<1982年2月15日発行 第306号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
| ||||||||||
1. ナッパと健康(2) | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
どう対処すべきか
ミネラルのうち、アルカリの不足については、いぜんからいわれているように、穀・豆・肉・卵・糖などの酸性食品、また、とくに加工食品(酸性の燐酸塩の添加されてないものは殆んどないといわれている)をひかえ、野菜・山菜・海藻・果物などアルカリ性食品を多くすればよい。しかし、カルシウムや鉄その他のミネラル(痕跡成分をふくめて)や、各種ビタミン類の補給には、良質ナッパ以外には適当なものはない。それは、果物や無色菜はもとより、有色菜でも、良質ナッパ以外のものには、ミネラル・ビタミン類がすべてそろって多いものはないからだ。 (302号、「エンプティ・カロリー」参照)
良質ナッパ ダイコン、カブの葉、コマツナ、ミズナ、CO、ケール、キャベツ、カリフラワーの外葉などいろいろあるが、大雑把にいって、緑色が濃くて、ホウレンソウ・フダンソウ以外のもの。これらはすべてビタミンにも、吸収されやすいカルシウムその他のミネラルにもとんでいる。そこで、主食には芋を、蛋白源には大豆を主とし、良質ナッパを十分そえた緑葉食、ことにイモ・マメ・ナッパ食は、現在のところ、もっとも合理的と思われる。 そのために必要なナッパの量は、現行の一般食では、だいたい400〜500グラムだが、その栄養分を効率よく利用するためには、なるべく多くを生食しなければならない。とはいえ、それは容易ではないので、すりつぶして、しぼり汁にして飲もうということになる。(緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食)この食の特長であり、重要なことは良質ナッパの大量をとるということ。すなわち、アルカリ・カルシウムその他のミネラル・ビタミン類に十二分の余裕のあること(繊維も多い)。 したがって、栄養のバランスは完全にとれ、代謝は完全に行われ、血がきれいになり、健康力・生命力がもりあがってくる。そして、健康者はますます健康に、病弱者は健康を回復し、成人病その他、いわゆる現代文明病を予防することも、治りをよくすることもできよう。なお、これをなるべくはやくこどもの時から、いや、もっとさかのぼって妊娠のまえから、つづけていれば、丈夫なこどもが生れ、たくましくそだち、高年にたっするまで生涯を通じて、すこやかに過すことができるようにもなるだろう。 ナッパ欠乏病 こう見てくると、現行食のまちがい、バランスのみだれは、贅美食の飽食と良質ナッパの不足の結果であり、この欠乏こそが、成人病をはじめとする現代文明病のもっとも重大な原因のように感じられる。この意味から、現代文明病はご馳走飽食病には相違ないが、それと同時に、いやむしろナッパ欠乏病というべきであろう。 多いほどよい 経験を重ねているうちに、こうしてうまくバランスをとっていても、もひとつ効果がないようなばあい、ナッパをうんとふやし――慣行食では、普通400〜500グラムのナッパ(青汁にして約2合)でバランスはとれるのだが、青汁を4〜5〜6合(もとのナッパ1〜1.5キロ)あるいはそれ以上もの、常識はずれの大量にしてはじめて効果がしかも奇蹟といいたいほどの、つまり、現在の医療に見放された病気さえもがよくなることがあることがわかった。 それが何によるものか。おそらく、ごく微量だが、それなしには本当の健康はえられないといった未知の因子があるのであろう。いずれにしても、良質ナッパは健康のカナメ、キメテであり、多ければ多いほどよい。そして、日常生活ことに食生活のレベルが上るほど、その必要性はいよいよ増大するわけだが、贅美食になれた舌には、緑葉食、イモ・マメ・ナッパ食の実行はなかなか困難でもあろうから、せめて青汁だけでもしっかり飲むべきだと私は思う。 薬ではダメ ナッパ・青汁の目的が習慣食に不足するミネラルやビタミンを補うためであれば、まずいナッパを食べ青汁をのまないでも薬局へゆけばよいではないか、と誰れしもかんがえる。なるほど、ビタミン剤、ビタミン・ミネラル剤はいろいろできてはいる。そして製品の信頼性に問題はないとしても、はたしてそれだけで、本当に必要な栄養素のすべてがみたされるだろうか。 栄養学はたしかに進歩し何もかもわかったかのように思われがちだが、その実、わかっていることはほんの僅かだけで、まだわからないことがいっぱいある。そのわからないものと、わかっているもののすべてが、そろってはじめて本当に完全な食になるのだから、わかっているものだけしか含まれていない薬では、とうてい栄養の完全は望めない。どうしても、自然の食べもので、栄養学が必要とおしえているすべての成分がそろったもの、すなわち良質ナッパにたよるしかないことになる。 安全ナッパの供給 このように、ナッパは現代文明生活において健康を維持するためには絶対不可欠のものであり、しかも、大量を必要とする。それだけに、良質であり安全、つまり、農薬に汚染されてないものでなければならない。それには、現在一般に行われている、浅耕、化学肥料依存農法をあらため、なるべく深耕し、堆肥、厩肥、石灰、油粕、鶏糞など有機質肥料による自然(健康)農法によらなければならい。そうすれば、ミネラル・ビタミンにとんだ健康で味のよいナッパができ、病・虫害にも強く農薬の必要もないから、安心していくらでも食べられる。もちろん、この栽培法は、他のすべての農作物にも応用すべきであり、そうしてできた健康作物を飼料とすれば、良質安全な肉・乳・卵の供給もけっして困難ではない。 急務は土の健康化 健康のもとはナッパを主とする健康農作物。健康農作物のもとは健康(自然)農法。健康(自然)農法のもとは健康土壌。健康な土つくりこそ健康の基本であり、したがって、国民の健康つくりのためには、この土の健康化(現在の土は死んでしまっている。この土を生きかえらすこと)こそ目下の最緊急事というべきだ。 (56・9)
| ||||||||||
2. 人間しょせん動物(6)―食養生に大切な心得 | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
友成 左近
これまでみてきたように、人生最大の苦痛である病気を予防もし治療もして、人生なにより大切な健康をはかるには、まずもって食養生に心がけて、めいめい生きた体に必要な栄養分を毎日十分摂りいれること、そして、有害有毒物はとりいれないことが大切です。 (つづく)
| ||||||||||
次回参照 | ||||||||||
3. 不老長寿 食物は最良の薬である | ||||||||||
韓国 T.K.
私は常に「百才迄も若く、美しく、健康で、楽しく生きる人間最大の幸福を食生活の改善に依って達成しよう」と唱えており、健康に対する欲望は人並以上に強い。
虚心細嚼不過量 長寿妙道君知否 生水葷菜万歩行 (自然食研究実践家)
訂正 10月号 金時必氏作 七言絶句中 第一行末尾 梁→粱、 第四行三番目 蔬→葷の誤植を →印に訂正してお詫びします。 (56.3) | ||||||||||
4. 肝臓障害者に酒 やはり“毒” 代謝能力、著しく低下 | ||||||||||
【京都】「肝臓の悪い人が酒を飲むとアルコール分解、解毒能力がうまく働かない。やはり“禁酒”するのが体のため」京都府立医大の栗山欣弥教授らのグループは、このほど動物実験に基づいて、酒好きには耳の痛いこのような研究結果をまとめ、19日から東京で開かれる第8回国際薬理学会で発表する。 (56・7・17 山陽)
| ||||||||||
5. もっと精神力を | ||||||||||
捨てたい「物質欲」 (56・10・18 サンケイ)
| ||||||||||
6. 高血圧症から立ち直った私 | ||||||||||
東京都 K.Y.
現在、都内の公立小学校に勤めているものですが、38才位から徐々に血圧が上り始め、42才位から薬を飲み出しました。45才位までは飲んだり飲まなかったりで、医者の指示通りに血圧を計りながら降下剤を服用していました。48才の時、仕事の面や家庭の中でやや無理をしたためか血圧が非常に高くなり(最高血圧185、最低血圧115位)、一生懸命お薬を飲むのですが、一時下りますがまたすぐ上ってしまい、耳鳴り肩こりもするようになってしまいました。 | ||||||||||
7. 肺にはえたカビ | ||||||||||
岡山県 R.Y.
さきごろ、お友達のご主人が、ながい病院での療養の結果、薬害のため、肺にカビがはえている由で心を痛めておりましたので、食欲もなく、青汁はとても飲めないならピロサンでもと、先生のご本とともに送りましたところ、とても調子がよくなり、長くつづいた熱もとれ、貧血もなくなったと大変よろこんで、また、次を注文してこられ、私にも是非のむよう逆にすすめられました。 肺にカビのはえる病気(肺カビ症)は、肺にカビ(いろいろのものがあるが、多くはAspergillus.fumigatusというカビ)が感染したもの。このカビはどこにでもいるが、健康なものはいくら吸いこんでも感染することはない。が、気管支や肺に病気があり、ことに、抗生剤やステロイド剤などをながくつかっているとき、感染をおこしやすい。もともと体力・抵抗力のおとろえたものの病気であり、カビによくきく特効薬はまだないので、この病気の治療はなかなかうまくゆかない。結局、体力・抵抗力をつけることが根本であり、したがって、食べもののまちがいをなおし血をきれいにし、健康力・生命力を盛り上らすことしかないわけで青汁がきいたのも、おそらく、そのためであろうと思う | ||||||||||
8. 鏡をみるのが楽しみ | ||||||||||
福岡県 R.M.
生れつき色黒で、そのうえ顔中にソバカスだらけでしたが、青汁のおかげで色よい顔になり、ソバカスもいつか消えて、鏡を見るのがたのしくなりました。人々からも、顔色がよくなったといってくれるのでとても嬉しくなりました。老いの故、貧血が少々ありますけど、もっと青汁を多くのむとよくなるかと期待をもっています。 | ||||||||||
9. 虹彩炎おちつく | ||||||||||
広島県 I.N.
ピロサンをつづけて服用いたしまして、虹彩炎がようやく炎症をおこさなくなって来ました。おかげさまと、心から感謝いたしております。 | ||||||||||
10. 質問箱 | ||||||||||
五所川原市 E.O.
問 | ||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||
一日中たのしく働け 葉隠
何事のおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる 西行
感謝して受ける者には豊かな収穫がある ブレーク
学ぶよりも 学んだものを棄てることが 一層困難である 古諺
| ||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | ||||||||||
|
||||||||||