健康と青汁タイトル小 <1984年9月15日発行 第337号>
 目次




1. 骨粗鬆症

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「お婆さんが骨粗鬆症です。高血圧もあり、からだの調子がよくありません。青汁はどうでしょうか?」
     「適当な材料があれば、ぜひすすめてください。きくかどうか、やってみなければわかりませんが、少なくとも、悪くはない筈です。のめるだけ沢山。初めは少しからならし、しだいにふやして、毎日3〜4合(もとのナッパ7〜800gから1キロ)くらいは飲んでみてほしいと思います。


    ことのおこり
     この病気は、骨多孔症ともいい、骨のカルシウム分がへり、うつろが広がり大きくなって、骨質が弱りもろくなるもの。老人が僅かなことで骨折をおこしやすいのは、このためです。ことのおこりは、年のせいで、骨のカルシウム代謝がくるい、失われるカルシウム分と、その補充とのバランスがとれなくなっていることと、摂り入れるカルシウムが十分でないことにあり、それには現在の食のあり方がかなり影響しているように感じられます。

    現行食のあやまり
     現在の食事は、白米飯に、おいしくたいた魚や卵をそえ、野菜類が少ない。
     間食には甘い菓子、飲みものにはこれまた甘いジュース類。それに、インスタントものなど加工・保存食品が多いという、いうならば、ご馳走づくめの毎日になっています。
     この食事の特長は、栄養的にみて、カロリーや蛋白質は多すぎるほどだが、それに釣り合わねばならないミネラル(アルカリことにカルシウム)やビタミンが不足している。そのうえ、有害有毒食品も少なくない。そのため代謝がうまくゆかず有害な代謝産物ができること、また有害有毒食品も少なくなくて、どうしても血がにごって来、からだ中のはたらき、したがって骨のカルシウム代謝にも不利にはたらくにそういありません。
     一方、この食事では、もともとカルシウム分が少ないうえ、酸性食品(カロリー食品だけでなく添加されている燐酸塩によって)が多いため、その中和に奪われ、少ないカルシウム分の利用はいっそう悪くなります。
     そこで、骨になるべきカルシウムが少なくなるか、無くなります。そのため、反対に、骨からカルシウムがとり去られる結果となり、ここにこの病気になるそもそものもとが潜んでいるわけです。
     ですから、この病気を防ぎ、治すには、まず栄養を正しくして血のにごりをとり除き、骨のカルシウム代謝に有利な条件をあたえるとともに、できるだけ十分のカルシウムの補給をはかるべきでしょう。

    正しい食
     すなわち栄養の安全化と完全化です。

    安全化
     すべての食品はなるべく安全な自然食品をえらび、農薬その他生産用薬剤や添加物に汚染されていないものとすること。

    完全化
     栄養のバランス、とくに不足がちなミネラル(アルカリ、カルシウム)やビタミン類を十分に補給すべきですが、それには、それらがそろって多い良質ナッパ以外には適当なものはありません。

    カルシウムの補給
     カルシウムの補給には、吸収しやすいかたちのカルシウムにとんだ食べものをしっかりとることと、その吸収・利用を妨げるものをできるだけ少なくすることです。

    酸とアルカリの関係
     その一つは酸とアルカリの関係で、ここの食品についていえば、酸性のものより、アルカリ性のものの方がカルシウムの利用がよいし、食事全体についても、酸性か酸性のつよい食事のばあいより、アルカリ性かアルカリのつよい食事の方がカルシウムの利用率が大きい。
     たとえば、主食では、カルシウム分の少ないうえに、酸性のつよい穀類(米・麦)よりは、カルシウムはあまり多くはないが、アルカリ性のイモ類の方がよろしい。
     蛋白食品では、同じくカルシウムが少なく、酸性の強い肉類よりは、酸性度はあまり変らないがカルシウムの多い小魚類や卵がよく、アルカリ性でカルシウムの多い乳、カルシウムが多くて比較的酸度の少ない大豆などがさらによろしい。
     それらにそえるアルカリ性の果物・野菜類では、同時にカルシウム分の多い良質ナッパ類がもっともすぐれていますから、これを十分にそえるべきだということになります。

    ナッパの利点
     このように、栄養のバランスをとって血をきれいにし、骨のカルシウム代謝をよくするためにもまた、カルシウムの補給のためにももっとも適しているのは良質ナッパで、その必要量はふつうでも、400〜500g。老人でも、また、ことに病気のばあいはそれ以上、多ければ多いほどよろしい。したがって、大量のナッパの摂取を容易にする青汁(400〜500gで約2合)がよい筈、ということになるわけで、あえておすすめするのもそのためです。
     なお、青汁のも一つの利点は、そのカルシウム分の吸収が非常によいということです。それは生のナッパのカルシウムは、いわゆるイオン化しているカルシウムで、熱を加えたり、無機のものにくらべ、吸収率に格段のちがいがあるからです。

    糖分
     なお、糖分がすぎると、カルシウムの利用を妨げますから、味つけはうすくするよう。また、菓子やジュース類にも十分気をつけて下さい。

    ビタミンD
     その他、カルシウムの吸収・利用にはビタミンDが関係しています。その不足しないよう。薬をのむのもよいでしょうが、椎茸(天日乾燥でDができる)を食べ、また、日光浴(でからだにDができる)もかかさないようしたいものです。
    (59・3)



2. 日本食品成分表 三訂(3)四訂(4)比較その8
前回参照

    三訂四訂比較表8

次回参照

3. 清涼飲料の糖分は? 中、高生に飲み過ぎが

     夏になるとよく飲まれる清涼飲料。でも子供のがぶ飲みが心配という、お母さんたちの声をよく聞きます。清涼飲料には一体どのくらいの糖分が含まれているのか、また子供の健康にどんな影響を与えるのか、調べてみました。

    年に一人190本飲む
     清涼飲料の生産は、昭和35年から本格的に登場した自動販売機の普及とともに急増し、当時の年間生産量約50klから昨年は約430万キロリットルとなっています。
     一年間で国民一人当たり約190本の清涼飲料を消費していることになります(全国清涼飲料工業会調べ)。
     ところで汗をかくと、補給のために水分を取り、清涼飲料も普段より多く飲むようになります。そこで気になるのが糖の量。主な飲料について全メーカーに問い合わせた結果、一缶中23〜35gぐらいはいっています。

    男子に多い摂取量
     夏休み(56年)中の一週間、東京都内の子供について間食のなかの飲み物に限りその実態を調べた菅原明子さん(戸板女子短大講師)によると、

     「摂取量は、小学生よりも中・高校生、女子よりも男子が多い」
     ということで、特にいちじるしかったのは中3、高1の男子。
     糖分にするとそれぞれ67.8g、67.4gを摂取しており、その他の間食、果物、食事などからの糖分をプラスすると、1日100g以上摂取していると推測されます。
     栄養学雑誌38の4号に掲載された金沢大学教育学部食物学研究室、石黒弘三さんの報告ですと、農村部でも55年の夏休み中の3日間、やはり小学生より中・高校生、女子より男子が多く、糖分の摂取量は、東京より少し減っていますが中3が43g、高1が52.5gで、他より多く摂取しています(冷菓も含む)。
     また一日70gを超えた子供が中学男子で9.5%、高校男子で18.7%となっています。
     では、糖分の摂取はどのくらいが望ましいのでしょうか。

    潜在かっけの子も
     聖マリアンナ医大栄養相談室の中村丁次さんは
     「糖分は必須栄養素ではありませんので一概に何g必要とは決められませんが、成人は一日約20g、子供なら30gでしょうか」
     といいます。また、菅原さんは
    「体重1kgにつき1gがせいぜい」
     と許容量の目安をあげてくれました。
     お二人があげる糖分の量と照らし合わせると、清涼飲料だけでもかなりの量をオーバーしていることになります。
     たとえば、菅原さんの許容量で計算すると、幼稚園児は1本がせいぜい。メーカー側でも
    「新たに糖分が100C.C.中9gと少ないセミスイート果汁を発売しています」(武田薬品工業)
     と工夫しているところもあるようです。
     糖分を余計にとると、どういうことが起きるでしょう。
     まず、糖質の代謝に必要なビタミンB1不足が懸念されます。ビタミンB1は、糖質を燃焼させ、内臓機能を円滑に維持する働きがありますが、糖質を余計にとることでB1を全部燃焼してしまい、内臓機能の働きの方がおろそかになり、胃や腸の働きが低下します。
     菅原さんは、さらに「潜在かっけの子供がかなりいるのではないか」と指摘します。
     また、栄養のバランスがとれた食事をしていれば、多少がぶ飲みしても大丈夫とのご意見を持つ金永安弘さん(国立公衆衛生院・主任研究官)も
     「食事の直前には決して清涼飲料をあげないように。おなかがすいている時に飲むと急に血糖値が上がり、おなかがいっぱいの状態になります。そうすると、日常取らなければならない栄養素を取れなくなりますから」
     と強調しています。
     もう一つ、水や糖分を含んだ清涼飲料では胃酸を作るのに必要な塩分が補給できなくなります。このため口から雑菌が入っても胃の中で殺すことができず、下痢を起こしたり、夏風邪をひきやすくなるそうですからご注意を。
    (57・7・30 サンケイ)


4. 高齢者は食事量の少ないのが問題

    (ワシントン)高齢者には栄養不良のものが多い。微妙な加齢による生理的変化や社会的、経済的な理由については説はいろいろあるが、その原因の多くはただ単にあまり食べないからだという。
     シカゴ大学臨床栄養研究センター所長のIrwin Rosenberg博士は、このほど消化機能と老化について所見をとりまとめ、当地の栄養に関するシンポジウムで次のように発表した。

     「高齢者は以前ほど活発に動かないため、食欲もカロリー必要量も低下する。活動しない高齢者では、食事から十分なビタミンやミネラルがとれない程度にまでカロリーの必要量が低下する。一日当たりの必要量は、50歳の1,600カロリーから小柄で不活発な75歳の老人では1,300カロリーにまで減る。
     活動の程度だけでなく、他の変化も適切な栄養を防げる。歯や嚥下する筋が変化すれば、選ぶ食事にも関係してくる。米国人の約3分の2は、75歳までに全部の歯がなくなってしまう。胃が酸を産生する能力は低下し、おそらく血流からさらに消化管への栄養素吸収に影響する。
     多くの高齢者では、体内のビタミンとミネラルが不足する。確実な科学的証拠は、高齢になるとカルシウム、葉酸、ビタミンB12を食物から吸収できなくなることを示している。
     葉酸とビタミンB12は血中蛋白の産生に必要なもので、これらが不足すると貧血を生じる。高齢者の多くではビタミンDも不足するが、これはおそらく日光にあたる機会が少ないためだろう。
     高齢者が服用する多くの薬物も、食欲や栄養素の腸内吸収を減少することがある。
     最もよく用いられるものの一つ、制酸剤は胃を安定させるが、必要な栄養素の吸収を妨げる場合もある。人口が高齢化している現在、こうした栄養と加齢の関係を医師はもっと十分に認識しなければならない。座りこんだまま、成り行きに任せておく問題ではない」
    (Medical Tribune84.1.19)


5. 心臓の発作おさまる

    仙台市 K.O. 

     毎度お世話になりまして有難うございます。
     体の弱い難病をお持ちの方々に大変喜こばれております。これも田辺様のお蔭でございます。皆さんの体験談を、月刊紙を読ませて頂いていますので、皆さまに聞かせ、時にはお見せしております。
     色々の病気の方々も、日々に良くなっております。私も遠藤先生のおしえをまもり長年実行してきましたので心臓のほうは一度も発作が起きていません。9年間青汁を飲み始めて、其の月から一度も起きませんので、命の縄、命の泉と思って皆様にもお話いたしております。
     どうぞ今後共よろしくお願い致します。


6. 「人間改革」ですね

    加州 H.H. 

     「なんでも青汁」のご本に、「いかに正しい養生が大切であるか」と書いておられますように、腎臓病だけでなくなんの病気でも。また、「いかに油断が恐ろしいか」も、いつも私は、食物のよいもの、悪いものを食べたあとで感じ、身体に色々と影響を大いにうけていますので、本当に恐ろしいことです。
     クリスチャンは「食は霊なり」と教えられます。
     「食は人なり」で、食べたものでその人がきまるといいますね。いまごろは贅沢三昧で、おいしいもの(身体には悪いもの)ばかり食べるので、殺人食ですね。
     食べずには生きられませんですが、「食正しければ人正し」というように、心を正しく、身体によい、生きた食物、イモ・マメ・ナッパ・青汁で、汚れた身体をきれいにし、生命を大事に、よい生活をしたいものですね。
     私など、日々あたえて下さる生命をありがたく思い、用心し、色々努力して生活していますから、新聞や本で今の社会状態など知ると、嫌になり、同時に情なくなります。「人間改革」ですね。



7. シソ葉と歯槽膿漏

     和仁 政子 

     この夏はベランダでつくった青シソの成績がよく、最盛期は7月はじめから8月半で終りましたが、その間、大人の掌大の葉1,145枚を利用しました。
     歯の様子がだんだんよくなりましたので(膿漏で悪く、一日3回以上もみがく)、磨きの結果かしら、と思っていましたが、平素の青汁の上に、朝、昼、夕と大きいシソ葉を7枚づつも利用できた様だったことが、シソ葉が終りしばらくして気づきました。
     緑葉が他のものでは代れないすぐれたものであることを証してくれました。

    (58・10)



8. ロスでケールが値上り

     田辺 弘 

     昨日、ロスから休暇でかえってこられた板垣さん(トヨタ自動車)がスタンドにみえ

    「3〜4年まえ、ロス附近のスーパーで売っていたケールは、一束(約70〜80グラム)35セントだった。ところが、最近では、遠藤先生のご本(ミラクル・グリーンジュース)やケール顆粒などで、だいぶ青汁が普及してきて、ケール一束75セントにもなったよ」
     とのことで、久しぶりにスタンドの青汁をのんでかえられた
    (59・6・14)


9. ケールのおかげで

    鹿児島県 K.K. 

     友達に紹介されて、ケールを作りはじめて、もう半年になります。
     いつも愛用していますがおかげ様で、こども達もすっかり元気になり、主人もとっても喜んでいます。庭が少しありますので、庭につくったり、鉢植にもしています。これから夏にかけて、冷いものがほしい頃になりますので、青汁を大いにつくって、健康であることを楽しみながら、頑張りたいと思っています。ありがとうございました。


10. 82才だが

    岐阜県 I.S. 

     20年来、青汁のおかげで健康に恵まれ、82才の今日、協同組合の理事長として、心身ともに一人前以上の活動をいたしております。ただ感謝のほかありません。毎年「人間ドック」へ行きますが、「B」にランクされる部分ほとんどありません。(59・4)



11. 横溝老の話

     明治39年生れ(79才)の元気のええ(よい)のが6人あつまった。みな、漬物やミソと麦飯ばあ(ばかり)の連中で、白いおまんまやうまいもん(もの)ばあ食うとった分限者(金持ち)のこどもは、もうとう(とっく)に死んでしもうとった。(59・3)



12. 質問箱


     胃下垂で、水分をとるな、といわれていますが青汁はどうでしょうか。


     体質をかえるためにぜひしっかり、少なくとも毎日4合くらいはのむべきです。しかし、一度にガブのみすれば胃がダブづくでしょうから、少しづつを、度々にわけてのむとよろしい。なお、糖分(菓子、ジュース、味つけの砂糖など)はやめるか、極力へらすこと。



 コラム紹介

    青汁一口メモ
    青汁で便に血液反応が出ることがある。
    2〜3日のむのをやめてから検査すること。



    気は形なき物なれば煩ふことなし、
    気聚る所煩ふ、
    気が散れば病なきなり、
    気はあつまるを病とし
    伸ぶるを無病とす

    沢庵



    死神の来ることほど確なことはなく
    彼の来る時ほど不確なものはない
    ドイツ俚諺



    憂うつが喜びの領域をふみあるく
    ラテン俚








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