| |||||||||||
食品の発癌・制癌性インデックス | |||||||||||
食品の発癌・制癌性(1) | |||||||||||
食品の発癌・制癌性(2) | |||||||||||
食品の発癌・制癌性(3) |
|||||||||||
|
|||||||||||
1. ワラビを食べた牛の乳 | |||||||||||
|
|||||||||||
2. こうしたら癌も防げるのでないか(5) | |||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
食塩がすぎると胃癌になりやすい。 わが国に胃癌が多いのは塩からいもの(味噌汁、漬物、塩魚など)のとりすぎのため、といわれている。 なお、味噌、醤油には、原料大豆粉、および添加物(着色料、調味料、保存料など)。漬物でも添加物に問題。 せめて、漬物や味噌は自家製の安全なもの。 また塩も、なるべくは、安全な海域でとれた天然塩にしたい。現在市販の食塩は、殆んど純粋のクロールナトリウムだが、天然塩には、その他、海水にふくまれるすべてのミネラルがそろっている。 甘味料
砂糖そのものとしては発癌性はない。 栄養的には粗糖(赤・黒砂糖)や糖蜜(粗糖から砂糖の結晶をとった残り)、蜂蜜がよく、蜂蜜には抗腫瘍性(発癌に抵抗する性質)もいわれている。 しかし、そのいずれにしても、すぎると栄養のバランスをみだすという点で、一般抵抗力をよわめ、発癌をたすけることにもなりかねない。 人工甘味 ズルチンもチクロも、発癌性の故に禁止された。 サッカリンも、少々あやしいらしい。 酸味料 市販の食酢は殆んどが合成品。石油コンビナートでできる氷醋酸をとかして、調味し着色したもの。必ずしも良質・安全とはいいきれない。 なるべく純粋の醸造酢、米酢。 もっともよいのは、農薬に汚染されない果物酢。レモン、ダイダイ、スダチ、ナツミカンや梅酢など。 脂味料
マーガリンでは、さらに、液状植物油を固化する(水素添加)さいの、触媒につかわれるニッケルカーボニ−ル(肺癌を原因する)が残ってはいないだろうか。 ピーナツバター カビ毒(アフラトキシン)混入のおそれがないではない。学校給食用には、それがため、禁止された、と聞いている。 マヨネーズ 着色料、保存料はどうか。 植物油 抽出溶媒ヘキサン(発癌性がうたがわれている)の残留。脱色、脱臭につかわれる薬剤(PCBその他)の残留。あるいは混入はどうか。 昔ながらの、安全・純粋の圧搾油がほしいものだ。 そこで、揚げもの用の油はともかく、サラダの調味用には、しぼった油よりは、むしろ、もとの大豆(キナ粉)、胡麻(いりゴマ)、南京豆(カビのつかない)、胡桃など、そのままをすすめたい。 香辛料 強烈なものは刺戟になるほか、発癌性もあるようだ。 トウガラシは肝癌の発生をすすめるというし、胡椒の成分ピぺラジン(アミンの一種)からは、亜硝酸塩によって、胃内で発癌性ナイトロサミンができる。 ダシ 化学調味料に安全性に疑問があることは上記した。 むしろ、昆布、椎茸(抗腫瘍性成分がある)、鰹節、ダシジャコなど、安全な自然物のダシにしたい。(つづく) |
|||||||||||
3. こうしたら癌も防げるのでないか(6) | |||||||||||
嗜好品としては最高。ただし、問題は農薬と加工。たとえばミカンのワックス処理。パラフィンが塗ってあるわけだが、精製したものはよいが、不順な粗製品には発癌性がある。その他、色素もつかわれている。 菓子 菓子で問題になることは、 コーヒー コーヒーの主成分カフェインには、染色体をこわす作用があり、ちょうど、レントゲン線ににているといわれている。しかしカフェインは茶にもあり、薬用されてもいるほどだから、まず問題はあるまい。が、焦がしたコーヒー豆には、有力な発癌性物質3・4ベンツピレンなどを含む煤がついている(この煤を吸入させたモルモット25頭のうち2頭に膀胱癌、5頭に悪性の損傷がみられた)。 そして、南米に胃癌が多いのは、幼い時からコーヒーを飲んでいるためだとする説もある。また、膀胱癌とコーヒー飲用の関係をしらべたCole博士によれば、一日一杯以下のばあいに膀胱癌にかかる危険度は非飲用者と大差がないが、それ以上の飲用者では、男性では1.24倍、女性では2.58倍多い、という(ランセット誌、1971・7・26号)。 これらの点からすると、コーヒーは飲まぬにこしたことはないが、飲むにしても、せいぜい一日一杯くらいにしておく方が無難といえそうだ。この点、茶、緑茶、番茶のほうが安全。癌によいという草茶ならなおよいだろう。 酒 アルコールそのものには発癌性はない。しかし、食道癌や胃癌には、酒好きの人、ことに強い酒のグイ飲みをする人に多いようだ。強いアルコールでは、直接粘膜の損傷がおこるし、それが慢性にながくつづけば、癌発生の下地をつくることにもなろう。 南米プエルトリコに食道癌が多いのは、自家製のラム酒(サトウキビの汁を醗酵させてつくる酒でアルコール分は60〜80%)による、といわれている。 また、酒の醸造につかわれる材料に発癌性のものがあったり、醗酵中に発癌性のものが出来、あるいは混りこむこともありうる。わが国をはじめ、米食人種には胃癌や肝癌が多いのだが、米につくカビに関係はないだろうか。米には、黄変米をおこすカビ(肝臓をおかし癌をつくる毒素を出す)だけでなく、アフラトキシン(南京豆に多いカビの毒で、同じく肝臓をおかし強い発癌性がある)様の毒素を出すカビがつく。そういう変質米がまぎれこむことはないだろうか。 また、酒の醸造につかわれるカビ(日本酒やインド・南方・中国などの酒の醸造には、カビの糖化酵素が利用されている)はどうだろうか。その道の学者の研究によれば、わが国の醸造用カビにはアフラトキシンをつくるようなものは絶対にない、とのことではあるが。 もっとも、動物の実験上からは、ふつうのコウジそのものにも肝毒性があるといわれている。アフリカや欧米のビールや、それを蒸溜したウイスキーの醸造には、麦芽の糖化酵素が利用されているので、カビ毒の心配はない。しかし、アフリカの土人、ことにザンビアに食道癌が多いが、これは、彼らが飲むビールその他の酒に、醗酵の際に生ずるアミン(いろいろのものが出来る)から、発癌性の強いナイトロサミンが出来るためだ、という。 ウイスキーに発癌性がいわれているのも、同じことによるのだろうか。日本酒にも僅かにはあるが(5PPM以下)、この程度では特別の意義はおけないそうだ。 なお、酒がすぎると、直接食道、胃、また解毒器としての肝臓を障害するだけでなく、食べものがとかく偏りがちとなり、全体としてのバランスがくずれ、ために体抵抗力をよわめることになりやすい。こうした点からも、発癌にたいして不利な条件をあたえることになろう。特殊の発癌物質があればなおさらである。禁酒にこしたことはないが、せめて、せいぜい節酒することだ。 タバコ タバコの煙には、発癌性と、発癌促進性とがあり、直接には気道(喉頭・気管支)や肺を刺戟する。最近ふえた肺癌の有力な原因に数えられている。 肺癌は、シガレット(紙巻)喫煙者に多く、シガー(葉巻)やパイプでは少ない。そして、喫煙歴のながいほど、ことに若い時から吸っているほど(幼いものほど危険)、また喫煙本数の多いほど、多い。 口・咽頭・食道・胃・膀胱の癌にかかる危険があり、大腸癌は葉巻と関係があるらしい。なお、喫煙量が多いと、ただ癌が発生しやすいだけでなく、悪性度の強い癌が出来る傾向がある。発癌物質としては、ベンツピレン、ベンツアントラセンなどのほか、煙の中に数種のアミンがあり、唾液にとけて胃に入り、そこで、亜硝酸塩と化合して、発癌性の強いナイトロサミンが出来る、という。 また、喫煙で、トリプトフアンの分解産物(発癌性のある)の尿への排出が増すことが最近わかって来たが、これは、膀胱癌発生との関連が考えられている。ニッケル、カドミウム、鉛などにも問題があるようだ。 「人癌の多発原因に関する研究」をつづけている、国立癌センターの平山博士が、昭和45年6月25日、厚生省記者クラブで発表した中間報告によると、(日本医事新報、45・7・4)
という。 大気汚染による発癌は、喫煙と合併すると重大な意味をもつようになる(Lan et70.4.25) まさに百害あって一利なし。やめるか、せめて、つとめてへらすこと。最上は喫煙のくせをつけないことだ。 (つづく)
|
|||||||||||
4. フキの発癌性 | |||||||||||
|
|||||||||||
5. ソテツの発癌性 | |||||||||||
|
|||||||||||
6. こうしたら癌も防げるのでないか(7) | |||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
合理的完全食 (つづく)
|
|||||||||||
7. こうしたら癌も防げるのでないか(8) | |||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
細菌叢の健常化 (肉食では、これに反し、脂肪にとみ、植物繊維に乏しいため、腸内細菌叢異常がおこり、脂肪や胆汁酸の分解が高度にすすみ、発癌性物質を生じやすく、しかも便秘し、それらとの接触時間がながくなるのが、大腸癌の原因ではないかといわれている) なお、十字科野菜、ことにケールの類には、腸管内の発癌物質分解能(細菌性)を著しくたかめる、という注目すべき事実もある。 これらのことがらからすれば、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食は、すべての栄養分(既知ならびに未知のものも)がそろった、本当に完全な食ということができよう。 そして、それ故にこそ(また、安全食であることにもよって)、すべての代謝が完全におこなわれ、?血(血の濁り)を去り、すべての細胞、すべての組織・臓器の機能が完全となって、体力・免疫能、したがって、癌にたいする抵抗力(防衛力)も十分発揮されるのであろう(抗癌食)。 自然食をとっているアイヌやインジアンに癌が少ないこと、自然食では加工食より癌防衛力が強いという動物実験データなども、これを裏づけるものといってよいであろう。 なるべく早くから そこで、癌を防ぐためには、将来は知らず、少なくとも今日においては、発癌物質をつとめてさけ、自然的な食べ方、すなわち、天地の恵みを十分にそなえた自然食品の完全食を、自然のままか、なるべく自然にちかいかたちで食べるよう心がくべきであり、それには、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といった安全完全食を中心とすること。 そして、同時に、日常生活諸般の合理化・自然化をはかるべきであろう。そうすれば、発癌物質のすべてはとても防ぎきれないとしても、ふつうの食、ふつうの日常生活のばあいにくらべ、癌にかかる率は少なくなり、あるいは、かからずに済むかも知れない。 また、外科治療をうけ、放射線や抗癌剤治療にも、よく耐えられ、よりよい効果が期待され、再発も防ぎうるのではないだろうか。 そして、なるべく早く、若いうち、幼いうちから、いや、もっと早く、妊娠中・授乳中から始めるならば、いっそう効果的であろう。 融通無礙食 ところで緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といえば、いかにも窮屈であり、不自由きわまる、しかも、まことに味気ない、非現実的な食べ方のように思われがちだ。 しかし、徹底してやってみると、決して、そういう堅苦しい、むつかしいものではない。 私どもは、むしろ、かえって自由な、いわば融通無礙な食べ方ではなかろうか、とさえ思っている。 というのは、この食べ方は、要するに、なるべく安全で良質のものを食べようということであること。 イモ・マメ・ナッパを3本の柱にはしているが、それ以外は何も食べてはならぬというのではなく、ナッパ・青汁に十分の余裕をもたせてさえおけば、肉でも、魚でも、卵でも、飯でも、パンでも、また菓子・酒でも、安全性と分量に気をつけ、つねに合理的自然食の原則をみださない範囲内であれば、何を食べてもよいからだ。 また、この食べ方に徹底すると、何を食べても美味しくなるので、単純な献立、簡単な調理、淡薄な調味でも、少しも苦痛も不満も感じられなくなるからだ。 (つづく)
|
|||||||||||
8. こうしたら癌も防げるのでないか(9) | |||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
安全良質食品の供給 (痕跡成分は、作物のために奪い去られ、雨水のために流され、あるいは地下ふかく沈下するため、表層土壌にはしだいに欠乏して来ている)昔から、精農家が地力恢復のために深耕(いわゆる天地がえし)をやっていたのは、そのため。 また、以前、肥料として用いられた糞尿(人畜糞)、油カス、魚粉など有機質肥料には、主養素とともに痕跡分も十分あったので、その不足はおきなかった。 しかし、化学肥料(主養素のみで痕跡分は無いか乏しい)の使用が増すにつれて、その間のアンバランスがめだって来、偏った(不健康)肥沃土となってしまった。 そこに育つ作物は、外観上にはいかにも立派そうだが、質的には劣り、ただミネラル・痕跡成分の不足だけでなく、ビタミンにも蛋白質にも欠陥を生じることとなった。 そして、病・虫害に弱く、味もよくない。 これを飼料とする動物は、当然、欠陥動物になり、それら欠陥植物、欠陥動物を食べる人間の健康も完全ではありえないわけで、癌にも弱くなる道理。 なお、化学肥料には、それ自体発癌成分をもつものもあり(硫安にはベンツピレンがある)、窒素肥料ことに硝酸塩肥料では、作物の硝酸塩がふえ、亜硝酸となり、直物中で、あるいは摂取後、体内で、発癌性ナイトロサミンを生ずるおそれがある。 癌は化学肥料の使用とともにふえている、ともいえなくもなかろう。 それはともかく、これが解決には、健康土壌による健康栽培しかない。 「癌は土と水とに関係する、土が唯一の原因ではないにしても、予防は土にはじまらなければならないし、土を忘れて癌を防ぐことはできない」 健康栽培 耕地には、日当り、風通し、水はけのよい、そして農薬汚染や工場(煤煙・粉塵)、礦山(廃水)、ハイウエイ(排気ガス、鉛)公害などのおそれのないところ。 なるべく深耕、少なくとも30〜40センチ以上。 肥料には、化学肥料はさけ、堆肥を主とし、石灰(炭カル=炭酸石灰粉最適)、草木灰、鶏糞、油カス、魚粉など持久性有機質肥料。 (人糞も十分腐熟したものは使用してよい。生肥は不潔であり、寄生虫の危険がある)。私どもは、これを、健康農法とか、自然農法とよんでいるが、こうしてつくった野菜はきわめて健康で、病気しないし、虫にも強いので農薬は一切不要(つまり安全)。 しかも、味はすこぶるよく、収量も多い。 ほかの農作物(穀・豆・芋など)も、同じ要領で安全良質のものが得られる。 また、こうした安全良質作物を家畜・魚介類の飼料にすれば、安全良質な肉・卵・乳の供給も決して不可能ではあるまい。 (49・8)
|
|||||||||||
9. 貯蔵食品と癌 | |||||||||||
貯蔵食品で癌と関係のあるものに塩蔵品と燻製品がある。 燻製品 ところで、煙の発癌成分や、亜硝酸添加で生ずる発癌成分はともかく、硝酸塩添加、あるいは、硝酸塩の多い農作物――硝酸塩肥料を乱用したり、24Dといった除草剤をつかうと、農作物中に硝酸塩が多くなる――のばあいは、低温に保存することで、発癌成分の発生が防がれるという。 すなわち、この際の発癌性ナイニトロサミンができるには、まず、硝酸塩が亜硝酸に還元されなければならない。しかし、この還元作用は2〜4度Cという低温ではとまってしまうので発癌性を生じないからだ。 欧米先進富裕国では、そういう性能のよい冷蔵庫がつかわれ出し、塩蔵品が少なくなってから胃癌がへった(貧しいものにはまだ多いそうだが)といわれている。 これはふつうの野菜・果物の貯蔵についてもいえることなので、なんとか、こうしたすぐれた冷蔵庫がはやく普及してほしいものだ。 なお、一般の貯蔵用食塩には、不純物の多い粗製輸入塩が主のようだが、国産の精製塩は殆んど純粋だから(それで味がよくないのだが)、この点だけからは、この方が安全というものかも知れない。 |
|||||||||||
10. 貯蔵食品と癌 | |||||||||||
ニトロソアミンの突然変異 野菜類が消す作用 (朝日 52・2・13)
|
|||||||||||
11. あーら不思議 | |||||||||||
たばこなどの発がん性
の4種類に分け、37度で30分間放置後、一定のやり方でサルモネラ菌の突然変異の量を測定した。 その結果、
3は400、 2と4は50だった。 極めて興味深い話 国立がんセンター研究所・杉村隆所長の話 極めて興味深く、自然界の複雑さを教えてくれる話だ。キャベツ汁などがあらゆる発がん物質を消してくれるわけではなく、ものによって、ある発がん物質の力を弱めたり、逆に強めるものもある、ということではないか。 今後もっと力を入れて研究すべき問題だと思う。 (52・5・30 朝日)
|
|||||||||||
12. ワラビの発癌性 | |||||||||||
(岐大 広野巌 癌の臨床61集、昭51・1)
|
|||||||||||
13. サンマと癌 | |||||||||||
この4月のアメリカ癌学会で、ハワイ大学のMowerおよびWeislurger氏らが発表したところによると
(AAC.R.Abstracts,19:89,1978)
|
|||||||||||
14. 戦慄の恐怖 癌、ガン、ガン | |||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
食肉保存剤に発ガン性 (53・8・13 サンケイ)
脂肪過多は大腸ガンを助長 予防には繊維質を 【京都】 肉類など脂肪分を多く摂り過ぎると大腸ガンにかかりやすくなる−。 米国ウェイン州立大医学部のN・ナイグロ教授はラットによる動物実験で、体内の脂肪分が直腸、結腸ガンを進行させる大きな要因で、これを防ぐには繊維質の多量摂取が有効なことを突き止めた。 身近な食事が大腸癌の助長に一役買っていたことが初めてわかったわけで、同教授は27日、京都市での国際大学結腸直腸外科学会で発表した。 直腸や結腸にできる大腸ガンはこれまで日本では比較的少なく、欧米に比べ約5分の1程度だった。 しかし最近急激に増え始め、特に若い世代の発症が多くなっている。 世界的にみると、欧米、オーストラリアなどの肉食国に多く発症し、アジア、アフリカ、南米などでは少ない。 ナイグロ教授はこうした発生率分布の地理的不均衡に着目。 大腸ガンと食生活との間には密接な因果関係があると考え、ラットで動物実験をした。 他の栄養分を一定にしたうえ、脂肪分30%と繊維質10%のえさを与えたラットにアゾクシメタンという発ガン物質を皮下注射、4−5ヵ月後にラットの大腸を調べると、1匹当たり平均8.5個のシュヨウができていた。 これに対し脂肪分5%のえさだけを与えたラット群で同じ実験をすると、シュヨウは平均4個に半減、さらに脂肪分なしで30%の繊維質のえさだけを与えたグループでは、平均2個のシュヨウしかみられなかった。 (53・10・27 山陽夕刊)
たばこに新発がん物質 強力でしかも多量 ガンセンター杉村所長は、火をつけたたばこから1分間に2秒だけ35ccずつの煙を吸い込ませる人工喫煙装置を考案。 ガラス繊維でできたフィルターに付着した物質を、杉村所長らが開発したサルモネラ菌の変異株を使った発がん物質のチェック方法でテストした。 この方法はサルモネラ菌が発がん物質にふれると突然変異を起こす性質を応用したもので、これまでの研究で、突然変異物質と発ガン物質はほぼ一致することがわかっている。 普通、たばこには1本当たり17−20ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)のベンツピレンが含まれているとされている。 ところが、この検査の結果たばこ1本分で、ベンツピレン220−370マイクログラム(1マイクログラムは百万分の1グラム)に相当する突然変異をサルモネラ菌に起こすことがわかった。 つまり、ベンツピレンが肺がんに寄与しているのは全体の1万分の1以下で、あとはこれまで発見されていない未知の物質が関係しているというわけだ。 喫煙と肺がんとの関係については、これまで、たばこを吸う人には吸わない人に比べて10倍も肺がんの発生率が高いなどの事実が出されており、これまで原因物質としてたばこのタール分に含まれるベンツピレンのほか、ニコチンの化合物、ニトロソノルニコチンがあげられている。 このため日本専売公社では最近はタール分やニコチンの少ないたばこの開発に力を入れている。 しかし、杉村所長らの指摘したナゾの物質が、これまで研究がかなり行われているタール分に存在するかどうかについては否定的な意見が強く、タール分だけを少なくすることで肺がんを少なくできるかどうかはあやしくなった、といえそう。 杉村国立がんセンター研究所長の話 まだ正体については見当もつかないが、ぜひ研究したい。 タールやニコチンを減らす努力はむだではないだろうが、もっとほかの大魚を逃がしているという気がする。 (50・10・2 朝日)
サッカリンは発ガンを促進 米科学アカデミー結論 【ワシントン4日=AP】 サッカリンの発ガン作用について研究を進めていた全米科学アカデミーは4日、 の理由から、「サッカリンは人間にガンを起こす可能性のある物質とみなすべきである」との結論をまとめた。 この研究は米議会の要請で行われ、実験にはラット(ネズミの一種)が使われた。 この結論について同アカデミーでは、サッカリン自体の発ガン性は他のよく知られた発ガン物質に比べると低いとしながらも、他の物質の発ガン性を促進する作用の方がずっと重要な意味を持つかもしれないと指摘。 また米国の10歳以下の子供の3分の1はサッカリンを口にしており、非常な危険にさらされている、との懸念を表明している。 サッカリンは米国で販売が許可されている唯一の人工甘味料だが、同アカデミーは政府がサッカリンについてどのような対策をとるべきかは提案していない。 しかし食品、薬品担当の行政当局は、77年春ごろからサッカリン規制の方向に動いており、今回の結論でこれに一層拍車がかけられることになった。 (53・11・16 サンケイ)
|
|||||||||||
15. ビールにも発癌物質 | |||||||||||
ハイデルベルグのドイツ癌研の科学者によると、ドイツ、イギリス、その他のヨーロッパ産のビールに、強力な発癌性のあるニトロサミンの痕跡が発見された。 (Nature,277:250,1979)
|
|||||||||||
16. 干し魚、つけもの、日本酒 常食は胃ガンに…… | |||||||||||
胃ガンにかかわりがありそうな“危険な食品”は干し魚、塩魚、漬け物―ハワイの日系人を対象に、9年間にわたって調査した研究結果がこのほどまとめられた。 (50・4・29 サンケイ)
|
|||||||||||
17. 癌とナッパ | |||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
癌の治療にあたってナッパ・青汁食を熱心にやっていると、手術での出血や痛みがかるく、術後の疲労や発熱がないか少ない。
癌は、からだの細胞が癌原物にさらされて突然変異をおこし癌化することにはじまり、一旦癌化すると、その細胞は無制限に増殖しつづけ、ついに癌腫になる。 からだの抵抗 しかし、この変化にたいし、からだは決して無防備、無抵抗というわけではない。個々の細胞にも癌化に抵抗する力があり(抗癌能)、全身的には、それを厳重に監視し、変性した細胞をすみやかにキャッチし、捕捉殲滅して、そのバッコを防ごうとする機構(免癌能とでもいうべき免疫現象)がある。 そこで、癌にたいする方策には次の二つがかんがえられる。 癌原物を除く 癌原物には、化学的のもの(化学薬品類)、物理的のもの(放射線)、および生物学的のもの(ビールス)などがあるが、主なものは化学的のもの。 そして、これらは、大気中にも、水にも、土にも、飲食物にも、いたるところにいっぱい。 まるで、それらにとり囲まれているようなもので、これを完全に遠ざけとり除くことはまず不可能といってよかろう。 癌原性を除く 癌原性をよわめ、あるいは消滅せしめる研究はさかんに行われており、野(山)菜、海藻などにそういう力のあることが知られている。 また、ビタミンAやEに制癌能のあること、ビタミンCやカルシウム、痕跡ミネラルなどには癌原物の生成を妨げる作用のあること、繊維には癌原物を吸着し、とり除く能力のあることも知られている。 そして、良質ナッパがこれらのすべてを豊富にもっている事実だけからも、ナッパ・青汁の抗癌作用はうなづけるわけだ。が、いま一つ細胞の抗癌能や、全身的の免癌能にたいしても、ナッパ・青汁は少なからず関与しているのではないだろうか。 抗癌能・免癌能 細胞の抗癌能や、全身的の免癌能・防衛能は、からだに自然にそなわった健康力・生命力そのものだ。 この健康力・生命力は、全身のすべての組織・臓器のはたらきの結集されたものであり、それらのすべてをめぐる血のいかんによってきまる。 血が正常であり、無害制であれば(有害有毒物ことに発癌物をふくまない)、つまり、にごっていなければ、すべてのはたらきが円滑かつ完全に行われ、体力・健康力・生命力はつよめられ、抗癌能・免疫能も旺盛になる。 そして、もともと健全な細胞はいうまでもない。いくらか弱点(癌になりやすい素質、素因)のある細胞でも、こういう好条件の下では、そう簡単に変異をおこすことはなかろうし、そうした細胞は、すぐに捕捉され、殲滅されてしまい、癌にまで発展することはなかろう。 また、条件しだいでは、癌も征服されうるであろう。 浄血の主役はナッパ ところで、このきれいな血は正しい日常生活、ことに正しい食養――安全食品とバランスのよくとれた食――によってはじめて得られるのであり、その主役を演じているのは良質ナッパだ、ということからしても、ナッパ・青汁が癌に有効であることは理解できよう。 つまり良質ナッパには さて、現在の癌対策は、早期診断・早期治療ということになっているが、ともに、けっして万全を期しがたいことは周知のとおりであり、予防法にいたっては、まさに暗中模索の域を出ていない状態だが、以上の事実をもってすれば、これらの解決にたいし、ナッパ・青汁はかなり貢献するのではないだろうか。 癌の予防・治療に 癌を防ぐにも、治療にあたっても、癌原物をできるだけ除き、遠ざけるべきことはいうまでもないが、それとともに、できるだけ血をきれいにして、体力・健康力・生命力をたかめ、抗癌能・免癌能の強化につとむべきだ。 そのためには、まず、血のにごりの原因となっている、あまりにも不自然・不合理化している現代の文明生活の、ことに食のあやまりを改めなければならない(食を中心とする日常諸般の自然化・合理化)。 食の自然化・合理化 現行食のあやまりは、
癌原性のあるもの、癌原物の付着したり添加されたものはもとより、加工食品・保存食品、出来あい食品など有害有毒物の汚染のおそれのあるものは、できるだけさけること。 合理(完全)化 主食品には、栄養的に劣り安全性に問題の少なくない白米飯をさけ、雑穀(全粒)、豆、むしろ芋類とし、蛋白食品には、同様問題の多い肉・魚の切り身類はさけ、小魚・肉・卵・乳、むしろ大豆ものにし、ともに控え目とし飽食をさけること。 そして、ミネラル・ビタミン類(繊維も)の最優秀給源である良質ナッパを主とする野(山)菜、海藻類をうんとそえ、調理は簡単に、調味はうすくする。 嗜好品にも十分注意し、癌原性・発癌促進作用もあるタバコは厳禁。酒類、コーヒー、菓子、ジュース類もやめるかつとめてへらすこと。 要は、危険いっぱいの贅美食の飽食をさけ、良質ナッパ中心の簡易な自然食(緑養食、イモ・マメ・ナッパ食)にすること。 そしてナッパは少なくとも1日1キロ(青汁にして約4合)。5合、6合と多ければ多いほどよい 日常生活の自然化 環境をよくし、適度の運動。精神的ストレスを去り、よく睡り、便通をよくするなど、日常生活にも十分気をつけること こうして血のにごりをできるだけへらすよう心がけていれば、おそらく癌は防げるだろうし、手術、放射線、薬剤などの治効もずっと上るだろう。 とはいえ、こうやっていれば絶対大丈夫かというと、必ずしもそうとばかりはいいきれないだろう。 それは、癌になるかならないかは、癌原物と体力・健康力・生命力とのバランスの問題(力関係)であり、素因や病態により、あるいは癌原物のとりこみ方によっては、いかんともなしがたいこともあろうからだ。 いま一つ、念のため申しそえたいのは、癌の治療にあたって、たとえ青汁によって小康がえられても、断じて減量したり中止してはならない、ということだ。 なぜかというと、青汁によって折角もり上ってきた抵抗能(抗癌力)が、減量あるいは中止によっておとろえてくると、それに乗じて癌の活動がぶりかえし、病状がふたたび悪化してくる。 しかし、それにたいし、一旦落ちこんだ抵抗力はにわかには挽回しがたいため、癌は急速に進行するおそれがないではないからだ。 事実、そうとしか考えられない経過をとった実例も2〜3経験されている。 なお、青汁叢書第7輯(なんでも青汁)の「こうしたら癌も防げるのではないか」および第6輯(生涯青汁)の「こどもの癌」を併読されたい。 (56・10)
|
|||||||||||
18. ほとんどの癌は食事パターンの影響を!! | |||||||||||
(ワシントン) パネルは「食事中の線維にヒトの直腸・結腸癌に対する保護効果があるとの証拠は認められない」としている。 食事中の脂肪と乳房、前立腺、大腸などの癌との関連は、しばしば示されている。 「脂肪の摂取量が、重量にして食事の5%から20%(カロリーで10%から20%)に増えると、いろいろな組織での腫瘍発生率が高くなる。逆に、低脂肪食を与えた動物では、腫瘍発生率が低い。なお、全体の脂肪摂取量が低いと、飽和脂肪よりも多価不飽和脂肪のほうが、腫瘍形成を促進するようだ。しかし、総摂取量が増すにつれ、そうした差はあまり目立たなくなる」 と報告書は述べている。 脂肪を減らし野菜を多く パネルが示した当面のガイドラインは、 パネルは、ビタミンAとセレンの補給を勧めていない。 そのほか一部の野菜やくだものに天然に含まれる化学物質にも、保護効果が認められるかもしれない。 ビタミンEとセレンは、必要量以上だと毒性を生じるとされている。 (MEdical Tribune 1982.8.2号より)
|
|||||||||||
19. コンブに制ガン効果 | |||||||||||
直腸ガン 動物実験で確認 の3種を固形飼料にまぜてそれぞれ7匹に与え、残り9匹についてはエキスを与えなかった。 20週後に解剖したところ、エキスを与えなかったグループのうち7匹にしゅようが発生。 これに対し、エキスを投与したグループでは、しゅようが発生したのは と発ガン率が低かった。 この結果、粉末が一番ガンの発生を抑制しており、これはコンブの植物性繊維が腸管から動物の排せつを促したと考えられるとの結論に達した。 また「マコンブ」「リシリコンブ」「アラメ」のエキス(フコイダン)を使った延命率としゅよう防止の動物実験では、ハツカネズミの腹腔内にしゅよう細胞と白血病細胞を移植、24時間後から1日1回、連続6日間それぞれのコンブのエキスを投与したところ、延命率でリシリコンブが最高で137%、次いでマコンブ、アラメの順で、かなり高い延命率になった。 さらにガン一細胞を背部皮下に移植したハツカネズミに同様3種類のコンブのエキスを1日1回連続10日間腹腔に与え、35日目にしゅようを摘出したところ、ガンの阻止率ではアラメが95%、マコンブが83.9%と高い制ガン効果が表れ、逆にリシリコンブは41.9%と低かった。 こうした実験結果から、同教授はコンブのエキス(フコイダン)に腸がんなどの抗しゅよう性が明らかに認められるとして今後さらに「ナガコンブ」をせんじた抽出物や透析内液との関連についての検討を重ね、腸ガンだけでなく各種のガンにたいしても同様の動物実験を試みたいとしている。 (56・9・5・サンケイ)
|
|||||||||||
20. フィルター付きたばこは発癌リスクの低下に有効 | |||||||||||
患者を説得して喫煙をやめさせることで、現在多発している肺癌を減少できるのは確かだ。しかし、それがうまくいかない場合、低タールのたばこに切り替えれば発癌リスクに効果を与えるという証拠はあるのだろうか。スコットランドを含む欧州7か国の肺癌患者7804例と対照1万5207例についての研究は、完全に喫煙をやめられない人たちにある程度の安心感を与える結果を示している。 Int.J.Cancer 33:569,
1984;Brit.J.Med.288:1953, 1984(Medical Tribune 84.8.) |
|||||||||||
21. 緑黄色野菜に制がん作用 | |||||||||||
サツマイモなど 薬剤上回る効果
次いでグリーンアスパラ、パセリ、ナス、セロリなどに抑制作用が認められた。これに対し、制がん剤では各種がんに総合的に用いられるアドリアシンが最高で、増殖を約半分に抑えるにとどまった。 緑黄色野菜に含まれるカロチンにはこれまでもがん抑制効果があるとされていたが、今回の実験ではニンジンの抑制率が比較的よかったのに対し、同様にカロチン含有量の多いカボチャでは、むしろ増殖を促す逆作用を示した。 これらの結果について、佐丸講師は、あくまで試験管レベルでの実験データなので、早計に結論づけられないとしながらも「今後、がん抑制作用があるといわれる食品について動物実験を行い、発がんとがん増殖を抑制する成分を究明していきたい」と話している。このような研究によって、ガンの予防、治療のための食生活の改善が図れるとともに、より有効な制がん剤の開発にも役立つものと期待される。 (62・9・7 東京新聞)
|
|||||||||||
22. 藻類に発がん抑制効果 ワカメやコンブなど6種 | |||||||||||
|
|||||||||||
23. ガン予防・・・・・・野菜が一番 | |||||||||||
突然変異を抑える効果 旬のモノほど高率 (元年1・13・ 夕刊読売)
|
|||||||||||
食品の発癌・制癌性インデックスへ戻る | |||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | |||||||||||
|
|||||||||||