健康と青汁タイトル小 <1982年4月15日発行 第308号>
 目次




1. 癌とナッパ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     癌の治療にあたってナッパ・青汁食を熱心にやっていると、手術での出血や痛みがかるく、術後の疲労や発熱がないか少ない。
     放射線や抗癌剤の治療でみられる副作用も少ないかほとんどない。
     したがって、体力の維持に有利であり、回復がはやい。
     また、手術のさいすでに転移があり、とても半年はむつかしかろうといわれたのが、10年もそれ以上も生きている例。飲んでいる間はよかったが、やめると急速に悪化したり、再発した例。あるいは、手術不能といわれたものによかった例など、癌にたいしても確かによいらしいことは、はやくから経験されていた。

    予防効果
     だから予防効果もあるにちがいないと考えられるが、確信をもって断言することにはいささか躊躇していた。それは、たとえ、そうしていて癌にならなかったとしても、それが、はたしてナッパ・青汁のためか、そうしなくてもならなかったのか、確めようがないからだった。
     ところが有難いことに、動物実験で、たしかに制癌効果があることが明かになった(本紙300号−56年8月−参照)。

    なぜよいのか
     では、なぜよいのだろうか。

      癌のおこり
       癌は、からだの細胞が癌原物にさらされて突然変異をおこし癌化することにはじまり、一旦癌化すると、その細胞は無制限に増殖しつづけ、ついに癌腫になる。

      からだの抵抗
       しかし、この変化にたいし、からだは決して無防備、無抵抗というわけではない。個々の細胞にも癌化に抵抗する力があり(抗癌能)、全身的には、それを厳重に監視し、変性した細胞をすみやかにキャッチし、捕捉殲滅して、そのバッコを防ごうとする機構(免癌能とでもいうべき免疫現象)がある。
       そこで、癌にたいする方策には次の二つがかんがえられる。
      1. 癌原物を遠ざけ、とり除くことと、癌原物の作用(癌原性、発癌性)をよわめたり、無くしてしまうこと。
      2. 抗癌能・免疫能をたかめて癌化にたいする抵抗力を強めること。

      癌原物を除く
       癌原物には、化学的のもの(化学薬品類)、物理的のもの(放射線)、および生物学的のもの(ビールス)などがあるが、主なものは化学的のもの。
       そして、これらは、大気中にも、水にも、土にも、飲食物にも、いたるところにいっぱい。
       まるで、それらにとり囲まれているようなもので、これを完全に遠ざけとり除くことはまず不可能といってよかろう。

      癌原性を除く
       癌原性をよわめ、あるいは消滅せしめる研究はさかんに行われており、野(山)菜、海藻などにそういう力のあることが知られている。
       また、ビタミンAやEに制癌能のあること、ビタミンCやカルシウム、痕跡ミネラルなどには癌原物の生成を妨げる作用のあること、繊維には癌原物を吸着し、とり除く能力のあることも知られている。
       そして、良質ナッパがこれらのすべてを豊富にもっている事実だけからも、ナッパ・青汁の抗癌作用はうなづけるわけだ。が、いま一つ細胞の抗癌能や、全身的の免癌能にたいしても、ナッパ・青汁は少なからず関与しているのではないだろうか。

      抗癌能・免癌能
       細胞の抗癌能や、全身的の免癌能・防衛能は、からだに自然にそなわった健康力・生命力そのものだ。
       この健康力・生命力は、全身のすべての組織・臓器のはたらきの結集されたものであり、それらのすべてをめぐる血のいかんによってきまる。
       血が正常であり、無害制であれば(有害有毒物ことに発癌物をふくまない)、つまり、にごっていなければ、すべてのはたらきが円滑かつ完全に行われ、体力・健康力・生命力はつよめられ、抗癌能・免疫能も旺盛になる。
       そして、もともと健全な細胞はいうまでもない。いくらか弱点(癌になりやすい素質、素因)のある細胞でも、こういう好条件の下では、そう簡単に変異をおこすことはなかろうし、そうした細胞は、すぐに捕捉され、殲滅されてしまい、癌にまで発展することはなかろう。
       また、条件しだいでは、癌も征服されうるであろう。

      浄血の主役はナッパ
       ところで、このきれいな血は正しい日常生活、ことに正しい食養――安全食品とバランスのよくとれた食――によってはじめて得られるのであり、その主役を演じているのは良質ナッパだ、ということからしても、ナッパ・青汁が癌に有効であることは理解できよう。

      つまり良質ナッパには
      1. 癌原性を滅殺する力があり、
      2. 栄養を正しくし、血のにごりを除いて、健康力・生命力をもりあげ、個々の細胞の抗癌性や、全身の防衛能・免癌能をたかめる力もあるわけで、
       これらの総合されたものが、その制癌・抗癌効果だ、とみてよいであろう。

    現在の癌対策
     さて、現在の癌対策は、早期診断・早期治療ということになっているが、ともに、けっして万全を期しがたいことは周知のとおりであり、予防法にいたっては、まさに暗中模索の域を出ていない状態だが、以上の事実をもってすれば、これらの解決にたいし、ナッパ・青汁はかなり貢献するのではないだろうか。

    癌の予防・治療に
     癌を防ぐにも、治療にあたっても、癌原物をできるだけ除き、遠ざけるべきことはいうまでもないが、それとともに、できるだけ血をきれいにして、体力・健康力・生命力をたかめ、抗癌能・免癌能の強化につとむべきだ。
     そのためには、まず、血のにごりの原因となっている、あまりにも不自然・不合理化している現代の文明生活の、ことに食のあやまりを改めなければならない(食を中心とする日常諸般の自然化・合理化)。

    食の自然化・合理化
     現行食のあやまりは、
    1. 癌原性のある有害有毒食品の氾濫していること。
    2. 精製穀・肉類・卵・糖・脂・アルコールにかたよっており、また、調理・調味にこりすぎていること。
    3. そして、熱量・蛋白質ばかり多く、それに釣り合わねばならないミネラル・ビタミン(繊維も)の不足した、いわゆるエンプティカロリー食といった不完全食になっており、しかも、それを飽食していることだ。
     これを自然化・合理化するには、

      自然(安全)化
       癌原性のあるもの、癌原物の付着したり添加されたものはもとより、加工食品・保存食品、出来あい食品など有害有毒物の汚染のおそれのあるものは、できるだけさけること。

      合理(完全)化
       主食品には、栄養的に劣り安全性に問題の少なくない白米飯をさけ、雑穀(全粒)、豆、むしろ芋類とし、蛋白食品には、同様問題の多い肉・魚の切り身類はさけ、小魚・肉・卵・乳、むしろ大豆ものにし、ともに控え目とし飽食をさけること。
       そして、ミネラル・ビタミン類(繊維も)の最優秀給源である良質ナッパを主とする野(山)菜、海藻類をうんとそえ、調理は簡単に、調味はうすくする。
       嗜好品にも十分注意し、癌原性・発癌促進作用もあるタバコは厳禁。酒類、コーヒー、菓子、ジュース類もやめるかつとめてへらすこと。
       要は、危険いっぱいの贅美食の飽食をさけ、良質ナッパ中心の簡易な自然食(緑養食、イモ・マメ・ナッパ食)にすること。
       そしてナッパは少なくとも1日1キロ(青汁にして約4合)。5合、6合と多ければ多いほどよい

      日常生活の自然化
       環境をよくし、適度の運動。精神的ストレスを去り、よく睡り、便通をよくするなど、日常生活にも十分気をつけること
       こうして血のにごりをできるだけへらすよう心がけていれば、おそらく癌は防げるだろうし、手術、放射線、薬剤などの治効もずっと上るだろう。
       とはいえ、こうやっていれば絶対大丈夫かというと、必ずしもそうとばかりはいいきれないだろう。
       それは、癌になるかならないかは、癌原物と体力・健康力・生命力とのバランスの問題(力関係)であり、素因や病態により、あるいは癌原物のとりこみ方によっては、いかんともなしがたいこともあろうからだ。
       いま一つ、念のため申しそえたいのは、癌の治療にあたって、たとえ青汁によって小康がえられても、断じて減量したり中止してはならない、ということだ。
       なぜかというと、青汁によって折角もり上ってきた抵抗能(抗癌力)が、減量あるいは中止によっておとろえてくると、それに乗じて癌の活動がぶりかえし、病状がふたたび悪化してくる。
       しかし、それにたいし、一旦落ちこんだ抵抗力はにわかには挽回しがたいため、癌は急速に進行するおそれがないではないからだ。
       事実、そうとしか考えられない経過をとった実例も2〜3経験されている。
       なお、青汁叢書第7輯(なんでも青汁)の「こうしたら癌も防げるのではないか」および第6輯(生涯青汁)の「こどもの癌」を併読されたい。
      (56・10)



2. アルコールと死亡率

     大酒家について10年間の追跡調査を行なった。2,015人を四群に分け年齢、性、喫煙量等についてはほぼ同等のものを選び、飲酒量については全くのまない人、1日2回以下のもの、3〜5回の人についてそれぞれ6回以上のむ大酒家とペアで比較した。1,245人は大酒家と考えられた。
     死亡率は1日2回以下アルコールをのむ群(軽酒家)を1.00とすると禁酒家では1.40、1日3〜5回のむ人(中酒家)で1.48、6回以上の大酒家では2.02であった。悪性腫瘍の発生は大酒家で他の群に比べて高かった。ことに、口腔、咽頭、食道および肺の癌について有意差が認められた。
     これに反して心血管系の死亡、ことに冠動脈疾患は禁酒家に多く、軽酒家に最も少なかった。

    Klatsky,A.L.,etal.:Ann.Intern.Med.,95:139〜145,1981
    (Medical News,No.244,1981.10.より)


3. 健康相談室 頑固な便秘

     医学博士 遠藤 仁郎 

     75才の会社々長。ずっとまえから便秘ぐせだったが、しだいに亢じ、今では7〜10日に1回しかなく、薬をのんでも、どうもうまく出ない。なんとかいい方法はないものか、との相談。
     いくぶん痩せ気味だが、これはいぜんからのことで、さいきん特に目立ってやせたとも、体力・気力がおとろえたとも感じない、とのこと。血圧は150/80。食べものはおいしいし、よくねむれる。

       「いろいろ詳しい検査をしてみるべきだとは思いますが、とりあえず、常習便秘として話し合ってみましょう。食事は進むそうですが、分量はどうでしょうか。そして、どんなものをよく上りますか。」
       「量は少ない方で、白米飯1杯におかずをほぼ同量というところです。レタスなどつとめて野菜を食べるようにしており、味は昔からのくせで濃い方です。酒は若い頃はよくのみましたが、今はのみません。甘いもの大好き、菓子や饅頭はよく食べます。タバコは数年まえやめました。運動はあまりしません。」
       「便はどんな?兎の糞みたいですか。」
       「それほどでもないんですが、かたくて出にくいんです。」
       「あなたの食事の特長は、カス(繊維)が少ないことと、糖分が多いことのようです。
       カスが少ないと、消化がよすぎて便の量が少なく、腸の運動をおこす刺戟がないか少ないので滞りがちになります。糖分が多い(菓子や味つけの砂糖)と、腸がたるんでくるのでいっそう動きがにぶります。
       からだを動かさなければなおさら。薬をのんでも出にくいということになります。
       頑固な便秘の原因は、おそらくそこいらにあるのでしょう。

      便通をつけるコツ
       「そういう便秘で通じをつけるコツが3つあります。
      1. 食べものをなおすこと。
      2. 運動とくに腹の皮の運動。
      3. 排便の習慣をつけることです。

      食べもの
       そして、食べものにも3つ。
      1. 便の量をふやすためカス(繊維)の多いものをたべることと、
      2. 腸管をつよめ、活動をよくするためにバランスのよくとれた、ことにミネラル・ビタミンにとんだ食事にすること。
      3. そして
      4. 糖分をへらすことが大切です。
       そこで、主食には、白米飯をやめて玄米にするか、もっとよいのは小豆やイモ類にするか、せめて併用すること。蛋白食には、肉・魚の切り身や卵よりは大豆ものを多くすること。
       それに、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物類をうんとそえること(オカラ、コンニャク、カンピョウ、トコロテンもよろしい)。
       調理に手をかけるだけミネラルやビタミン、繊維が失われますから、なるべく簡単に。自然のままか、自然にちかいかたちで。味つけはうすくし、よくかんで食べること(かめなければミキサー粥にして)。間食の菓子やジュース類など甘いものは極力ひかえることです。

      運動
       全身の運動も必要ですが、とくに腹の皮の運動――腹を走らすといって、腹の皮をペコペコ前後に動かしたり、左右あるいはネジるように動かす。ともに、いつ、どこでやってもよろしいが、排便のさいがいちばん効果的です。

      毎日排便のクセ
       そして、毎日、できるだけきまった時間、それも、ゆっくりできる時間に出すクセをつけること。便秘は習慣ですから、それをなおすのも習慣で、というわけです。
       初めは仲々思うようにゆきませんが、毎日つづけていればしだいに調子がついてきます。実は私も40才代たいへん便秘性で、時には小一時間も便所にかがんでいることもあり、痔を悪くして便所が真紅になるほど出血したり、脱肛にも悩みました。
       それが、ナッパをよく食べることと腹の皮の運動とで、いまでは、毎朝(時には夕方にもも一度)きまった時間に10分くらいで気もちよく出終るようになっています。
       しかし、野菜が不足したり、白米飯や菓子がすぎると、たちまち排便にこたえます。」
       「糖分がよくないことはわかりましたが、蜂蜜はどうでしょうか。」
       「砂糖よりはよろしい。しかし、これとて量がすぎればよくありません。それに今は模造品が多いですから。むしろ沖縄の黒糖など粗糖がよいでしょう。もちろん分量しだいですが。」
       「酢のものはどうですか。」
       「大いによいでしょう。いろいろ効能がいわれていますが、それはともかくとして、塩分や糖分を少なくする効用があります。ただし、なるべく純粋の醸造酢にして下さい。ダイダイ、スダチ、ナツミカン、レモンなど酸っぱい果物汁はなお結構です。」

      間食
       「間食には何がよいですか。」
      「いちばんは果物ですが、いまはみな農薬がかかっています。この点いつも念頭におく必要がありましょう。その心配さえなければ大いに利用すべきですし、できれば皮ごと。ただしよくかむこと。あるいはミキサー粥にして。もっとも甘味のつよい乾果物には菓子同様の注意が必要です。」
      「のみものは?」
      「甘いジュース類は問題です。ずいぶん(おそらく20%もの)砂糖がはいっています。コーラもあまりよいものではありません。」
      「お茶?」
      「緑茶は砂糖をつかわないだけに、紅茶やコーヒーにくらべよい筈ですが、これもまた今では農薬に汚染されています。自家製の安全な番茶か草茶(カワラケツメイ、ノエンドウ、アルファルファなど)、笹茶といったものの方がよいでしょう。」
       「日本酒、ワイン、盃一杯はクスリだといいますが?」
       「私は五勺までは薬、1合以上は毒とかんがえていますが、薬というのは、食欲がすすむからでしょう。ですから、食事がおいしければ別にのむ必要はありません。あなたのばあいのめる口のようですから、つい過ごすことにもなりかねません。時たまにはよいでしょうが、習慣にはしない方がよいでしょう。」
       「通じ薬や浣腸は?」
       「どうしてもダメな時は薬もやむをえません。しかしクセになりますから、なるべく常用しないこと。浣腸も同じです。ためしてほしいのは青汁を思い切って大量、4合、5合、6合、あるいはそれ以上のんでみることです。薬や浣腸でも通じなかったのがこれで工合よく出ることがあります。」
      (55・8)


4. 台所を大切に

     何もかも便利になって、食料品店にゆけば、みなチャントそろっている。
     勤めにいそがしい人、とも稼ぎなどにとっては、まことに重宝この上ない世の中だ。
     ただし、それは、それらすべての出来あいの食品やインスタントものが安全良質であり、栄養的にみても調和のよくとれた完全なものであっての話だ。もっとも、栄養のバランスの方は、良質ナッパさえあれば、だから、青汁でものんでいれば、あるいはよいかも知れない。
     けれども安全性はどうか。はたして安心して毎日食べてもよいものばかりだろうか。材料は?調理法は?添加物は?メーカーにしてみれば、消費者の便利のためとはいうだろうが、もっとも大切な、消費者の健康のためを、どれだけ考えてくれているだろうか。
     そのねらいが利潤の追求にあることは止むをえないまでも、本当に信頼できる真面目なメーカーであれば少しも懸念はなかろうが、現実はどうだろうか。法の目をくぐっても、検査の網にかかりさえせねばと、ただ、利益だけを追っかけている連中ばかりではなかろうか。

     また、故意ではないにしても、どんな誤りがおこらないがものでもない。現に、一流メーカーの製品にも、そういうことが、これまでもしばしばおこっているし、何としても人間の、しかもやとわれ人のやることだ。思いもよらぬ手ぬかりや手ちがいがおこらないがものでもない。
     わが家の台所であれば、自分のミスだけですむが、メーカーのミスは恐ろしい。メーカーを信じ、監督のお役所を信ずるほかないわけだが、人心荒廃の甚しい現在、まことに心もとない。
     しかも、主婦の間では、台所からの解放と歓迎されているようだが、そのまま手放しによろこんでいてよいものかどうか、私には気になってしかたがない。

     またたとえ、台所から解放されたとして、手のすいた主婦が何をするのか。パート勤めでヘソクリをつくるのもよいかも知れない。しかしこれは、いよいよ出来あい食品依存に拍車をかけること、金さえあればの気持をつのらせる以外の何ものでもなかろう。
     娯楽や趣味に、いわゆる文化活動など、教養をたかめるのも悪くはなかろう。けれどもそれが家人の健康、幸福とどうつながるだろうか。

     一家の健康、幸福のもとは台所にある。便利な出来あいの食べものを利用し、台所をあけることが、まるで文化生活であるかのように受けとられているようだが、とんでもない。
     いうならばこれは、一家のもっとも大切な健康を、そして幸福を他人の手に、それも、どれだけ信用できるか、責任をもってくれるかわからない、貪欲そのものの手にあずけることでしかない。
     まことに物騒きわまることではないか。

    (56・3)


5. イモ・カボチャ納豆

     納豆はよい食べものだがあのネバがどうも気になる。イモやカボチャと混ぜると食べよい。

    イモ納豆
    ジャガイモ、サツマイモを軟くたき、納豆をまぜ、適宜味つけする。

    ジャガ納豆
    C B2 B1 A M P K
    ジャガイモ200g、納豆50gのジャガ納豆では、カルシウムが少なく、ビタミンAは0という欠点はあるが、その他はかなりそろっており、チシャ(50g)でくるむと(チシャマキ)グラフのように、カルシウム以外全部うまく釣り合ってくる。チシャをふやすか、コマツナ、ダイコン葉、CO、ケールまきにすればさらによくなる。

    jaga-nattou

    カロチン納豆
    C B2 B1 A M P K
    サツマイモ200g、納豆50gのサツマ納豆では、ジャガイモのばあいと余り変らないが(表)、カロチンイモにすると(グラフ)、それだけでもカルシウムが不足する以外には、完全にバランスがとれている。
    karotin-nattou

    カボチャ納豆
    C B2 B1 A M P K
    カボチャ200、納豆50のカボチャ納豆では、ビタミンB1だけは不足だが、ほかはかなりバランスのとれたものになる。
    kabocha-nattou

    ジャガ納豆同チシャマキサツマ納豆カロチン納豆カボチャ納豆
    カロリー254   262   336   336   204   
    蛋白質12.1 12.7 10.9 10.9 10.5 
    カルシウム56   84   9.4 9.4 134   



    0   600   6   6000   660   
    B10.240.270.340.340.07
    B20.340.370.360.360.31
    30   37.5 60   60  40   


6. 戦後は36年、青汁は38年!!
 「健康と青汁」創刊300号記念に贈る
  当時の遠藤先生の論文(その3)


    緑葉療法

     穀食ヲ主トスル邦食ガ不完全デアリ、穀肉食ハ更ニソノ度ヲ増大スルコト、而シテコレガ矯正ニハ緑葉ガ最モ適当シテヲリ、緑葉ノ充分ナル利用ト少量ノ脂肪ノ添加トニヨッテ合理的ナル完全食トナシ得ルコトハ曩ニ指摘セル如クデアル(1)。
     合理的完全食ガ健康維持上ニ必要ナルコトハ言フマデモナイガ、病的状態ニ於テハ更ニヨリ一層重要ナルコトモ亦容易ニ理解サレル。即チ内因性疾患ハモトヨリ感染ノ如キ外因性疾患ニ於テモ、決シテ病原体ノ侵入ノミニヨッテ発病スルモノデハナク、常ニ内因タル抵抗力減弱ノ存在ヲ必要トスル。

     抵抗力低下ノ原因ハ、一方ニハ先天性後天性ニ獲得セル体質的薄弱ニアルガ、他方不自然ナル日常生活、就中不合理ナル食養ニ基ク異常代謝産物ノ成生蓄積或ハ負担過重ノ結果、元来抵抗薄弱なる諸組織並ニ諸臓器ガ機能的ニマタ遂ニハ器質的ニモ障碍サルルニヨル。
     従ッテ保健上食養ノ合理化及ビ食餌ト代謝能殊ニ運動並ニ諸臓器機能トノ調和ガ重要ナル意義ヲ有シ、コレ等代謝諸臓器ノ機能ニ変調乃至不全ヲ伴フ病的状態ニ於テ得ニ食養ノ合理化ガ強調サレル所以デアル。

     合理的栄養トハ質的量的ニ完全ナル栄養ノ謂デアッテ、諸栄養素ノ調和的配合ト同時ニ各病的状態ニ於ケル代謝能並ニ消費ノ状況ニ適応セルモノデナケレバナラヌ。
     然ルニ現在ノ実状ニ於テハ、腎・肝疾患・糖尿病等ノ治療食ニ見ルベキモノアル他、多クノ病者ノ食餌ハ一般健康者ニ於ケルヨリモ遥ニ不完全デアッテ、所謂栄養食ハ白米飯ニ肉・乳・卵ノ飽食ニアルカノ如ク考ヘラレテヨリ、庇護食ニ至ッテハ乳汁・面湯・「スープ」ニ限ラレテヰルト言フモ大過ハナイ。

     勿論病者ニヨッテハカカル濃厚食或ハ淡白食ヲ嗜好スルモノデアリ、病状ニヨッテハ止ムヲ得ヌ場合モアリ、マタ一時的ニ有効ナル場合モアリ得ルガ、概ネ誤リタル栄養観念ニヨル指導マタハ習慣或ハ嗜好異常ニ出ヅルモノデアッテ、決シテ当ヲ得タルモノトハ為シ難イ。
     極言スレバ最モ完全ナル食餌ヲ必要トスル病者ニ最モ不完全ナル食ヲ給スルノ不合理ヲ敢テシテヰルトイフ状態デアル。

     穀食マタハ穀肉食ノ是正ニ蔬菜類ノ必要ナルコト、特ニ緑葉ノ適当ナルコトハ既述(1)ノ如クデアルガ、緑葉ハソレ自体完全ナル食物デアッテ、

    • ソノ充分ナル利用ハタダニカカル栄養素間ノ不均衡ヲ除キ完全食タラシムルニ資スルノミナラズ、
    • 有力ナル「ビタミン」(A、B、C)・酵素・無機質(特ニ石灰・塩基)ノ給源ナルコト、
    • 優良蛋白質ノ存在ニヨリ有害代謝産物源タル動物性食品ノ摂取ヲ不要ナラシムルコト、
    • 従ッテ無刺戟性ナルコト、
    • 豊富ナル塩基及ビ「ビタミン」ニヨル代謝促進ノ結果、諸栄養素需要量ノ節減サルルコトト相俟チ諸組織並ニ諸臓器ノ負担ヲ著シク軽減スルコト等、
     ヨク諸多病的状態ニ於ケル要求ヲ充タシ、ソノ応用ハ極メテ広範囲ニ亘ル。

     従来既ニ多クノ疾患ニ、動物性食品中最モ完全ナル乳汁トトモニ所謂乳菜食トシテ賞用サレテヰル所以モ亦ココニアル。
     要スルニ緑葉ノ利用ハ保健上ニモマタ治病上ニモ基本的意義ヲ有スルモノデアッテ、真ノ健康ハコレニヨッテ始メテ期待サレ、多クノ疾患ハ単ニコレノミニヨッテヨク治癒セシメ得ベク、マタ多クノ疾患ニ於ケル特殊療法二対シ有力ナル支持ヲ与ヘルモノデアル。
     ナホ腎疾・糖尿病ニ対シテモ特殊ナル治療食ノ要ハナク、何レモ緑葉利用ニヨル合理的完全食ヲ以テヨクソノ目的ヲ達シ得ベシト考ヘル。
     原則的ニ主食(穀粒・粉)ニ対シ約3倍量(飯ハ略3倍量トナル、故ニ飯ト同量)ノ生鮮葉ヲ用フ。

     一部ハ咀嚼・消化能並ニ嗜好ニ応ジ適宜調理シ、或ハ乾燥葉(主食ノ1/3量デ足ル)、或ハ多少ノ根・茎・果菜ヲ以テ代用スルモ差支ナイガ、「ビタミン」・酵素等ノ供給ヲ目的トシテ、常ニ若干量ヲ生食スル。

    • 生鮮緑葉ノ生食ハ本療法ノ眼目トスル所デ多量ナル程ヨイ。
    • 最小限1日100瓦トシ病状ニ応ジ適宜増量スル。
    • 浄水ニテ清洗後、磨リ潰シ或ハ圧搾汁トナシ少量ノ油ヲ加ヘ適宜調味(果汁果肉最適)スレバ青臭味ヲ減ジ食シ易イ。
    • 勿論伝染病・寄生虫感染ノ危険ヲ考慮シナケレバナラヌ。

     生産方面ニ於ケル然ルベキ措置或ハ適当ナル消毒法ガ望マシイガ、差シアタリ糞便汚染ノ懼レナキ山野ノ緑葉ヲ用フルコトモ一策デアラウ。
     動物食ハ得ニソノ必要ハ認メナイガ、優秀ナル蛋白質並ニ脂肪ノ給源デアリ、消化良ク味亦佳デアル。平素嗜食セルモノ、貧血・衰弱、或ハ食思振ハザル病者ニシテコレヲ欲スルモノニハ大ニ賞用スベク、決シテカノ所謂菜食論者ノ如ク極端ニ嫌悪排斥スルニハ当ラナイ。
     但シ穀類同様充分ナル緑葉ヲ配伍シナケレバナラヌ。

     乳汁・卵ハ何レモ幼若動物ノ唯一ノ栄養物デアッテ、理想的食物トミナサルベク、事実乳汁ハ動物性食品中最モ優秀デアルガ、加熱ニヨリ多クハ「ビタミン」Cヲ失ッテオリ、卵ハ「ビタミン」並ニ無機質得ニ石灰含量ニ劣リ何レモ緑葉附可ヲ要スル。
     面湯・「スープ」ソノ他ノ流動食ニ至ッテハ何レモ不完全極マル食物デアリ、シカモカカル食餌ヲ要スル時ハ特ニ豊富ナル「ビタミン」・無機質並ニ諸栄養素ノ合理的供給ヲ要スル場合デ、正ニ緑葉生汁ノ最適応症ト称スベキデアル。

     緑葉ノ供給ニ関シテハ既説(1)(2)ノ如ク蔬菜類ノミナラズ広ク一般草木ニ求ムレバ冬季ノ若干期間ヲ除キマヅ困難ハナイデアラウ。
     マタ冬枯ノ端境期ニ対処スル方策トシテハ乾燥葉(緑葉末油煉)ノ貯蔵ヲ励行スルトトモニ越年性野草類又ハ麦・豆類等ノ促成栽培ヲ行ヒ或ハ「モヤシ」ノ利用ヲ図ルコトモ亦一法デアラウ。
     ナホ食養上注意スベキハ食べ方デアッテ、タトヘ質的ニ完全ナル食餌モ摂取法ヲ過マレバソノ効ハ著シク減殺サレル。

     食ベ方ハ古人ノ所謂飢エテ方ニ喫シ飽カズシテ已ムデ食事ノ回数・時刻トモニソノ消化並ニ代謝能ニ応ズベク徒ニ型式規則ニ拘ハルベキデハナイ。
     邦人ガ一般ニ過食ノ傾向ニアルハ周知ノ事実デコレハ従来ノ不完全食ニ於ケル必要上止ムヲ得ザルノ習慣ニ発シ遂ニ飽食ヲ以テ栄養維持ノ必須要件ナルカノ観念ヲ生ジタル結果デアルガ、完全食ニアリテハ勿論ソノ要ハナク、殊ニ緑葉利用ニヨリ遥ニ少量ニテ足ルコトハ既述ノ如クデアル(1)。

     所謂腹八分目ガ標準デアッテ、常ニ若干ノ余力ヲ残シ、稍々食ヒ足ラザル程度デ、食後元気充溢スルヲ覚エ次ノ食前爽快ナル空腹感アルヲ度トスル。
     咀嚼ハ充分ニ、調味ハ淡白ナルヲ原則トシ、食品本来ノ持味ヲ保存シ、過度ノ附味殊ニ甘・鹹味ハ避クルヲ宜シトスル。飢エテ後食ヘバ特ニ調味ヲ要スルモノデハナク、コレ亦病者ニ於テモ同然デアル。
    (文献省略)(20・3・12)


7. こうするしかない

     医学博士 遠藤 仁郎 

     現在の食べもののまちがいは、ご馳走を食べすぎて、カロリー・蛋白質ばかりが多く、ミネラル・ビタミン(繊維も)は不足、というバランスのみだれと、食品の生産や加工の不自然化のために、食品自体が劣悪化し、有害有毒化さえしていることだ。
     そのため、血のにごりをまねき、体力・健康力・生命力をよわめており、これが、不健康者や厄介な病気の多い原因になっているとかんがえられる。
     そこで、なるべく安全良質の食品をえらぶことと、ミネラル・ビタミン(繊維も)の最良給源であるナッパを十分にそえることが大切だ(緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食)。
     そしてナッパ・青汁は、この食改善の中心をなすもの(食養のカナメ)。
     したがって、健康をまもるためにも、病気をなおすためにも必要だ(なんでも青汁)。

     しかもこの必要性・重要性は、国が栄え、一般庶民のふところ具合がよくなり、生活のレベルが高まるほど大きくなる。というのは、金の力が強くなるほど食のみだれは甚しくなってゆくからだ。
     まず、食べものが贅沢になる。
     台所を粗末にする。
     そして、保存食品、出来あい食品にたよることや、外食がふえ、料理屋、スナック、レストラン、仕出し、給食センター、惣菜宅配サービスと、食事はしだいに人まかせになってゆく。
     つまり、金さえあれば、手をわずらわすことなく、何でもおいしいものが食べられる。
     その金を儲けるために、台所をあずかり、家族の健康をまもるべき主婦までもが働きに出ることによって、その度はさらに加わる。
     食糧生産にあたる、農家も畜水産業者も、金を儲けるためには手段をえらばず。ひたすら増産をはかり、また、時節はずれ食品の生産に力をいれ、食品加工はいまや花ざかり。
     かくして、毎日の栄養のバランスはますますみだれ、有害有毒食品ははんらんする。
     そのうえ、うまい酒、菓子はいっぱい。この風潮は、世の中が金で支配されているかぎり、進行することはあっても後戻りすることは、おそらくあるまい。
     そして、殺人食時代はますます深刻さをつのらせてゆく。

     これに対処するには、根本的には原始にかえり、自らの努力で供給し、調理し、食の自然化をはかること、たとえばイモ・マメ・ナッパ・青汁食にもどることだ。が、それもなかなかむつかしい。
     そこで、せめて、良質ナッパだけでも十分、いや十二分に、余裕をもって食うことだ、ということになる。
     そして、ミネラル・ビタミンに余裕をもたしておけば、うまいものいっぱいの現在、つい手を出しても、バランスをあまりひどくはくずさずにすむ。
     また、血はいつもきれいで、からだ中のすべてのはたらきが完全に行われ、体の内外からくるあらゆる有害有毒物を始末する役目をもっている肝臓のはたらきも完全に行われている。
     だから、いかに注意しても、おそらく防ぎきれないもろもろの害も、そうでないばあいに比べ少なくなるだろう。
     したがって不養生にもよほど耐えられるようにもなろう。
     つまり、ナッパ・青汁の必要性はそれだけ大きくなるわけであり、この食の混乱時代、いや危険な殺人食時代をのりきるためには、こうするしかないのではあるまいか。
     いよいよ焼きがまわり、神がかりもいいところ、とわらわれるかも知れないが、金がモノをいうこの世には、本当に、もうこれしかないように思われてならない。

    (56・5)


8. 企業めぐり

    全国にケールの種を 遠藤青汁友の会
     米国産のケールと呼ばれる濃緑色野菜をしぼった健康飲料の青汁を製造・販売している。
     牛乳瓶半分、90cc入り小瓶1本80円。1本で120グラムのケールを食べた勘定になる。
     田辺芳昭取締役(42)は

    「あくまでも生野菜を食べるかわりの方便ですが、ケールにはビタミンA、C、カルシウムなど多くが含まれているので、病気の治りを助ける効果と、健康増進など種々の効き目があります」
    と語る。
     田辺さん自身も毎日6本飲んでいる。
     芳昭さんの兄で田辺弘社長(60)が昭和28年に個人経営の形で発足させた。
     弘さんは昭和20年代の若いころ、胃かいようで苦しんだあげく、知人の紹介で倉敷中央病院の遠藤仁郎医師(81)を知った。
     遠藤医師は当時、緑葉食青汁を飲んでの健康運動を展開中。
     同医師の指導で、社長自らケールを栽培して毎日0.9リットルの青汁を飲み続けたところ、2年ほどで全快したという。
    「それを感謝して、他の苦しむ人たちにも福音を、と兄は始めたのです。もちろん遠藤先生の教えを広めるのも大きな目的」
     と田辺取締役。
     社名に同医師の名前を入れた。
     ケールは、倉敷市内の農家に委託栽培してもらっている。一年中収穫できるのが強みで、濃緑色野菜の中から選ばれたのも、これが大きな理由だ。自然飲料のイメージを損なわないようにするため農家とは化学肥料、農薬は決して使わないよう申し合わせている。
     製造過程で熱処理をしていないのも自慢だ。薬品洗い、水洗い、つぶしてしぼり殺菌、瓶詰めの順。ビタミン類など熱に弱い成分を多く残すためだ。
     濃い緑色をした青汁は、初めての人には飲みにくい。独特のにおいと味がある。しかし、同社は飲みやすく加工する気持ちは、将来も決してないという。田辺取締役はうまい食品や飲料というのは、たいてい相当の添加物などを加えられ、元の姿を失っている。それでは体にいいはずがない。飲みにくくても仕方がない。体にいいんですから。一週間もすれば慣れます。
     「日本全土にケールの種を」が同社の方針。
     このため、家庭で自ら栽培する意思を持つ人へは、返信用封筒で申し込みがあれば無償で一袋分二百粒ほどの種を送っている。
     土地のない人は、鉢に植えても育つという。2ヵ月ほどすれば葉を収穫できる。
     田辺取締役は「現代人の食事の量は多過ぎる。それにおいしいものを食べ過ぎているのが怖い。食事を減らしてその分青汁を飲めば申し分ないのだが」と残念そうに言う。
     (56・10・27 朝日)


9. 健康相談室 湿疹がよく出る

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「高校生。五年来からだがダラシクなり、全身に湿疹ができるようになった。幼い頃はパセリが大好きでよく食べていた。その頃もたまには湿疹は出ていた。
     それが、5年まえからぱったりパセリを食べなくなり、その頃からひどく全身に出だした。運動をやっているので食事は多いし、菓子もよく食べ、学校ではジュースをよくのんでいるようだ。
     おかずは肉・魚・卵が主で、野菜はほとんど食べない。皮膚科では、体質がかわらねば治らぬ、といわれている。
     青汁で体質がかわるというので少々はのんでいる。」
     と母がご相談にみえた。

     ○ 

     体質には、生れつきのものと、生後の日常生活、ことに食のあやまりのための血のにごりによるものとがある。生れつきの体質は、もうどうにもなるまいが、食のあやまりから来ているものは、それを改めれば、そして、血をきれいにすれば、なおる。
     いぜん、パセリをよく食べていた頃よかったこと、それをやめてから体の調子がかわったことからも、食べもの、とくにナッパとの関係のふかいことが、よくわかろう。青汁もそれと同じ。ナッパをうんととって、食べもののあやまりをなおそうというものだから、熱心にやれば体質はかわる。
     しかし、それには少々のことではダメ。お話のような食べ方だと少なくとも1日1キロくらいのナッパ(青汁にして4合)、あるいはそれ以上は必要だ。
     そして、それ以外にも、つとめて、ナッパを主とする野菜・山菜・海藻類をたべること。主食をへらすべきだから(大飯はいけない)、米よりは雑穀・豆・イモにするか、少なくともそれらを混食すること。
     蛋白食には、肉・魚・卵・乳製品などにかたよらず大豆ものを多くすること。
     そして、いずれもよくかむこと。なお、すべての食品は、できるだけ安全良質なものにすること。
     農薬その他生産用薬剤や添加物に汚染されたもの、したがって保存食品、出来あい食品、インスタントものはさけること――これらの中には湿疹の原因になるものが少なくない。
     調理は簡単に、味つけはうすくすること。
     間食の菓子はやめてくだもの(農薬汚染のない)にし、学校でのむジュース類もやめること。
     などの注意が肝要だ。
    (56・6)


10. 餌つけのコツ

     いろいろな小鳥を飼っていられる先生のお話によると、餌は鳥の習性に応じ、大小さまざまの動物飼料をあたえるが、かならず、それと半々に青菜類を配合する。
     それで、どんな鳥でも、けっして失敗することはない。動物飼料は欠かしても青葉は切らされない、とのこと。
     この経験から、先生は、この原則によった食べ方をされているそうだ。(24・2)



11. クサ

     クサ(湿疹)をいっぱい出した児をつれた若い母親。
     さかんに菓子を食べさせ、ジュースをのませている。



12. 加茂町の若夫婦

    都会にサヨナラ 無農薬野菜に夢
     「土に生きよう」――機械技師と薬剤師の夢をさらりと捨てた若い夫婦が鳥取県境の山間地で慣れない野菜づくりに取り組んでいる。
     「農薬を使わない安全な野菜、有機農業に打ち込むことで政治から置き去りにされていく農村を考えてみたいんですよ」・・・・・・。
     倉本信二さん(25)と真美子さん(24)。
     去年秋、新婚間もない二人は神戸から倉本さんの出身地加茂町へUターンしてきた。
     「排ガスや工場の煙で汚染された空気、あらゆる添加物で毒された食品。こんな都会生活をしていると、自分たちで何とか自衛を、との気になって・・・」
     と動機を語る。
     倉本さんは津山高校から神戸大学工学部へ進んだ。
     父は農業だが、倉本さんは機械メーカーのエンジニアを目ざした。
     入学後間もなく同級生の妹で、神戸女子薬科大生の真美子さんと知り合った。そして去年夏、神戸市内の病院に薬剤師として勤める真美子さんと結婚した。
     新世帯を持って二人は現在の食生活に不安を持つようになった。どの食品も化学薬品と無縁のものはなく、まるで“薬づけ”。「こんな状態で自分たちの子どもを立派に育てられるだろうか」と二人の不安はつのるばかり。
     そんな折、新聞で兵庫県氷上郡市島町の農家が有機農業に取り組んでおり、消費者と契約で無農薬の野菜を直売する方式で成果をあげていることを知った。
     二人は現地を見学、手間がかかるが、やり方しだいでは十分採算がとれるとの確信を持った。幸い倉本さんの郷里には70アールの田畑があり、「土との闘い」に二人の意見は、すぐ一致した。
     真美子さんの実家は新居浜市。父は会社員で、農業経験まったくなし。
     両親は薬剤師の仕事を捨てることに、ためらいを見せたが、それを振り切り、留年中の倉本さんも卒業をあきらめて故郷へ帰った。
     最初は5アールでタマネギづくり。近くの酪農家から牛や鶏のふんを買い、有機肥料栽培方式に取り組んだ。販売先は施設教師の兄に津山市内の家庭十数軒を紹介してもらった。
     ワケギ、レタスも作った。主婦たちから「なかなかよい出来」と励まされ、自信をつけた。
     いま、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン・・・30種ほどの野菜を手がけている。
     真美子さんは野菜生産表を作り、「農薬を使わないので、3倍近い労力がいる。除草と害虫との闘いだが、この調子で置き去りにされている農業をもっと考えていきます」と倉本さん。
     今月中に大豆、黒豆も20アール分まく。トマト、ナス、ピーマンなどの収穫が続く。
     土よせ、草とり、たい肥やり、病害虫予防・・、忙しい仕事が続く。
     しかし二人は「野菜で2百万円ぐらいの粗収入をあげたい。もっと仲間をふやして安全な野菜栽培をしたい」と夢を語る。

    (山陽新聞)



13. 慢性肝炎1年でよくなる

    盛岡市 Y.K. 

     昨年4月ドック入りした。自覚症はなかったが、検査数値が悪く(60〜100)、肝炎といわれ入院をすすめられた。3ヶ月入院しても、全然よくならない。慢性肝炎で肝硬変になるかも知れぬと聞き、人生は真っくらやみになった。そのうち、退院して通院せよとのことだったが、検査データは依然60〜100ですこしも変っていなかった。

     1年まえ、「女性セブン」で青汁のことを知り、また、「青汁は効く」をよんで、「顆粒」をのんでみた。塩釜の金田氏から、同じのむなら生の青汁をすすめられ、昨年の10月半ばごろから、週1回、一升ビン7本をもって塩釜に通い、毎日1升づつのみ、同時にイモ・マメ・ナッパ食にした。
     ところがめきめきよくなり、12月の検査では40以下に下り、今年の4月には30。1年たったこの9月の検査では15くらいになり、すっかり正常の状態だといわれている。

    (56年9月の支部会での報告)



14. ケール雑考

    徳島市 B.H. 

     遠藤仁郎先生から種子をいただいて、栽培をはじめて、かれこれ、25、6年はなるだろうか。栄養価は、もちろんだが、1年生であり、うまく栽培すれば、2年生ともなり、常時、飲用が、続けられるという利点が大きい。
     しかし、欠点も、ないではない。

    軟腐病(腐敗病)
     6月より7月にかけ、幹が、腐り枯死する。最初、苗を移植するとき30センチほど、床を掘り、一番底に、荒い堆肥を、たくさん敷き込み、その上に、石灰を、撒布する。終ると、更に、その上に、油かすをまぜた細い堆肥を敷き、最後に土をきせる。
     支柱を立て、なるべく浅植えにする。そうすると、水はけと通気が、よくなり、根腐りの防止と吸収根への酸素の供給量が、増加し、健苗となり、病気にかかりにくい。
     どんな植物でも、移植する前、床も、深くたがやし根の延びるところを、柔かくし、通気と水はけを良くしておくことは、きわめて大切です。鉢植の原理と同一です。

    青虫
     春と秋と2回、紋白蝶の被害に、泣かされない方はないだろう。
     消毒すると、他の葉に、消毒液が飛散するし、さりとて、一々、つぶして廻るのも、毎日、大変な作業です。
     子供が、蝶をとるための竹の柄のついた網、2百円ていど。
     これを買って、見つけたら、蝶をとらえ、すりつぶすのです。しばらく続けると、蝶が来なくなります。蝶にも、生命保護の本能の上に、更に危険を予知する霊感が、あるのであろうか。不思議と、来なくなることは、事実です。

    アリマキ(アブラ虫)
     6月の終りごろ、花が散って、実のさやが、つきはじめると、アブラ虫が、沢山つき、養分を吸い取り、種子の収穫が、できなくなる。
     繁殖が、旺盛で一々つぶしても、すぐ全面に広がる。
     虫が、つきはじめると、さやのついている穂先に、30センチほどのビニールの袋をかむせて、元を軽くしばっておく。
     実が、熟して、褐色になると、収穫する。
     桃や梨の防虫のための紙袋の袋掛けからヒントを得たのです。

    冬の飲用
     酒をカンする容器で、人肌ていどに、温めて飲む。
     味付けは、黒ざとう、蜂みつ少々。 



15. かゆがり

    茨城県 A.H. 

     数年まえから、ふけ症というのか、今頃(11月下旬)から寒い冬にかけて、頭がかゆく、暖房のせいかと思いますが、ひどくなると背中から体じうがかゆくなり、カサカサになってしまいます。
     青汁がよいと思い、すこし飲んでみましたら肌がつるつるしてきたみたいです。
     でも、青葉を手に入れるにはなかなか大変で長つづきしません。
     ケールの種子をわけていただけましたらと存じます。



16. 長い間苦しんだジンマシン

    奈良県 S.H. 

     ながい間苦しんだジンマシン、青汁のおかげでこの春には全然出なくなり、ほんとうによろこんでおります。



17. 手術後の経過

    石川県 Y.M. 

     ご指導により青汁をのんでおりますが、お蔭さまで、大腸手術後の経過も快調に元気を恢復。感謝飲用の日々を過させていただきおります。



18. 質問箱


     青汁をのむとジンマシンが出ます。からだにあわないんでしょうか。


     ジンマシンの出やすい、カブレやすい体質だと、飲みはじめに却ってよく出ることがあります。しかし、つづけていると体質がかわって、しだいに出なくなります。



 コラム紹介

    なおるものを
    なおらなくしているのは
    本人自身だ



    誰れもかれも
    口をひらけば福祉、福祉というが、
    それが本当に国民の幸福とつながるためには、
    国民全体の覚悟と努力が必要だ



    よい便はやわらかからずかたからず
    ニュニュニュニュッと気ばらずに出る



    多くの人はなおしてもらうことばかりかんがえて
    少しも自分で治ろうと努力しない



    今日はただ一度来るのみにて再び来らず

    ショペンハウエル



    健康のために食うので
    味のため食うのではない
    飲むのではない



    山本神右衛門80才にて
    病中うめきさうなる気色と申し候につき、
    うめき候へば気色もよくなる様にて
    これあるものに候
    うめき申され候様にと申し候へば、
    左様にてはこれ無く候、
    山本神右衛門と諸人に名を知られ
    一代口ききたる者が
    最後にうめき声を
    人に聞かせ候ふてはならずといひて
    終にうめき声を出し申されず候由
    葉隠









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