健康と青汁タイトル小 <1980年1月15日発行 第281号>
 目次




1. 仙家の食

     医学博士 遠藤 仁郎 

     仙道者「仙語録」に、著者玄道子の冬季における一日の大筋という項があるが、それには、

     「食は暮の六時に一回、門生持参の生野草(冬はハコベラ)と、長命の四果(松実、榧実、胡桃、榛実)を摂り、穀類は、時に巨勝を服するため麦粉を若干。あとは、仙人茶を喫するだけで、18時間働きつづけ、睡眠は6時間である。そして、寝る前、夜の最冷え込む時間、風呂場で全裸となって、背中や腰を感覚が薄れてしまふくらい冷水を浴びる云々」
     とある。

    仙家の食
     この仙語録や、仙道の原典抱朴子などによると、仙家の食の特長は、純菜食であること。野草・木葉と長命の四果や巨勝(胡麻)、大豆などが主になっており、それらすべてが山野自生のものか、あるいは、自らの手でつくったもの。つまり、絶対安全なものばかりであること(安全食)。「みずから耕すにあらざれば、もって飢をみたさず」(抱朴子)。しかも、それらを、自然のままか、自然にちかいかたちで食べていることだ。

    カロリー源
     カロリー源になっている長命の四果や胡麻、大豆などは、いずれも脂肪にとんだ高カロリー食品であり(したがって少量で足る)、同時に、動物蛋白にちかい良質蛋白質にもとんでいる(表)。
     また、これらの脂肪は、動物性脂肪とちがい、血液コレステロール(動脈硬化と関係のふかい)をたかめないばかりか、むしろ、それを低めるはたらきをもっているなど、カロリー源として、もっともすぐれたものばかりだ。さらに注目すべきことに「断穀清腸」といふ行法があり、「穀類を断って、常に腸(気海)を軽くしておくもので、長生久視の条件であると同時に、高度仙行の準備態勢とされてゐる」(仙語録)ことだ。

    ミネラル・ビタミン源
    熱量蛋白質脂肪糖質カル
    シウム
    ビタミン
    B1B2
    松の実63414.660.817.21550.160.402
    榧の実61212.258.315.54400.040.117
    胡桃62623.160.38.46300.500.085
    胡麻56419.750.914.263000.500.100
    大豆39234.317.526.719060.500.200
    ナズナ394.50.55.53008300.160.2840
    ヨメナ292.20.45.28031000.150.2050
    ノビル412.00.47.9632300.050.1470
    カロリーグラムグラムグラムミリ
    グラム
    国際単位ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
    ミリ
    グラム
     また、野生の草木葉や、自家栽培の野菜の大量が生食されており、玄道子は、「毎日、直径1尺の大ザルに一杯、素食してゐる」。そして、「野草の味を知れば、人の作った野菜など青臭くて食べられるものではない。やはり、真味は天然のものに限る」とか、「仙舌になり切れば、アカザの味、枸杞の味、ハコベラの味、それぞれに風味特徴があって、造化の妙を満喫できる。素食法に徹した求仙の徒輩は、その殆んどが百寿を突破し、僊化の日まで元気で活動している」、と讃美されているが、いずれも有力なミネラル・ビタミン源であり、同時に良質蛋白源(動物蛋白に匹敵する)をかねた優秀食品だ。(表にはナズナ、ヨメナ、ノビルの成分をかかげた、生憎、手許の成分表にハコベ、アカザがのっていない。なお、カルシウムやビタミンA・Cの豊富なことに注目されたい)

     径1尺の大ザル一杯の野草は少なくとも600〜700グラムはあろうから、これらをあわせ用いる仙食は、栄養的にみても、よくバランスのとれた完全食になっているし、便通のためにも申し分のない組み合せだ。

    のみもの
     のみものには、自然の水(真玄の気を含む真清水)と、山野の霊草薬樹をあつめてつくった仙人茶が用いられている。「仙人茶がおいしくなったら、物の真味がわかったのである。仙人茶がまづいと思ふ間は、味覚が人工食で狂ひ、物の真の味がわからなくなっている証拠である」(仙語録)。

    体行
     そして、あかるい日光、澄んだ空気、自然のめぐみのみちみちた環境のなかで、五体は存分に動かし、きたえ、また、よくねむり、性の乱費をつつしむ。

    心行
     世俗の欲を超越し、煩悩を去り、作善却悪、自己完成の徳行をつみ、絶対の安心、玄気をやしない、何ものにもこだわらず、しばられない、恬淡無為の境地をひらくことに専念する。「仙法は静寂無為にして、その形骸(肉体)を忘れんことを欲す」(抱朴子)

    理想的自然生活
     すなわち、人為的なものすべてを捨て、あらゆる点で合理的な、人間本来の理想的、絶対的の自然生活にかえり、至高至上の人生に徹しようというのだ。
     なるほど、そうして、心身ともに正常自然化されるならば、体内を流れる血はほんとうにきれいになるだろう。そして、からだ中のすべてのはたらきは完全にととのい、体力、抵抗力(自衛能、自癒能=生命力)は最高最良の状態にたもたれるにそういあるまい。したがって、健康になり、長生きもでき、病気のなおりもよくなろう。また、神通力といった超能力を発揮することも、あるいは、不可能ではないかも知れない。
    (54・3)



2. 断穀清腸

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「長生を得んと欲すれば、腸中まさに清かるべし。不老を得んと欲すれば、腸中まさに滓なかるべし」(抱朴子)。
     便秘すると、腸の中でいろいろな有害物ができ、血がにごりがちになる。また、便秘するような食べものは、もともと、栄養的に不完全なので(欠陥栄養)、そのためにも血はにごる。
     そして、体調をそこね、抵抗力をよわめて、病気しやすくなったり、寿命を縮めることにもなる。だから、健康であるためにも、長生きするためにも、つねに通じをよく(腸を清く)し、血をきれいにしておかなければならぬ、というのだ。
     そこで、仙法では、生の野草や野菜をうんと食べることになっているが、いまひとつ「断穀清腸」ということが行われている。
     これは、「穀類を断って、常に腸を軽くしておくもので、長生久視の条件であると同時に、高度仙行法の準備態勢とされている」(仙語録)、という大切な行法だ。
     穀類、ことに精製穀は、ミネラルやビタミンに乏しいので欠陥栄養に陥りやすいうえ、カス(繊維)が少ないので便の分量が少なく、腸管にたいする刺戟が乏しいので、便秘しがちになる。
     また、ビタミンBがなくなって、糖質(澱粉)の代謝が不完全になり、ピルビン酸という、有害な中間産物ができ、そのために、腸管の運動が悪くなることでも、便秘しやすくなる。
     それを防ぐために、仙法では、繊維やミネラル・ビタミンにとんだ野草や野菜の生食がすすめられ、なおそのうえに、とかく便秘の原因になりがちな穀食を断とう、というわけだ。

    (54・1)



3. 松葉仙人

     漢の成帝の時、猟者終南山中に於て、一人の衣服無く、身に黒毛を生ぜるものを見たり。猟人これを見て、遂ひ取らんと欲せしに、その人、坑を踰え、谷を越え、飛騰して遠く及ぶべからざる如きものあり。ここに於て、すなわち、密に、その所在を伺候ひ、合囲みてこれを得たり。すなわち、これ婦人なりき。
     これに問ふに、言へらく、

     われはもと、これ、秦の宮人なり。関東の賊至りて秦王出でて降り、宮室焼燔けたりと聞き、驚き走りて山に入り、飢うるも食とする所無く、餓死に垂んとす。
     一老翁あり。我に教へて、松葉松実を食はしむ。当時は苦渋かりしも、後ややこれに便ひ、ついに飢えず渇かず、冬も寒えず、夏も熱からざらしむ、と。
     この女を計るに、定めてこれ、秦王嬰の宮人ならん。成帝の世に至るまで二百許歳なり。すなわち将い帰りて、穀を以て食はしむるに、初は穀の臭を聞きて嘔吐せしが、日を累ねてすなわち安んず。
     かくの如きこと二年許。身毛すなわち脱落し、転、老いて死せり。さきに人に得為所れざらしめば、すなわち仙人となりしならん。
    (抱朴子)



4. 偏ってはダメ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     養生法について抱朴子にこういういましめがある。

     「およそ生を養う者は、多く聞きて要を体し、博く見て善をえらはしめんことを欲す。ひとえに一事を修むるは、必ずしも頼むに足らざるなり。また、好生の徒は、各その長ずる所によることを患えらる。
     玄素の術を知る者は、すなわち曰く、ただ房中の術のみにて、もって世をわたるべしと。
     吐納の道を明にする者は、すなわち曰く、ただ気を行れば、もって年を延すべしと。
     屈伸の法を知る者は、すなわち曰く、ただ導引せば、もって老い難かるべしと。
     草木の方を知る者は、すなわち曰く、ただ薬餌あれば、もって窮すること無かるべしと、
     学道の成就せざるは、偏枯のかくの如きに由るなり。」
     つまり、養生法は多くのことをよく理解し、また、広くもとめるべきで、一つのことだけ修めれば足るというものではないし、自分の得手とすることだけにとらわれてはならない。
     たとえば玄素の術、陰陽(セックス)の術にくわしいものは房中の術だけでよいとするし、
     吐納(呼吸)の法に明るいものは、呼吸をととのえ気を養うことだけで長生きできるという。
     また、身体屈伸を知るものは、導引(体操)さえやれば年をとらぬ、
     薬草木の方にくわしいものは、薬があれば困ることはない、とするといったぐあい。
     その道の成就しないのは、かように、一つことだけにかたより、とらわれているからだというのだ。

     なお、陰陽の術については、
    「高きも、もって小疾を治むべく、次に、もって虚耗を免るべきのみ、その理おのずから極りあり。いずくんぞよく神仏をいたして、禍を却け福をいたさんや。人は、陰陽交らざるを以て、いながら疾患をいたすべきにあらざるも、もしすなわち、情を縦にし、欲を恣にして節宣すること能わざれば、すなわち年命を伐らん。」
     ともある。ところで、現在のわが国は、健康法時代といってもよいくらい、いろいろの健康法や、雑多な健康器具がいわれ、これさえ心得れば健康長寿まちがいなし、といった説もなされている。もちろん、それぞれ根拠はあるのだろうが、やはり一方的なものが多く、それだけで必ずしも目的をたっしえられないことは、この抱朴子のいましめのとおりだ。いかなる場合でも、心、身、食の三元の合理化・自然化を忘れてはならぬと思う。
    (54・1)



5. タバコをやめたはよかったが

     64才の会社々長。10年まえ、230もの高血圧があったのが、無塩食にしてよくなっていた。ところが、さいきんになって胸苦しい発作がおきだした。ややふとりすぎで、血圧は190/85。尿には異常はない。どうやら狭心症のようだが、原因は、昨年発心してタバコをやめてからふとりだしたためらしい。
     よく知られているように狭心症にも、心筋梗塞にも、禁煙は絶対必要とされている。しかし、タバコをやめると食欲がさかんになることと、淋しさのため、甘いものに手を出しだすなどで、よほど気をつけないと、ふとるだけか、栄養のバランスまでくずしてしまい、かえって血のにごりを増し、血管の変化を誘発することにもなり、タバコをやめるのもよし悪し、といったことになりかねない。

    (54・6)



6.  川崎病(MCLS)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     ちかごろ、小児科で問題になっているものに川崎病(MCLS)がある。急性の熱性病で、結膜や口腔などの粘膜、皮膚、淋巴節に、めだった症状が出るので、粘膜(Muco)・皮膚(Cutaneus)・淋巴節(Lymphnode)・症候群(Syndrome)の頭文字をとってMCLSとよばれている。
     はじめは、多くの発疹性熱病のように、タチのよいものとかんがえられていたが、心臓や血管がやられ、ポックリ死んだり、数ヶ月〜1年も後で心筋梗塞の発作が出たり、弁膜が悪くなるなど、ウッカリできない、恐ろしい病気であることが知られて来た。
     原因はまだわからず、的確な治療法もない難病の一つ。

     ところで、この病気は、近々十年あまりまえ初めて気づかれたものであり(昭42年、東京日赤の川崎富作博士が報告された)、日本国中にひろがっている。韓国やハワイ、アメリカ本土にもたまにあるが、ほとんど日本人か日本に関係のあるものばかり。つまり、日本または日本人特有のもので、それ以外には、世界中のどこにもあまりないものらしい。
     ということは、どうやらこの病気が、ここ十数〜二十年来のわが国の、ほかに類をみない環境汚染や日常ことに食生活の変化などとかかわりあいのあることを示すものではないだろうか。すなわち、大気・水・土・食品のよごれが甚しくなったこと。妊産婦の食べものが、精製穀・肉・糖にかたより、熱量・蛋白質にはとむが、ミネラル・ビタミンに乏しい不完全食であるうえ、有害有毒であるかも知れない既成食品・インスタントものが多くなっていること。アルコール・タバコを嗜む女性がふえていること。薬の乱用されていること。新生児の多くは、ただちに人工栄養を強いられ、初乳はもとより母乳さえも十分にあたえられてないこと。離乳後の食また妊産婦食と規をひとしくしていること、など。といった欠陥栄養の結果、代謝の異常、悪血(血の濁り)をまねき、子供の抵抗力・免疫能をそこない、神経(自立)系の変調をおこし、ものごとに感じやすい(アレルギー性)体質になっており、そこに、何らかの原因が加わって、こうした異常につよい反応をもたらすことになるのではあるまいか。ともあれ、本病の予防には、母・児ともに、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁といった、安全かつ完全な栄養をとるべきだし、治療にあたっても、せめて青汁だけでも十分にのませてみてほしいと思う。

    (51・2)



7. のぞき見記、米国編(3)
前回参照

     高知センター 野村 嘉彦 

     ラグナビーチでは3月とは言え、もう多くの人々が浜辺で甲をほしていた。なかでもビキニ姿の女性が殆んどであって、すでにいい色に仕上っている人もいたりして、澄みきった南カリフォルニアの空気と紫外線の強さをあらわしている。ここらあたりはメキシコ国境に手の届きそうな位置にあるので夏も一足早いのであろう。
     ヒル氏は、ここが大変お気に入りとのことで、しばしば家族でウィークエンドをすごしているという。周りでは子供達が、何人もいて、あちらこちらでスケートボードを楽しんでいる。
     遠くの海に黒々とした帯状のものが浮遊しているのを発見して、あれは何だとヒル氏にたずねると、即座にペトロリューム(石油)という。最初、日本的に廃油かなと思っていたら、そうではなく、どうやら天然のものらしい。何かの原因で海面に浮遊したらしいのだが、今頃、このあたりは米国でも特に石油の供給事情が悪く、新聞でご存知の如く、1時間以上、スタンドにならばなければならない由。さぞかし、海の上の石油をうらめしく眺めていることであろう。ただし我々が渡米した当時は、全く平常であったが、テレビ等のニュースでさかんに先ゆえの深刻さが報じられ、7月には15パーセント以上値上りすることがいわれていた。その時点では確かガソリンがリッター、40円くらいであったと思う。

     ニューポートビーチのハーバーまで来ると、丁度、ボートショウの期間で、大小さまざまなモーターボートとヨットがところ狭しと並べられていた。ボートに関心のある田辺氏は、ものほしげに喰い入っていたが、すべて素晴しいものばかりで、値段もさぞかしであろう。ちなみに値段を聞いてみたが「代理店に聞いてみないと……。」と仲々いってくれないが、色々聞いているうち、およそ日本で買う小売価格の3分の1くらいではないかと想像された。
     このハーバーのすぐ前の一風変ったレストラン。何と表現していいのか、近代的なスマートな建物とわざと全く反対のイメージで、遠くから見ると、古い建材をつぎはぎにして建てたような建物で、それでいて調和がとれて、何となくおくゆかしさを表現しているのか、表玄関には竹のしげみがあり、東洋的な感じもあったりして、とに角そこのところはよくわからない。中に入ると、倉庫のような、船倉のような雰囲気のところにテーブルが並べられている。しかし座ってみると結構落着いた気分で、周りのものが調和されて見える。名前は忘れたが、仲々名のあるレストランとのこと。このレストランで昼食をとりながら、段々と話もはずんできた。この頃になると、永らく使ってなかった小生の英会話もだんだん慣れてきたようであり、また当初の緊張も次第にとれてきたようであった。

     田辺氏と小生は昨夜と同じくドデカいサラダをぼりぼりほうばった。それでも半分食べた頃には、ため息まじりで食べなくてはならなかった。確かシュリンプサラダであったと思う。きうり、レタス、トマトその他の野菜に小えびが入って、そのボリュームは、多分、遠藤先生が西ドイツで出されたのと同じくらいの量であったろう。カリフォルニアは、野菜・果物の産地だけあって、さすが新鮮でおいしい。野菜もすべて露地もので、カリフォルニアの太陽を充分吸収したものであろう。書き忘れていたが、オレンジジュースのおいしいことは、この上もない。以後帰国するまで、田辺氏も小生も毎食オレンジジュースは欠かせないものとなった。

     「試験に使うケールは三箱用意してあります。昨日我々で早速ケールジュースを作って試飲までしました。首尾は上々でした。今日早速我社に来てもらってテストしましょう。各メーカーの担当者も呼んであります。」
     ということで、我々は、その手廻わしのよさと、スピーディーなアメリカン・ビジネスに、あらためて感心させられた。同時に今回の渡米の目的の成果に確かな手ごたえを感ずることができた。
     渡米前、日本の商社員で、農産物輸入のエキスパートであるO氏にいろいろアドバイスを受け、カリフォルニアではケールは栽培されており、市場にも出荷されている。おそらく食用に供せられているであろう。ということを聞いていたので、格別驚かなかったが、とに角、米国で、少なくともカリフォルニアではケールが栽培され、食用に供されていることは事実なのであります。
     ヒル氏にもケールの用途をたずねたら、詳しくは私も知らないが、多分、食用(生食)であろうという返事であった。但し、後でわかった事だが、そのケールはちぢみケールの類の小さな型なのだが、これなら食用に適しているようだ。それから田辺氏が渡米前、遠藤先生に予備知識として「米国では我々の言うツリーケールはコラードと呼ばれている。」と教えていただいたことが、その通りで、後でヒル氏にツリーケールのことを説明したが、どうもぴんとこなかったようで、コラードというとすぐ理解してもらえた。

    (つづく)


次回参照

8. 大酒飲みの女性の妊娠中の治療

     最近は、わが国でも女性でアルコールを嗜む人は少なくないが、アメリカのBoston市立病院のRosettらは、大酒飲みの妊婦の妊娠の経過に関して考察を加えている。
     彼らの妊娠外来に登録されている症例の9%が大酒飲みであることが判明し、この点の治療も加味して経過を観察した。また、小児精神科医が別に322例の新生児をチェックしたが、その母親の42例は大酒飲みであった。先天性異常、発育遅延、または機能障害などの率は、上述の42例では、酒を嗜まない、または適度の飲酒の女性の場合の2倍であった(P<0.01)。
     42例の中では、妊娠後半期に禁酒、または減量できた母親が15例であった。この15例では、残りの相変らず大量を飲み続けた27例に比べ明らかに新生児の異常が少なかった(P<0.01)。ながい飲酒歴の婦人でも、妊娠中は納得させて、量を減らさせることは可能である。しかも、それが妊婦にも新生児にも好影響を与えることを考えれば、熱心な説得の努力はぜひ必要といえよう。

    (Rosett,h.L.,et al.,Obstet.Gynecol,51:41,1978)
    中外医薬 昭54・1月号)



9. “無農薬”に徹して80歳で医者不要
  食事の半分は玄米など穀類 私の自然食ライフ

     ハリウッド往年の大女優 グロリア・スワンソンさん

    肌がきれいな秘けつは
     無声映画を中心に百本近い映画に主演し、戦後、奇跡のカムバックといわれた「サンセット大通り」ではアカデミー主演女優賞を獲得したグロリアさん。1899年生まれ、といいますからことし80歳。しかし、目の前に現れた彼女は、背筋をシャンと伸ばし、艶のある肌といい、年齢を感じさせません。

     「こんなに長生きできたのも、自然食を基本にした食生活のおかげと思います。ここ十何年、医者を訪れたこともありませんし……。でも肌がキレイと言っていただけるなら、これには秘けつがあるの。毎晩、私はメーキャップを落としたあと、熱いタオルで顔を蒸し、サボテンでできた石けんをつけてナイロン製タオルでゴシゴシこすります。そのあともちろん全身も。古い皮膚細胞が全部とれていくようでとても気持ちいいワ。そのあとは何もつけず眠るだけ」
     しかし、その古い細胞を洗い流す水が、最近、フッ素や消毒液で“汚染”されて、思う存分使えないのが残念、と。ともかく、化学物質に対して非常に神経質。とくに、こと食べ物となると、自分でも「狂信的」と笑います。そもそもの発端は50年前。「あるお医者さんが、病気を治すのは自分の体の力。その手助けをするのは薬より食生活、と教えてくれたのです。で、言う通り菜食中心にしたら、悪かった胃の調子がすっかりよくなりました」しかし、このころは女優として最盛期でもあり「まだまだ中途半端だった」とか。彼女が変わったのは40歳になってから。

    食事でなおったしこり
     「子宮に何かしこりが出来たとき、多くの医者が子宮摘出の診断をしたのに、前のお医者さんだけはたん白質をひかえたら治る、と言ってくれたのです。女ですもの、だれだって子宮がなくなるのはイヤでしょ。で、2年間、動物性たん白質を全くとりませんでした。そしたらどうでしょ。しこりがなくなっちゃったの。ちょうどそのころ、DDTなど農薬が盛んに使われるようになって、私は本能的にこわさを感じたから、食べ物に細心の注意を払うようになりました。いま世界にあふれているガン患者も、食生活で治る人が多いんじゃないかしら」
     近代医学の中で生きているものとしては、にわかに信じ難い話ですが、ともかく彼女は二度の“体験”を通して自然食に傾き、数年前、玄米正食運動に共鳴するご主人と6度目の結婚をしてからは、完璧な自然食主義者に変身したのです。

    たん白質も植物性だけ
     現在の食事は、ソバ、玄米、アワ、ヒエといった穀類が半分。あとは無農薬野菜、そしてトウフ、大豆といった植物性たん白質だけ。ゆでる野菜は水が“汚染”されているので、すべて蒸して。パンを食べるときは、無農薬の小麦を買ってきて、自分でひき、焼き上げるという用心深さです。
     「私の好物はトウフにゴマ、梅肉をすり込んだマヨネーズ・ドレッシング、ミソにゴマ・バターとネギをきざみ込んでクラッカーなどにぬるミソ・ペースト、アーモンドにしょうゆをつけて焼いたおつまみ…。日本は本当にすばらしい健康食品の宝庫だと思います」
     その日本で、ミソ汁をスープの素にかえ、トウフをビーフステーキにかえる食生活を垣間見て―
     「なぜ、そんな毒されたアメリカのマネをするんでしょう。インスタント食品で少々時間がういたって、命にかわるものではないのに。この世の諸悪の根源は、メーカーの金もうけ主義と人々の無智にあると思います」
     大きな青い瞳でこちらをのぞき込み、細くしなやかな指を宙に泳がせての熱弁。
    (54・5・25 サンケイ)



10. 食料当面の間違いに対処するには(10)
前回参照

     友成 左近 

    (おことわり 本稿は10月掲載の予定のところ、編集のミスで前後しました。おわびします)

     当節市販の食料にはいろいろ重大な間違いが伴なっているので、そこに対処して健康を保っていくには、さしづめ日々の食料調達にあたって、その実状を、食料の諸要件をあげて吟味して、間違いを最少限にくいとめるように選択することが大切ですが、そのうち成分と安全と味わいの三面については前記の通りです。

    価格面について
     ついで第4は価格面についてですが、価格面の間違いというのは、高価であるということです。が、これは前記の三面と意味あいがちがって、食料それ自体の性質よりも、人間の側の経済的な側面にかかわることであって、その高い安いは、ひっきょう人その人の家計の貧富や、食費支出についての考え方にかかわることです。
     ところで食料は、人々めいめいなにより大切な健康に直接深くかかわるものであり、また、おいしいものを食べることは、人々だれにも人生最大の楽しみであって、生活必需品のうちで最も重要なものです。従って食料は、成分が優れ、また安全で、さらに味わいも優れていると共に、もうひとつ、そうしたものが広く人々に、家計でそうムリせずに買える値段でなければなりません。けれども当節、そうではないのであって、高くて困るというのが広く人々の実感です。

    高価な事由
     それにはいろいろ事由があるわけですが、要約すれば食料は、生産も流通も、衣料などのように専ら営利を目的にした一般商品には、その性質上なじみにくいところがあるのですが、当節の社会経済では実情不可避的とはいえ、一般商品と全く同列視され、従って、食品大企業があらわれて、全国的大規模で取り扱われているからであり、そして人々も、それに安易に依存しているからでしょう。
     従って、加工食品とりわけ既製食品がますますもって多種多様にわたって大量に市販されています。そしてそれが、広く人々の好みに(これにはいろいろ間違いが伴なっているのですがそれは度外視して)迎合もし刺激もして不安不当なまでに加工もし包装もし、また盛んに宣伝されています。ために、家庭の炊事に手数はは省けるでしょうが、それだけ(原材料に比べてはるかに)高価になっています。
     それに殆んどすべて、生産原価を引き下げるために、粗悪材料を使ったり、代用品や増量剤を加えたり、従って見た目のよさや味わいを補ない、また保存をはかるため、あれこれと添加物を使っているので、それだけ成分や味わいに比べて高価になっており、そのうえ危険なものにもなっています。
     また原材料も、まず水産物では、人々の高級品志向に迎合して、たとえばハマチなどのように、イワシやサバなどの大衆魚を飼料にした養殖ものが多くなっていますが、それだけ高価になっているだけでなく、ために大衆魚が少なくもなり高価にもなっています。
     また畜産物では、ただひたすら増産をはかるため、あたかも工場のような大規模施設で、その生理にそわないムリな飼育をしているため、多量に市販されてはいますが、成分や味わいに比べて高価になり、そのうえ危険なものにもなっています。
     さらに農産物では、人々の初もの志向や季節度外視に迎合して、たとえば冬場のキウリなどのように、特別の施設や燃料や手数をかけて栽培し、それだけ高価になっているものが多くなっています。また広く野菜では、人々の見た目のよさ好みに迎合して、成分や安全や味わいよりも、ただひたすら見た目がよくなるように、特別に手数をかけ、また危険な農薬も使って栽培し、さらに選別して、それだけ高価になり、また危険なものにもなっているのが多くなっています。そのうえ不要不当な洗浄その他の処理までして、それだけ高価になり、しかも成分も持ち味も著しく損失したものが多くなっています。従って、在来通り季節にあわせて栽培した、安価で、成分も持ち味も優れ、また農薬は使わない安全なものが、なにほども市販されないようになっています。
     そしてこうした点、果物についても、さらに広く農産物についても同様です。もうひとつ、冷凍その他の保存技術と、輸送機関や物流システムの発達に伴なって、全国的大規模で流通するようになっています。従って、供給はよほど安定してはいますが、そこには実状不要な経路が多く、また企業が高値操作もするため、それだけ高価になっています。そして当節、多種多様にわたって豊富に市販されているのに、なんとも高価であるのは、実は主としてこうした流通に基因しているのであって、生産者価格はそう高くはないものが多いのが実状です。

    調達上の心がけ
     そこで消費者としては、こうした間違いを是正するため、生協や産直その他広く社会的政治的な活動を推進しなければなりませんが、さしづめ日々の食料調達にあたっては、要約つぎのように心がけることが大切です。
     まず基本的な心がけとしては、ただ安易に市販のままに調達することなく、本当に成分が優れ、また安全で、さらに味わいも優れたもの、そしてそのわりに安価なものをと、よく吟味して選択することです。
     そして、こうした食料への支出はおしむことなく、代わりに、その他の食料には、さらに広く生活各面でも、心身ともに健やかに生活していくのに、そう必要でないもの、ましてや不要有害なものへの支出をひかえることが大切です。
     従って、加工食品とりわけ既製食品や、世にいう高級品や初ものや季節はずれのものは極力さけて、余計な人手のかかっていない季節の原材料を調達して、調理は家庭ですること、そして、その手数はおしまないことが大切です。そして、食料それぞれの栄養上のねらいを考えて、たとえば主として蛋白質をねらっている牛肉が高くなったときには、不平をいいながらも調達することなく、そこは適宜、豚肉や鶏肉や鶏卵に、さらには大豆にというふうに、栄養円価の安いものに切り替えること、そして、それで食事がけっこう楽しめるように調理を工夫し、また好みに幅をつけることが大切です。
     その他いろいろありますが、念のためもうひとつ、良質で安全な青野菜は(人々の好みに合わないためか、物流システムに乗りにくい軟弱野菜であるためか)、なにほども市販されていないのですが、栄養上それ相当量に必要不可欠であるので、事情が許す限り家庭栽培に、あるいは少々高価についても委託栽培に心がけて、必要なだけ十分調達することが大切です。もしこれを怠ると、せっかく家計に工面して調達した食料が、栄養には十分利用されないため、それだけムダになり、そのうえ未利用分が健康に障害を及ぼすからです。

    (つづく)


次回参照

11. テンカン

    某大学生
    軽い発作があり、脳波の検査でテンカンと診断された。遺伝関係も、頭部の外傷をうけたこともない。両親が大変心配され、相談をうけたので、「ともかく青汁を」とすすめておいた。どれくらいたってからだったが、「熱心につづけているうち、発作はおこらなくなり、脳波も完全によくなった」との報告をうけた。高所から墜落し、その後遺症として、20年間つづいていたテンカン発作が、青汁約4ヶ月で、おこらなくなった。ほかにも、青汁でよくなった、あるいは、前兆があらわれたときすぐに飲むと、発作がおこらずにすむ、というしらせもうけている。

    10才の女児
     たびたび発作がおこるので、ずっと薬をのんでいる。頭部のレントゲン検査でなにか小さいものが見える、といわれたとのこと。母親の大腸にポリープがあり、その同胞にもあるということなので、頭の小さいものも、あるいはポリープ様のものであり、それが発作の原因になっているのかも知れない。が、ともかく、青汁中心の食養生をすすめ、なお、菓子が大好物というので、間食はクダモノにし、味つけもうすくすること、青汁は、少なくとも一日2合、もとのナッパ500グラム(もっと多い方がよいが)はのんでみてほしい、といっておいたのが54年の1月。5月になってうけた報告では、さいきん殆んどヒキツケなくなった、とのことであった。

    (54・6)



12. 病気のもと

     医学博士 遠藤 仁郎 

     文明のすすんだ、このありがたい世の中に、不健康なものや病気のものの多いのは、食のあやまり、運動不足、精神的ストレスの過剰など、現在の、あまりにも不自然・不合理化された日常生活にあり、これをあらためないかぎり、真の健康はえられるものではない、とかんがえられるが、仙道でも、同じことがいわれている。
     仙道の古典、抱朴子には、「人の無道にして、体すでに、素より病めるを、風寒暑湿なるものによりて、もってこれを発するのみ、いやしくも、よく生気をして衰えず、形神相衛らしめば、よく傷ることなきなり。」
     玄道子の仙語録には、「病気をもったり、体の或る部分に弱い箇所があったりするのは、殆んどが、其の人の過去の生活の誤り、つまり、マイナスの生活の結果である。何がマイナスさせたかを反省することなく、医薬だけでこれを治さうとしても治るものではない。」
     また、「医者は薬といふ外物で病気を治さうとする。行者は病人の生命力を引き出すことによって、病気からその人を救ひ出さうとする。前者の場合、病気は何度でもぶり返へすが、後者にあっては病気は消えてなくなる。」と出ている。

    (53・12)



13. 青汁とヨーロッパ旅行

     越智 廓明 

     6年間も病臥していた娘が、昨臘、家内と松山市内を歩いていて、ふと、通りかかりの開店祝いのクイズに応募したところ、思いもかけず、娘の方が当選。ヨーロッパ十日間の招待旅行をうけた。娘はこの1年、だいぶ良くなってきたところであったし、医師の励ましもあったが、不安でもあり、私ら夫婦が付添ってと、親子3人での決行を思いついた。
     出立2〜3日まえから、青汁錠剤を娘がはじめて飲み出した。私は三門建立の大事業の後で、10年間の青汁飲用も、今回だけはとだえがちになり、錠剤で補いもしたが、出立20日位まえにカゼにかかり、気管をおかされたままの旅行となった。二瓶用意して、家内と3人で、10日間のみつづけた。機内食から旅行期間中の美食攻め。私ども田舎ものには、また、高血圧、胃腸のよわいものには、国外10日間もの旅行は、症状悪化も、と気がかりだった。
     2月27日、成田発。途中、マニラ、バンコク、ドバイに、乗員交代等で一休み。ギリシアのアテネに、24時間めくらいに到着。夜明けであった。着後、ホテルにて9時まで休憩。アテネ市内観光(オモニカ広場、シンダグム広場、アクロポリス等)。タベルナのディナーショー。アテネ泊。
     3月1日、エーゲ1日クルージング。帰着9時。ホテル泊。3月2日、アルゴリス日帰りツアー。7時半出発。海岸で魚料理の夕食を満して、9時帰着。
     3月3日、アテネよりパリへ。アムステルダム経由。のりかえ。夕刻パリ着。中心部の駅まえの典雅なホテル。
     3月4日、午前中市内観光。ベルサイユ宮殿。夜は、9時より、リドのナイトショウ。1時終了。
     3月5日、ロワール河古城めぐり。夜行寝台列車でスイスへ。23・05発。
     3月6日、ジュネーブ着7・10。着後ホテルへ。モンブラン登山。ジュネーブ泊。
     3月7日、午前ジュネーブ発。アムステルダムより北廻り、アラスカアンカレッジ経由8日3時成田。8時半大阪空港着。

     ギリシアは治安もよく、のどかな国のように思えた。医学のふる里、音楽、体育のふる里、紀元前の世界最古の遺跡、博物館等を通じ、ガイドはアテネ大学の日本人学生にて、とても、よい勉強になりました。アルカリの風土、山も土も野菜畑、果物、牛乳、オリーブ。それにワイン。肉食とのバランスがうかがえた。私は、郷に入っては郷に従えで、ワインをよく飲んだ。自動車運転手も、良識で許され、お茶代りのようである。
     アジアとヨーロッパの接点ギリシアでは、神像が仏像によく似通っていた。私は、思わず当寺本尊仏、宝冠釈迦如来(太子時代)の写真額をもち出し、ガイドさんと、東西の話を交した一コマもあった。東洋のエンマ大王のさばきに似た神像もあった。蛇をつかって病気をなおす神像、医のふる里。紀元前の資料博物館に公開されていた。
     さて、私は、カゼを仲につれまわり、もし、青汁を持参しなかったら、難渋したことと思う。10日間1日も欠かさなかったのは早朝の快便。家内は肝臓の前科。モンブラン登山に登山病を懸念したが、ことなく。張本人の娘も、さいわいに、よく飲み、元気で過せたのも、大阪センターの錠化青汁のおかげに負うところ大であったと、感謝にたえない。



14. 一足さがる

    岡山県 S.N. 

     せまい通路で出くわすとき、われわれ年寄は、たがいに立ち止って、譲りあうのを礼儀と心得ている。が、今は、わかい女性でも、何の会釈もなく、からだをくねらせ、お尻をぶっつけても、突進して来る。その勇ましさも、それなりに結構というものかも知れないが、一足さがる雅量がもてたら、このせちがらい世の中も、ちっとは住みよくなるだろうに。



15. 正月の顔はれ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     正月の前後に、特別な原因(心臓や腎臓の病気など)がないのに、朝のねおきにマブタや顔がむくんでいたり、手がハレぼったく感じ、しばらくするとなくなる、といったことがよくある。ことに老人に多い。たいていはモチや菓子のためだ。それは、澱粉や砂糖に、水分をからだにとめるはたらきがあるからだ。
     菓子やモチでよくおこるのは、つい食べすぎになりがちだからだし、老人に多いのは、水分がたるんだところにたまりやすいからだ。くれの28日の外来に、「時々マブタがはれる。心臓が悪いといわれているので、そのためではないか」といってみえた70すぎの方があった。なるほど、心電図にはかなりの異常がある。しかし、運動しても動悸も息切れもない、とのこと。で、菓子やモチの話をすると、「いやァ、それがとっても好きなんで」と頭をかいていられた。

    (53・12)



16. 青汁12年

    山形市 K.M. 

     青汁を服用するようになりまして12年。おかげさまで、健康で、毎日しあわせな生活をしております。友達にもずいぶんすすめて、よろこんで飲んでおります。ながい間つとめていましたが、今年、ぶじ退職しました。今年こそ、ケールを自分でつくってみたいと思います。



17. 25年もの皮膚病

    高知県 K.M. 

     私は10才の時、突然、皮膚病にかかり、皮膚科という皮膚科はほとんどといっていいほどたずね歩きました。はっきりとした病名もつかぬまま、夏は汗がしみ火傷のように痛く、冬はといえば傷の口が赤切れのようになり、血がにじみ、体全体が、およそ人間とはいいにくいようでした。
     あれが利くのではないかこれが利くのではないかと人々に聞くたび、どんなものでも飲んでみたり、つけてみたり、あるときは祈祷もして頂きました。ほとほと身も心も疲れ果てて、25年余にもなりましたが、今年の春、石川さんに「青汁を飲んではどうか」と声をかけて頂きました。でも、どうせ利く筈はないと思い、その気にもなれなかったのですが、「是非飲みなさい!」といわれて、半信半疑で飲み始めました。
     25年余もなおらなかったのです、すぐ利く道理がないと思っていたのですが、飲み始めて2ヶ月目頃から、少しずつ、少しずつ消えだしたのです。ついでのように、貧血で倒れることもなくなり、時々痛かった頭痛もなくなりました。青汁を飲み始めて6ヶ月目になりましたが、体は全体に良くなり、まだ足に少し残っているくらいです。今は、「是が非でも」と勧めて下さった石川さんが救いの神様です。
     松本さんに青汁をすすめた石川さんによると本年2月頃の皮膚の状態は、足首、手先、首、及び顔面は正常な状態で、この外の部分は(被服に覆われたところ)大小の地図模様が、赤くケロイドのような状態で、夜床に就くと、体全身にチクチクと針を刺すような痛があったそうです。
     飲用(一日2合)后2ヶ月ぐらいして、皮膚をみせていただきましたところが、ケロイドのようなところはほとんど消えて、足に少し残っているだけの状態で痛もなくなり、本人は勿論のこと、子供さんも大変喜んでいます。



18. 今年こそやりたい

    浜松市 M.Y. 

     食品公害があちらこちらで叫ばれ、自然食品のすすめ、緑黄野菜の必要性が、あらためて見直されてくるようになりました今日、すでに30年もの長い間、その必要性を断固とした姿勢で説き続けていられる先生には誠に敬服いたします。
     8年前、先生の著書“青汁と健康”を拝読いたしましたが、現代医学のみを信じていた自分が恥しく、余りにも無知であったことを大いに反省することが出来ました。以来、何時の日か青汁を実践したいと思っていましたが、ようやく今年から実現することが出来ました。すべて貴著を基本的教科書としていますが、本当に判り易く、長年のご努力は計り知れないものを感じられます。



19. いいようのない悦び

    倉敷市 U.O. 

     過日、中国四国ブロック(助産婦)の研修会に高知市へまいりまして、短かいふれあいの時間に、青汁のお話をする時をあたえられ、一人でも多くの人が健やかに過すためのお役に立ちたいと、ケールの種や、新聞、本など持参いたしました。
     また、本日は、保健所へ連絡にまいりましたら、ケールの種がほしいと、私が来るのを待っていたとのことで、早速、移植に適当な苗とケールの種をご希望の方に差上げました。青汁をしばらく休んで体調がよくないので、青汁のありがたさが解られたといわれる保健課の係長さんのおすすめで、総務課長さんもお飲みになられるそうです。
     一人でも多く健康で、毎日希望ある生活ができますよう祈りつつ、お役に立つことができるのは嬉しいです。小さい体験をお話しいたしながら、青汁の効用を知る人の輪の広がってゆく嬉しさは、いいあらわしようのない悦びでございます。



20. 82才で胃の大手術

    大分県 H.N. 

     昭和38年より青汁を愛用して今日に至っておりますが、お蔭で現在は健康で毎日を感謝で過しております。老骨82才の10月、胃潰瘍で手術を致しましたが、45日目退院し、今日に至っております。(84才)これ全く先生より頂いたケールの種の賜物であります。本当に有りがとうございます。本年産のケール種を送ります。粗末ですが、希望者に差上げて下さい。



21. 質問箱


     寒い季節には、つめたすぎてのみづらいのですが、ぬくめてはいけませんか。


     火にあてたり、湯につけてぬくめるとその間にビタミンCがこわれます。熱い湯・茶・みそ汁・牛乳などをさしてぬくめて下さい。



 コラム紹介

    長生を求めんと欲する者は、
    必ず善を積み、功を立て、物に慈心あり、
    己を恕して人に及ぼし、仁昆虫におよび、
    人の吉を楽しみ、人の苦を愍しみ、
    人の急を賑わし、人の窮を救い、
    手は生を傷らず、口は禍を勧めず、
    人の得をみること己の得の如く
    人の失をみること己の失の如く、
    自ら貴しとせず自ら誉とせず、
    己に勝るを嫉妬せず、
    陰賊を侫てんせざらんと欲し、
    かくの如くにして、すなわち有徳となれば、
    福を天に受け、作す所必ずなり、
    仙を求むること冀うべしといわるるもの無し。

    仙を求めんと欲する者は、要するに、
    まさに忠孝、和、順、仁、信をもって本と為すべし。
    もし、徳行修らずして、ただ方術を務むるも、
    みな長生を得ざるなり。

    抱朴子



    仙道は人生の老病死苦を脱却し、
    生きる喜びをあらゆる面に味ふためのもの、
    超人力と称するものを発揮して人を驚かすのが目的ではない。
    最も健全に、最も純粋に生きて、悔ひなき生を完成する
    これが修仙の目標である。
    そしてその方法として還自然道をゆくのである。
    一切の人為を捨てるのである。
    仙道とは無為自然の道である。
    為にする所なく、おのづからなる道。
    智慧といふ人為の加はらない自然のままを行く道。
    当り前を当り前に行し得て始めて仙道は成就したといへよう
    仙語録



    仙法はひろく八荒を愛し、
    人を視ること己の如くならんことを要す
    抱朴子




    汝の信ずるごとく汝になるべし
    キリスト


    奇績を信ぜぬ者には奇績なし
    フランス俚諺




    盈つれば久しかるべからざるなり
    易経



    小生は元来甚しき疳癪持ちにて狂人になる事を人々患へたり。
    自分此事に気がつき他人が病質を治せんとて
    種々遊戯に身を入るるもつまらず、
    宜しく遊戯同様に面白き学問より始むべしと思ひ、
    博物標本を自ら集る事にかかれり。

    これは中々面白く
    又疳癪など少し起さば解剖等微細の研究は一つも不成。
    此方法にて疳癪をおさふるになれて
    今日迄狂人に成ざりし
    南方熊楠全集10、271



    心だに誠の道に叶ひなば
    祈らずとても神や守らん








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