健康と青汁タイトル小 <1980年5月15日発行 第285号>
 目次




1. 外傷の後遺症

     医学博士 遠藤 仁郎 

     大ケガや手術などの後遺症で、これという方法もないままに、ながい間の悩みになっていたのが、青汁でなおってしまうことがある。
     2、3の例をあげてみよう。
     40才。男。昭和29年、高所から墜落、後遺症として20年もつづいていたテンカン発作が、青汁約4ヶ月で、おこらなくなった。頭の外傷後、たえず、はげしい頭痛の発作があったのがなくなった。
     64才。男。戦時中、警防団員当時、消化演習中、ハシゴから墜落(一時仮死状態)してから、両肩がきかず、足も歩行するとき、脚気重症者のように、つまづいて転ぶ状態でした。何をしても、多少の効果だけで、すぐダメになっていたのが、すがる思いで試みた青汁で、手の指の感じがよくなり、足の運びも軽く、よろめくのがなくなりました。
    (茨城、横山進一)はげしいムチウチ症のため、勤めをやめ、何年もうちに籠りきりだったのが、青汁ですっかりなおり、畑仕事そのほか何でもできるようになった。
     70才。女。盲腸手術後、腸癒着で難渋していたのが、約半年でなおった。いぜんうけた手術のとき、腰に注射したのち、右下肢がしびれ、時々おこるはげしい痛で、まさに七転八倒の苦しみに悩まされていた。かねがね、友人から青汁をすすめられていたが、なかなかききいれない。あるとき、たまたまこの友人宅でこの発作がおこり、「入院か」、「青汁か」ということになり、ようやく納得。さて、いよいよやるとなると、これまた徹底的。毎日、1升5〜6合も飲んだ。ところが、まもなく、痛みの発作がなくなり、やがて、しびれの方も治ってしまった。(島根、山田弘氏報告)

     なぜよいのか。説明はむつかしいが、強いていうならば、バランスのよくとれた、青汁中心の食べ方によって、それまであった血のにごりがへるか、なくなる。そして、血のにごりのために妨げられていた傷害部の治りがよくなったり、高ぶっていた神経の感じが鎮まってくる、などのためではなかろうか。
     しかし、理窟はどうであろうと、要は苦痛から開放されれば、それでよいのだから、こういう悩みのある方は、とやかくいわず、だまされると思って、ともかく、あやまった食習慣をあらため、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹底してみてほしい。あるいは、せめて、青汁だけでも十分――1日少なくとも3〜4合、もとのナッパ750グラム〜1キロ以上(多いほどよい)のんでみてほしい。それでも治らなければもともと。うまくゆけばモッケの幸いというものだろう。なお、現在のあまりにも不自然・不合理化している日常生活諸般の合理化・自然化をはかれば、いっそう効果的であろう。(54・2)



2. 食料当面の間違いに対処するには(14)

     友成 左近 

     当節市販の食料にはいろいろ重大な間違いが伴なっているので、そこに対処して健康を保っていくには、さしづめ日々の食料調達にあたって、その実状をよく吟味して、間違いを最小限にくいとめるように選択することが大切であって、その要領は最初の6稿でみた通りです。そして、その前提要件として大切なことは、そうした間違いが伴なってきた事由、とりわけめいめい食料にいだいている筋違いな考え方を反省し是正することですが、当面とくに重大なもののうち、高級低級観や好嫌感や季節の度外視については前3稿の通りです。

    炊事の嫌厭について
     つぎに第4は、家庭の炊事の嫌厭についてです。
     以前でも食料は、農家はともかく非農家では、すべて市販で調達していましたが、それは主として原材料であり、そして加工食品は、ふつうの過程では設備などで加工が至難なものだけであって、その他の加工や調理などの炊事は専ら家庭でしていました。そしてこれは、とくに一家の主婦には大きな負担であったが、それを主婦は当然の務めと心得ていました。が、ほかならぬ人間であれば、この務めを多少は嫌いもし厭いもする場合がありました。
     また広く人々の間に、家庭の手作りは粗末で不味く、市販のものは高級で美味しい、といった考え方がありました。そこへ戦後、社会の民主化がすすんで男女の平等意識がたかまるにつれて、一家の主婦に、家事とりわけ炊事を嫌厭して、その手数を省こうとする傾向が強まってきました。そして広く産業が発達するにつれて、そこへ就職する主婦が増えてきましたが、そうした主婦には、家事の軽減が必要になったため、とくに炊事の嫌厭がますます高じて、日々の食料は、その手数が省ける既製食品に大きく依存するようになりました。
     そしてそこへ、食品企業が発達して、以前はどことも家庭でしていた加工をした加工食品や、それが家庭の調理段階にまで及んでいる既製食品が、多種多様にわたって豊富に市販されるようになりました。そして、それが炊事の嫌厭と互いに因となり果となって、食品企業がますます増加もし大規模にもなって、その製品が全国的規模で流通するようになりました。そして当節、一家の主婦の間に(婦人の社会的進出をうたい文句にして)、家庭外に就職して(それができかねる場合は内職をして)、炊事は極力省略して精一杯カネをかせぎ、そのカネで(かねて高級で美味しいと思っていた)市販の既製食品を買って食事をする度合が増え、そして、それが近代的で合理的と考える傾向が強くなっています。

    市販の既製食品には重大な間違いが伴なう
     ところで、この加工食品もさることながら、とくに既製食品には、いろいろ重大な間違いが伴なっているのですが、それは既製食品が、衣料などとちがって、市販の一般商品、とりわけ営利企業の全国的大規模に流通する商品には、その性質上なじみにくいところが多いからであって、それはつぎのようなしだいです。
     まず、第一に、既製食品はカビもはえればクサリもして、とにかくいたみやすい性質のものですが、いたんでは商品になりません。従って市販の、とりわけ全国的大規模に流通する既製食品は、長期間保存がきくように加工もし包装もします。そして第二に、営利企業である以上、より多くの売上をはかるため、広く人々の購買欲をそそるように、世にいう高級品や広く人々の好みにあったものを、それも、いかにも高級で、見るからに美味しそうであり、また栄養も豊富であるかのように、さらに炊事の手数が省けるように加工もし包装もします。(つづく)


次号参照

3. キビ(黍)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     モロコシ、キビとも、成分はだいたい、玄粒は小麦なみ。精白すると、糖質(澱粉)がふえカロリーは多くなるが、ミネラルことにカルシウムや鉄が減り、ビタミンBはおよそ1/3にもなってしまう。
     で、酸性度を増し、カルシウム対燐の比(理想比1:1〜2)は、モロコシで1:35、キビで1:21.8にもなる(白米1:25)。
     熱量とビタミンB1とのバランスも(理想比1カロリーに1ガンタ)、はなはだしく悪くなる。

     本草綱目に、

      「黍、故疾を発す。久食すれば人をして好く睡らしめ、人の筋骨を緩くし、血脉を絶つ。小兒多食すれば久しく行歩不能ならしめる」

     とあるのは、その故でもあろう。良質ナッパで完全にするには、モロコシ、キビとも精白ならば3倍でやっとだが、玄黍では同等でよく釣り合ってくる。だから、なるべく玄黍のまま粉にひいて利用すべきだ。キビといえば、桃太郎のキビ団子が連想されるが、あれがモチでなく、ダンゴであったところに意味があるというものだろうか。というのは、モチだと、精白したモチキビか、モチ米を搗きこまなければならないが、ダンゴでは玄黍の粉でこと足り、それだけに栄養的にもすぐれているから、桃太郎の弁当としてもまことにふさわしい、と考えられるからだ。

    モロコシとキビの成分表



4. サンケイ抄

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「最近のたくあんは甘過ぎる」という記事が先週の本紙婦人面にでていた。
     ある栄養学院の女子生徒が市販のたくあん調査をしたところ、人工甘味料サッカリンが多量に使われていたそうだ
     ▼サッカリンは昨春、厚生省がいったん使用を禁止しながら1年足らずで解禁にした問題の食品添加物だが、サッカリンといわず砂糖といわず、昨今の食べものはなぜああもべっとり甘いのか。日本酒、ウイスキー、つくだ煮、つけもの…ありとあらゆる食品と料理のネトッとした甘口一辺倒はひどいものだ
     ▼戦前期には、ともあれ砂糖をふんだんに使った料理ほどゴチソウだという感覚が一般にあった。戦中期には甘いものが払底し、シルコの夢をみるような飢餓感にさいなまされた。戦後はその渇望を埋め合わせるかのごとくで、いよいよ砂糖なしでは暮らせなくなった…
     ▼とみるのはやや図式的だが、「砂糖の消費量は文明度のバロメーター」などいうおだてに乗せられ、作る方も食べる方も甘味にもたれ合ってきた。繊細鋭敏だったはずの日本人の舌はザラザラに荒れてきたようだ。いつだったか、魚でも野菜でも、新鮮ならば調理に砂糖を使うな、という京料理の板前氏の話を聞いたことがある
     ▼「ものの味をごまかすに砂糖ほど都合のいいものはない」そうだ。自然食運動の人たちに言わせれば、健康をそこなうものは「砂糖、白米、白パン」の“三白”だそうな。どうも砂糖ばかりをいじめて書いたようだが、実は諸悪の根源は世の中そのものが“甘く”なったせいかもしれぬ
     ▼しかし甘さに弱いのは世界的すう勢で、いま海外原料砂糖相場は暴騰に次ぐ暴騰をつづけ、ロンドン値はこの1年で4倍になった。この年末にかけ“砂糖パニック”の再発も心配されているが、日常の料理に甘味はこれほどまでに必要なのか。日本の主婦ももっとカラクなっていいだろう。

    (サンケイ新聞)



5. 20日でとまったフルエ

     青汁教室の忘年会での板谷さんのお話。
     ご主人の親友の某氏(73才)が、20年ぶりに、東京から訪ねて来られた。
     かねて、高血圧や糖尿に腎臓まである方で、顔色はすぐれずやせておられ、両手は写真機がうまく持てないほどフルエていた。そこで青汁をすすめ、いろいろ大量の薬をもって来ていられたが、やめてしまい、イモ・マメ・ナッパ食とし、味つけはごくうすく、青汁は毎日4〜5合。
     甘いものがお好きなのだが一切出さず、板谷さんご夫妻ともども、徹底した食事をつづけられた。しだいに元気づかれ、顔色もよくなり、血圧も下って来た。そして、20日後、帰られる時には、さしもの両手のふるえもすっかりなくなっており、イモ・マメ・ナッパ・青汁食の効果のあまりのスバラシサにおどろいた。東京では、もちろん、こちらほどのことはできないが、つとめてその方針をまもられ、ますます健康で、各方面に活躍されていられる由。

    (54・12)



6. 犬にも青汁とお灸

     山田 守之亮 

     我家の愛犬ノン号セター雄12才(人間で80才過)。
     後足がもつれて立てなくなり、大小便の世話に困り果てました。
     獣医さんも、老衰だから仕方がない。良くはなりにくい。余命1年位がよいところだろうとのご宣託でした。我家に生まれ、長い年月家族の一員として、朝晩喜々として散歩をし、日曜毎に山野を馳け廻っていましたので、一しお不憫でなりませんでした。
     ふと、青汁とお灸の事を思いつき、青汁は1日2合2ヶ月間、お灸は百会と臍の上に1回3度宛親指大を2週間続けましたところ、完全に元気を取り戻し、走り出す程の回復です。ご同憂の方に是非お勧めします。



7. アフタ

     アフタ。正しくはアフタ性口内炎。唇や頬の内側や歯肉、舌などに、径2〜3ミリのタダレができ、痛む。カゼひき、腹痛、その他体調不良のときよく出るヘルペスによるもの。
     ベーチエット病その他、特殊の病気によるものもある。が、多くは原因不明。習慣性に出やすい人もある。急性のものはたいていまもなく治る。習慣性のものや特殊のものにたいしては、結局、粘膜の抵抗力が問題であろうから、ともかく完全食(緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食)に徹底してみることだろう。



8. ねたきり老人

     ねたきり老人には、わずかのことで、肋骨が折れたり、大腿骨頭や脊椎の骨折がよくおこる。年のせいと運動不足とで骨がもろくなったり(骨粗鬆症)、軟かくなっている(骨軟化症)からだ。



9. 青汁のおかげ

    橿原市 K.Y. 

     ケールを常用し、家族全員、健康におくらしていただいています。姉の息の十二指腸潰瘍も全快いたしました。青汁のおかげとよろこんでおります。



10. ひどい顔の傷

    阿南市 H.N. 

     息子が交通事故にあいましてから(3月29日)というもの、必死の思いで1日6合欠かさず6ヶ月間飲ませました。最初(顔の額の傷のケロイド2ヶ所)は紫色でして、とてもよく目立って、もう前途真暗な思いで毎日随分悩みました。先生や奥様がおっしゃる通り、どうがこうでも、青汁で先ず体質改善してからと思い、もう無我夢中。本当に一生懸命でした。おかげ様で、今では、もうすっかりその部分の皮膚の色も白くなって、他の色と同じになり、遠く離れて見ればあんまりわからないようになりました。でもケロイドになってしまっていますので、固くなってとび出しております。来年3月頃には形成手術をしようと思っております。細いすじの傷跡くらいはどうしても残るとの事ですが、よくもここまでよくなったものだと嬉しく存じます。手術までまだまだ青汁を飲ませてよりよい結果が生れる体質にしておく決心です。今更のように、又々、青汁に救われたような思いの今日此頃です。そのうち、日が経つほど目立たなくなるというのは事実ですね。本当に有難うございました。



11. 本格的にやりたい

    埼玉県 N.Y. 

     いぜんより果実や青菜などしぼって飲んでおりましたが、このたび先生のご本を拝見し、本格的に始めようと思い、ケールを栽培したいと思います。
     家族は5人ですが、主人は、冬になると血圧が上ります。それと水虫です。
     私は昭和50年来のリウマチでずっと服薬していましたが今はやめています。右耳が耳鳴りと難聴で、耳鼻科では不治といわれました。
     小4の男児は鼻アレルギーで、体質改善をしなければならないといわれ、よく鼻血を出しました。大学と高校の子はまあまあというところですが、青汁などしぼった時は家族みんなでのんでおります。
    ○おそらく食生活のみだれのためです。青汁は少なくとも1日2〜3合(もとの材料500〜750グラム)はのんで下さい。そして、食べもの全体のバランスに十分気をつけ、糖分(味つけの砂糖や菓子)、白米飯をできるだけへらして下さい。



12. 中風も肺炎も胃も

    福岡県 R.M. 

     青汁の新聞のご指導で大変たすかりましたことを感謝申します。
     青汁をはじめて10年以上になりますが、その前、手相見(高島易断)が、私の最大寿命を80才であろうと申しました。が、最近では、98才であろう、手のすじに変化が来ている、とありまして、驚くほどのよろこびであります。血圧から来た卒中も、肺炎も、胃の悪いところも、よくなり、難聴があるだけ。食事、便通、安眠。なに一つ悪いところがなくなりました。ご指導のおかげと感謝ばかりしております。



13. 肋骨の骨折

     青汁フアンの老女。3週間前、ころんで胸をうった。1週間たっても痛みがとれないのでレントゲン検査をうけたら、アバラ骨が2本折れていた。絆創膏をはって、青汁をつづけているが、もう、殆んど何ともなくなった。それでもレントゲン検査をうけてみるべきだろうか、との質問。
    ○ひととしとると、若いもののようにはゆかない。しかし、青汁をやっていれば、たしかに治りは早くなる。肋骨のばあい、手足の骨折とちがって、つき損うことはめったにないし、レントゲンは、もともと、そう度々やるべきものではないから、特別な故障さえなければ、そのまま経過をみていていいだろう。(54・3)(遠藤)



14. 母の日に思う 世界一美しい人

    学 H.S. 

     お母さん
     世界で一番美しい人  お母さん
     世界で一番美しい名前 お母さん
     お母さん
     お母さんの髪に白いものがふえ
     お母さんの顔に50年の苦労のあと
     小さいお母さんに大きい私
     でも 世界のお母さん
     お母さん

         その優しい胸に抱かれて
         無心にお乳を吸っていた時もあったのですね
         夜中に泣き出して
         寝ずにあやしてくださった日も
         おしめを取りかえて
         子守歌を歌ってくださったこともあったのですね
         お母さん
         おかげでこんなにすくすく成長しました
         お母さん お母さん
         きょうはお母さんの日です



15. 質問箱


     青汁をのむと、かえって便秘しますが


     たいていは通じがよくなるのですが、たまに悪くなる方もあります。繊維の不足のためでしょうから、その多い野菜を食べるか、青汁の一部はしぼらずにカスごと飲んでみて下さい。カスだけを食べるのも一方です。



 コラム紹介

     いたづらに過す月日の多けれど道を求むる時ぞ少なき

    道元



     天運の寒暑は避け易きも、人生の炎涼は除き難し。
     人生の炎涼は除き易きも、吾が心の氷炭は去り難し。
     此中の氷炭を去り得ば、則ち満腔皆和気、自ら地に随って春風有り。
    菜根譚



     慎みて過去を念ずること莫れ、亦未来を願ふこと勿れ。
     過去の事己に滅し、未来また未だ至らず。
     現在所有の法彼亦常に思を為すべし
    中阿含温泉林天経


     街談巷説の中にも必ずとるべきものあり
    (十訓抄)








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