健康と青汁タイトル小 <1980年4月15日発行 第284号>
 目次




1. ナッパを食べよう

     医学博士 遠藤 仁郎 

    ナッパを食べよう
     食べものはいろいろあるが、主食品にしても、蛋白食品にしても、野菜・果物類にしても、そのもの一つだけでよい、すなわち、それだけで完全に栄養分のそろっているものは殆んどなく、たいていは何かが不足した不完全食品だ。
     けれども、ナッパ(正しくは良質ナッパ)だけは、あらゆる栄養素が完全にそろっており、それだけでも、十分に生きてゆくことができる。
     だから、ナッパだけ食っていてもよい筈だが、そういう物好きな人は、まず、いない(それに近い生活をしている人もあるにはあるが)。
     しかし、世の中にはそれを生涯つづけているものがいる。
     それは、野生の草食動物。
     ゾウ・サイ・キリンでも、ウシ・ウマ・ヤギなどの家畜でも、野生の状態で食っているものは、木や竹や草の葉ばかり。

    栄養のバランスをとるのによい
     穀・豆・芋や、肉・魚など、ナッパ以外のものに共通して不足しているものは、ミネラルことにアルカリと各種のミネラルや、ビタミン類だが、これらはすべて良質ナッパには豊富に含まれている。
     そこで、何を食べるにしても、ナッパさえそえれば、その分量しだいで、完全にすることができる。
     つまり、食品のうち、ナッパだけは、かならず食べなければならないが、ほかのものは何でもよい。
     主食には、米でも、麦でも、ソバでも、豆でも、イモでもよいし、蛋白食品では、肉や魚、卵、乳製品のどれでもよく、大豆や胡麻、ナッツ類でもよい。
     しかし、そのいずれのばあいにしても、多いか少ないか食品によってちがいはあるが、ナッパはそえなければならない、というわけだ。

    ビタミン・ミネラル
     ナッパに多いビタミンA・B・Cやミネラルには、いろいろな病原体(細菌・ビールス・寄生虫など)の感染を防ぐ作用だけでなく、癌防衛にたいしても有利な作用のあることが知られている。
     また、ナッパはカルシウム・鉄・その他微量のミネラル(痕跡ミネラル)が多いほか、とくにアルカリ性がつよい(毒虫にさされたとき葉汁がきくのもそのため)。

    良質蛋白質
     まさか、と思われようが、ナッパには、量こそ少ないが、肉類にくらべ少しも遜色のないほどにすぐれた蛋白質がある。
     そこで、ナッパさえ十分に利用すれば、動物食品はなくてもよいわけだし、少なくとも、動物食品を節約することができる(但し、同じ菜食でも、ナッパ以外のふつうの菜食では、蛋白不足をおこし、栄養失調になる)。
     もっとも、植物性蛋白質は、動物性蛋白質にくらべ、一般に、消化・吸収が劣っているので、胃の働きのよくないばあい(胃を全部とったり、慢性胃炎、老人や病人など)は、蛋白不足に陥るおそれがないとはいえない。

    繊維が多い
     ナッパには繊維が多い。
     歯をまもる。
     これをよくかむことで、歯は自然に掃除され、歯垢がのぞかれ、ウ蝕からまもられる。
     また、歯肉・歯槽骨がきたえられ、歯周炎(歯槽膿漏)の予防にも役立つ。

    過食を防ぐ
     満腹感が得やすいことや、栄養分(コレステロールも)の吸収が妨げられることで、過剰栄養や血液コレステロールの増加が防がれ、肥満・高血圧・動脉硬化・糖尿病・痛風などの予防に効果がある。
     但し、あまり繊維が多すぎると、逆に栄養分の損失を増し、栄養不足をまねくことにもなりかねない。
     なお繊維には、発癌物質など有害物を吸着する作用がある、といわれている。

    便通がよくなる
     繊維による腸管の刺戟で便通がよくなることや、腸内の異常分解がへる、などのことから、大腸の病気、痔、大腸炎、憩室、癌なども防がれる。
     また、腸内分解産物の処理にあたっている肝臓の負担を軽くし、そのはたらきに有利に影響する。
     なお、腸管内の細菌叢が健常化され、ビタミンの合成がさかんになり、人体への供給が増すことにもなる。

    葉緑素
     ナッパには葉緑素がある。
     もっとも、自然の葉緑素は殆んど吸収されないから、加工して吸収しやすくした葉緑素剤にいわれているような効果はのぞめない。
     だから、青汁の効果を、葉緑素の効果とするのは(そう考えている人が少なくないようだが)、あたっていない。しかし粘膜への直接効果はあるから、口腔のアレ、胃腸粘膜のタダレや潰瘍には有効だし、糞便や異常分泌物の分解による悪臭などにたいする脱臭効果はある。

    酵素その他
     ナッパ、ことに生のナッパには各種の酵素がある。(ビタミンやミネラルは、すべて酵素のかたちで存在するのだから、生のナッパは酵素の宝庫ともいえよう)。
     ナッパに、発癌物質による細菌の突然変異を防ぐ作用、つまり、抗癌作用がいわれているのも、繊維による吸着作用のほかおそらく、なにかの酵素によるものであろう。
     その他、まだ十分解明されていない有効成分(未知成分)も少なくないであろう。

    現代病を防ぐ
     さて、現在、先進文明国が悩まされている、原因不明の現代病は、おそらく、あまりにも不自然・不合理な日常生活、ことに、環境のよごれ、運動の不足、精神的ストレスの過剰なども、もちろんあずかっているのだろうが、中でも重大なのは食のあやまりであろう。
     その食の特長は、肉(獣鳥魚介)・卵・乳製品、精製穀、砂糖・酒にかたより、高度に加工(精製・調理)され、濃厚に味つけされた(糖・塩・香辛料・化学調味料などで)美贅食を飽食していることだ。
     そして、酸性食品が多くアルカリ性食品が少ないこと、豊富な(いや豊富すぎる)カロリー、蛋白質にたいし、ミネラル・ビタミン類が不足していること、繊維にも乏しいことなど、はなはだしく不完全な欠陥栄養になっており、さらに、有害有毒食品さえもはんらんしている。
     ために、代謝の不完全、血のにごりを招いているところにあるように考えられる。

    それを防ぐのはナッパ
     それを防ぐには、この欠陥をのぞき、栄養的に完全な食とし、代謝を正常化し、血を浄化すべきであり、それにもっとも適しているのは、アルカリ性がつよく、ミネラル・ビタミンを完全にそなえ、繊維にもとんでいる、良質ナッパであり、それ以外にはない。
     したがって、良質ナッパを中心とする野菜・山菜・海藻・果物などを十分にとり、つとめて有害有毒食品をさけ、調理・調味を簡単にすることこそが、現代病を防ぐ(治すにも)唯一の、そして、もっとも有効適切な方法であろうとかんがえられる。

    必要量
     そのために必要なナッパの量は、少なくみても500グラム。理想的には1キロ以上。
     しかも、その成分を完全に利用するためには、生で、よくかまなければならない。
     けれども、それは、なかなかむつかしいので、大部分は青汁にしよう(ナッパ250がほぼ1合)。
     そして、あとの適当量はナッパとして食べよう、ということになる。

    食べかた


      生食
       ビタミンやミネラルを無駄にしないためには、できるだけ調理は簡単に、調味はうすくすべきだから、やわらかいものはなるべく生食する。
       グリーンサラダが最上。
       広い葉なら、何でもくるんで食べるのもおもしろい趣向だ。
       歯がよくなければ、スリバチですりつぶすか、ミキサーで粥状(ミキサー粥)にして食べる。

      つけもの
       うす塩の一夜漬けは、殆んど生食にちかい。
       が、ふつうの漬物は、塩分が問題になるし、かみつぶしにくいものが欠点。

      火食
      煮物
       加熱によるビタミンの破壊と、ビタミンやミネラルの煮汁へのとけ出しがさけられない。
       ロスの少ない調理法としてはイリ葉、油イタメ。
       あるいはその他の野菜、山菜・海藻・果物とともに雑炊に入れるなど。

    かたいナッパ
     たけたものや、もともと繊維のつよいものは、生食はもとより、漬物・煮ものにも不向きだが、アゲモノにすれば食べよくなる。
     青汁や、ミキサー粥(あらい繊維をのぞく)、あるいは乾燥粉末として利用する。
     もちろん、これらのばあい、不安定なビタミン(Cなど)のロスはさけられない。

    良質ナッパ
     ビタミンやミネラルにとんでいる良質ナッパは、緑色が濃くて、ホウレンソウ・フダンソウ以外であればどれでもよい。
     私どもが重宝しているものをあげれば、ケール、ダイコン(養鶏用のカキハダイコン)葉、カブ葉、コマツナ、ミズナ、CO、ナタネ、シソ、パセリ、ニンジン葉、バイアム、サツマイモ葉、エンサイなど。
     その他、その土地土地に適しているものがいろいろあろう。
     これらを、年中いつでも利用できるよう計画栽培する(周年栽培)。

    周年栽培
     ビタミン・ミネラルにとんだ良質ナッパをつくるには、無化肥・無農薬栽培する(自然農法、健康農法)。耕地は日あたり、水はけ、風通しのよいところ。
     なるべく深耕し、堆肥を主とし、石灰、木灰、油カス、鶏糞、魚粉などの有機質肥料を施行。
     農薬は、もちろん、一切つかわない。

    播種
     土地の条件によってちがうか、参考までに、私がやっているのを誌してみよう。
     春の彼岸ごろ、ダイコン、カブ、コマツナ、COなどを播く。
     はやくトウ立ちするものもあるが、1〜2度追播きし、夏の初まで。
     双葉から14〜5センチまでの若いものはサラダ、たけたものは青汁、ミキサー粥、漬物、煮物、あげ物に。
     真夏は、これらの栽培は無理なので、シソ、バイアム、サツマイモ、エンサイなどを5月ごろに播いておくと、夏中利用できる。
     秋口、8月末から9月初めに、ふたたび、春と同じく、ダイコン、カブ、コマツナ、COなどを播き、一〜二度まき次ぐと、秋から翌年トウ立ち(3〜4月ごろ)まで利用できる。
     また、最後は、冬ちかい11月に播いてみているが、トウ立ちがおくれるので、うまくゆくと、春の端境期にそなえることができる。
     青汁用のケールも、春の彼岸、6月終りから7月初め、そして最後は10月中旬にまくことにしている。
     春から秋口まきは翌春花がつき、10月まきの葉が、ちょうどその頃大きくなるので、うまく加減すると、年中いつでもあるようにつくることができる。
    (53・2)



2. 快通ということ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     便通は、ふつう、1日1回あればよいようにかんがえられている。
     しかし、大切なことは回数ではなくて、気持よくでるかどうか、もっとくわしくは、出終ったあと、いかにもすがすがしい気持になるまで出る(快通)かどうか、ということだ。
     それも、一気にそこまで出るのが最高だが、時にはとぎれとぎれでもよい。
     もと便秘症だった私の、さいきんの状況を記してみよう。

     食事はずっと緑葉食・青汁食。
     なるべく野菜を多くたべ、つとめてからだは動かすようにしているが、運動らしい運動は土・日の農作業だけ。
     排便、便意を覚えることは殆んどないが、ともかく毎朝、洗面後、便所にゆくことにしている。
     しゃがむと、平素の運動の不足を補うつもりで、腹をペコペコ前後に動かしたり、腹を左右にふる運動を、交互にくりかえす。
     そのうち、青黒い15〜20センチもの、ウナギのような便が出てくる――毎朝青汁2〜3合、一気にのみ半〜1時間後に朝食をとっているから、この青黒い便は朝の分だろう。
     さらに運動をつづけていると、しばらくして、やや色のうすい、やや軟いのが出る――昼食分だろう。
     なおつづけていると、最後に、黄色っぽい、いっそう軟い(むしろ泥状)の便が少量出、小便も少し出る。
     まえ2回のは殆んど便臭がないが、これには、すこしちがった臭がある――夕食にナッパが多いと、夜間の小便がいそがしくなるので、どうしても、控え目になるから、この黄色っぽいのは夕食分だろう。
     そして、腹の中がからっぽになった感じになる。
     それまでの所要時間は約10分。はやくから脱肛気味なので、排便後は、唾をつけてていねいに納めるのだが、このように快通したときの肛門は、ふくらみがごく軽くて、簡単におさまり、落し紙も1〜2枚ですむ。
     ところが、悪食し、便秘傾向になると、便の量は少なく、なかなかうまく出きらない。
     そこで、落し紙をあてて肛門をゆさぶって誘い出すと、次々に、何回か出て来るし、肛門のはみだしが大きいので、出終わるまでには、どうしても7〜8枚、時には10枚以上もの落し紙がいる――それでもまだ十分出ないとみえ、夕方もいちどゆくこともある。
     ずっと以前、ドイツのある腸の大家が、「落し紙の数は腸の状態をしめすよい目安」と書いていたことを思い出し、なるほどと、今さらのように感心しているしだいだ。
     それはともかく、便通は気もちよくなるまで十分に出ることが大切なので、それこそ腸の健康をものがたるいちばん確実な証拠といったものだ。

    (53・2)



3. 次の夢

     医学博士 遠藤 仁郎 

     青汁もかれこれ廿年。
     夢はさいわい次々に実現された。
     そして残ったもう一つ。

     ○ 


     自然の恵みにみちみちた山の中、高原。
     海あり、川あればなおよし。
     林間に見えかくれする瀟洒なヒュッテ。
     あたりには四季折々の花。鳥のさえずり、虫のたわむれ。
     自然農法にみずみずしく育った清浄菜園、健康飼料の鶏、山羊。
     明るい簡素な部屋。広い窓。ねながら月を仰ぎ星をみる。
     欄間は冬も開いたまま。
     清潔な手洗、浴室。
     食堂にはラジオ、テレビ、ステレオ。
     絶対安全な純正食品ばかりの完全食。
     青汁はいくらでも自由に飲める。
     衣はうすく、夏は裸。
     起きぬけにまず一杯、出来たての青汁。
     朝の体操、すがすがしい空気。
     朝食は軽くとるもあり、とらぬもあり。
     弁当もちで遠足、登山、魚釣りに出かけるもの。
     そぞろあるきに、田園作業に興ずるもの。
     草原に語るもの、読書するもの、冥想にふけるもの。
     教養講座、健康講座。入浴。夕食。はやくもたどる快い夢路。
     日に日にもり上る、明日の活動へのエネルギーとたくましい意欲。
     こうした、人間本然の原始の姿にかえった生活のやれるところ。
     自然の家、青汁の家、健康の家。
     ホテルでもない、病院ではもとよりない。いうならば病前の病院か。
     さりとてただの憩の場所でもなければ、道場といったかた苦しいものでもない。
     緊張につぐ緊張に、身も心も疲れ切った人々が、気軽にとけこむことの出来る自然の母のおしえの庭といったところ。
     これが私の次の夢。
    (35・9)


     ○ 


     これは、20年まえのものだが、いまだに実現せず、同じ夢をみつづけている。
    (55・1)



4. ウサギでなくウナギ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     これは、うまいものというのではなく、便の出方のこと。
     ウサギのような便が出るのは便秘症。
     ながく便秘していると、弁の水分がすっかり吸収されて、兎の糞のような、かたい小さいかたまりになってしまう。
     しかし、それが、ほんものの兎のように、うんと、山もり出るのなら、少しも問題はない。
     けれども、たいていは、何日も出ず、たまに出ても、あるいは浣腸してみても、せいぜい1〜2ヶか4〜5ヶ。腹のぐあいはちっともよくならない。
     肛門から指を入れてみると、兎の糞がいっぱいつまっている。
     これは、食欲がなくて食べる分量が少ないばあいのこともあるが、多くは、消化のよい白米飯や白パン、肉・卵類ばかり食べ、野菜のとり方の少ないときだ。
     野菜、とくに繊維の多いナッパ類や、山菜・海藻・果物などをしっかり食べると、毎日きまって、ニュニュッと、ウナギのような便がすべり出し、あとの気もちはいかにもすがすがしくなる。
     これこそ最上の便通だ。
     そこで、ウサギよりウナギ。いや、ウサギでなくウナギ、というわけだ。

    (53・10)



5. 便秘は万病のもと

     便秘は万病のもと、といってもよいかも知れない。
     それは、直接便秘そのものによってくる病気もあれば、間接に、便秘によって来る「血のにごり」によるものもあろう。
     また、便秘を原因するような諸条件、すなわち食べもののあやまりをはじめとする不自然・不合理な日常生活(運動不足、精神的ストレスなど)から来る「血のにごり」によって、あらゆる病気がおこりうるだろう、からだ。
     そこで、どんな病気のばあいでも、つねに便通に気をつけ、毎日、しかも薬によってではなく、日常生活をただすことによって、快通するようつとむべきである。

    (54・2)



6.  くだし上手

     医学博士 遠藤 仁郎 

     Qui bene pnrgat,bene curat.
     「くだし上手の治し上手」
     といわれ、むかしの医者は、便通にはつねに十分の注意をはらったし、潟下(くだし)は第一流の療法として、多くの、あるいはすべての病気に賞用された。
     そして、一時は、むしろ乱用され、また、強力な峻下剤が用いられたため、かえって不評をかい、非難のたねともなった。
     しかし、いまでは、便通そのものについても無関心すぎるようで、2〜3日はおろか、数日〜1週間も便秘したままにされていることも少なくない。
     病人とて、いや、病人なればこそ、毎日快通さるべきだし、ときに応じては下げることも必要であろう。
     しかし、出すぎるのは確かに不快であり、体力も消耗する。
     また、病状を悪化させることもあるから、むやみに強い薬をつかうべきではない。
     

    「夫れ、万病は大便秘するより病むと知るべし、
     何病と雖も軽く下すときは、濁血は清く、熱は解し、筋は和ぎ、気は爽になり、頭痛も愈(い)え、虫積も除き、足温く食進みて、諸の病、皆去って癒(い)ゆべし。」
    (梅花無尽蔵)



7. 下剤

     いろいろあるが、もっとも無難なのは硫マ(硫酸マグネシウム)とか、硫曹(硫酸ソウダ)、といった塩類下剤。
     あるいは、これらが主成分になっている人工カルルス泉塩(オーストリア・カルルス温泉の成分を人工的につくったもの)。
     そういう類の温泉水なら、なおよいだろう。
     いずれも、古くから血液浄化作用や、不老長寿の効がいわれている。
     これら塩類下剤は、ただ便を軟くして、出やすくしようというものだが、その他の多くは腸の運動をたかめて、たまっている便を出そうとするもの。
     昔から賞用されている大黄、センナなどがあり、気持よく出るが、クセになりやすい。
     近頃の新薬も同様、みなよくきくが、いずれもクセになりがち。
     時たまのむのはともかく、常用することは、なるべく避けたい。



8. 週一回の便通

     医学博士 遠藤 仁郎 

     40才の商家の主婦。
     時々からだがたまらなくだるくなるという訴え。方々でみてもらったが、どこでも、何ともないといわれているとのこと。
     なるほど、よくふとっており、血色はよく、どこという異常もない。
     便通はずっと悪く、いぜんは2〜3日に1回はあったが、今は1週に1度、それも薬で出している。
     港町のことで魚をよく食べ野菜はごく少ない。
     味はから口。
     砂糖はあまりつかわない。
     菓子もそう食べない。
     この便秘は野菜の不足した偏った食べ方と運動不足のためで、からだの不調はおそらく便秘と便秘のもとになっている偏食(欠陥栄養)のせいだろう。
     ともかく、もっと野菜や海藻をたべること。
     主食の米飯は半搗米や玄米にし、麦、豆、芋など繊維の多いものにかえること。
     そして、つとめ運動――せめて腹の皮の運動だけでも励行し、毎日出す(なるべく薬にたよらずに)クセをつけることだ。
     そうすれば、体調もしだいによくなってくるにそういなかろう。

    (54・6)



9. 肥満児 病気にかかりやすい

    白血球まで肥大
    殺菌力が30%減退


     兵庫県立こども病院(神戸市須磨区)の平田美穂・名誉院長(72)をキャップとする肥満児研究グループが、肥満児の白血球の殺菌能力が正常児より約3割も減退、病気にかかりやすいことをつきとめ、12日、神戸市生田区、県医師会館で開かれた同県医学会主催の医学講座で発表した。
     これまで肥満の弊害について指摘されるケースはあったが病弱の原因を立証したのははじめてのケースで注目されている。
     同グループの研究によると、白血球のなかに約60%含まれる好中球が細菌を食い殺す役割を果たしているが、肥満度が高いほど好中球の直径も“肥大”。正常な場合13.5ミクロンとなっているのが肥満度20−39%で13.9ミクロン、40−59%で14.3ミクロン、60%以上では14.4ミクロンに達していることがわかった。
     これは肥満児の血液中に含むコレステロールが高く好中球もコレステロールで“肥満”しているのが原因だが、一方、細菌など異物を取り込む表面の小突起、“偽足”がほとんどなくなり、細菌をつかまえる能力を失っている。
     このため、細菌を食い殺す能力が正常児の70%程度にまで落ちこんでいることが判明した。
     こうした白血球の“異常肥大”について、平田・名誉院長は

    「コレステロールそのものは、一定量は健康体に不可欠なものだ。
     しかし、コレステロールを好中球が細菌同様に“異物”としてのみ込み、その結果、好中球そのものの体積が膨張。
     これによって異物をとりこむ能力が落ちたのではないか」
     と説明している。
     ただ、この3割ほどの殺菌能力の減退が、どの程度、健康維持に支障をきたしているかは今後の研究を待たねばならないが、いずれにしても白血球の殺菌能力が肥満児ほど減退していることは事実で、同グループは「肺炎などの病気にかかりやすいのはこうした白血球の変質が原因の一つ」としている。

    楠智一・京都府立医大教授(小児科)の話
    「肥満児は早く成人病にかかるということと共に、これまでにも呼吸機能が落ちる、肝機能が弱いなどの点は知られていた。
     しかし、細胞レベルにまで突っ込んだ調査で、肥満そのものが健康の障害になるという点が明らかにされたのは今回が初めてだ。
     今後の問題として、肥満が治療された子の白血球がどうなったか知りたい。
     肥満が治療されることによって、健康障害が治ゆされる−つまり、肥満そのものが“病因”となっていることが立証されるからだ」
    (53・1・14 サンケイ)



10. 試験が近づくとおこる下痢

     16才の女子高校生。
     平生はさほどでもないが、試験が近づくとよく下痢する。
     やや細だちだが、やせてもいないし、顔色もよい。
     もともと神経質で、ものごとに感じやすい。
     但し、カブれることはない。
     肉食を好み、野菜はあまり食べない。
     かみ方はふつう。
     菓子や味つけの砂糖もふつうそうだが、カルピスやジュース類はよくのむとのこと。

     第一次大戦の戦記物の「西部戦線異常なし」の中に、わかい召集兵が砲弾のさく裂する音をきいて下痢するくだりがあるが、あんたのもおそらくそれ。
     神経の過敏なものにおきやすい神経性の下痢だろう。
     神経が感じやすいことには、生れつきももちろんあるが、食べものでもかなり影響される。
     ことに、砂糖、精製穀、肉類など酸性が強くてカルシウムの乏しい食べものにかたよると、神経の感じがたかまる。
     アルカリ性でカルシウムの多いもの(クダモノや野菜ことにナッパ類)をとると神経がおちついてきて、少々のことにはビクともしなくなる。
     あんたの食べ方(肉食に傾き野菜の少ない)では、それだけでも神経は感じやすくなる。
     菓子や味つけの砂糖は少ないそうだが、甘い飲料の糖分も馬鹿にならない(たいてい10%以上)から、その影響もあろう。
     こういう飲物はひかえ、間食はなるべくクダモノにすること。
     わかいんだから肉食もよかろうが、それに見合うだけ十分の野菜をそえる(よくかみ、あるいは青汁として)よう心がけること。
     また、精神的の影響も大きいから、胃腸を中心に精しく検査してもらい、病気ではないという確信をもち、いらぬ取越苦労をしないことだ。
     そうしていれば、やがて、試験がきても、あるいは何を食っても、下痢するなどということはなくなってしまうだろう。
    (54・6)



11. ジャガイモは減量食に有用

     ハノーバー(西ドイツ)発−ジャガイモにはカロリーはともかくビタミンその他の栄養素がないと一般に考えられているが、それは誤りだ、とハノーバー大学のProf.Karl HerrmannとBirgit kroll氏はいう。
     また、ジャガイモを食べると太るという従来からの考え方とは逆に、ジャガイモは蛋白質やビタミンの補給源としてすぐれている。
     カロリーについていえば、1ポンド(453.6gm)のジャガイモの熱量は、2.5オンス(1オンス=28.349gm)のチョコレートに等しく、成人が最低必要な1日分のカロリーをとるには5〜6ポンドのジャガイモを食べなければならない。
     ジャガイモは、炭水化物のほか、卵白中の蛋白質に似たアルブミンを豊富に含み、この蛋白質だけで、乾燥したジャガイモの重量の10%近くを占める。
     ジャガイモの蛋白質には、穀物に乏しい必須アミノ酸のリジンが多く含まれる。
     そのほか、ジャガイモはビタミンやミネラルの補給源としても見のがせない。
     ジャガイモ5オンスをとれば、ビタミンCの1日に必要量の35%までがまかなえるし同様に必要なカリウムの25%、鉄の10%、マグネシウムの15%、リンの10%もそれぞれ充足される。
     1日分のエネルギーの総需要をまかなうには、大量のジャガイモが必要になることからみると、これは実際には減量食として役立つ、とProf.Herrmannらは述べている。

    (メジカルトリブューン 55・1・3)



12. 食料当面の間違いに対処するには(13)
前回参照

     友成 左近 

     当節市販の食料にはいろいろ重大な間違いが伴なっているので、そこに対処して健康を保っていくには、さしづめ日々の食料調達にあたって、その実状をよく吟味して、間違いを最小限にくいとめるように選択することが大切であって、その要領は最初の六稿でみた通りです。
     そして、その前提要件として大切なのは、めいめい食料にいだいている筋違いな考え方を反省し是正することですが、当面とくに重要なもののうち、貴賎観や高級低級感と好嫌感については前二稿の通りです。

    季節度外視について
     ついで第三は、季節の度外視ですが、これは水産物もさることながら、主として農産物とりわけ野菜についてです。
     いうまでもないことながら、農産物はそれぞれその生理に適合した季節に栽培して収穫するので、四季によって気温その他の時候の差が大きく、それがだんだんと移り変わっていくわが国では、いろいろ多種にわたって作られています。
     そしてこのうち、とくに野菜や果物は四季折々にいろいろなものが作られて、それが、とりわけその旬の持ち味が季節の食味のシンボルになっており、また、ミネラル・ビタミン食品に年中そうこと欠がないようになっています。
     が、これは穀物や豆や芋などとちがって保存がきかないため、季節の変わり目に端境が起こりやすく、とくに野菜は、冬の間は育ちにくいために端境が長くなりがちであり、従ってまた体に変調が起こることもあるので、春先にはひとしお初ものが待たれ、古くから「初もの食べて75日寿命がのびた」などといって、初ものを志向する風習がありました。
     従って、野菜が広く市販されるようになるにつれて、都市近郊の農家で目先のきいた人々が、春先に初ものを早期に出荷して利益をあげようと、栽培法を工夫して、少量ながらも促成栽培をしていました。
     が、戦中戦後の食糧難時代を経て、食料が豊富に市販されるようになって、広く人々の食事が、洋風化もして豊かになるにつれて、初もの志向がだんだんと高じてきました。
     そこへ、ビニールその他の温室材料や燃料の石油が安価に大量に出回わるようになって、ハウス栽培が広く普及して、春先に初ものが早期に多量に市販されるようになり、やがてはキウリやトマトやナスなどの夏野菜が、冬の間も栽培されて多量に市販されるようになって、かつての初もの志向が季節の度外視に変様してきました。
     と共に、輸送機関が発達して、野菜が全国的大規模に流通するようになり、また夏の間に、高冷地その他でレタスやキャベツやハクサイなどの抑制栽培も普及してきました。
     従って、わが国では南北によって時候の移り変わりに時期差が大きいため、どこでも、季節にかかわりなく、各種の野菜が多量に市販されるようになって、野菜に季節がますます度外視されるようになりました。

    季節度外視に伴なう間違
     ところで、こういうふうに市販の野菜に季節が度外視されていることは、日々の食物の取り合わせにしごく好都合ですが、実状そこにいろいろ重大な間違いが伴なっているのであって、その主要点はこうです。

       第一に、四季折々の野菜の味わいを、待って楽しむことが少なくなりました。
       といって、これはあるいは昔人間だけのことであるかも知れません。
       が、食膳の野菜が、見た目の色合いといい食べた味わいといい、季節と共に変わっていき、それを待って楽しむのは、やはり心ゆかしいことではないでしょうか。
       第二に、抑制栽培はともかくハウス栽培では、味わいが淡白になるので、これに食べ慣れると、味わいの濃いもの、とりわけクセのあるものは嫌いになってきます。
       が、野菜にはそれぞれクセがあって、それがその持ち味であり、それを味わうのが食味の楽しみであって、これが嫌いになっては、それだけ食味の楽しみが少なくなります。
       そのうえ、成分の優れた青野菜は持ち味にクセが強いので、この青野菜が格別嫌いになって、なにほども食べなくなるので、栄養摂取上重大な間違いが起こってきます。
       第三に、ハウス栽培では設備や燃料その他で経費がかさむため、ハウス野菜はそれだけ高価になっています。
       従って、家計の都合もあるため、付け合わせ程度に少ししか使わないようになり、そして、それが習慣化して、野菜が多量に出回わる季節になっても、やはり少ししか使わないようになります。
       第四に、ハウス栽培では実状営利第一であるため、世にいう高級品や広く人々の好みに合ったものを作るわけです。
      が、そうしたものには成分が著しく劣ったものが多いので、それを付け合わせ程度に使っては、野菜を食べる栄養上の意味がなくなってしまいます。
       第五に、ハウス栽培が広く普及するにつれて、季節に従った路地栽培が軽視されるようになっています。
       それは主として、路地栽培に手がまわりかねるからであり、また前記のように広く人々が、季節の野菜が多量に出回わっても、別にそう多量には使わないため、売れ残りもし、値くずれもして、働き損になることがあるからです。
       が、季節に従って路地栽培したものこそ、味わいが優れ、また安価であり、それに成分もが優れているのです。
       第六に、市販の野菜に季節が度外視されるようになったのは、ひとつには全国的大規模に流通するようになったからですが、そのため成分の優れた青野菜はなにほども市販されなくなっています。
       それは、青野菜にはそうした流通になじまない軟弱野菜が多いからであって、この青野菜は、世にいう朝市などのように、農家が直接販売するところでなければ手に入りにくくなっています。
       なお第七に、抑制栽培もさることながらハウス栽培は、広く普及するにつれて、営利上その妙味が少なくなって経費倒れになったり、ハウス内で使う農薬で慢性中毒症にかかったり、その他いろいろ重大な問題が農家に起こっています。
       また広く国民経済上、寒冷深雪地方以外では年中あれこれと路地野菜が作れる(そしてそれを乾燥野菜や漬け物にして保存もできる)わが国で、前記のように間違いを伴なったハウス栽培を、至るところで大規模にするのは、石油その他の資源のムダ使いです。

    是正上の心がけ
     そこで消費者としては、毎日の食膳に野菜が、季節にかかわりなく、思いのままに取り合わせることができるからといって、市販のまま安易に調達することなく、まずみずから季節の度外視を是正しなければなりませんが、それには要約つぎのように心がけることが大切です。
       まず第一に、季節を度外視して、市販のまま安易に調達していると、食味の楽しみの点からも栄養摂取の点からも、前記のように間違いが伴なってくることをシカと理解もし反省もすることです。
       そして第二に、季節に従って路地栽培した野菜を、それも旬の間に、その持ち味が引き立つように調理もし、また他の食物と取り合わせもして、よく味わいながら食べて、そのおいしさを体験することです。
       そしてこの野菜には、つとめて成分の優れた青野菜を選んで、それ相当量食べて、これまでにない健康感を体験することです。
       さらに第三に、市販にはこうした青野菜(それもその持ち味が優れるように、また危険な農薬は使わずに栽培して、丁度食べごろに取り入れたもの)が、種類の点からも数量の点からも至って少ないので、事情が許す限り家庭菜園で作り、また特定の農家に作ってもらって、必要なだけ十分調達することです。
       (なお、この青野菜とその作り方や食べ方については、いずれまたお伝えしましょう)
    (つづく)


次回参照

13. わたしの食べかた

    在米 H.H. 

     広兼さんは、ながらく腎臓をわるくしていられ、食べものには非常に気を配っていられます。
     おたよりのうちから、その一部をご紹介します。

    (編集係)

    • 大豆、黒豆、アズキなどは、すべて水にかして、そのまま煮、味つけなしで、おいしく食べています。
      アスキご飯は、アズキを一晩水にかしておき、その水で煮て、玄米を入れてたきます。
    • ミソ汁、スープなど汁ものがとても好きでしたが、今では、野菜をちょっと煮ただけの汁を好んでのみます。
    • コンフリーを、アゲとワカメで煮たもの、主人、子供はすきでよく食べます。
      私は、ケールをフライしてポテトと食べています。
    • 生きた食べものがいちばんおいしいです。
      野菜の新芽をつまんで、洗って食べるおいしさ。
      味つけの濃いもの、ケーキやお菓子より、本当の甘みのあるおいしさです。
    • チーズが嫌で、肉ばかり食べ、ミルクは今でもあまりのめません。
      今は、カッテージチーズ、ヨーグルトの味つけなしを、ハチミツ少々で食べます。
    • とにかく、今まで好いて食べていたものがからだに悪いとあって、嫌なものを食べていますが、調子がよいです。
    • アメリカは、日本全国や世界の名物、おいしいものが多くあって、私など困りますが、今まで沢山食べさせてもらい病気になったので、いまは、主人・子供に、時々買ってあげるだけです。
    • 加工品はなるべく買わず、自分でつくるようにしています。
      ピーナツバターをはじめ、ケーキ、菓子などハチミツでつくり(砂糖なし)、パン、カッテージチーズ、豆腐まで自家製です。
      こんど、ウドン、マカロニなどの機械が手に入りますので、塩なしウドンをつくって食べます。



14. 痛みに下剤

     古方では、「諸痛、実なり。痛は利にしたがって減ず」(本草綱目)として、芒硝、大黄、牽牛、甘遂、巴豆などの下剤がつかわれた。

    腫れにも
     腸からの水分の排泄で、組織液の移動がおこり、腫れがひく、と考えた。
     「水腫ある人に下剤があればよい。」

    (ヒポクラテス)

     同様に、産後の乳房のはりにも応用された。
     硫酸カリが好んでつかわれ、
    「乳奪(と)り」(Milchverzehrer)とよばれていた、
     という。
     産後のおりものにも、「産後の悪露つきざるものは大承気潟」
    (和久田 腹証奇覧翼)

    皮膚病
    ジンマシン
     古人は、腸内や体内に、なにか有害物があるためと考え、下剤や吸着剤を処方した。
     ニキビ、湿疹、脂漏症、痒疹なども同様。
     皮膚病に下剤をもちいないのは手落とさえいわれた。



15. 熱病と下り

     急性の熱性病のはじめによく下痢がある。
     いまでは、一症状とうけとられているだけだが、古方では毒素(感染毒やそれによる異常代謝産物)をのぞこうとする自然良能のはたらきと考え、下剤によって、それを助けようとした。

    「下剤は分利をたすける」
    (ヒポクラテス)
    「熱を下すは大黄剤によろし」
    (二神伝)
    「傷寒その三日に満つるものは泄して癒ゆ」
    (傷寒論)

    脳症
     うわごとなど、熱病の脳症も下すことになっていた。
    (?語するもの、まさに潟を以て下すべし。承気潟によろし)
    (傷寒論)



16. 痢病と下剤

     赤痢や疫痢には、かならず下剤(ヒマシ油)をかけた。
     そして、炭末などをあたえた。
     だから、ヒマシ油と炭末は、こどものある家には欠かせない常備薬だったし、疫痢では、ヒマシ油をのまさないのは重大なミスとさえいわれた。
     某大学の小児科で、ヒマシ油無用論をとなえる新部長になって、急に疫痢死亡がふえたという事実もあった。



17. 結核の空洞がなくなった

    名古屋市 B.A. 

     私は、昭和16年肺結核(咯血)となり、戦時中はその儘おし通しました。
     勤務いたしました。とうとう23年には大咯血で入院しました。
     右後部下に30ミリくらいの空洞が断層写真で出ておりました。
     手術はやりませんでした。
     人体を切り取ったり、物を入れたりすることは、私は自然に反すると思ったからです。
     薬物、栄養、自然、ということを念願としておりましたが、赤本(三樹園社、築田多吉著)の中に青汁の偉大な効果について述べておられます。
     その青汁を実行いたしました。
     病院から公害の診療所へかわりました。
     青汁は柿の葉が最もビタミンCが多いとかで、それを中心に、すりこぎでどろどろにし、ガーゼでこして飲みました。
     1日1回、3〜5ccくらいか、記憶はありませんが、続けました。
     病院から診療所へかわっても、薬は飲んでおりました。
     大気、安静、栄養。
     半年後にレントゲン写真に空洞が小さくなっております。
     10ヶ月目には断層で空洞がなくなりました。
     先生方も驚いていたようですが、青汁のことは申しませんでした。
     30年経った今、また、青汁を飲んでおります。



18. ケールのトウ料理

    福島県 T.S. 

     昨年ケール種子をいただき、だいじに育て、飲み、おかげさまで毎日健康の日々をすごしております。
     春、トウが立って花が咲く前、つんでオヒタシや油いため、ゴマあいなどで食べたところ、ふつうの野菜とちがって、コクのあるおいしい料理ができました。
     種子を、主人の会社の同僚や、近所の人にわけてあげてよろこばれております。
     少しですが送ります。
     来年も、できたら送りたいと思っています。



19. 特養ホームで青汁

     この9月12日、北条市(愛媛県)の特別養護老人ホーム高縄荘の園長、重見不二雄さんが突然来訪された。
     お話では、1年まえから雑草やいろいろな野菜でつくった青汁を、入園者60名のうち2名を除いて、全員にのませているが、非常に効果があり、健康状態がよくなっただけでなく、ここ1年間は死亡0という好成績をあげた。
     入園者たちの、うまくはないが、からだのためには飲みたいとの要望もあり、また、全国に多数ある特養ホームで、青汁をやっているところはまだないので、この際、先鞭をつけて、本格的に実施したいと、大通寺の越智廓明師に相談し、こちらを紹介されたので、敬老の日を間近にひかえ、多忙の日程をさいてお訪ねした、とのことだった。

    (54・9)



20. 感謝しながら

     毎年のことながら、また種子をお願いいたします。
     なんとか種子をとりたいと思いますが、どうしてもとることができません。
     今年は雪がなく、暖かい冬と申しますが、当地は高冷地のためか、ケールはカチカチに凍ってしまい、かわいそうで、見るにしのびない思いです。
     かえって雪にうもれている方がよいようです。
     私はケールが何より大切で、冬の命のもとですので、11月から次の年の4月なかばまで飲ませていただいております。
     春から秋までは野草と野菜の青汁をかかしませんし、冬もっとも野菜不足になやまされる時期に、大切に育てたケールに赤松の葉を入れてしぼり、感謝しながら毎日いただいております。
     食べものにも気をつけて先生の教えを出来るだけまもるようにつとめておりますし、よその皆様にもおすすめしています。

    ○ケールの種子、少しもご遠慮に及びません。
     なんとか年中利用できるように工夫してみて下さい。



21. ケールをうえたい

    富山市 K.Y. 

     一家4人、青汁を飲みはじめてから半年。
     夫の腎炎も蛋白(−)になり、長男のゼンソクも、さいきん、とんと出ていません。
     みなで、たいへんよろこんでいます。
     母に話をしたら、さっそくダイコンやナッパの葉をのんで、頭がすっきりする、といっていました。
     高血圧なのです。
     老人農園というのを借りられるようになり、ケールを植えようと思っています。



22. 2〜3ヶ月目から

    広島県 K.Y. 

     主人が高血圧、痛風。私が頑固な便秘だったため、去年の夏頃から、毎朝1杯の青汁をのむことを実行してまいりました。
     はじめて2〜3ヶ月目から、はっきりその効果があらわれてまいりましたので、次々と友人たちにお教えして、よろこんでいただいています。
     少しばかりの空地がありますので、ケールをつくってみたいと思います。



23. 快便となり体力がでた

    東京 S.H. 

     青汁を飲み始めて半年程になりますが、便の状態が、前は下痢だったり便秘だったのが、今はいつも快便が出て気分がそう快です。
     また、体力が非常にでてきました、これからも飲み続けていきたいと思います。



24. 質問箱


     初めて種子をいただいたときは大変大きくなったケールが、
     しだいに小さくなってしまいました。
     種子が悪くなったのでしょうか。


     種子のセイではありません。
     土がやせて来たからです。
     よく耕やし、堆肥(落葉、枯草、わらなど)を十分に、
     その他石灰、油かす、鶏糞など有機質肥料を入れてみて下さい。



 コラム紹介


    不食菜 不息災
    食良菜 息労災




    いのちを大切に

    受けがたい人間と生れて来たしあわせ
    このよい国に生をうけたしあわせ
    この年まで生きて来たしあわせ
    この貴いいのちを大切にしよう
    二度とは生れて来られないのだから
    このつまらぬいのちと時に思う
    けれども粗末にしてはならない
    今ここに生きているということは
    人間はじまっていらい
    ずっとつづいているいのちということだ
    それをここで断ち切るのは
    遠い過去から未来まで
    無限につづくべきいのちが
    永遠に絶えるということだ
    惜しいではないか申しわけないではないか



    完璧と思われがちな科学こそ
    試行錯誤のくりかえしにて



    薬を用うるかわりに一日絶食せよ

     プルターク



    人は生れるや否や死に始める
     独俚



    時代の風といふものはかへられぬ事なり。
    段々に落ちさがり候は世の末になりたる所なり。
    一年の内、春ばかりにても夏ばかりにしても同様にはなし。
    一日も同然なり。
    されば、今の世を百年も以前の良き風になしたくても成らざる事なり。
    されば、その時代時代にてよき様にするが肝要なり。
    昔風を慕い候人に誤あるは此処なり。
    合点これなき故なり。
     葉隠








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