<1983年11月15日発行 第327号>
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目次
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1. 肺繊維症
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医学博士 遠藤 仁郎
54才、男子工員。
咳、痰が多く、喘鳴(ゼイゼイいう、)動くと息切れして苦しい。
喘息といわれていたが、病院でしらべた結果、肺繊維症とわかった。
そのためではないとのことだが、有害ガスの出る職場で働いていた。
食欲、睡眠もよいが、便秘気味。内痔核があり時に出血する、とのこと。
やや肥満体。血圧は正常(110/70)。尿に異常はない。
肺繊維症は、肺に繊維がまし、弾力がへり、伸縮能(肺ののび縮みする能力)が十分でなくなった状態。慢性の気管支炎や硅肺などによくみられるもので、急に悪くなるものもあるが、ふつう、ながい間に、しだいに進行する。
手当としては、無理をしないことと、バイ菌の感染を予防すること以外には、これという適確な治療法はない。
しかし、かなり進んだ硅肺(繊維症の一つ)によかった経験から、このばあいも青汁を中心とする食養生は一応試みてみるべきではないか、と思う。
食習慣をきいてみると、飯はよく食う方。
副食には肉をよく食べていたが、今は魚を主にしている。
野菜は少ない。味は濃厚。酒はのまず、菓子もあまり食べない。
タバコは以前から15本程度。なぜ肺の繊維がふえるのか。一つには素質(体質)ということもあろうが、いま一つには、こうした穀肉糖にかたよった不完全食の食べすぎ故の血のにごり(また便秘や、出来あい食品など有害有毒食品の影響もあろう)もみのがされまい。
そこで、この食習慣のあやまりをあらため、血をきれいにすることは、決してムダではなかろう。少なくとも、痰も咳もへるだろうし、便もらくに出るようになるから、痔もよくなるだろう。
そして、一般抵抗力がたかまり、感染を防ぐことにも役立つから、病勢の進行はゆるめられるだろう。そしてながい間にはいくぶんかづつでも軽快してくることも望めなくはないのではあるまいか。
ともかく、まず、なるべく安全な自然食品をえらぶことと、ナッパをうんと添えて栄養のバランスをとること。調理は簡単にし、味つけはうすく。なるべく自然のままか自然にちかいかたちで控えめに食べることだ。
主食には白米飯や白パンでなく、雑穀・豆の全体食。
も一つよいのはイモ。肉や魚の代りには大豆ものを主とし、良質ナッパを主とする野・山菜、海藻類をうんとそえ、ナッパは少なくとも一日1キロ(青汁にして4合)以上そえること。
せめて青汁だけでも思い切ってしっかり、5合でも6合でも、多いほど結構。
これを熱心につづけてみてほしい。なお、タバコは絶対不可。
ぜひやめること。しかし、口淋しいからとて菓子へ転向しないこと。
(57・4)
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2. 歩くとおきる神経痛
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医学博士 遠藤 仁郎
67才の会長さん。
「ちか頃、両脚の神経痛でよわっています。
それもいつも痛むのではなく、歩いていると痛みだします。
初め、脚がつっぱるように感じ、やがてだるく、しびれたようになり、しまいには痛んできて歩けなくなります。しかし、しばらく休むとらくになり、また歩けます。
坂道を下るときに痛むことが多く、上る時は痛まないか、ごく軽いです。」
「それでしたら、普通の神経痛ではなくて、多分動脈硬化によるものでしょう。歩くときは血が沢山いるわけですが、血管が痛んでいると必要なだけ十分の血がかよわないので疲れやすく、だるくなり、つっぱったり、痛んだりします。坂を下るときおきやすいのは、下りだとつい足早になるため、上りに少ないのは歩調がゆっくりだからでしょう。」
「何が原因でしょうか。」
「運動の過不足と食べもののまちがいによる血のにごりがいちばん関係するようです。」
「私は若い時からよく歩きました。時には30〜40キロも歩いたり、走ったりもしました。いまでも体操したり、ジョギングもやっています。さきごろ田舎の親戚の家にゆき、怠けていましたら、その間ちっとも痛みませんでした。で、運動が悪いんかナアと思いました。」
「適度の運動はよろしいが、過ぎても不足してもよくありません。食べものがまちがっていればなおさらです。」
「たべものでは何がよくないのですか。」
「カロリー、蛋白質ばかりにかたよった、そして野菜の不足した食事がよくないようです。」
「主食は白米で、肉食傾向ですが、野菜もよくたべます。味はふつう。タバコも酒ものまないので甘いものはつい多くがちです。」
「野菜はどんなものを。」
「いろいろつくっていますから何でも食べますが、特にナッパが多いわけではありません。」
「そうですと、糖分がすぎていることと、ナッパの少ないところが問題でしょう。
おすすめしたいことは、白米や肉や魚の切り身をへらしてイモや大豆ものを主にし、ナッパをうんとふやし、青汁にしてのみ、味はなるべくうすく(砂糖も塩も少なく)、間食はクダモノにすること。運動はすぎないよう、ということになりましょうか。
なお、下肢の体操、マッサージ、温浴など、血のめぐりをよくすることも大切でしょう。」
(57・4)
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3. カフェインが心不整脈の引き金に
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医学博士 遠藤 仁郎
(ボストン)オハイオ州立大学病院で行なわれた新しい研究の結果によると、コーヒーを飲んだ後、心臓がどきどきする人は心不整脈を生じる恐れがあるので、コーヒーをやめたほうがよいという。
検査を受けない限り、それが害のない単純な動悸なのか危険な不整脈なのかはわからない。
原因はコーヒーのなかのカフェインにあるので紅茶、ココア、コーラなど、カフェインを含む他の飲み物も同じ問題を生じると S.F.Schaal 博士らが New England journal of Medicine で警告している。
( Medical Tribune 1983.5.12 )
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4. 心筋梗塞にかかって(12)
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前回参照 |
友成 左近
心カテによる手術の成果
前記のようなしだいで、手術成果の心カテ検査を、ふつう人並よりはるかにおくれて、ようやく2月10日にしてくれました。
そこで、手術の成果についてですが、心カテ終了時に、とりあえず一言、おおむね成功、と知らせてくれました。そして12日の夜、フィルムで詳しく説明してくれ、家内と二人で聞いたのですが、その主要点はつぎの通りでした。
- 第一に、冠状動脈の右側の、いうなれば99%塞がっているところ、そしてこのたび心筋梗塞を引き起こしたところにつけたバイパスには、血液がうまく流れているとのことで、それは、私たち素人がフィルムをみても、よく分かりました。
- 第二に、左側に、約90%塞がっているところが2ヶ所あったのですが、そこは、血管が枝わかれしたところであるので、1本のバイパスで2ヶ所をカバーするように手術したそうです。
そして、初めに縫合したところは、血液がうまく流れているが、つぎに縫合したところは、うまく流れていないとのことです。
が、その血管は、右側に比べると、かなり細いので、そうしたことは私たちには、右側のように、はっきりとは分かりませんでした。
- 第三に、右側にある、内径が少し狭くなっているところは、血管がかなり細いので、予定通り手術しなかったのですが、手術前と同様に、血液がうまく流れているとのことですが、その血管はなにぶん細いので、私たちには確かとは分かりませんでした。
- 第四に、心筋には、右側も左側も、手術前にみた通り、どこにも異状はなく、正常に活動しているとのことで、これは、まえにした超短波やラジオ・アイソトープによる検査でも、ほぼ分かっていたそうです。が、私たち素人には、どこがどうなのか、いっこうに分かりませんでした。そこで、今後のことですが、ここ当分、心筋梗塞を引き起こすようなことはないでしょうが、なお、つぎの点に注意するように、とのことです。
- まず第一に、左側の、血液がうまく流れるようにならなかった箇所と、右側の、内径が少し狭くなっている箇所から先の血液送給範囲に、付近からの毛細血管がまだ十分のびていないので、心臓に過剰な負担がかかると、血液不足・酸素欠乏をきたして、狭心症を引き起こすおそれがある、ということです。
そこで当分の間、走ったり、重いものを持ったり、その他ひどくイキのあがるような運動はしないように、また、全身を寒さにさらすようなこと、あるいは精神的にひどく緊張するようなことはさけるように、ということです。
もうひとつ、毎日の食物に、食塩と動物性脂肪をひかえると共に、肥満しないように、ハラ八分に食べるように、ということです。
- それから第二に、この度つけたバイパスを、血液が滑らかに流れるようになるには、手術後約一ヶ年はかかるので、その間、血流に凝血ができないように、なお引き続き薬(ワルファリン)を服用するように、ということです。
また、このことからも、心臓に過剰な負担をかけると、狭心症を引き起こすおそれがあるので、前記と同様に、運動その他に注意し、そしてそのうえ、ニトログリセンリンを常備し、長時間外出するときには持参して、もし胸苦しくなったときには服用するように、ということです。
- もうひとつ第三に、退院後は、なお当分の間、指示された通りに通院して、必要な診療を続けるように、ということです。
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次回参照 |
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5. 日本人の平均寿命 男74.22歳 女79.66歳
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老年層の比率は一段と増加
このたび厚生省大臣官房統計情報部は「昭和57年簡易生命表、日本人の平均余命」をまとめ、この中で昭和57年の平均寿命は前年に比べ男0.43歳、女0.53歳とさらに延び、いよいよ80歳時代突入もあと一歩に迫ったことを明らかにした。
平均寿命の国際比較では、資料の作成時期が多少異なるが男70歳、女75歳を超しているのは、日本をはじめスウェーデン、デンマーク、オランダ、アイスランド、イギリス、フランス、スイス、ギリシャ、カナダ、アメリカ(白人)、オーストラリア、イスラエルなど限られており、中でも日本とアイスランドはトップクラスである。
しかもアイスランドは少人口国であることを考慮すると、実質的には、日本は世界一の長寿大国といえよう。
死因の分析
人はいずれの時期に何らかの傷病(死因)で死亡するが、ある年齢の者が将来その死因で死亡すると思われる確率が死因別死亡確率である。
各年齢層とも従来よりいわれる悪性新生物、脳血管疾患、心疾患が高率であった。従って、これからの医療は、これら三大死因ことに悪性新生物に対する対策が重要課題となろう。
ちなみに、三大死因を除去すれば、平均余命は当然確実に延長するが、一体どの位であろうか。死因別死亡確率と同様に57年の分について計算すると、男では悪性腫瘍がなくなると3.13歳、脳血管疾患では2.13歳、心疾患では1.93歳寿命が延びるという。また女でも、それぞれ2.39歳、2.32歳、1.92歳も延長する。裏返せば、これら三大死因により失われた余命と考えることができる。
(日医ニュース 58・7・20)
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6. 土の医者どん
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「鍬(くわ)と聴診器」という本(東京都文京区千駄木、柏樹社)が読まれている。
爆発的な、というのでなく、むしろ静かなブームとでも言おうか。
熊本県菊池郡泗水町の、自治体共立病院「菊池養生園」の竹熊宣孝医師の著書である。
竹熊さんは先に「土からの医療」を書き、薬づけ治療の医学を痛烈に批判した。
こんどの本も、その延長線上にあるが、さらに「いのちの根源は食にある」ことを多くの例を引いて説き、医・食・農の三本柱による「病気にならない医療」を語っている。
養生園は馬、ニワトリ、アヒル、ウサギなどを飼い、広い農園で無農薬野菜を作り、ゲートボールのコートを持つ。
診療のほか食養生指導、養生講座をひらく。
農園でとれた野菜を使って、患者に食の医療を教えている。
実際に効果があるから、訪園者が絶えない。
遠足をかねて、小学生が団体で話を聞きにくるほどだ。
竹熊先生の指導ぶりを、この本から拾ってみると
中学3年の女子=慢性カゼひき。受験勉強で食事は不規則、コーヒー、ケーキに夜食。
中年の女性=気管支ぜんそく。太りたいため、胃腸薬を飲みながら甘いものを多く食べる。
この二人に、先生は砂糖分を一切禁じ、果物を減らし、夜食禁止、ふろ上がりに水を5杯ほどかぶることを命じた。
それで治るのだという。子供にカゼの兆候があれば飯を減らす。
食べすぎていたら、ノドに指を突っこんで戻させる。代わりに葛(くず)粉による葛根湯(かっこんとう)を飲ませ、ふとんの中で汗をかかせる。
せきが出たら辛子湿布をする。これで卒業、という。
熊本大学で内科、血液学を専攻した医博だが、いや、だからこそかも知れないが「土に返れ」という主張に説得力がある。
大みそかから元日をはさんで二日まで3日間「食わぬ養生会」を開くが、これも恒例になってしまった。
正月に食べすぎ、飲みすぎるかわりに断食し、座禅していのちを考えるのである。
軽い病気だと、この会でよくなるそうだ。
行政改革に取り組む土光敏夫氏が「私もまったく同じ考え」と、竹熊先生を支持しているのも面白い。
直接患者に接する医療現場の荒廃と、肥大化し、甘い補助金をばらまく行政機構の病弊には、共通するものがあるのだろうか。
現地の人たちは、方言で「医者どん」と呼ぶ。
薬ばなれし、人間本然の姿に戻ることを教える医師に対する敬愛の「殿」であろう。
病気をしない身体をつくる。考えてみれば、それが忘れ、軽視されている。
(朝日新聞)
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7. 健康管理は主婦の役目
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岡山市 M.N.
青汁を毎日ありがとうございます。
おかげで長年の低血圧もよくなり、感謝いたしております。
こどもが小学3年を頭に3人おります。青汁をそのままだと飲めないと申しますので、キャベツ、ニンジン、レタス、レモン、ハチミツとともに、果物を入れたジュースに青汁をミックスして、毎朝のませておりました。
先日、食後にのどがかわいたといって、長女が青汁をゴクゴクのんでいました。
「あんた飲めたの、青汁よ!!」
「うんおいしかったよ!!」
といいますので、私はうれしくなりました。
この分だと、あと2本追加注文しなくては・・・・・・と思いました。
家族の健康管理は主婦の役目です。みな健康で明るい毎日をすごせるほどありがたいことがありません。先日こどもと耕した畑にケールを植えようと思います。種子をお願いいたします。
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8. 顆粒入りのポテトスープ(5人分)
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東京 S.T.
・だし汁(とりガラでとる)カップ3杯位・ジャガ芋 中5個位を小さく切って芋がくずれる位コトコト煮る。
後シャクシでつぶす。
濃いようなら牛乳で好みの濃さにのばす。・味つけ 塩、コショウを適宜入れ、パセリをきざんで入れると風味がよい。・顆粒 食前に個々に1、2袋を入れて食べるととても美味しい。
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9. 知人間で評判
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10. 直腸の潰瘍
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熊本市 S.M.
一昨年、痔出血と疲労が強かったこと、青野菜の摂取が少いことから、毎日ライフを読んで青汁の効用を知り、飲用を始めました。
昨年2月頃から痔出血が激しくなり、下血を見るようになりました。
この間、一日3包服用していました。直腸癌ようの出血と判断し専門医にかかり、内服薬や注射をうけましたが、好転せず。岡大の内視鏡検査では癌の心配はないといわれました。
内服薬は胃を害し、食欲減退。坐薬を入れても出血は軽快せず、思案しているうち、青汁の多量服用を思いつき、一日6包服用しましたところ、3日目くらいから殆んど出血をみなくなりました(少し便について出る程度)。
最初の病院で、直腸に潰瘍があるといわれてましたので、築地の国立癌センターへも行きましたが、全くその心配はないとのことでした。
ところが、ほかの病院の乳腺外科で乳癌を発見され昨年11月に手術をうけました。
この間青汁は中止していましたが、術後10日頃より始めました。
中止していれば、便につく程度の出血、排便後力むと出血するという状態が持続しました。
今は毎日6包服用しています。
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11. わかく見える
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12. 老化ストップ
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石川県 K.K.
二人ともカゼもひかず、故障といえる個所もありません。
家内の緑内障も、毎日2合の青汁(もっと多くのんでほしいが)で、通院しておりますが、悪化しません。73才と70才の老人夫婦である筈なのに、老人意識をもたず、他からも、そんな年には見えません、といっていただくのです。
すると、私は、青汁をのみ続けて22年。
つまり、老化ストップしたのだ、といつも青汁と健康を力説するのです。
私は、どこへ行っても青汁をすすめるので、青汁先生のあだ名をもっています
(58・4)(牧師)
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13. 困りはてていた湿疹
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倉敷市 H.O.
先日おたずねいたしました長男(高3、アレルギー体質です)の湿疹のことですが、何ケ月も悩んでいましたのが、夢のようです。
お医者さまからたくさんの薬をいただき、のんだり、つけたりしても、少しもよくならず、困りはてて先生にご相談した次第です。
それまでも、青汁は1合ずつのませておりましたが、先生が3合くらいとおっしゃいましたので、その通りにしましたところ、からだ中の湿疹がみるみる枯れてまいりました。
1週ほど前から、服を脱がせるのが楽しみで、昨日よりまたよくなったわねと、親子ともどもよろこびあっております。
子供もすっかり青汁党になり、来年から大学で、遠くへ行きましても、ずっと続けてのみたいと申しております。
私は青汁を飲みだしまして4年ですが、とても健康になりました。先生のご本に出合わなかったら現在のこの健康と幸せはございません。主人は10年来の青汁ファンですが、この頃は私の方が熱心です。ありがとうございました。
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14. 結核完治
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15. 青汁様々
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16. 原因不明の貧血
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17. 質問箱
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問
レントゲン検査で腎臓に石があるとわかり手術が問題になっています。青汁でとけるとききましたが
答
4〜5合あるいはそれ以上ものんでよくなった人もあります。大きな石は手術するほかないでしょうが、ともかくしばらく熱心にやってみてはどうですか。
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コラム紹介
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