健康と青汁タイトル小 <1981年9月15日発行 第301号>
 目次




1. エンプティ・カロリー(からっぽのカロリー)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     アメリカでは、高等学校あたりで、エンプティ・カロリー(empty calory)を摂るな、とおしえているそうだ。(前号広兼さんの記事参照)。不完全食をとるなということで、私どもにとっては、いまさらあれこれいうほどのことではないのだが、エンプティという表現がおもしろいので、すこし考えてみよう。
     エンプティ・カロリーとは、からっぽのカロリーということ。カロリーはエネルギーのもと。からだのすべてのはたらきの原動力だから、たしかに大事な栄養分(一般に栄養そのもののことにも使われているほどに)で、十分とらなければならない。
     しかし、それだけの、からっぽのカロリーではいけない。というのは、カロリーだけが栄養の全部ではなく、カロリー源である糖質、脂肪、蛋白質からエネルギーが出るためには、それらが体内でうまく燃え(代謝され)なければならないが、それにはミネラル(アルカリことにカルシウムその他)や、ビタミン(A・B1・B2・Cその他)がなければならない。
     そして、それらがうまく釣りあっている必要があるからだ。この釣りあいがみだれると、血のにごりを生じ、からだのすべてのはたらきがうまく行かず、体力・健康力・生命力をよわめ、体調がくずれ、病気しやすく、また老化をおこしやすくもなる。だから、なるべく全部の栄養分のいっぱいそろったカロリー(フル・カロリー、いっぱいのカロリーとでもいうか)をとれ。カロリーだけいかに多くてもミネラルやビタミンがそろっていなければよくない、却って害になる。からっぽのカロリーではダメだ、というのだ。


     グラフで説明してみよう。このグラフは、理想的のバランスと考えられる、カロリー(K)2200、蛋白質(P)75g、カルシウム(ミネラルの代表という意味でM)1.5g、ビタミンA(A)5000国際単位、B1(B1、B2(B2)2mg、C(C)100mgを基準としてあらわし、左からK、P、M、A、B1、B2、Cの順に配列してある。つまり、Kの高さに横線をひいて、おのおのの柱がつまっていれば完全(フル・カロリー)食品。つまっていなければ、すき間の多いだけエンプティ・カロリー(不完全)食品というわけだ。日常よく食べているカロリー食品をしらべてみると

    主食
     白米と小麦粉。ともに熱量は多い。蛋白質もかなりある。しかし、カルシウムはごく少なく、ビタミンB1・B2も僅かでCは0、からっぽの所が多い。小麦粉の方がマシではあるが。





    蛋白食品
     牛肉、鶏肉、サバ、イカともに蛋白質は多いが、ミネラルは殆んどなく、ビタミンも少ない。そして、からっぽの度合は牛や鶏の方がややつよいようだ。








     それらにたいし、鶏卵、ことに牛乳は、ずっとすき間が少なく、よい食品だということがわかる。





    調味料
     カロリーの多いものは砂糖と脂肪類だが、砂糖も植物油(マーガリンも)は全くからっぽのカロリー。まさにエンプティ・カロリー食品の代表。









    嗜好品

      菓子
       もなかとショートケーキを出したが、殆んどカロリーばかり。ミネラルもビタミンもないか、ごく僅か。





      ジュース(粉末)
       完全にからっぽ。ミカンジュースもCが僅かあるだけ。酒もからっぽ。
       






     こう見てくると、現在一般に、栄養豊富であり、食文化的にもハイレベルとかんがえられている多くの食品は、ほとんどエンプティ(からっぽ)・カロリー食品ばかり、といっていいようだ。
    (つづく)


次回参照

2. 健康相談室 ナッパ欠乏症

     医学博士 遠藤 仁郎 

    北海道の47才の方から
     「長い間(4年間くらい)体が不調で、仕事も思うようにできません。子供は高校と小学生で、家計においても、もっとも大切な時期にあります。現在は、首と腰に故障があり、入院加療中の身であります。15年まえに胸部をわずらったことがありますが、レントゲン検査では異常は認められません。
     血圧は、138/80前後。若い時から野菜はあまり好きな方でなく、主に魚。肉類はあまり食べませんが、好きな方です。30才代から45才ころにかけて、相当無理な作業を致しましたので、体の無理使いと思っています。いま一度元気をとりもどし、家内、子供たちと、本当に父親らしい生活をしたいものと、気はあせりますが、仲々よくならず心を痛めています。
     病院も大学(北大)までいって見ていただきましたが、異常はないとのことです。その後、指圧、お灸、整体等いたし現在にいたっていますが、とても、金銭的にも大変です。リトマス試験紙は、朝なめてみても、全然青くなりません。現在の症状は、からだが重く、だるく、足腰が冷えてシビレがあり、首筋から頭にかけても、夏でも寒さを感じ、頭がいつもボウっとし、時にはしめつけられるようで、毎日が憂うつでなりません。身長176cm、体重67kg。肌にはつやがありません。3年まえより視力も落ちて、遠くのものはボヤけて見える始末です。指圧の先生には、老化がはげしいといわれ、本当に困っており、ご相談申し上げたしだいです」
    という手紙がきた。
     ながい間のご病気、まことにお気の毒です。指圧の先生のいわれるとおり、老化現象というところでしょうが、原因は食べもののまちがいにあると思います。若い時から魚や肉にかたよった食事であったこと。リトマス試験紙が青くならないことからわかるように、からだがすっかり酸性になっていること、つまり、アルカリ性の野菜くだものの不足していること。肌につやがないのは、良質ナッパの不足していること、をしめしています。いうならばナッパ欠乏症で、野菜類とくに良質ナッパ類が少ないために血がにごってしまっており、からだ中のはたらきが悪くなっている――たとえば、潤滑油のきれた機械の、運転はうまくゆかず、すりへりは甚しいようなもので、決して、ただ無理につかったためだけではありません。
     ですから、食べものを全面的に改めないかぎり、根本的に治すことはむつかしいでしょう。
     ともかく、まず、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海草などをうんと食べ、青汁にもしてのむ。それも少なくとも一日4合(もとのナッパ1キロ)以上。そして、主食はそちら名産のジャガイモ、アズキなど。魚や肉の代りには大豆ものを主にすること。調理は簡単に。味つけはうすく。酒・タバコは勿論間食の菓子・ジュースもやめ、くだものにすること。
     こうして、血がきれいになれば、からだ中のすべてのはたらきが回復し、体調はよくなり、若さもよみがえり、はつらつとした楽しい毎日がもどってくることうけあいです。なまやさしいことではないでしょうが、愛する妻子のためにも、ひとつ大いにがんばってほしいものです。
    (55・10)


3. 青汁の体験談

    山形県 Y.S. 

     私達(妻)二人は青汁を飲みはじめてから、20余年になります。
     私達は病人でなく、健康保持によいとのことではじめたのでしたが、体によいので、今も継続飲用しています。今年、米寿の年になり、元気で自転車に乗って、用向を充しております。当地は豪雪地帯で、11月中旬から5月初旬までの積雪地です。現在、私は舟形町老人クラブ会長や、その他の会長として職務を執っております。
     私は25才から44年間郵便局長の職務を遂行し、その間、町の行政事務にも尽したので、51年11月3日に、勲五等瑞宝章を授けられました。これも、青汁飲用のお蔭で体が健康だから、上京して皇居に於て、生存者叙勲になったものと感謝しております。
     84、5才までは病気というと鼻カゼ位のものでしたが、85才で坐骨神経にかかり、針灸で1ヶ年で完治しました。眼は50才位より老眼鏡を用いておりましたが、86才の春から、新聞等読書するに必要ですが、外出する時は一切使用しておりません。新庄市にて遠藤青汁大会の折、遠藤先生にお尋ねしたるところ、青汁飲用家にあることだとの答えに感謝しております。
     青汁原料のケール種は自家採取して入用の衆人に上げております。ケールの作り方は、遠藤先生の著書に目を通し、青汁新聞に読者の方々の様々の経験談に私なりに実行しております。

     ケールは4月頃左記の様にして作る。
     (12月より5月まで積雪の時はグリンジュースの素を朝晩1合づつの水にとかして飲みます)
     第一、土地を出来るだけ深く耕すこと。
     第二、家の台所の余り物を集めて堆肥をつくる。
     第三、肥料は油粕、魚粕、鶏糞などを入れる。
     第四、畝の巾は広く、株間を45センチ位として種をまく。
     第五、消毒薬は一切用いぬこととして、青虫は手でとる。
     5月頃から、ケールの葉2、3枚をジュウサーでしぼって1合づつの汁を朝晩のむ。直後米酢を蜂蜜でうすめたものを少し飲みますが、私の体には適しております。
     私は高令になってきましたから、体を使って世間に奉仕することは不可能と思い、青汁と緑養野菜を多食して健康を保持し天寿を求めて100才への挑戦することにしました。いつ無情の風に会うかわかりませんが、これを果すことにより、町内の高令者をして、益々元気に、人生を楽しく長寿することを祈っております。


4. 宝のもちくされ

     「高血圧で、2年来薬をのんでおり、食事にもいろいろ気をつけていますが、どうも、メマイと頭の重いのがとれず、すっきりしません」
     「青汁をのんでみたら?」
     「ケールは沢山つくっています。主人は青汁をのんで元気にしていますが、わたしはどうも」
     とのこと。
     「それこそ、宝のもちくされ、というもんでしょうなア。」

    (55・4)


5. 世界一の長寿国

     わが国は世界一の長寿国といわれているが、これは貧しい生活にたえてきた明治、大正の頑健なからだと、さいきんの医学のめざましい進歩のおかげと思われるが、はやくも成人病のきざし、健康力・生命力にかげりがさしかけている現在の若もの、さらにこどもたちの時代まで、はたしてこの状態がつづくだろうか。


6. 食べもののまちがい

     食べもののまちがいの影響をうけやすいのは病人と老人であることはいうまでもないが、もっとも気がかりなのは、これから生れる児や、いまそだちざかりのこどもたちだ。



7. くちびるの色

     食べものが間違っていると、ことに良質ナッパが不足していると、肌の色がさえず、にごってみえ、艶がない。もっとはっきりするのは唇で、いかにも毒気ありそうにドス黒い色をしている。ともに、血のにごりのせいだ、とむかしの人はおしえている。



8. ピロサンで白内障よくなる

    和歌山県 T.S. 

     治す術もない、進行を止める術もない老人性白内障が、ピロサン服用約1ヶ月位で、元の視力をとり戻すことが出来ました。
     白内障も、手術適応期に間近いことを宣告されてから、いろいろと悩み、友人にも聞き合せたりして、ふと、ピロサンにすがって見ようと思いました。「先生、わたしの白髪がなくなりましたわ。ピロサンを2包づつ毎日続けていますの」という患者の言葉を聞きましてから、青汁は老化現象をとめることも出来るのかも知れない、と思っておりました。
     私の場合、赤のピロサンを6包づつ続けていましたが、これは効くかも知れぬという徴候が見えてからは、8包も服用してみました。約1ヶ月半の後、眼科医を訪れましたところ、視力は1.2も出ることがわかりました。私は有難い感激で一杯でした。まだ他の薬も服用しておりますので、何処までがピロサンの有効範囲であるかということがわかりませんが、同病で悩める方々におすすめしてみたいと思っております。「見えなくなったら手術してあげます」といわれた医師の声を終生耳に止めて、毎日毎日服用させていただきます。有難う存じました。

    (医師)


9. 入院までした便秘

     青汁の木村さんの奥さんの母堂は、平素から少々くらい(5勺程度)はのんでいたのだそうだが、便秘がちだった。それが亢じて入院。薬をのんでも、浣腸してもらっても一向ききめがなく、困りはてていた。知人に、癌で便秘のため苦しんでいる人があるのと、病院でポリープか何か出来ているのでは、などといわれたので、ひどく心配していた。
     奥さんは、「ともかく青汁をしっかりのんでみては」、とすすめ、無理矢理5合のんでもらったところ、翌日、久しぶりにウンと出てすっかり気持よくなった。その後、検査をうけたが何の異常もなかったので、大よろこびするとともに、今さらのように青汁の効能におどろいている、とのこと。

    (55・9)


10. 余慶をうける

    兵庫県 Y.Y. 

     津名の保健所長山口英雄殿の紹介で、青汁のこと、近頃になって、医者よりも、薬よりも、何の害もなく、各種の病やら、健康の道と、まわりより盛りあがって、苗や種子の求めが、あちこちあらわれまして、びっくりしています。樫本実氏の、各地からの講演依頼も次々にひろがっていっています。嬉しいことばをきき、本当に余慶をうけています。

    (老人会長)



11. 咳・痰がとれた

    福岡県 K.T. 

     30才の女性です。昨年12月に粟粒結核にかかりました。
     ストマイ毎日と薬で、1ヶ月程で、レントゲンの方はよくなりましたが、咳・痰がとまらず、毎日3回咳どめを服用していました。7月初めに、友人から青汁をすすめられ、半信半疑でのみはじめましたところ、50日目から咳が少なくなり、今では、咳どめは全然のんでいません。耳鳴りも、天気の悪い日は、時々しておりましたが、青汁をのんでいらい、1回もいたしません。もっと早く知っておればと、悔やまれてなりません。ケールの種子を、よろしくお願いいたします。



12. 救いの本

    和歌山県 S.Y. 

     現在、医学の衰頽をみる時、先生のような方が、このような本をお出しいただくことは、まさしく救いであり、聖書にもまさる思いで拝読いたしております(現在手持ちの本は「青汁は効く」、「青汁と健康」です)。なおこのうえ、先生のお書きになった本がほしくお願い申上げる次第です。何分よろしく。



13. 村ぐるみ栄養改善
 「三白追放」など22年間の活動実る

     村ぐるみで、病気になるまい運動のひとつとして、栄養改善運動を推進している岡山県真庭郡八束村栄養改善協議会、原章児(はら・あきこ)会長の、22年間の活動が実り、このほど岡山市で開催された「52年度全国栄養教室修了者(食生活改善推進員)団体リーダー中央研修会」の席上、同会長に晴れの“南喜一賞”が贈られた。
     八束村は、岡山県の最北端、鳥取県境に接した中国山地の山ふところにある。冬の寒さがきびしく積雪期間がひじょうに長い雪深い山村。冬ごもりが長いため、労働のしわよせが夏にやってくる。つまり夏は、どうしても重労働といった形になり、所得は上昇しても国保の利用がうなぎのぼりだった。そこで、村役場は、昭和36年から「病気になるまい運動」を展開することにし“栄養教室”の開校に踏み切った。
     卒業生たちをメンバーとして「栄養改善協議会」も結成した。村ぐるみの栄養改善運動がスタートを切った。岡山県真庭郡勝山町にある勝山保健所がシーズンごとの栄養献立を気持ちよくひき受けた。運動はまず、成人病予防のための三白追放運動の推進から着手した。つまり白米、塩、砂糖をひかえる運動で、米に麦を2割混入した麦飯を食べることを、村民にすすめた。モチには、麦を入れたり、蒜山おこわや、おはぎにも、麦を2割混ぜることも実行する。
     学校給食も、週一回のご飯給食を、麦ごはんにした。減塩運動は、各家庭でつくるミソ、ミソ汁の塩分濃度を薄味にすることを、実行する。村役場では、ふんぱつして塩分濃度測定器も一台購入した。これがいまフルに活動している。
     次は、緑黄色野菜の吸収運動の展開。40年からビタミン菜、青シソの種子を共同購入、普及栽培に踏み切った。いま、栄養改善運動はすっかり村内に定着した。同協議会はこんご、野菜の自給、公害のない自然食普及運動を、幅広く展開するという。

    (52・12・6 サンケイ)



14. のまないきまへん

     泉大津の新羅さんのお話。
     心臓で入院中の60がらみの婦人。
     とても熱心な方で、毎日5〜6合のみ、「飲んだら治してくれるんやと疑いなく信じてのむのや」といっていられた。一週間たったとき、「からだの調子がおかしい。調子がよすぎる」といわれたほど好調がつづき、半年はかかるだろうと思われていた入院が、わずか1ヶ月で退院となり、病院からは「この調子だと、一年もたてばもとのからだになるだろう」といわれたので、このご婦人大よろこび、「やっぱり飲まないきまへんなア」といってはります。



15. 質問箱


     いちどに大量つくって冷蔵しておいたら何日くらいもちますか。


     温度しだいで何日でももちますが、しだいに味が悪くなり飲みづらくなります。


 コラム紹介

    それ軽諾は必ず信すくなく、
    易きこと多ければ必ず難きこと多し。
    これを以て聖人はなお之を難しとす。
    故に終に難きことなきなり。

    老子



    我が命は我に在り、天に在らず。
    但だ、愚人、此道、生命の要たるを知る能はず、
    百病風邪を致す者、皆、意を恣にし、情を極め、
    自惜を知らざるに由る所以なり。
    故に生を損するなり。
    世人、耆寿を終らず夭殺多きは、
    皆、自ら愛惜せざるに由る。
    古今医統



    悪草は速に生長す
    古諺



    病気でも怪我でも、
    からだは懸命になおそうとしているのだから、
    邪魔さえしなければなおるほどのものはひとりでになおってゆく







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