<1981年12月15日発行 第304号>
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目次
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1. 胃のポリープ
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医学博士 遠藤 仁郎
さいきんふえた病気の一つ。
大腸のポリープについては、いぜんからよくいわれていたが、胃のポリープのことは、私などの学生時代には講義もなかったし、参考書にもほとんど見かけなかった。
しかし、さいきんにはしだいに多くなり、癌との関係もやかましく、一般の感心もたかまってきている。
73才のお婆さん。
昨年レントゲン検査で、胃の幽門の近くにポリープが一つあるといわれた。
1年たって、先日検査をうけたら、こんどは4〜5ヶにふえていた。
どうしてだろうか。癌になる心配はないだろうか。
そのほか、先年うけた子宮筋腫の手術のあとが癒着して、便秘がちとなり、便通のまえに左脇腹がいたむ、とのこと。
○ポリープがなぜ出来るのか、原因はわかっていない。
体質的のもので、遺伝関係もあるらしい。
大きくなったり、数のふえかたもまちまち。いちばんこわいのは癌になることだ。
これも、なぜということについては、かいもく何もわかっていない。
いずれにしても、食べ方のまちがい(不自然化・不合理化)が関係しているのではないか、と私は考えている。
ともかく、うんとナッパを食べてみたらどうか。そしたら通じもよくなるだろう、というと。
実は、嫁が炊事をしているので、思うようにはゆかない。
わかいものは肉や魚が好きで、野菜はほとんど食べない。
味は濃い。
そのうえ私自身甘いものが大好きで、饅頭など目がないほうだ、という。
そういう食べ方だと、おそらく、できあいもの、インスタントものなど有害有毒食品も少なくなかろうから、血がひどくにごってきて、からだの調子がくるってしまう。
そのためにポリープができたり、急にふえたりするのではなかろうか。
食べものは、なるべく安全なものにすること。
甘いものがすぎると血がにごるだけでなく、便秘にもよくない(便秘そのものによっても血はにごる)から、まず、これをへらす。
菓子、饅頭、甘いジュース類はやめて、なるべく果物(農薬のかかっていない)にすること。
味つけの砂糖も少なく。
主食のご飯もすぎないようにし、純白米よりは粗搗米、玄米あるいはイモやマメをご飯代りにしたり、ご飯に混ぜること。
おかずには、肉や魚をへらして、なるべく、野菜ことにナッパを多くすることだ。
しかし、自分のおかずを別につくるのも、つくってもらうのもぐあいが悪かろうから、嫁ごのつくるおかずに、ナッパをうんと入れて炊いてもらい、それを食べればよろしい(味が濃ければうすめて)。
そして、嫁ごをわずらわすことなしに、自分で青汁をつくって、毎日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)のむことだ。
そうして、食べものをあらためて、便通をよくして、血をきれいにするようつとめていれば、体調はしだいによくなり、ポリープも、そうドンドンふえたり大きくなることもなかろう。
あるいは、小さくなったり、数がへって来るかも知れない。
おそろしいのは癌になることだから、月に1〜2回は検査してもらうこと。
そして、半年に一度くらいレントゲンか胃鏡検査をうけるなど、注意しながら、これをつづけてみてほしい。
(55・11)
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2. 大腸のポリープ
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高知の林田さん(73才)から、
「昭和51年7月、盲腸部にイボができて手術。
こんどは、大腸のS状部にでき、10月に切りました。
またできると困ると思うのですが、体質ということで、原因も、大きくなる速度もわからないとのこと。
もう手術はコリゴリですので、どんな注意をしたらよいのかお教えいただきとうございます」
といってみえた。
○大腸のポリープも、胃のポリープと同様、
体質的のもので、遺伝関係もあるようです。
癌化は胃よりも多いらしく、いずれにしても、原因はまったくわかっていませんが、このばあいも、食べもののまちがい、また、便秘との関係が濃厚のようですから、やはり、食の完全化・安全化――ミネラル・ビタミン・繊維の十分豊富な、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食がよいのではないか、とかんがえられます。
食品はすべて、なるべく安全なものをえらぶこと。
主食には、白米飯よりは粗搗米・玄米。
むしろ、雑穀・豆。
もっともよいのはイモ。
蛋白食には、肉類・卵、乳製品はさけるかひかえめにし、大豆ものを主とすること。
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3. くさいガスと痰
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18才の娘さん。
ずっと前から便秘性で、ふつう3〜4日に1回、もっとひどいこともある。
ガスが多く臭が悪い。
また、痰がよく出、とくに甘いものがすぎると多い。
主食は白米食。
副食との割合は、目分量で3:1。
おかずには肉や魚・卵が多く、野菜との比は2:1といったところ。
味つけは濃厚。
甘いものが好き。
運動はあまりしない。
○便秘の原因はこの食べ方のまちがいにある。
砂糖がすぎるとビタミンが不足し、胃腸の運動がにぶくなる。
白米飯や肉・魚・卵が多くて野菜が少ないと、便はかたくなりカサが少ないから、腸はいよいよ運動しなくなる、からだ。
ガスの多いのは、便秘のため腸内で分解がすすむから。
臭の悪いのは、肉・魚・卵など動物食品が多いから。
痰がよく出るのは、呼吸器に何か特別の病気があれば別だが、そういうものはなさそうだから、おそらく、腸の中でできる有害産物のため気管支が刺戟され、慢性の軽い炎症をおこしているのだろう。
甘いもので痰が多くなるのは、昔、カゼの咳とりにつかわれた浅田飴の効用(痰がうすめられて出やすくなる)と同じで、気管支の分泌がたかまるからだろう。
対策としては、まず、甘いもの(味つけの砂糖、菓子、ジュース類)を極力ひかえること。
そして、野菜・果物類を多くすること。
主食・蛋白食品にたいし少なくとも同量の、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物などをたべ、青汁もできるだけ多くのむ。
そして、つとめて運動。
ことに腹の皮の運動をし、毎日、気持よくなるまで出す「クセ」をつけること。そうすればガスもへるし痰もしだいになくなるだろう。
(54.・10)
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4. 人間しょせん動物(4)―食養生に大切な心得
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前回参照 |
友成 左近
第二に、主として食料の確保についてですが、動物の食べ方は文字通り自然食であって、自然にある動植物をそのまま食料にして(そしてそれを、つぎにみるように、なにも手を加えずに、自然のままで食べて)います。
けれども人間の食料は、自然にあるものを採取したものは少なく、殆んどすべて栽培飼育したものです。
そして、その技術の向上によって、食料を多種多様にわたって豊富に確保しています。
けれども反面、たとえばケールに比べたキャベツのように、広く人々の好みや高級品志向にあうように品種改良をして、成分が著しく劣ってきたものが多くなっています。
ために、こんな食料では、毎日それ相当量食べても、栄養分は十分摂れません。
そしてこれは、食品成分表をみれば、よく分かることであり、また動物に、たとえばケールとキャベツを同時に与えると、キャベツは見向きもしないことからでも分かります。
であれば、口ざわりがよいとか、アクが少ないとか、その他広く人々の好みにあうように品種改良したものには、成分が著しく劣っているものが多いことを確かと心得て、ただ好みのままに、また世にいう高級品ばかり選択せずに、つとめて自然に近い品種のものを、自然の理法にかなった栽培や飼育をしたものを選択するように心がけることが大切です。
また、栽培や飼育にあたって、営利をはかるあまり、広く人々の好みにあうように見た目の美しさをはかり、また、その手数を省略し、さらには量産をはかり、あるいは季節はずれのものを作るため、成分が劣っているだけでなく、そこに使った農薬などで、多少とも有害有毒化しているものが増えています。
従って、こうした点からも、ただ見た目の美しいものや季節はずれのものなどを好んで求めることなく、つとめて自然に近い状態で作ったもの、とくに野菜は、露地で、有機質肥料と石灰を十分使い、危険な農薬は決して使わずに栽培した季節のもの、そしてムシくいのアトもあるようなものを求めるように心がけることが大切です。
(つづく)
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次回参照 |
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5. 有害食品食べ続けると・・・奇形ザル大五郎は訴える
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「人間の皆さん、農薬が付いている野菜など有害食品を食べ続けているとボクみたいになっちゃう」
−両手足のない奇形の子ザルが近く“生き証人”としてテレビに出演、野放しの環境汚染や有害食品がはんらんしている人間社会に警告する。
この奇形ザルを育てているのは東京・荻窪に住むサラリーマン大谷英之さん(46)。
大谷さんは7年前から全国各地の奇形ザルを撮り続けている社会派カメラマンで、その写真集「奇形ザルは訴える」は国の内外に大きな衝撃を与えた。
昨年7月、大谷さんは同モンキー・センターで撮影中、この子ザルと出会った。
子ザルは両手足のない“ダルマ”と呼ばれる重度の奇形。
「ほうっておけば死んでしまう」
と東京の自宅に連れ帰った。
「強く育って欲しい」との願いから、大五郎と名付けられた。
ミルクを飲む力もなかった大五郎を救ったのは“母”ならぬ淳子夫人のかいほうだった。
授乳、排せつ物の後始末、添い寝まで淳子さんの献身的な世話で子ザルは日に日に元気になった。
近ごろは買い物でもなんでも一日中淳子さんの後にくっついて離れない大五郎だ。
大五郎のようなエ付けされている野生のニホンザルに、奇形出生が目立ってきたのは10年ほど前から。
ニホンザル奇形問題研究会などの調べでは、人間のエサを食べない野生の群れや有害飼料を使わない動物園では奇形は少ない。
こうしたことから、農薬付きのエサや合成洗剤などによる環境汚染がその原因との見方が強い。
最近人間の子供にも手足の指の欠損がある先天性四シ(肢)障害児が増えており「子ザルのケースと関連があるとみられる」との指摘もある。
環境汚染を扱った西ドイツの雑誌などに大五郎は写真入りで紹介されている。
大五郎は10月8、9日淡路島に里帰りした。
同センターの中橋実さんは一目見るなり「重度奇形で1ヵ月ともたないと思ったのに」とすっかり元気になった大五郎と感激の再会。
この時のフィルム「奇形ザル大五郎の里帰り」が22日、社会派番組に衣替えしていくというフジテレビ「3時のあなた」でドキュメンタリーフィルムとして放映される。
(53・11・17 山陽)
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6. 病気はみな全身性
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病気には全身性のものと局所性のものとがある。
全身の病気が全身的に治療されなければならないことはいうまでもないが、局所の病気とて、やはり同じ。
それは、局所の病気も決してその局所だけのものではなく、全身の異常の局所的あらわれにすぎないからだ。
胃、肝、腎など内臓諸臓器や、皮膚、筋肉、骨などの病気も、すべて、そこだけの病気ではなく、根本の原因は全身にある。
もっとも局所的とかんがえられる外傷、手術創にしても、その治りのよし悪しは、その人のもつ素質、つまり全身的の条件によっている。
だから、局所だけの病気というものはないわけで、どんな病気の場合でも、いつも全身的、とくにその人の体質、素質(罹病素因)のいかんを十分考慮がはらわれなければならない。
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7. 放射線障害
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急性には造血器、性器、皮膚を障害する。
晩発性には、白血病、その他の悪性腫瘍。
白内障。
寿命の短縮。
遺伝的には、遺伝子の突然変異、染色体の異常をおこすなど。
許容線量
職業人では年間5レム。
一般人は0.5レム、とされている。
自然被爆
受胎して死ぬまでの間にうける自然放射線と、各種人工放射線は、1年間に100ミリレム(レムの千分一)。
自然放射能の内訳
宇宙線から 30%
地殻から 50%
飲食物から 20%
人工放射線
職業上、医療上、夜光塗料、テレビなどがあるが、線量はごく少ない。
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8. 左党はご注意!!
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高脂肪のツマミ禁物
肝障害の引き金に
【金沢】酒を飲む時に高脂肪食品を採り過ぎると肝障害を引き起こしやすいことを証明した研究が石川県の金沢医科大学消化器内科学教室(高田昭教授)でまとめられ2日、東京の日本アルコール医学会総会で発表された。
この種の研究は同教室で4年前から進められ、成果も発表されたが今回そのメカニズムがより明確になったとして発表されることになった。
それによると、体内に入ったアルコールのほとんどは肝臓で代謝され、アセトアルデヒドという物質になる。
アセトアルデヒドは最終的には炭水化物と水とに分解され、体外に排せつされるが、この物質が体内に蓄積されると肝細胞を侵し、アルコール性肝炎、肝硬変などの障害を引き起こすとされている。
同教室では実験用ラットに与える飼料をアルコールと脂肪食品の組み合わせによって4グループに分け、4−8週間飼育した。
その結果アルコールと高脂肪食品(36%)とを与えたグループのアルコール代謝量は、高脂肪食品のみを与えたグループの2倍近くになったが、低脂肪食品(15%)のグループでは、アルコールを摂取してもしなくても代謝量に大差ないことがわかった。
これはアルコールと高脂肪食品を同時に摂取するとアセトアルデヒドが急激に増えることを示している。
平均的日本人の食事には約20%の脂肪食品が含まれているといわれる。
この割合は欧米より少なく、日本人のアルコール性肝障害の発生が今のところ欧米より少ないという説とも一致する。
日本人の食生活に占める脂肪食品の割合と飲酒量の増加で、肝障害も欧米並みに近づきつつあり、左党は注意した方が良さそうだ。
(56・10・3 産経)
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9. いい加減な食生活だった
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岡山県 H.N.
47才の農家の主婦でございます。
17年位前に怪我で腎臓が片方になり、その後バセドウ病になりました。
薬は飲んでいません。
今はリウマチと慢性肝炎で病院に行っています。
倉敷にいる姉にすすめられて、12月の末頃から青汁を1合位ずつ飲んでいます。
痛みもしびれも今はそう感じません。
筋が痛いという程でもないのですがだるいという感じがし、腕が冷えます。
今までは栄養のバランスなど考えずに、いい加減な食生活でした。
これからはイモ・豆・生野菜を沢山食べるように心がけていきます。
去年まで、冬になると手がしもやけて困っていましたが、この冬はまだ何ともありません。
青汁を飲みだしたからだろうと嬉しくなり、田舎なので、目を開けて野や山を見れば、栄養になる草などいたる所にころがっているようで、今までなんともったいないことをしていたのだろうと思います。
頬には赤みが出来てき、今日はどんな顔をしているだろうと、楽しみにして鏡を見ます。
ストーブなど少しあたってもいつまでも頬がホカホカしています。
先生の本に体が暖まると書いてありましたが本当です。
有難うございました。
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10. 一家でのみたい
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北海道 R.H.
4才の娘がよわく、毎日リンゴジュース、ハチミツ、ニンジン等を欠かさず飲ませています。
近所の奥さまから、昨年ケールの種子2〜3粒いただき、そだてて、ジュースにしてのませましたところ、大変からだの調子がよい様子。
ことしは、なんとか一家で、いっしょになって飲み、健康になりたいと思っています。
種子をいただけないでしょうか。
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11. レイノー落つく
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千葉県 E.A.
レイノー病でお世話になっています。この度、主人の転勤で転居いたしました。
引越しにあたり、毎日、荷づくりや、重たい荷物を持ったので、腕が痛くなるのではないかと、ずい分心配しましたが、痛くなくホッとしました。
また、ことしの冬も、いぜんのような痛みがくるかと案じていましたが、おかげさまで、あれほど痛かった腕も、痛はなく、少しのシビレと、白くなるだけになってきました。
今後も、ずっと青汁をのみつづけ、1日もはやくレイノーが治るような姿力したいと思います。
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12. おかげさまで
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兵庫県 S.K.
青汁をのみかけまして、もう4〜5年になろうと思いますが、おかげさまで、主人の血圧も、薬をのまなくても上りませず、おだやかな性質にかわり、よろこんでいます。
若いものもほしがりますので、4〜5人でいただいていますが、みんな快調で、ありがたく感謝の日をおくっております。
けれども今年の寒さで、春には元気にしている筈のケールが、全部霜枯れしてしまい困っています。
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13. 青汁のおかげ
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宮崎県 S.H.
青汁のおかげを持ちまして、薬をのむことなく忙しい毎日を過しております。
のみはじめて7年程になりますが、関節リウマチといわれて水を2、3回取りましたスネも今はよくなりました。
病院の先生が、「よくもそんなに病気をさがし出して来るものだね」といって笑って下さったほどの血圧、かぜ、腹も、今は快くなり、亡くなられた先生がなつかしくなります。
朝から夜の10時まで立ち通しの毎日ですが、元気に働くことの出来るのも、みな青汁のおかげと本当に有難く思っております。
何といっても、根気よくのむことが大切と思います。
人々にすすめても続かない、残念に思います。
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14. 質問箱 肝硬変です
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コラム紹介
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