健康と青汁タイトル小 <1987年4月15日発行 第368号>
 目次



1. 案ずるより予防

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「2ヶ月ほど前に人間ドックを受け、結果がおもわしくなくて、大変心配しております。
     白血球の減少、赤沈亢進、便の潜血。肝機能検査、ZTT13.8、TTT4.6。
     尿沈査に白血球増加(二次精密検査必要)。子宮の肥大があり、定期検査をおこたらぬように、とのことでした。
     1年前、少しリウマチ気があるかも、といわれています。
     また、半年ばかり前より、就寝時などに、太ももや腕に痛みを感じることがあり、目醒めた時に手がシビレていることがよくありますし、ものがあたった折、人一倍痛みを感じます。
     酒もタバコものみません。46歳の主婦です。」
     という手紙。
     「この成績では、肝臓になにかあるらしいことはわかりますが、それ以外には、白血球減少、赤沈亢進にしても、便の潜血、尿の白血球増化にしても、これだけで、すぐにどこがどうといったことは申しあげかねます。
     しかし、就寝時の太ももや腕の痛みと、手のシビレ、また、痛みの感じのつよいことなどは、ともに、血のにごりのためであり、そのもとは、現在のあまりにも不自然になっている日常生活、ことに食のあやまりにあるとかんがえます。
     いま一般に(あなたもそうだろうと思いますが)、精製穀・肉・糖食にかたむき、いつもそれを腹いっぱい食べています。
     そして、過剰のカロリー・蛋白質にたいし、それらが処理(代謝)されるに必要なミネラル・ビタミンはひどく不足しています。
     そのため、
    1. 血がねばり、かたまりやすくなっていること。
    2. 酸性の食品が多くて血が酸性にかたむいていること。
    3. カロリー源(糖質・脂肪・蛋白質)の代謝がうまくゆかず、有害な中間産物ができること。
    4. インスタントものなど、保存・加工食品が多く、それらの添加物の害も加わって、血はすっかりにごってしまいます。
     そのため、まず血管がやられ、毛細血管が細くなったり、太くなったり、ウネウネ曲って来るなどの異常を生じ、血のねばりとともに血の流れが悪くなり、また、かたまり(血栓)ができるなどといったことになります。
     就寝時の痛みやシビレはそれらの部に、そういう血行異常がおきていることをしめしているのではないか。また、痛みがつよく感じられるのは、神経が敏感になっているためで、これは、血が酸性になり、カルシウムがへっているためとかんがえられます。
     なお、血のながれが悪くなると、からだ中の、いたるところの器官や組織のはたらきがわるくなり、抵抗力がよわり、病気しやすくなり(病気の下地=素因ができあがり)、ながい間には発病するようにもなります。
     いまある慢性肝炎を思わせる検査値や、子宮の肥大、あるいは尿や便の異常なども、そのあらわれ、すなわち病気のまえぶれかも知れません。
     そこで、二次三次と検査はくりかえすべきでしょうが、そうして病気のあらわれるのを、案じながら待っているよりは、それまでに、病気にならないよう、予防策を講ずることの方が、もっと大切でしょう。
     それには、食べものを中心とする日常生活のあやまりをあらためて、血をきれいにすることです。
     まず、良質ナッパをうんと食べて、栄養のバランスを完全にすること。
     そして、食べものはすべて、できるだけ安全なものにすることです。
     とはいえ、現在本当に安心して食べられるものは殆んどないので、比較的安全なものとして、イモ・マメ・ナッパ・青汁食をすすめています。
     それは、主食には米・麦よりはイモ類、蛋白食には肉魚よりは大豆ものを多くし、それに良質ナッパを主とする野・山菜、海藻などを十分そえ、青汁もしっかり飲もう、というのです。
     調理は簡単に、味つけはうすく。タバコ・酒はもとより、菓子・ジュースなど甘味のつよいものは、できるだけさける。
     その他、適度の運動、十分の睡眠、便通をよくし、心のやすらぎをはかるなど日常生活の合理化、つまり正しい養生法をまもり、血をきれいにするようつとめること。
     こうすることで、筋肉の痛みやシビレ、痛みに感じやすいことなどは、おそらく比較的容易に解決するでしょうし、肝臓や子宮その他も、しだいに好転してくるのではないかと思います。
     少なくとも、診察や検査ごとに一喜一憂し、ビクビクしているよりは、ずっとマシではないでしょうか。
    (61・9)


2. 青汁は神サマ仏サマ

     医学博士 遠藤 仁郎 

    「こんなまずいものを、いやいやながら飲んだり、たかがナッパのしぼり汁、こんなもので病気がなおるなんて、と小馬鹿にして飲んだりでは、ききめがあろう筈がないではないか」
     とよくいわれる。
     そういうものかも知れない。
     しかし、それでも、飲めば飲むだけのことはあるのが青汁。
     それは、青汁が、毎日の食事に不足がちなミネラルやビタミンに富んでおり、十分に飲むことで(それはもとのナッパ4〜500g、青汁約2合だが)、栄養的にバランスのよくとれた完全食になり、栄養の欠陥による血のにごりがのぞかれ、血のにごりのための体調のくずれが回復してくるからだ。
     つまり、青汁には、それが効くだけの科学的根拠が立派にある。
     それどころか、4〜5合から6合、あるいはそれ以上もの大量だと、時には思いがけない、奇蹟といいたいほどの不思議な効果をみることさえある。
     いやいや飲んでもそうなんだから、神さま仏さまのように祈り念じながら飲んだら、なおさらだろう。
     こんなことをいうと、

    「とんでもない、神さまや仏さまは全智全能の、慈悲ぶかいお方だからこそ、その教えを信じ、ごりやくにあやかろうとおすがりするのだが、ナッパの汁なんぞがおがめるものか」
     といわれるかも知れないが、さにあらず。
     なるほど、ナッパや木の草葉の葉ほどありふれた、つまらないものはないようだが、実は、これほど尊い、ありがたいものはない。
     それは、青葉が、太陽のエネルギーと、大地のミネラル・水・空気とから生命のもと蛋白質を創り出していることだけでも想像できよう。
     また、あらゆる食べものは青葉によってつくられており、われわれはじめ、生きとし生けるものすべて、直接にか間接にか、それによって生命をささえ、健康をあたえられている。
     さらにナッパ・青汁には、毒を消し、病を防ぎ、傷や病を治す力があり、しかも現代医学の力およばぬ難病にも卓効を見るなど、その恩恵は、まことに測り知れない。
     まさに、これは、万有創造の神のみわざであり、宏大無辺のみ仏の慈悲そのものではなかろうか。
     こう観ずるならば、そして、ただのナッパのしぼり汁などと軽蔑せず、天地自然の大神さま最高のおくりもの、生命と健康の守り神と、すなおにうけとめ、神秘霊妙な力を信じ念じ、祈り、感謝しながらいただくならば、あのまずさも、甘露とはならないまでも、よほど飲みよくなるだろう。
     そして、その真価(青汁サマのごりやく)も、そうしてはじめて遺憾なく発揮されるにそういない。
    (61・9)


3. 慢性湿疹

     医学博士 遠藤 仁郎 

     娘(2才)が、幼少より慢性湿疹で困っております。
     夏の頃はだいぶよいのですが、季節のかわりめなどはひどくなり、所々くずれた状態になります。
     肌はかさかさして、脂けがなく、いつも白い粉がういたようになっています。
     さいきんは、顔はニキビ、あごはあかく小さな湿疹で、部屋があたたまるとカユくなります。
     青汁は3年ほど続けていますが、かさついた個所にはベビーオイルや湿疹用の薬をつけています。

    (60・12)


     ちかごろの言葉でいえば、専門医もてこずっているアトピー性皮膚炎というやつでしょう。
     おそらく、これまでの日常生活ことに食べものがまちがっていたのでしょう。
     この頃のわかい人は、一般に肉類と糖分をとりすぎ、ジュース(アルコールも)を飲みすぎ、またインスタントものなど出来あい食品にかたむいています。
     そのため、血がすっかりにごり、からだが感じやすく、カブれやすくなってしまっているのが原因ですから、とても、なまやさしいことでは解決しません。
     つけ薬も、飲み薬もせいぜい一時しのぎ。日常生活のやりなおし。
     ことに食生活を根本的になおして血をきれいにするしかありません。
     なんとしても野菜をうんと食べることですが、農薬のかかっていない安全なものはまずありませんから、ともかく青汁を思いきって大量に飲む。
     ご飯がすぎるのもよくありませんから、主食にはイモ類を多くし、肉類の代りに大豆ものにし、いずれも控え目に食べ、ナッパを主とする野・山菜、海藻類を十分にそえ、間食には、なるべく糖分の少ないもの、昔流の焼芋、イリ豆など。飲みものも、コーヒー、紅茶よりは麦茶、草茶にする。
     これをつづけているうちは、体調はしだいに好転。
     便通もよく、肌にはつやが出来、すべすべしてき、カユミもへってくる筈です。
     しかし、なにぶんにも長い間の体質。それをかえるためにはどうしても時間がかかりますから、辛抱づよく、熱心につづけることが大切です。
     なお、時々徹底した青汁食=青汁絶食(断食)、つまり、青汁だけを飲む日を入れてみることです。
     1日だけでも、2〜3日〜数日でもよろしい。
     とたんにカユミがすっかりとれて驚くようなこともあります。
    (61・1)


4. 長寿道 −76歳の誕生日に際してー

    元セ・ソウルロータリークラブ T.K. 


      海藻山蔬豆麦粱
      虚心細嚼不過量
      長寿正道君知否
      生水葷酢万歩行

     私が(※)顔真卿の書風を好むようになった由来がある。
     私は1943年8月(33歳)新義州(平安北道)にて経営していた織物卸売商信一商会を舎弟に譲り、ソウルにある家業(株)金龍商会の社長に就任した。業種は同じく織物卸売商であった。
     時局は太平洋戦争がたけなわであった。統制経済が全面実施されて、凡べての物資は配給制度になった。
     元卸売商から一括配給を受けこれを地方の配給組合に分割発送するのが主業務であった。
     幾人かの担当者が処理すれば充分であった。
     私は別に神経を使うこともなく毎日時間があまった。
     私は余暇を活用するかたわら故(※)惺斎金台錫先生に師事することにした。
     ソウル郊外の北方に面した山麓には湖南地方(全羅道)屈指の豪富故同先生の別荘があった。
     鬱蒼たる樹木、満開したいろとりどりの花、清浄な泉が流れるところに風雅なあづまやがあった。
     正しく武陵桃源を彷彿させる風景であった。
     管理人の諒解を得て、そこで故惺斎先生のお都合のよい時は書道練習をした。
     今の混濁した空気の中を東奔西走している生活に比べれば、その時の書道生活はあたかも修道する仙人のようであったことが回想されて、追憶が生々しい。
     これが縁になって、故惺斎先生から私の名前と号を刻んだ大・中・小三種類の落款(落成款識)を記念に貰った。
     その後暫くして八十五光復を迎えて(35歳)、書道は成功するに至らず中断した。
     ただ三種類の落款は六・二五動乱の時も、釜山に避難した時節にも、他の書画は殆んど紛失したが、これ丈はうまく保存された事は奇異であった。

     それから歳月は流れて61歳の時、私は悟るところがあって食生活の改善を断行し、尚ケールの青汁を飲みはじめてから今日に至った。
     56歳の時、体重87kgが、76歳の今日では標準体重である63kgに(身長170cm)に減量することに成功した。
     その間健康に関する書物を耽読し、実践して来たお陰にて今日の健康状態は肥満の時よりも良くなった。
     ところが淋しいことには体重の減少と年齢のためか、昔の豊饒な顔のおもかげが消え去ったのは、何んとも仕方ないことではあるが、反面、顔の色とツヤ、内臓の機能などは以前よりも良くなったことは心強い限りである。
     私はケールの青汁をふくむ食生活を改善してから私なりに健康の正しいみちしるべを体得して、一家言を持つようになったことは、私の老後の生活を鼓舞させてくれるので喜んでいる。
     又、やはり甲斐のあることは私自身も知らない内に正統的な自然食実践家になったことと、体験談を健康誌に投稿し、あるいは方々で講演するようになったことである。
     昔から家伝秘方(先祖代々伝えられて来ている秘密の処方)と云う言葉がある。
     自分だけ判り、人には教えないということである。
     これでは社会の発展はない。自分だけ判るのではなく、人にも教えなければならない。
     私が実践して得た効果のあった食生活及びケールの青汁の内容を広く普及させたい意慾を持っているが、私一人の力ではどうにもならない。
     私が渾身の努力を払っても、多くの人々に食生活改善に決断させることは難しいことであろう。
     しかし、一人でも正しい食生活を改善するとすれば、私の努力は決して無駄ではない。
     現今、成人病が増加一路にあるのは遺憾である。
     現代医学では成人病の治療は難しい実情である。
     成人病は食生活の改善にて予防可能である。
     2,300年前医聖ヒポクラテスは「食物にて治療出来ない病気は医師と薬をもってしても治療出来ない」と喝破したことがある。美国国会上院の営養・医療問題特別委員会報告内容が、私が実践している食生活が正しい事を敷衍してくれて愉快である。
     私が実践し続けている食生活の内容を七言絶句にて綴ったのを揮毫して知己に頌けはじめてから十年近くなる。
     勿論無償である。字解と大意の説明書も(日文・英文にも翻訳した)印刷して頌けているも、率直に言って揮毫とはいうものの、筆力は弱く、全体の均衡調和が取れていないので、魅力をおぼえる程のものではないが、ただ内容だけは万古不朽といえば、いささか誇張した表現になるかも知れないが、現在に於いては、もっとも信奉すべき真理がふくまれていると自負している。
     筆力は初めて揮毫した時よりも次第に向上していくのを見ると、私は未だ老衰していないことが証明されて、今更ら食生活の改善とケールの青汁を長期愛飲したことを喜んでいる。
     私は老後奉仕として長寿道万幅を揮毫することを決めている。
     しかし、今迄10年近い間に実践したのが辛うじて千幅に過ぎない。
     このような速度にて進行すれば、万幅の目標達成はおぼつかない。これでは困る。これからもっと情熱をかたむけて、一度決めたことは完遂するのが大丈夫の気概でもあろう。
     ある友人は言う「精力を消耗して一々揮毫するよりも一層のこと印刷した方がよいのではないか」と。
     こんなにすることは、もってのほかである。
     印刷することは広告伝単に過ぎないことになる。
     私が書いた線や点には長寿道に執念する貴重なまごころがこもっていると言える。
     揮毫する時精神が集中され、頭がすっきりすることは精神修養にも役立つことになる。
     今日迄知り合いの方に頌けて上げたのを大別すると、国内六三〇幅、日本国二二〇幅、米国地域二五幅、外国ロータリー会員一二五幅(香港、九龍東区、台北、西、日本、川崎、仙台北、江戸川クラブなど)である。
     受けた人達がどんなに保管しているか知らないが、その中には表具して床の間に掛けたと答礼の書信をよこして来る。又は写真に摂って送ってくれた国内外の友人も居る。
     一方故惺斎先生の遺品である落款を貰った当時、これを30−40年あと肝要に活用するとは予期出来なかった。
     私とは仏教で言う前生からの縁かも知らないと感懐がひとしお深い。
     こんご残った課題はすでに心に決めた通り生前に万幅を完成することである。
     現在は忙しく活動しているのでひまの時にのみ揮毫しているも、もしも完全に一線から退き、揮毫に専念することが出来れば初志を必ず貫徹することである。
     揮毫自体よりも正しい健康道を後世に至る迄、広く知らせることが出来れば、私が今日ある迄社会から授かった恩寵の一部でも報答することになろう。

    (註) ※顔真卿(顔魯公)(709−784)中国唐代の書道大家、書風は男性的な剛気がある。
    ※ 惺斎金台錫(1874−1951)書道大家、特に篆書と顔真卿書風の楷書に抜群。
     1948年大韓民国の樹立に際し、大統領及び各部署の凡べての官印を篆書にて彫刻したことがあったが、その後ハングル(韓国固有の文字)専用になったため遂に栄光を受けることは出来なかった。
     中学校の習字教本を出版し、篆書彫刻に於いてはその奥妙な事、到底他の追従を許さぬ頂上の実力者であった。


5. 疲れると口が荒れる

     医学博士 遠藤 仁郎 

     56才の婦人。2月の末のまだ寒い雨の日に遠方から来院。
     「ずいぶん前からのことですが、疲れるとすぐ口が荒れます。貧血をおこしやすいし、カゼをよくひきます。食欲はふつう。ご飯の量は少ない。おかずは野菜が主。」
     「どんな?」
     「いろいろ。」
     「青いものは?」
     「ホウレンソウぐらい。」
     「お宅でつくられたものですか?」
     「はい。」
     「農薬は?」
     「さあ、主人がつくっていますので・・・・・・。」
     肉は全然食べず、魚が主。味はふつう。
     甘いものは好きな方。通じは結しがち。2〜3日に1回。色白だが、肌につやがない。尿に異常はなく、血圧は130/80。舌にはうすい苔がついており、歯肉に接した頬の粘膜にタダレ(アフタ)が一つ。かなり神経質らしい。

     ○ 


     カゼをひきやすいのは抵抗力が弱っているため。
     貧血(脳貧血)をおこしやすいのは神経質で自律神経が不安定なため。
     口の荒れは、習慣性アフタという原因不明(おそらくビールス性)のものでしょうが、アレルギー性で感じやすくカブれやすいのではないでしょうか。」
     「とくにカブれやすいとは思いませんが、時にからだが痒くなる(何も出ないが)ことがあります。」
     「それもカブレ反応の一種ですよ。いずれにしても、そういうわけのわからないばあい、食べもののまちがいによる血のにごりが原因ではないか、とかんがえるのが、私のクセなんです。」
     「食べものについてはかなり気を配り、バランスよくとるようつとめているつもりですが・・・・・・。」

     「そのバランスなんですよ、問題は。というのは、ふつう、ご飯や肉や魚に偏らず、野菜やくだものを適宜あしらっていれば、それでバランスはとれているように思われているようですが、決して、そう簡単なものではなく、本当のバランスは栄養分の釣り合い、すなわち、カロリー、蛋白質と、それらが体内でうまく処理(代謝)されるために必要なミネラル(アルカリことにカルシウム)とビタミン類との調和なんです。
     しかも、そのバランスのミネラルやビタミンの必要量が少なすぎます。
     たとえば、現在わが国の平均的の食事でも、それらは、基準にくらべいくらか下廻っている程度だとされていますが、私はそれでは少なすぎ、理想的にはもっとずっと多くなければダメだ、とかんがえています。
     この見方からすると、いま承ったあなたの食事も、カロリー・蛋白質は十分でも、ミネラル・ビタミンは不足しています。
     そのため血がにごり――アルカリことにカルシウムの不足、有害な代謝産物などによって――体調がくずれ、抵抗力がよわり、感じやすく(アレルギー性)カブれやすくもなります。
     つまり、そういう故障をおこす下地ができ上っているわけで、これがカゼをよくひき、貧血をおこし、疲れやすく、疲れるとひそんでいるビールスがあばれ出しアフタで口が荒れるといったことのもともとの原因ではないでしょうか。
     とすれば、これをなおすためには、不足しているミネラル・ビタミン類を十分補い、栄養のバランスを完全にしなければなりません。
     ところで、この条件をみたすものは、ふつうの野菜、くだものではダメで、どうしても良質ナッパ(ホウレンソウ・フダンソウ以外の緑の濃い)でなければならず、しかも大量(平均食でも400〜500g)が必要です。
     で、しぼり汁(青汁)にして飲もうというわけです(約2合になります)。
     もちろん、農薬のかかっていないものでなければなりません。
     そのようにして、栄養が完全になり血がきれいになれば、からだ中のすべてのはたらきがよくなり、抵抗力ができ、神経の感じは鎮められ、カゼをひいたり、貧血をおこしたり、疲れることはなくなり、口の荒れることもなくなるでしょう。
     そのうえ、食べものはすべてなるべく安全なものをえらぶよう心がければなお結構です。」

    「よくわかりました。そのようつとめてみたいと思いますが、さしあたり、なにか薬いただけませんか。」

     「いらないでしょう。体質をかえなければ根本的にはなおりませんし、体質をかえる薬はありません。口の荒れにたいしては口内錠といったものがないではありませんが、その程度の荒れは、青汁のウガイだけでも治ってしまいます。」

     といったので、寒い日にわざわざ遠くから来たのに、お説教だけではと、いかにも不機嫌そうだった。
    (59・2)


6. ガタガタになっていたからだ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     船橋の和田さんから、

     「父の書棚から先生著、「青汁の効用」(昭和36年4月20日発行)を拝読いたしました。
     先生はご健在でいらっしゃいましょうか?
     私こと(美容師、62才、12年前、店のクーラーにて急激に体を冷却して発病。
     全機能をガタガタに低下させてしまいました。
     それいらい、体調もどらず、5年ほど前より、左下腹部および横腹あたりにチクチク、ジクジクとした鈍痛がおこりはじめ、日夜苦痛に明け暮れております。
     健康時は48キロ(背丈151センチ)あった体重が36キロまで下り、鶏がらのように痩せてしまい、スタミナがありません。
     あちこち病院で検査もいたしましたが、大した病気も発見されず鈍痛の原因は全くわかりません。
     いま、過去をふりかえり病気はみな自分自身の招いたものと反省の一語につきますが、反省のみでは治りませんので、なんとかもう一度元気になりたいものと念願し、いろいろ挑戦しております。
     過去の暴飲暴食、過労、睡眠不足などなど。内蔵機能よわり、全体が下垂状態の体質となっておりますが、このような体にも青汁はよろしいでしょうか?
     生野菜は好みませんので、ほとんどボイルド、または煮付けることが多くなります。
     以前、青汁ブームの頃、母がセッセとこしらえてくれまして、ガブガブと相当量を飲んだことがありますが、あのころは、それこそ顔が非常に綺麗になり、「あら嬉しいな」と思って一生懸命飲んでおりましたが、そのうちになにか顔や体がおかしくなり、ついに中止してしまった、という記憶がございます。
     冷え性のばあいは青汁はあわないのでしょうか?
     また、まちがった飲み方をしていたと思いますので、その点よろしくご指導下さい」
    (60・5)
     という手紙をいただいた。
     ○ 

     ごらんの本が出てから25年たちました。
     ことし85才になりましたが、おかげさまで元気にしています。さて、あなたのご病気、くわしい検査をしてもわからないそうですが、おそらく、あなたの仰言るとおり――クーラーでひえてからだ中の機能がおとろえ、痩せ、内臓は下垂し、栄養が十分とれず、そのうえ、ものごとに感じやすく(アレルギー性)なってきているからでしょう。
     そして、そのもとは、あなたのそれまでの、あまりにも不自然であった日常生活。
     ことに食のあやまりのため抵抗力のよわっていたからだを酷使していたことにあり、たまたまクーラーで冷やしたことがキッカケになったものでしょう。
     そこで私は、からだを冷やさないこと。血のめぐりをよくするため適度の運動をすること、食べものの全面的たてなおし(合理化)をすること、をおすすめします。
     食の合理化には二つの条件があります。
    1. できるだけ安全な食品をとること(安全化)。
    2. 栄養的に完全。つまり、バランスがよくとれていること(完全化)。

    食の安全化
     いまの食生活でいちばん困ったことは、安心してたべられる安全食品がほとんどないことです。
     健康なものにとっても、そういう有害有毒食品は、決してよくはないわけですが、体調をくずしているものにはなおさらです。
     すべての食品はできるだけ安全なものをえらび、インスタントものなど、出来あい食品はなるべくさけるよう、とくに注意してください。

    食の完全化
     完全化のために大切なことは、とかく不足がちなミネラル(アルカリことにカルシウムなど)、ビタミンを十分に補うことで、そのためには良質ナッパをウンと食べること。
     その方便として青汁をのむ。青汁は、もう、はやくから経験されているとおりで、やり方さえ正しければ、少しも害はありません。
     いぜんおかしくなったのは、おそらく何かまちがい――多分、材料の安全性に問題があったのではないでしょうか。
     良質・安全なナッパでさえあれば、絶対そういうことはおこりません。
     また、からだが冷えることもありません。
     どころか、冷え性の人でもホカホカとしてくるほどです。
     内蔵下垂にも少しも差支えはありません。
     胃がダブつくようなら、ガブ飲みせず、少しづつ飲めばよろしい。
     要は、材料が良質で安全、そして十分の量を、根気よくつづけること。
     分量は少なくとも2合(もとのナッパ400〜500g)以上。
     多いほどよろしい。経験ずみだから、いきなりそれ位のまれてもいいとは思いますが、まあ少量からしだいにふやすのが無難でしょう。
     もし胃にもたれるようでしたら、とくにこの点に気をつけてください。
     このようにして、栄養のバランスがとれてくると、体調はしだいによくなり、食欲が出、よくねむれ、通じがよくなる筈です。
     もっとも、ひょっとすると、一時的に腹痛が出るか、強くなることがあるかも知れません。
     それは胃腸の機能がよくなり、運動が活溌になるためで、懐炉を入れるなど応急措置をしながらつづけているうちに、おさまって来ます。
     いうならば、治りがけの反応(動じ)、心配はご無用です。

    他の食べもの
     なお、他の食べものもできるだけ安全・良質なものをえらぶこと。
     白米飯・白パンよりは雑穀・豆。ことにイモ類。肉や魚の切り身よりは小魚・大豆もの。
     そして、良質ナッパを主とする野・山菜、海藻など十分そえること(イモ・マメ・ナッパ食)。
     調理は簡単に、味つけはうすく。

    野菜
     生にこしたことはありませんが、青汁をのめば、あとは適宜調理して結構です。
     要は必要な十分の量をとり入れればよろしい。
     そしてよくかむこと。
    (60・5)

     この10月銀座のスタンドでお目にかかったが、大変お元気そうであり、
    「私、一番の苦痛であった左下腹部の鈍痛が、わずか1週間で嘘のように治まり、その後は風邪もほとんどひかなくなり、鼻アレルギー、その他の疾病も徐々に好転、体が軽く、疲労感もなくなり、本当に心楽しい毎日をおくっております」
     とのことであった。
    (61・11)


7. 有機農業運動の発展を

     いま日本中で使用される農薬の量は、1年間に70万トンにのぼります。
     この散布される農薬は、野菜や米、果物などを汚染するだけでなく、土や川、池・海の水まで汚染してゆきます。それは私たちの食物の中に、空気の中に入りこみ、やがて人々の体内に侵入してきます。
     農産物を調べると農薬が残留しており田畑の近くでは農薬の臭いが鼻をついてきます。
     日本は農薬の使用量がずば抜けて多く、世界で1〜2位を争っています。
     この結果、先づ農民の中に農薬による被害者(病人)を増大させています。
     いち早くその危険な将来を見通した農家は、農薬から脱却するために、化学肥料を減らし有機肥料に切りかえて病害虫に強い農作物づくりに転換しているむきも増えています。
     少なくとも自家で食べる農作物には極力あるいは全く農薬を使用しない農家が、圧倒的に増えているという。
     早朝のラジオドラマや新聞の家庭欄でも有機農業へのとりくみをとりあげ、その重要性を知らせようと、各界識者も努力しています。
     しかし、市場の八百屋さんを見る限り、完全農薬づけ栽培が支配しています。
     どこに問題があるのでしょうか。虫をきらう主婦に合せて、販売店は見た眼にきれいな物を要求し、これを受けて中央市場は農協や生産農家に、さらに恰好のよい農作物を要求します。
     その結果は、農協の農薬使用奨励となり、製薬会社は金儲けとつながり、より強力な新農薬の開発と除草剤による楽な農業へ誘導してゆきます。
     これら流通機構関係者の責任は重大ですが、経済優先の時代にいかにして流れを変えるべきか?有機農家を守り、安全な農産物を供給する運動を発展させるしかないはずです。
     製薬会社や農協がいやな顔をしても、生命と子孫を守るために、この運動をみんなの力で拡げ、消費者を組織し学習の輪を育ててゆく気の長い運動として、次代にゆずり渡してゆかなければならないでしょう。

    (ケール健人の会会報)−伊藤伝一−


8. “骨折激増!!”

    30年前の9.2倍 1日11万人も

     手や足、指を骨折する人が増えている。
     厚生省が2日までにまとめた患者調査によると、入院または通院治療を受ける1日当たりの患者数は、30年前の9倍を超す1日約11万人。
     急速な人口の高齢化で膨張する老齢患者の増加が最も目立っている。
     また、運動不足による骨、筋肉の低下が一因なのか、幼児、子供の骨折事故もふえる傾向にある。
     患者調査によると、調査が始まった28年、手や足、指の骨折(四肢の骨折)で入、通院した患者は1日当たり1万1900人。
     以後ほぼ毎年増加を続け39年には1日当たり5万人、46年には同8万人を突破した。
     51年に同10万人の大台に乗って以降、横バイの傾向にあるが、最も新しい59年の数字は入院4万7300人、通院6万2500人の計10万9800人。約30年間で1日当たりの患者数は9.2倍に増えた計算。
     日本人の死因のトップを占める悪性新生物(がん)の7倍を上回る異常な増加率だ。
     患者の内訳を59年でみると、4人に1人弱(2万5600人)は65歳以上の高齢者、6人に1人(1万7700人)は14歳以下の幼児、子供。
     この10年間に限っても65歳以上は2倍、14歳以下は1.5倍に増え、残る15−64歳の1.2倍を大きく上回っている。
     この間の人口の推移が65歳以上は40%増、14歳以下は逆に1.3%の減となっている点を合わせると、老人や子供の骨折患者は単に総数だけでなく発生率でも大幅に上昇していることになる。
     高齢者の骨折は、50、60代から急速に骨の老化が進み、閉経後の女性を中心に骨がもろくなる骨粗しょう症が増加するのが一因。
     大たい骨のけい部骨折などが目立ち、一度骨折すると回復が遅く寝たきりになるケースも多い。女性ホルモンやカルシウム、ビタミンDの投与による治療などが行われているが、高齢者の急増で今後も患者の増加は避けられない情勢。幼児、子供の骨折となると原因はいまひとつはっきりしないが、木登りなど運動の減少で骨やこれを支える筋力が低下したのが一因、とする見方が多い。

    (61・4・3 サンケイ)


9. 北朝鮮だより

    平壌医大 J会 

     私の研究室では、青汁に対する研究に、全面的にとりくんでいます。
     自然栄養食としての青汁のもつ力強さを、私たちは確信しています。
     今までは、肝炎の治療に対する臨床研究と動物実験を行っています。
     新年は、これをもっと深く研究し、学術的に完成しようと思っています。
     次の計画は、子供等の成長と高脂血症を研究し、また、青汁の成分研究をも一緒にする計画です。
     ケールも私たちが直接畑でつくるわけですが、困ったことは、非常に虫がわくことです。
     また、冬を過ごせないことです。
     これだけ解決したら、すばらしいことですが、なんとかやってみるつもりです。

    (89・1)


10. 無添加食品で健康を守れ

    大阪市 K.M. 

     私たちの知らない所で、何千何百人かに一人の割で、いろいろな障害を持った赤ちゃんが生まれている。
     また、新しい病名の難病も多く聞くようになった。
     なぜ、こういう赤ちゃんや病名が、生まれるようになったのだろう。
     私たち一人ひとりが、何か大事な事を忘れて、目先の進歩ばかりに目をとらわれていないだろうか。
     その一つとして、今の食生活の中にも、原因があるのではないかと思う。
     スポーツで汗を流して健康をはかるのもいいが、添加物の入っていない食品、調味料、そして農薬を使わない土(生きている土)で育った野菜、人間一人ひとりの健康を願って作られている「自然の理」にかなった食物を、食卓に出してこそ、本当の健康を得られるのではないでしょうか。
     私たちの周りにも、こういう食品はきっとあります。
     一人ひとりが、こういう食物を求めていけば、いろいろな障害を持った赤ちゃんも少なくなるのではないだろうか。
     また、二十一世紀を担う子供たちの健康も守られると思う。

    (61・10・26 サンケイ)


11. 月刊住職 読者の広場より

    されどわれら住職 万病にきく青汁説法

     私の青汁(ケール)健康法をご紹介して、おすすめします。
     昭和43年7月、家内(当時47歳)の体調が急に悪くなり、入院することになりました。
     肝機能障害、高グロブリン血症、胆のう炎の併発でした。
     私は、近所に「青汁」で命を拾った人を知っていましたので、医師の許しを得て、青汁を試してみることにしました。
     とりあえず、よもぎをさがして、毎日1合弱、家内に飲ませました。
     1ヵ月ほどで退院できましたので、その年の9月、家内ともども「青汁」提唱者の遠藤仁郎先生(現・倉敷中央病院名誉院長)をたずね、ケールの種を頂きました。
     この種をすぐまいたところ、12月にはジュースに出来るようになり、家内に毎日飲ませました。
     これを飲むようになって肝機能検査の結果も月ごとによくなり、ついに翌年の4月には、元の保母職に復帰できました。
     ケールの予想以上の効果にびっくりして私も飲み始めました。
     長年、胃腸障害と便秘に悩んでいたのですが、そのおかげで、すっかり全快しました。
     血圧も正常で、冠不全と一時診断された身で、昭和52年に、念願の富士登山も家内と共に果たしました。
     青汁というのは、いわゆる有色菜(大根葉、かぶの葉、キャベツの外葉、みずな、小松菜、あぶらな、にんじん葉、パセリ、しそ、そしてケールなど)をそのまますりつぶして出来る汁のことです。
     こうすると、カルシウムなどのミネラルやビタミンが非常によくとれますので、おのずと体質改善になるわけです。
     とりわけ、ケールはキャベツの原種といったもので昭和29年に遠藤先生がアメリカからその種を入手して、この青汁がすばらしい効果をあげたのです。
     ケールは一年じゅう栽培ができ収穫量も多く、味もよいので、青汁に最適の野菜といえます。
     飲む量は、1日に2、3合は必要です。
     病気のときには5、6合と大量に飲みます(1合の青汁をとるには材料の菜っぱは約250g)。
     しぼりたてを毎日飲むのがこつでしょう。
     効果は抜群です。遠藤先生によると、その効能は文字通り、万病にきくそうです。
     ケールなど、くわしくは、「遠藤青汁の会」(倉敷市向山1997−6)におたずね下さい。
     私はお説教のついでに、いつも恩返しのつもりで“青汁説法”をしております。

    愛媛県 曹洞宗大通寺住職 越智廊明(74歳)


12. 患者じわじわ増加 結核対策に協力を

     従来、わが国では結核は国民病といわれるほどその罹患率、有病率および死亡率が高かったが、予防対策の推進や医療の充実により順調に減少を続けた。
     しかし、最近その減少の速度が鈍化し、逆に、ある年齢層では増加傾向がみられるようになった。
     すなわち、新発生患者は、昭和30年代の初めの年間50万人から減少を続け、昭和59年には年間6万1521人にまでなったが、他の感染症の同年の発生は、コレラ92人、赤痢997人、麻疹1万2268人であり(昭和60年国民衛生の動向より)、結核は有病期間も長い今なおわが国最大の伝染性疾患であることがわかる。
     さらに、結核対策上その動向に最も注視する必要のある感染性(排菌のある)患者は、昭和59年1年間に2万3457人が発生し、昭和58年に比べて僅かに増加している。
     また、患者は高齢者に多く、59年では有病者、発病者ともに50歳以上の者が全体の3分の2を占めている。
     結核の症状には特有のものが少なく、そのため厚生省では「長びく咳や痰」などの有症状時の受診をひろく呼びかけている。
     このような現状に対し、国民の間では、結核への関心が予想以上に薄れており、ここで現状を再確認するとともに、医療関係者に結核減少への協力が厚生省から呼びかけられたものである。

    (日医ニュース60・12・5)


13. 鎮痛剤が頭痛の原因に

     ある種の鎮痛剤を常用すると、慢性の頭痛が治るどころか頭痛を誘発することがあるという。
     頭痛を毎日生じる患者52例を検査し、治療した。
     40例は片頭痛、残りは血管運動性または打撲後の頭痛であった。
     片頭痛の持続期間は平均21年、慢性頭痛は平均7.6年だった。
     全例が少なくとも三種の鎮痛剤を規則的に使用していると報告し、週当たり平均35.6個の錠剤または坐剤を用いていた。
     患者を外来で3〜6か月間観察、薬剤の使用状態、頭痛の頻度と程度を監視した。
     次に入院させ、すべての薬剤をいっぺんに中止した。
     頭痛の増大、悪心、嘔吐、頻脈、発汗、睡眠障害などの禁断症状が認められたが、幻覚と脳症状はそれほど多くなかった。
     薬剤の使用中止後、入院の最終日までに慢性頭痛は77%の患者で著しく改善または完全に消失、16か月のフォローアップ後も70%で有意な改善が続いた。
     酒石酸エルゴタミンとアミノフェノール誘導体が、慢性頭痛の原因として最も多いと結論された。

     Dtsch.Med.Wochenschr.109:369,1984
    (Medical Tribune 1984.9.12)


14. 多量のコーヒーで心疾患のリスクが高まる?

    【ボストン】これまでの研究では、コーヒーの消費と心疾患の間にはなんら関係がないとされていたが、ジョンズ・ホプキンス大学の1948年から64年までに同大学医学部を卒業した1,130人を対象に行なった研究では、大量のコーヒー(最低1日5杯から6杯)を飲む人は飲まない人に比べて、狭心症や心臓発作など心疾患のリスクがおよそ3倍も高いことが示された。
     しかしコーヒー好きの人には喫煙者が多いために、コーヒーを飲む人のほうが心疾患のリスクが高いのではないか、という見方もある。
     一方、米国コーヒー協会では「この研究は、食事や仕事のストレス、座業の習慣といった要因をまったく考慮に入れていない」と非難している。

    (Medical Tribune 1986.11.27)


15. 大腸癌の手術後

     医学博士 遠藤 仁郎 

    「大腸癌の手術後3〜4ヶ月たっていますが、どうもはっきりしません。食欲があまりなく、呼吸回数が多く、しんどそうです。肺にひろがったのではないかと心配です。青汁はどうでしょうか」
    「手術してみてもう転位もあり、せいぜい半年くらいといわれたのが青汁をうんとのんで、5〜10〜15年も元気でいる人もあります。
     また、肺に転位していたのが消えたというのもありますから、のめさえすればのめるだけのんでほしいと思います。
     が何分かなりの大量、少なくとも4〜6合(もとのナッパ1〜1.5キロ)以上が必要なので、食欲がないと無理でしょう。
     もっとも、とてもダメだろうと思われていたのが、のんでいるうちに食欲が出てきて、すっかり元気になったという幸運な人もありました。
     ともかくすすめてみられてはどうでしょう。
     味つけなど工夫すれば、少しはのみよくなります。
     分量が多すぎてのみづらければ、粉末を混ぜるのも一法です。
     たとえば、6合のむとして、ナマの青汁3合に、3合分の粉(ピロサンで40〜50g)をまぜれば、分量はあまり多くならないで、実質は6合ということになります。

    (59・1)


16. 脳梗塞完全治癒

    東京都 S.K. 

     明けましてお目出度うございます。脳梗塞で、退院してから1年かかりましたが、昨秋から体がしっかりして来まして、元通りの元気をとりもどすことができ、何の不自由もなく家事仕事しております。
     新聞と粉末青汁に感謝いたしております。

    (62・1)


17. 皮膚がよわい

    広島市 K.N. 

     皮膚が大変弱く、しっしん、かゆみ(かぶれ)等、常時悩まされております。
     病院で注射をすると、かゆみがとれ、しばらくは良いのですが、数日経つと又同じです。
     身体内から治さなければいけないと思い、薬草、青汁の本を読んで、扁桃腺も悪かったので、ヨモギの青汁を10日ほど飲みましたが、短期間でしたので効果はわからず、人からヨモギはアクが強いからかえって身体をこわす、と聞かされました。
     近くにドクダミ、ヨモギが沢山あるので張り切っておりましたが、両方ともせんじて飲むしかないでしょうか?」

     ○ 

     おそらくナッパ不足が原因です。青汁をしっかり、1日3〜4合(もとのナッパ1キロ)以上をつづけ、糖分(菓子・ジュース類、味つけの砂糖)をへらし、白米飯・肉魚なども控えめにすることです。
     ヨモギ、ドクダミでも結構です。


18. アーオイシー

    多治見市 H.Y. 

     私共に3才6ヶ月になる男の孫がいます。
     生れて2ヶ月位の時から、本当に体が青くなる位のませました。
     今では体重16kg。むしば無し。家では青汁見本といっては、体の弱い方を見ると、孫をさして申します。
     私の家では色々と青汁のエピソードもありますが、やはりこれは続けて根気よくなさる方はそれぞれに効果をあげて、ケール作りにはげんでいらっしゃる方もあります。
     又、二人目の孫が生れます。
     この子も青汁見本になる位元気な子に育てたいと想っています。
     今の孫は尚チャン青汁のむ?オーケーと答えて片手に牛乳、片手に顆粒をもって、気嫌のよい時は1袋、少し御気嫌の悪い時は半分位、口の中をまっ青にして、「アーオイシイー」といってのみます。
     本当にたのしみです。

    (61・7)


19. 高齢化社会と健康づくり

    遠野市 E.O. 

     私は昭和10年から1日2食の玄米食にし、玄米には小豆とハト麦を入れ、副食にはできるだけ豆類、芋類、海藻、野菜などを多くとるようにしています。
     また、青汁の摂取を始めておよそ43年になります。
     遠野市役所が発行した健康づくりの本にも、緑黄色野菜、ケールを大いに摂取せよとありますが、私の青汁作りもケールというキャベツの原種を用います。
     栄養価が高いと言われ、便通もよくなります。
     老化は足からと言われますが、私は毎日、西式健康法、ヨガ、真向法(まっこうほう)を取り入れた体操を行っています。
     朝起きて、まず足首を前後左右に動かし、ひざ、腰、背骨の屈伸運動をします。
     真向法は、童心、童顔、童体を表現したもので、動作はわずか四つ。
     これが完全にできれば体内に病気がないと言われています。
     自分の健康は自分で作るとの心掛けが、病弱だった体に健康を取り戻し、毎日元気に働くことができるようになったのだと思っています。


20. 顆粒のおかげ

    保谷市 H.A. 

     体調もよくなり、通じもよく、日々が快適になりました、有難うございます。


21.質問箱


     リカバーミルは従来のミキサー、ジューサーとどうちがいますか?


     リカバーミルはミキサーとスリバチを組み合せ、ミキサーでくだき足らないところを、さらに磨り潰すというもので、ケールのようにかたい葉でも、繊維ごと完全にくだかれることが特長です。


コラム紹介

    天地(あめつち)の自然(かみ)のあまねき恩恵(みめぐみ)の
    ナッパ・青汁ありがたきかな


    若し常に愁苦すれば愁遂に増長す
    人喜びて眠れば眠則ち滋(ますます)多きが如く、
    食淫嗜酒も亦復是のごとし

    大般涅槃



    自然の生活ができなくなってしまった現在
    浅はかな人間の知恵にたよるほかはない


    かくも長い一生のうちに、
    死は軽視してさしつかへないものなのを
    悟らなかったやうな老人こそは
    まことに哀れなるかな
    キケロ



    生命のあるところ希望あり
    英俚



    幸ありて富貴なる人といへども、
    飲食を節用せんことは、
    衣服住居よりも第一に心得、
    常に凍餒のことを思ひて、
    わが分に過さず
    精粗美悪も得たらんままに
    安んじて用ひて、
    撰ぶことあるべからず。
    悪食蔬食をも忍びなば、
    凡百の嗜欲を抑へ制せんこと
    何の難きことあらん
    嬉遊笑覧



    青汁と牛乳の栄養比較(1合)
      青汁
      1合
      (180cc)
      カルシウム牛乳  3本分
      ビタミンA牛乳 45本分
      ビタミンB1牛乳4.6本分
      ビタミンB2牛乳2.3本分
      ビタミンC牛乳 なんと210本分
      (記)青汁 大阪府立衛生研究所分析
         牛乳 改訂食品栄養標準成分表




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