さて諸君にとってとくに関心のふかいのはスポーツと勉強とのかかわりあいであろう。
スポーツ
強靭な体力・精神力・根性、そして豊かな人間性をやしなうために、スポーツは大いにやるべきだ。しかし、スポーツマンは短命だとか、成人病になりやすいなどともいわれている。
はげしい、無理な訓練の連続といった肉体の酷使によるところももちろんあろうが、食のあやまりが少なからずあずかっている。
運動すればどうしても大食になる。
エネルギーの消耗を補うためだからやむをえない。
しかし、食べれば食べるほど老廃物はふえ、それを始末するだけでも、からだにかかる負担はそれだけかさんでくる。
だから、できるだけ老廃物の処理(代謝)に都合のよい状態に保たれ――つまり、いつも血がきれいでなければならない。そのためには、食全体としてバランスがよくとれていなければならない(また、できるだけ安全なものであることはいうまでもない)。
そのうえ、運動で生ずる多量の酸性物の処理のためには、よりいっそうアルカリに余裕がなければならない。
したがって、野菜・くだもの類、とくにナッパ・青汁が十分そえられた食事でなければならない、ということになる。
また、そういう食事ではカロリー・蛋白質が少なくてすむ(節約効果がある)ので、比較的少量で足り、それだけ老廃物も少なくなるから、疲労がかるく、回復もはやく、したがって長もちすることになる(持久力)。
水泳のマリー・ローズ、マラソンのアベベなど、すぐれたスポーツマンに菜食者が多いのはそのためだ。しかし、どうも、穀・肉・糖など酸性食品、また燐酸塩の添加された出来あい食品が好まれているようだ。
肉食
中でも肉食。はげしい運動による体の消耗を防ぐためには蛋白質にとんだものでなければならないと考えられ、肉食はむしろすすめられているのではないか。
肉食すれば、たしかに元気づくようにも感じられる。
けれども、肉類はすべて酸性がつよく(アルカリことにカルシウムが少ない)、ビタミンも乏しいので、これに偏るとひどく血がにごり、疲れやすく、持久力がなくなり、抵抗力をよわめ、ながい間にはいろいろな病気、ことに成人病にかかりやすい下地がつくられてゆく。
糖分
糖分また同じ。糖分はすぐれたカロリー(エネルギー)源であり、筋肉の活動にはなくてはならないもの。
また、疲労を回復するにもよい、とされている。
この、運動後の疲労の回復によいというのは、はげしい運動で減った血糖を補うのに都合がよいからだが、それは、一時的の効果にすぎず、砂糖がすぎていると、ながい間には、かえって体調をくずし、疲労しやすく、持久力にも乏しくなる。
それは、砂糖が糖分だけで、その以外には何もない。
全くからっぽのカロリー食品であり、その代謝にあたりビタミン(B1)不足のため有害な中間産物(ピルピン酸=脚気の原因物質)ができるからだ。
なお、菓子やジュース類では、さらに添加物の害も加わる。
勉強
さしあたりは毎日の学課のため。また、進学のため、諸君は大いに勉強しなければならない。
そして将来、わが国を背負い、世界をリードしてゆくためにも、すぐれた頭脳がやしなわれなければならない。
頭脳のはたらきは筋肉のそれにくらべはるかに複雑精巧をきわめており、それだけに、よりいっそうきれいな血、したがって、より正しい食が要求されるわけだが、はたしてどうか。
受験勉強をかんがえてみよう。
多くのばあい、体力の消耗を憂慮するのあまり、毎日肉や魚や卵のおいしいご馳走づくめ。間食には甘い菓子、ジュース、コーヒー。夜食にはラーメン、といったことになっているのではないか。
これでは、血はすっかりにごってしまう。
白米飯や糖分の強いものでは、ビタミンB不足のためできるピルピン酸で脳のはたらきも鈍ぶる。
肉や魚や卵の主成分である蛋白質の分解は、糖分よりもはるかに複雑で、十分のミネラル・ビタミンがなければ、いろいろ有害なものができ、血をよごしてしまう。
出来あい食品が多ければなおさら、添加物の害もさけられない。
これでは頭のよくなろう筈がないし、からだ全体の健康度もこわされかねない。
だから、頭をよくするためには、また、きつい勉強に堪えられるだけの健康を維持するためにも、大切なのは血をきれいにすること、食の合理化(安全化・完全化)。
すなわち、できるだけ安全な食品をえらぶことと、できるだけ良質ナッパを十分そえ、バランスのよくとれた完全食とし、食べすぎないこと。
そして青汁を大いに飲むことだ。
小学校で青汁給食によって、児童の体位向上とともに学業の成績が上ったという実績、青汁をはじめて落ちついて勉強できるようになり、見事難関の狭き門をパスした受験生もある。
要するに
立派な体格、粘り強い体力・精神力をかちうるためにも、若さ・溌溂さを長もちさすためにも、根本になる条件は一つ“きれいな血”であり、それには、できるだけ安全な食品を多くし、ミネラル・ビタミン類に十分余裕のあるナッパ・青汁中心の安全・完全食、すなわち食の合理化をはかることだ。
そして、大いに運動し鍛錬すれば、ギリシア・ローマの彫刻や、わが国上代の仏像にみられるような、均斉のよくとれた逞しい体格も、また、疲れ知らぬ頑健さをえることもできようし、はやくも老化現象が出るといったおそれもなくなるだろう。
そうしてこそ、スポーツにも存分に活躍できるだろうし、頭脳の働きもよくなり、無理な勉強にもよくたえられよう。
次代を担うわが国のホープである高校生諸君に、ナッパを食へ、青汁を飲め、もっと緑を、と声を大きくして叫びたい。
(59・1)
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2. 加鉛ガソリンの発癌リスクを過小評価
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基礎となる数字に誤り
【ワシントン】ホットケーキ・ミックスやかんきつ類に認められる高濃度の発癌性化学物質ethylene dibromide(EDB)に注目している環境保護局(EPA)は、これまで加鉛ガソリンに含まれるEDBの大きな脅威を過小評価していたようである。
EPA部内の覚書によるとEPAは、加鉛ガソリン中のEDBが与える公衆衛生上のリスクを評価するに当たって、実際の使用量のわずか6分の1の数字を用いてきた。
現在の推定では加鉛ガソリンに使用される年間3億ポンドのEDBに対してなんら規制措置をとらず、殺虫剤に2,000万ポンド使用されて一部の果実や穀物製品に検出されるEDBの禁止を考えているわけである。
この誤りが生じたものとは、ガソリンに使用されるEDBを4,700万ポンドと推定した1983年9月20日付のEPA Mobile Source Air Pollution Division の覚書。
この推定からガソリン中のEDBは、相対的発癌リスクの下限に相当するとされた。
しかし同じEPAの殺虫剤担当者は、この数字が誤りであり、リスクの評価は3億ポンドを基礎とすべきだとしているし、広報課も同じ数字を示している。
殺虫剤担当者は、この物質のほとんどを生産するEthyl社(バージニア州リッチモンド)のデータからこの数字を推定したという。
しかしEPAの他の関係者は、4,700万ポンドという数字のほうが現実的であり、殺虫剤担当者のいう3億ポンドは過大評価だと主張している。
加鉛ガソリンにどれだけのEDBが用いられているかについて、意見がまとまらないのはEPAだけではない。American Petroleum Instituteは、3億ポンドという数字を聞いたことはあるが、「その数字はかなり高すぎるようだ」とする一方、やはり確定的な数字はないことを認めている。
しかし技術的にみて、ガソリンに加えるEDBの代替物はあるという。
EPA筋は、ガソリン中のEDBの多くが燃焼時に破壊されるとし、ある担当官はその率を98.5%としている。
しかし残りのEDBは環境中で分解せず、大気中または地上に蓄積する。特に危険なのは自動車の交通量の多い都市だが、いったん大気中に放散したEDBは「検出できないほど」微量なものにすぎない、とEPA側はいう。
しかし植物、動物、人間にEDBが蓄積することは否定できないと認めている。
問題の4,700万ポンドという数字を用いたEPAの覚書によると、加鉛ガソリンの燃焼後に残るEDBは30万ポンドだが、加鉛ガソリンを規制すれば(無鉛ガソリンはEDBを使用しないから)、その量は1990年に10万ポンドまで減少し、問題にならなくなるだろうという。
(Medical Tribune 84.3.8)
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3. 日本食品成分表 3訂(3)4訂(4)比較 その9
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前回参照 |
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次回参照 |
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4. わが子のアトピー性皮膚炎に学んだもの 一石四鳥の食改善へ
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槌田 K.T.
“負うた子に教えられ”という言葉がありますが、私たちは二男のアトピー性皮膚炎を通して、実に多くのことを深く学ばせてもらいました。
二男は生まれた時から皮膚が弱く、耳の下、ひざの裏側も赤くただれ、オムツかぶれもひどかったんです。
もの言えぬ赤子がかゆいのでひっかく、痛くて泣く、で親子とも夜も眠れぬ日々を過ごしました。
もちろん皮膚科のお医者さんにはかかりましたが、副じん皮質ホルモン入りの軟こうを塗っても一時的におさまるだけでした。
3歳を過ぎたころ偶然、“合成洗剤が皮膚によくない”という論文を読んで、ワラにもすがる思いだった私たちはさっそく粉石けんに切り替えました。
するとなんと1ヵ月半で表面がきれいになってきました。
うれしかったですね。でも季節が変わって、去年洗っておいた服を着せると、またかぶれが出るんです。界面活性剤がいかに皮膚に浸透しやすく、衣服にも残るかを改めて知らされました。
以前から合成洗剤はよくないと私たちも聞いてはいましたが、近くの店に石けんが売ってないからとかでお茶を濁していたのです。
「知っている」ことと「行う」ことの間には大きな違いがあるんですよね。
治ったらしい、よかったねと言ってたら、小学校に入学してまた給食でかゆくなったり、吐き気がすると訴えるのです。きちんとは治ってなかったのかも知れないと、根本的な体質改善に踏み切りました。
アズキ入り玄米ご飯、海草、野菜が中心で、大阪府八尾市の甲田光雄医師の指導で断食療法も受け、2年半の菜食。その後、鶏肉や白身魚を徐々に加え、6年になって牛乳以外の給食はOKにこぎつけました。
以前の食卓は、私が家政科卒業でもありますから1日2400キロカロリー、肉は欠かさず。食べる出費は削っちゃいけないということで給料のほとんどが食費に。10万円以上だったでしょう。
それが一汁一菜、加えて一品という今の食事では5万円以下。
資源節約、健康、家計、調理時間もかからずとわが家にとっては一石四鳥といったところです。
(59・6・6 サンケイ)
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5. ケールのこと
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渡辺 忠夫
諸葛孔明の軍陣における芥藍菜(ケール)栽培の件は、同封コピー徳川時代の漢学者で本草学に詳しかった岩崎潅園先生本草図譜をご高覧ください。
「地錦抄」なる文典にさかのぼって、更に中国側古文典に連絡できるとよろしいかとは存じますが、諸葛孔明は日本では魏志倭人伝のヤマタイ国ヒミコより一昔前の出来事ですから、カブラだったかケールだったか、または時季によって両方とも使われたか、全く判り様もない次第です。
ケール染料説も、菘藍、芥藍、蓼藍と、染料に使われた植物の漢字名を並べて見ると判る次第です。
但し小生の書いたシルクロード−本紙321(58年5月)号−はNHKよりの説でして、現在のシベリヤ鉄道の道を通った東西交通の通路もあって文化、文物の東、西交流は有史以前から存在したとの説もあります。
徳川時代に中国(支那)からと、また別途オランダからと、両方導入されたケールは種樹家(植木屋さん)例えば植木屋伊兵衛さん等の手に渡り、食べるのはモッタイナイ貴重園芸植物ということで、大衆の食菜にはならず、品種改良の結果、五色ハボタン等正月の飾り植物になりました。
ケールを大衆の手に取戻していただきましたのは全く先生の功績と有難く感謝いたしております。
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6. 諸葛菜
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7. 青汁と健康
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山形県 S.S.
戦前は、肉は食べず、魚も時々、砂糖も少なく、菓子なども、殆んど食べなかった。
そして野菜が多く、それも農薬はもとより、化学肥料も、使わなかったから、すべて安全、良質のものばかりだった。その野菜中心の食べ物で、至って健康であった。
それがなぜ、20年前頃から変っで来たか。終戦後は、しばらく戦前戦中のつづきで、大した変化はなかったが、その後、経済状態が良くなるにつれて、食べ物は次第に贅沢になり、純白米、肉や魚、卵を充分食べ、砂糖、菓子の消費がふえ、野菜は次第に減って来た。
しかもその野菜は、化学肥料で栽培され、そのため病虫害が甚しく、農薬で汚染されたものばかりになった。
その上、雑多な添加物の入った加工食品、既製食品、インスタント物が、ドンドン台所に入って来た。
病は未開民族に少なく、工業化が進んで、加工食品を多く食べる文明国に多い。
病は日常生活、中でも、食べ物の間違いによっておこる。
客の接待、宴会の料理などを見ると、魚肉のものに較べて、野菜の料理が、本当に少ない。
しかも、その少ない野菜は、農薬が使われ、加工食品も着色、防腐剤、人工甘味、漂白剤、糊料等々が使われた、有害食品である。
加えて日常生活も、排ガス、化学肥料、ハウス栽培、放射線など、全く不自然なものばかり。
なおかつ家畜の飼料にも各種の薬剤が配合され、本当に気をゆるせるものは殆んどなく、これでは病気するのが当り前と考えられる。
最近、自然の産物である山菜料理が珍重される所以である。
しかも最近、交通の発達から、歩くことが少なくなり、遠足でも、幼稚園や小学校のグラウンドにまで、バスが入る時代で、子供の時から、体を余り動かさない。
最近の病気には、運動不足に原因しているものも、随分ある。
私は、何とか丈夫になりたい。
野菜を多く採って、食べ物のバランスを良くしたい、と考え、青汁を飲む会へ入会しました。
最初、ナッパには栄養がないと思っていたところ、牛、馬、象などが、魚も肉も食べず、草をはみながらあの巨体を保ち、充分力仕事をしているのを見ると、ナッパにはすばらしい栄養があることが分りました。
青汁の原料は、「ケール」というキャベツ科の十字花植物で、化学肥料や農薬は一切使用しないで栽培するのです。
量を充分に摂るため、ジュースにして飲みます。
健康の土台は、毎日の食べ物にあるのです。
その食物は、栄養の調和が必要です。このジュース(青汁)が栄養調和の決め手なのです。
しかも日常、習慣食の誤りを正し、食の間違いから来ている体の変調をなおして、健康になり、病気の治りをよくしようという目的があります。
成分は左表の通りです。人間の健康維持には、この表のカルシウム、ビタミンの量が問題なのです(潤滑油の役目)。
この会の会長は、倉敷中央病院の名誉院長、遠藤仁郎博士で、現在83才で普及に活躍されております。
この病院では、入院患者に青汁給食をして成果を挙げているし、岡山、広島、四国地方の小、中学校でも、学校給食に青汁を出し、大なる効果を挙げております。
私も、若い頃、大病を患らい、青汁を実行してより、病気らしい病気は一切したこともなく、10年以上も医者にかかったことはなく、薬を飲んだこともありません。
毎日青汁2合(もとのナッパで500グラム)を飲み、食事は出来るだけ「いも」「豆」「野菜」「小魚」類を多くし、甘い物、塩分はつとめて控え、薄味にしています。
(山形・丸正自動車学校)
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8. 遠藤青汁と牛乳(各1合の成分)
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| 遠藤青汁 | 生乳 |
熱 量 | 48.6 | 106.2 |
蛋 白 質 | 5.3 | 5.4 |
脂 肪 | 0.54 | 5.8 |
糖 質 | 5.7 | 8.1 |
カルシウム | 522 | 180 |
ビタミンA | 8100 | 180 |
B1 | 0.112 | 0.054 |
B2 | 0.558 | 0.270 |
C | 189.0 | 0.9 |
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9. 本当に“こうするしかない”
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10. 日本動脈硬化学会昭和58年度冬季大会シンポ
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剖検例から若年者における
脂質沈着の実態を明らかに
動脈硬化の予防を考えるうえで重要なのが「小児、若年者における動脈硬化の病理」。
九州大学第一病理の田中健蔵教授は、この点にポイントを絞り、粥状硬化の実態とその進展に及ぼす要因を分析した。
大動脈での脂質沈着は20〜30歳にかけて急速に進展
田中教授はまず剖検例での検討から、若年者における脂質沈着の実態を明らかにした。
脂質の沈着は、粥状硬化の第一ステップと考えられている。それによると、大動脈の場合、10歳未満のケースでは血管の分岐部に沈着がみられた。
しかし10歳台になると、症例によるバラツキはあったものの、血管分岐部の末梢から中枢側に強く現れた。
冠動脈の場合も、ほぼ同様の傾向が認められた。ただ大動脈と冠動脈を比べると、脂質沈着の度合は前者のほうが強かったという。
次に同教授は厚生省の「高血圧・動脈硬化の一次予防に関する研究」班の病理班の調査成績を示し、“若年者動脈硬化”の日本人全体の傾向を探った。
この研究は、40歳未満の小児・若年者の剖検711例の粥状硬化の実態を調べたもので、秋田大、群馬大、九州大など全国8大学が協力した。
検討の結果、大動脈における脂質沈着巣は小児期からすでに認められ、20〜30歳にかけて急速に進展していた。
30歳台では女性より男性で強くなる傾向があった。
一方、冠動脈では6歳ごろから沈着がみられた。
また小児や若年者の大動脈、冠動脈の動脈硬化指数は、高コレステロール血症や高血圧のある人が各年代とも高かったという。
症例を東日本と西日本に分けて動脈硬化指数を比べると、大動脈の場合は30歳台以降、東日本が高く、冠動脈の場合は、各年代とも西日本が高いことも特徴的だった。
同教授はさらに角度を変えて、動脈壁でのフィブリノーゲンフィブリン代謝の意義も検索し
「日本人の粥状硬化の発生には脂質とともにこれらの要素の関与も重要だ」
と指摘した。
(MedicalTribune 84.1.26)
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11. 青汁で便秘
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12. ジャガイモ
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新ジャガのおいしい時期になりました。
お塩でよし、バターでよし、そしておみそ汁の実にも最高ですね。
このジャガイモ、原産地は南アメリカ大陸の高原地帯とか。
日本に渡ってきたのは、今から約4百年前。
ジャワのジャガタラという港から運ばれてきたので、ジャガタライモと名付けられたそうです。
ところが当時は、「ジャガタライモは有害だ、食べると恐ろしい病気になる」というわけで、もっぱらお花を観賞したんですって・・・。
今から考えると、これはジャガイモの芽や皮に含まれている“ソラニン”という物質が原因。
それにジャガイモの淡泊な味が、お米のご飯にあまり合わなかったせいもあるようです。
でも無実の罪は、いずれは晴れるもの。
正しい調理法が伝わり、明治になってお肉をいただくようになると、人気急上昇!“肉ジャガ”は、今や「おふくろの味」の代表格にまでなりました。
ところでジャガイモというと、デンプンのかたまり(=太る)と思いがちですが、これは大変な誤解。
ビタミンやミネラルが豊富な、とてもバランスのとれた食品なんです。
とくに強調したいのが、ビタミンC。
−かつて北欧では、野菜が少なくて壊血病が猛威をふるいました。ところがジャガイモが普及してからは、これがピタリと止まったとか・・・。
以来ヨーロッパでは“黄金のリンゴ”とか、“地のリンゴ”と呼んで、とても大切にしているそうです。
(59・5・28 サンケイ)
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13. おかげさまで
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茨木市 Y.K.
お蔭をもちまして、家族何とか健康に暮らしております。
ただ今のところ、ケールを育てることが出来ませんので、ずっと粉末を茶サジ山盛3杯、それぞれ毎朝のんでおります。
沢山飲まそうとしますと、いやがりますので、少しでものまぬよりはいいと思いまして。土地はあるのですが、周囲に家が建てこみ、土地が低くなって、風通しと、陽あたりが悪くなりましたので、将来建て替えが出来る日が来たらケールやお花を植えたいものと夢見ております。
何時も健康を誇っていた養鶏場主が(65、6才と思います)、腸にポリープが出来(ガンではないそうです)、手術をしたのですが、あとがどうも痛くて、便秘し、病院に行くと下剤をのめといわれ、のむとしょっちゅうトイレに行かねばならず、お尻が痛いそうです。どうにも毎日具合がよくないとのこと。前に私が話していた、青汁をのんでみようと思うと聞きましたので、とりあえず田辺さんの方へ申込むよう言っておきましたが、大きな山で鶏を飼っていて、畠にはいくらでもケールは育てられると思いますので、すすめてあげようと考えています。
私は人にすすめます時、「こうこういう先生だから金儲けでしている人でないから絶対に信頼できるの」と言います。
今までにも、二人ほど、うちにあるのを差上げてまですすめましたけど、二人とも、「飲みにくい」といって、飲まれません。
おいしくない位、病気のことを考えたら何でもないのにと思います。
私は子供の頃から、体が弱かったので、健康のためには努力を惜しまずにやっているつもりです。
おかげで、母は91才。ただし背骨がまがっているのが原因で、持病はありませんがいろいろと障害が起り、今やっと生きている状態です。
先生は1900年生れで、もう84才。私より27年上でいらっしゃいます。ふつうならそろそろというお年ですが、どうぞみんなのためにもお元気で長生きあそばして下さいませ。
祈っております。
(59・5)
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14. そのものズバリです
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東京 K.K.
異常にきびしい寒波の連続につづいて大きな地震と、それにもまして、汚染による生命の危険は、一般の方々の無関心により、尊い健康が失われつつあります。
しかし対話の場を持ち語り合うことによって、必ず少しづつ気がつき、よい方向へと方向づけられることと思います。
昭和30年から化粧品外販に手を染めてから今日迄、恥しながら、反省の連続です。
ということは、深い正しい知識のないままに、どうでもないような物を取あげて、良識に根さした商品への不信感に促れる結果、業績は当然マイナスです。
しかし敗戦后の日本は、アメリカ式生活方式に汚染され、今や健康産業までも、不健康へと無駄な浪費をさせられております。
つくられた健康食品をあれこれととり入れ、血圧さえもままならない状態で、一時は悲観をし、一切を投げ出そうと思ったこともございます。
しかしどうしても自分の力ですべてを正常な健康体にしたいと懸命に求めつづけております。
その甲斐あってようやく先生の著書にも巡りあえて蘇生の思いです。
現在65才ですが、曲りなりにも栄養面で少々の努力をしておりましたので、曲折はありながらも、一度もお薬を飲まずにまいりましたが、青汁を先づ自身で体験しなくてはと思い、食べはじめてから今日で15日目でございますが、涙の出る程感謝して居ります。
青汁が良いということは少しは知って居りましたが、器具の良いものにめぐりあえないままに、分子矯正法なる五大栄養素のバランス食品の販売してましたが、非常に高価な上に結果が仲々出ませんので、喜びがかえって来ませんので大へんつらい思いを致します。
そのような折に、デパートでながい間求めていた青汁用の器具の宣伝にあい、早速購入し使い始めると同時に、先生の著書とNWウォーカー著の2冊を購入し読み始めましたが、内容が先生の場合は蓚酸は悪いとありますが、ウォーカー氏のは生の蓚酸は大へん良いと書いてあり、その辺の疑問が私を悩ましております。
しかし、青汁の効果はそのものズバリでございます。
もっともっと勉強をして、こんどこそは胸を張って皆様に先生のご本を紹介して上げるつもりです。
どうぞこの後ともよろしくご指導下さいませ。
健康なくして人生の幸せはあり得ません。
(59・3)
○
アメリカではよいのかも知れませんが、わが国ではよくないとかんがえています。
それに、蓚酸が大切なら、どんなナッパにも少しづつは含まれていますから、ホウレンソウだけにたよることはないでしょう。
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15. 快便になった
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名古屋市 T.A.
ここ数日間、まったく食欲なく、少し食べれば出血(大腸かいようか)ひどく、貧血となり、寒く、夜もねむれない日がつづき、6キロもやせました。
ピロサン15mlを、多いときは1日6〜8袋のみ、食事がわりとしてきました。
それまでのひどい便秘がとても快便となりました。
あたりまえ(野菜不足)のことなんですが、いちばん大切なことなんですね。
食欲も少しでてきました。
空腹時と食事をして40〜50分たつと、腹がやけるような感じがありましたが、これも、少しおさまってきました。
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16. 親指がしびれる
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仙台市 K.O.
東北に越して来ましてから、お米がおいしいため、つい、イモ・マメ・ナッパ・青汁がいつのまにか、ムギ飯に(米ムギ半々)、いもの方は1日1回になり意志が弱いのが、情けなくなります。
この頃は、左手親指がしびれ、もう2ヶ月ぐらいになります。
どこが悪くてしびれるのですか。おおしえ下さいませ。
ケールは良くそだっています。1日1回。10枚ぐらい、ミキサーにかけて、そのまま飲んでおります。
後は顆粒を1日2袋ですが、少ないですね。もっと飲むように心がけます。
(58・11)
○
寒さのせいもありましょう。なるべくナッパを多くし、もんだり、さすったり、運動したり、血のめぐりをよくするよう、気をつけてください。
(遠藤)
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17. 少ないとよくない
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静岡県 M.N.
ナマの青汁5合のときは大変よかったのですが、この頃は1日にナマ1合くらいしか飲めないので、よかったり悪かったりです。
粉は大サジ6杯くらいでも私には少ないようです。
ニラ40グラムくらいまぜると便秘にはよろしい。
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18. 質問箱
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問
白内障で、1年経過をみて手術しようということになっています。
青汁は1合ていどのんでいます。
答
1年の余猶があればその間熱心にのんでみて下さい。
少なくとも毎日3〜4合(もとのナッパ7〜800〜1キロ)のんでみてください。
それで手術せずにすんだ人もあります。
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