健康と青汁タイトル小  <1972年10月15日発行 第194号>
 目次




1. 老人食

     医学博士 遠藤 仁郎 

     年がよって誰しもねがうことは、出来ることなら長生きしたい、それも、健康で長生きしたい、ということ。
     そのために、毎日の食べものが大切であることは紛れもないところだが、さて、それでは、一体、どういう食べ方にすればよいのか。

    減食
     スペインのE.A.Vallejos博士は、75才以上の健康老人120名を2組に分け、A群には、2300カロリーの食(蛋白質50、脂肪40グラム)を毎日、B群には、それと、1日おきに、牛乳一立と果物50グラムだけ、をあたえて、30年間観察した。
     その結果、A群には、心血管疾患(狭心症や心筋梗塞)、悪性腫瘍(癌など)、心不全、気管支炎や、死因となった心筋梗塞、心不全などが、B群より2倍も多くみられたという。
     また一般に、ふとった者には早死するものが多く、やせた者には長生きするものが多い、といわれているように、どうも、健康長寿ということにとって、食べすぎが不利であり、少食が有利であることは疑いないようだ。
     さりとて、極端に減食して、やせ衰えてしまっては、体力・抵抗力をよわめ、かえって、いのちを縮めることにもなりかねないから、ともかく痩せればよい、食が細くさえあればよい、というものでもない。
     要は、バランスのよくとれた完全食の適量、すなわち、体力を維持し、活動に必要な最小限の栄養をとるべきだ、ということになろう。

    負担のかるい食
     なお、老人はすべての機能(咀嚼、消化、吸収、代謝、排泄とも)がおとろえているので、なるべく少量で足り、消化・吸収しやすい、利用効率のよい、負担のかるい食でありたいし、すべての食品は安全でなければならぬ。
     この意味で緑葉食・青汁、ことに、主食には白米飯や白パンよりは芋・豆・雑穀・玄米の少量。
     蛋白食には、大豆ものや小魚・卵・乳の適量。
     そして、良質ナッパを主とした野菜・果物・山菜・海草を十分にとり、青汁も飲む、といった食(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)が適当だといえる。
     それは、栄養のバランスがとれやすく、しかもミネラル・ビタミンには十分余裕があり、したがって、代謝は完全に行われ、いわゆる「血の濁り」(非科学的ないい方ではあるが、おそらく、こうしたところに老化の原因があるにちがいない)がさけられるだろうこと。
     また、不完全栄養のばあいに比べ、ずっと少量の食で足ること(少食)。
     なお、さいきんとくに甚しくなり、またなりつつある食品公害的の影響をさけることも出来るだろう、と考えられるからだ。

    食べ方
     そして、食べる順序としては、まず青汁を飲み、次におさい。
     最後に蛋白食や主食を食べる。
     青汁を2〜3合ものめば、ミネラル・ビタミンの必要量は、十分とれているから、おさいには野菜・果物・山菜・海草など、安全性にさえ気をつければ、あまり栄養価にこだわることなく、広汎に、かつ、自由にもとめることが出来るので、こういう食にありがちな、単純さや味気なさをかこつこともない。
     また、青汁とおさいで、かなり腹がふくれるから、蛋白食や主食ばかりを食べすぎる心配もないし、実際には、かなり減食になっていながら、十分満腹感を得ることも出来る。
     なお、野菜や果物の繊維は、満腹感をあたえ、便通をよくすることのほか、腸内細菌のビタミン合成をたすけることや、血液コレステロールを下げる(つまり動脉硬化を防ぐ)作用もいわれている。
     また十字科の野菜には、さらに、腸内での発癌物質分解能(細菌性)をたかめる(つまり発癌性を減ずる)作用もあるらしい。

    適宜にコントロール
     いつもこうやるに越したことはないが、なにぶん、うまいものがいっぱいの世の中。
     つい手を出したくなるのは人情というものであり、時には、止むを得ず悪食せねばならぬこともある。
     そこで、時々。せめて週に一度か、十日に一度くらい(Vallejos博士のように隔日ならなおよいだろうが)、あるいは、悪食したあとだけでも、思い切って減食する。
     それも、断食とまではゆかなくとも、せめて、野菜・果物だけか、青汁だけにする(野菜果物日、青汁絶食日)。
     もちろん、カロリーいくら、蛋白質・脂肪いくら、という厳重な制限食をとり、いろいろくわしい検査をしながらやるのがよいにはきまっていようが、毎日の食べものを、一々測るなどということは仲々困難だし、かといって、毎日きまった同じものばかりでは、とてもやりきれるものではない。
     要は、標準体重(身長センチから100〜110をひいたキロ。たとえば身長170なら70〜60キロ。ふとっているばあいは、そこまで痩せて)が維持でき、いつも機嫌よく、活動することが出来ればよいのだから、この原則によって適宜コントロールすればよいわけだ。

    調理・調味
     なお、食べものはなるべく全体を用い、調理は簡単に。調味はうすく。自然のままか、自然にちかい状態で食べ、よくかむこと(唾液に延命効果がいわれている)。
     歯が悪ければ、まず歯科へ。
     かみにくいものは、スリバチ、オロシ器、ミキサーなどですりつぶしたり、粉砕し、しかも、よく唾液とまぜて食べること。

    調味料
     食塩がすぎると高血圧、胃癌を原因するし、砂糖がすぎれば肥満し、動脉硬化をうながす。
     バター、マーガリン、牛豚脂、ヤシ油が動脉硬化(ことに心臓血管の)を原因することはよく知られているとおりだし、大腸癌との関係もいわれている。
     この点、植物油の方がよいわけだが、精製に使用される薬剤の混入のおそれがないではないから、むしろ、原料食品、大豆、ゴマ、南京豆、クルミ、南瓜子、ヒマワリ子などを、つとめて利用すべきだ。

    嗜好品

      果物  もっとも健康的。
       ビタミン・ミネラル・繊維のほか、血液コレステロールを下げる効果のあるペクチンがある。
       リンゴや、ミカンの内皮にことに多いという。
       農薬の心配さえなければ皮ごと食べたいもの。

      菓子
       すぎると、ふとり、血液脂肪を増し、動脉硬化をすすめる。
       添加物の害も考えられる。
       なるべく避ける。
       どうしても欲しければ、純正品の少量。
       あるいは時々にする。
       団子、餅、おかきの類また同じ。


       日本茶ことに抹茶は健康長寿食とされている。
       ビタミン・ミネラルの良給源。
       ことに弗素にとむので、老人の骨多孔症を防ぐに役立つといわれている。
       虫歯にもよいだろう。

      紅茶
       ミネラルはともかく、ビタミンは少ない(製造中の発酵で破壊されている)。
       味つけの砂糖にも注意。

      コーヒー
       発癌性がいわれ(カフェインのためらしいが、焦げもあずかっていよう)、動脉硬化をすすめるともいう。
       うすいもの。
       精々1日1〜2杯程度にすべきだろう。
       なるべく砂糖ぬき。

      コーラ
       カフェインが配合されているし、その他にも疑問の多いのみもの、あまり飲まぬ方がよいようだ。


       諸機能をすすめ、食欲をまし、ねむりをよくする。
       就寝前の1杯はどんな睡眠薬にもまさる。

    よい酒は老人の乳
     アルコール分の少ない(濃いものはうすめて)純良酒の少量、日本酒で5勺までは、まさに百薬の長ともいえよう。
     しかし、すぎれば肝・腎をいため、高血圧・動脉硬化を原因し、発癌とも無関係ではない。

    タバコ
     百害あって一利なし。気管支炎・高血圧・動脉硬化の原因となり、発癌性も、発癌促進性もある。
     直接、肺・咽頭・口腔癌を原因し、胃腸その他の発癌をたすける。
     紙巻もっとも危険。
     葉巻・パイプはややよいらしい。
     ニコチンの少ないタバコ、フイルタつきタバコ。
     先の方だけを吸う、煙を吸いこまぬ、長キセルを使う、など吸い方の工夫もされているようだが、吸わぬにこしたことはない。

    そのほか
     いつも機嫌をよくし、心労をさけること。
     精神的刺戟がつづくと脳の血管硬化・高血圧がきやすい。
     といって、何もせずにいれば、かえって、早く呆けてしまう。
     心身ともにはりをもたせ、能力に応じて仕事をつづけ、せいぜい運動もする。
     というのが、どうやら、健康長寿のコツというもののようだ。
      いつもニコニコ セッセと動き イモ・マメ・ナッパで息災長寿 
    (遠藤)



2. マオ(カラムシ)

     野生している多年草。
     葉はコウゾに似て、裏が白い。
     茎から強い繊維がとれる。
     古くは、糸をとって織った。
     越後縮はその一つだという。
     ロープにもする。
     カラムシは茎蒸し、茎をむして繊維をとる故の名。
     苗・葉はたべられる。味平。

       「苗と葉とは炊いて食べし。
       1年に二三度もかりとらるるものなり」
      (救荒本草抜萃)
     やわらかいものはサラダにもなる。
     たけたものは揚げものにすれば食べよい。
     青汁の材料にもなる。

     本草綱目に、
       「苧麻、葉、甘寒無毒。
       主治、金瘡、傷折、出血、悪血」
    (時珍)
     とあり、
       「諸傷悪血の散ぜず、
       5、6月に野苧葉、蘇葉をとり、
       擂燗し、金瘡にはその上につけ、
       悪血腹内にあるには順流水で絞り汁を服す」
      (李仲南永類方)
     わが民間薬には、打撲傷に、
       「苧麻の菜茎ともにほし黒焼にして、
       酒にて酔ふほど用ふ」
      (救民単方)
     また、蛇咬に、
       「酒に擂り服し、外部にぬる」
      (本草綱目)
       嫩頭の搗汁、酒等分に和し、
       三盞を服し、
       渣をつければ毒竅中より出る」
      (摘玄方)

     私どもの田舎では、
     「ウジコロシ」といい、
     夏、便所に入れる。



3. 青汁教室の食養断想(7) 健全な子どもを生むには
前回参照

     友成 左近 

    病気・病原菌について
     妊婦が病気にかかると、その病原菌が胎児を損傷して、奇形その他の異常児が生まれることがある。
     といえば先年オキナワで、風疹(三日ばしか)が流行して、視力・聴力・脳・心臓その他に障害や奇形のある異常児や未熟児が少なからず生まれたことを思い出すであろう。
     妊婦が風疹にかかると高率に異常児が生まれる
     妊婦が、それも妊娠初期に風疹にかかると、
     極めて高率に異常児が生まれる。

     * 


     それはこういうわけだ。これは風疹ビールスの感染で発病するのであるが、このビールスは感染力が極めて強く、感染すれば多かれ少なかれ細胞を損傷する。
     従って、妊婦が風疹にかかれば、胎児も、このビールスが母体からの血液といっしょに体内にはいってきて感染する。
     そこで、風疹にかかったときが妊娠初期であると、ちょうどそのころは胎児に身体諸器官のもとができる胎芽期であるため、その芽を損傷して、身体諸器官の発育に障害が起こる。
     ために、とくに目・耳・脳・心臓といった細胞組織の微妙な器官には異常が起こり、また全身の発育も妨げられて、異常児や未熟児が生まれるおそれがあるのだ。
     それも、発生率50%と極めて高率なのだ。
     また、別に発病しなくても妊娠初期に感染すれば、やはり異常児や未熟児が生まれるおそれはある。
     けれども、この感染・発病が妊娠初期をすぎておれば、異常児が生まれることは少なくなる。
     が、未熟児の生まれるおそれはある。

     * 


     ところで、わが国本土では、風疹が流行し、しかもそのときが妊娠初期であっても、その高率に異常児や未熟児は生まれていない。
     大部分のものが子どものときにかかって、その免疫がついており、この免疫は強力であるため、成人になって再び感染・発病することはまれであるからだ。
     けれども風疹には、有効で、副作用わけても胎児の発育に障害を及ぼすおそれのない、適切なワクチンがまだ開発されていないので、これを確実に安全に予防する方法はないのだ。
     従って、これが流行してくると、これまでかかったことのない人は、たとえ発病しなくても感染はするので、もしこのとき妊娠初期であると、異常児や未熟児が生まれるおそれが多い。

     * 


    風疹流行時には細心の配慮が必要
     そこで、これまで風疹にかかったことのない妊婦や妊娠の可能性がある人は、この流行時には細心の配慮が必要である。
     まず第一に、まだ妊娠していない場合は、流行がおさまるまで妊娠を調節するのが賢明である。
     そしてそのうえで、風疹に感染するように患者に近づくのも一考である。
     第二に、妊娠初期に流行してきた場合は、風疹患者に近づかないように、従って人ごみに出ないようにすると共に、栄養・休養その他によりいっそう注意して体力を強化して、感染しても発病はしないようにすることが大切である。
     が、もし発病したときには、中絶について医師に相談するのが賢明である。
     発病したときが妊娠初期であったことが、あとで分かった場合も同様である。
     第三に、妊娠後期に流行してきた場合は、前記と同様に注意することが大切であるが、発病しても、中絶を考える必要はなく、栄養、休養その他によりいっそう留意すればよい。

     * 


     なお、これまで風疹の流行に出くわしたか、かかったかどうかはっきりしない場合は、前記と同様に配慮するのが賢明である。
     もうひとつ、これは周囲の人々のことであるが、風疹にかかっている場合は、全治するまで外出しないようにしてほしいものだ。

     * 


    梅毒菌をもっていると異常児が生まれる
     異常児を生む病気・病原菌として、昔から広く知られているのは性病わけても梅毒である。
     もし梅毒菌が妊婦の体内にあると、現に発病していなくても、これは母体からの血液といっしょに、胎児の体内にはいり、極めて強力に細胞を損傷するからだ。
     従って、梅毒菌をもっている人は、妊娠しても流・死産しやすく、出産しても、程度の差こそあれ殆んど例外なく、心身ともに障害のある子供が生まれ、ために、幼少の間に死亡する場合が多い。

     * 


     だが梅毒は、婚前婚後、男女間に堅く節操を守っておれば、これに感染するようなことは極めてまれである。
     とはいっても、万が一にも体内にひそんでいないとも限らないので、結婚前には念のため、男女双方とも、この検査をうけてみることが大切である。
     これは法令でも定められていることであって、現に梅毒にかかっているものはいうまでもなく、これが体内にひそんでいるものも、結婚する資格も子どもを生む資格もないのだ。

     * 


    およそ病気にはかからないように
     風疹や梅毒以外の病気でも、とくにビールス性のものに妊娠初期にかかると、ときに、その病原菌が胎児を損傷して、異常児が生まれることがある。
     その主なものは、おたふくかぜ、はしか、ポリオ、インフルエンザといったものである。
     が、インフルエンザ以外は、殆んどすべての人が、結婚前までに感染して強力な免疫がついているので、再びかかることはまれであるため、これが流行しても、異常児が生まれることは極めて少ない。

     * 


     だがインフルエンザは、免疫が弱く、その持続期間も短いので、流行すれば、重いか軽いか、大部分の人がかかる。
     もしこれが妊娠初期であり、重症にでもなれば、多少とも心身に障害のある子どもが生まれるおそれがある。
     しかもこのワクチンは、それほど確実でないばかりか、妊娠初期では胎児に奇形をつくり、また、この免疫がつきにくい異常体質にするおそれがあるのだ。

     * 


     それは、診療に使う薬や放射線によっては、胎児に障害を及ぼすことがあるからだ。
     が、それ以外に、母体自身が病気にうちかつため、平素よりよけいに栄養を消費し、しかも平素ほどには正しく栄養を摂取しないことも多いので、胎児の発育に必要な栄養が不足するようになるからだ。
     もうひとつ、病気といわれるほどの病気にかかるような体は、もともと毎日の生活に節制を欠ぎ、わけても食物が栄養上著しく不完全であるので、妊娠中、別に病気にかからなくても、胎児の発育に必要な栄養が不足するのだ。
     そこで、病気というほどの病気にはかからないで、心身ともに健全な子どもを生むには、他にもいろいろ気をつけねばならないが、まず第一に毎日の食物によく注意して、完全な栄養をはかることが肝要である。

    (つづく)



4. きのこ

     支那古の道士輩、自然に窒素分多き菌類の、畜肉と等しく滋養分にとめるを覚り、之を嗜み食した。

    (南方随筆)



5. サッカリンの発癌性

     サッカリンも大量をあたえると膀胱癌が発生する。
     しかし、ウイスコンシン校友会研究財団の2年間にわたる調査によると、ラッテに、毎日の飼料の20分の1に相当するサッカリン(清涼飲料水875本相当)をあたえると、発癌するというので、殆んど問題にするにあたらぬ程度のものと考えられている。

    (メヂカルトリブューン、47・3・30号より)



6. PCB汚染と蛋白源

     食品のPCB汚染がやかましくなって、重要な蛋白源である魚介類をはじめ、肉類、卵、乳などにも、安心して食べられるものが、殆んどなくなってしまった。
     動物蛋白が栄養上大切であることは、いまさら、いうまでもないので、せめて、比較的汚染度の軽い肉類や遠洋魚などにすべきだろうが、これとて、はたして、どれだけ安全か。
     一々検査されるわけではあるまいし、検査成績そのものにしても、はたして、どれだけ信頼できるかと疑いたくもなる。
     とすると、動物食品はなるべく控え目にし、なにかほかの、もっと安全なもので補うほかないわけだ。
     そのためには、大豆、菜っ葉など良質の植物蛋白をもちいることと、栄養のバランスをよくとり、栄養素の、ことに蛋白質の節約をはかることだ、と思う。

    大豆
     大豆が良質の蛋白質(アミノ酸組成も動物蛋白にちかい)にとんでいる(34.3%)ことは、よく知られている通り。
     そして、他の栄養素のあり方も、肉類に比べはるかに有利。
     たとえば、肉類(獣鳥魚介)を完全食にするには、大凡、2〜3倍の良質菜っ葉が必要だが、大豆は1/2〜同量で十分。
     それだけ完全食になりやすい。

    菜っ葉
     また、菜っ葉には、すべての栄養素がそなわっており、これを十分にとれば栄養のバランスがずっととれやすくなる。
     バランスがよくとれていれば、つまり完全食であれば、不完全食のばあいに比べ、栄養素の利用がよくなるので、蛋白質に必要量も少なくてすむようにもなる。
     その上、緑葉の蛋白質は、その量こそさほど多くはないが(コマツナ2.3、ケール3.9、大根葉5.2%)、質的にはすこぶる優秀。肉類に匹敵するものであることも注目されなければならぬ。
     それは、組成アミノ酸の科学的分析の結果からも、よくうなづけるし、ゾウ、サイ、キリンなどのように大きな動物の食糧が緑葉類だけであること。
     そして、蛋白質は蛋白質からでなければ出来ないことからしても、いかに、緑葉の蛋白質がすぐれているかがわかろう。
     そこで、主蛋白源を大豆にし、それに、十分の量の菜っ葉をそえ、蛋白質の節約をはかるとともに、緑葉の蛋白質を利用するようにすれば、決して蛋白不足に陥る心配はないわけだ。
     なお、熱量食にも、精製穀(白米飯、白パン、白ウドン)よりは、ミネラル、ビタミンにとむ玄米麦や雑穀、豆ことに芋などにすれば、いっそう条件は有利になる。
     イモ(ジャガイモ・サツマイモ各300グラム)マメ(大豆100)ナッパ(ケール1000、青汁にして4合)食だと、それだけでも蛋白質は、もう80グラム(標準1日所要量70〜80)以上になる。
     こうした食をタテリとし、適宜動物食品を配位すれば、嗜好の上からも無難であろうし、動物食品だけにたよる場合より、はるかにPCBその他にさらされる危険が少なくなるだろう。

    (遠藤)



7. アフラトキシンの発癌性と栄養

     アフラトキシンは、強力な肝毒性と発癌性をもったカビ毒だが、Rogers氏らによれば、肝疾や肝癌の多い地域には、アフラトキシンと栄養の欠陥とが、ともにあり、蛋白の乏しい食では、アフラトキシンの肝毒性や発癌性がつよめられる。
     また、肝癌とカビ毒がともにある地域では、メチオニン(アミノ酸の一種)や、ビタミンB12などが、決定的に乏しいが、これらの成分の乏しい食餌をあたえた動物には、癌性変化がはやくあらわれる。
     という。

    (Rogers & Newberne:Nature.1971.1.1.)
     アフラトキシンといった強力な発癌性物質の影響でも、栄養のいかんによってかなり左右されることがうかがえるわけだ。



8. 食慾の秋 されどいのちはただ一つ

    表示が“インチキ”
    消費者連盟「だしの素」6社を告発

     グルタミン酸ソーダや食塩が主成分なのに、天然調味料が主成分のような表示をしている“だしの素”が横行しているのはけしからん−ブリタニカ商法、大和ハウス、学研商法などの“告発”を続けている日本消費者連盟創立委員会(岩田友和代表委員)が14日、今度は化学調味料の大手6社を不当景品類および不当表示防止法違反で公正取引委員会に訴えた。

     対象にしているのは愛媛県伊予市米湊1698ノ6、ヤマキ花かつを本舗城戸商店、名古屋市西区笠取町4「渡辺かつをだし一番」の渡辺製菓、山口県新南陽市福川637「シマヤだしの素」のシマヤ商店、東京都中央区宝町1ノ7「味の素ほんだし」の味の素本社、港区港南2「マルちゃんかつをだしの素」の東洋水産、千代田区神田佐久間3「新進だしの素」の新進食料工業食社の6社。
     消費者連盟の話によると、これら6社は包装紙の説明書に「天然調味料の本格派」(ヤマキ)「かつをぶしを原料に天然のコンブなどのうまみをミックス」(マルちゃん)−などの文句で、主成分は“100%天然調味料のかつをぶし”のような印象を与える表示をしている。

     しかし、同連盟がある公的機関に依頼して6メーカーの製品の成分を調べた結果によると、グルタミン酸ソーダ(最高45.1%、最低24.9%)食塩(同28.2%、同23.2%)糖類(同37.5%、同5.5%)−など、成分の大半が化学調味料で、実際の「天然かつをぶし」とみられるものは最高でも13%、ひどいのはわずか5%程度しか含まれていなかったという。
     同連盟の竹内直一代表委員は

     「成分表示の記載もJAS(農林規格)では内容物が多いものから書くことになっているのに、10%程度しかはいっていない天然調味料から書いたりしており、全くふざけた商法だ。化学調味料が主体ならそのような表示をすべきだ」
     とカンカン。

     一方、訴えられた味の素の高橋和夫広報課長は
     「うちの製品は天然調味料とはいわず“風味調味料”と名づけている。デザインも抽象化して誤解のないよう配慮している。
     だしの素業界は2、3年前から急速な伸びを示しており、現在30社あって年間50億円の売り上げがある。
     しかし業界としては、ばらばらでまとまっていない。
     とにかく公取委の結論を待って検討してみたい」
     といっている。
    (46・8・15 山陽)



9. 有毒色素入り茶ソバ 岡山のモグリ業者製造

     県衛生部は22日、岡山市下伊福、製めん業、川上研一(62)方を食品衛生法違反で調べ、製品の“茶ソバ”50箱(計450キロ)を廃棄処分にするとともに、関係府県に出回っている同製品を処分するよう連絡した。
     川上は、31年から製めん業が許可制になっているのに無許可のまま茶ソバをつくり、まい日50箱−100箱を広島や大阪、愛知方面に出荷していた。
     処分の対象となった有毒色素「黄色一号」は、42年1月15日から使用禁止になっているが、モグリ営業の川上はこのことを知らずに使用、このほど愛知県豊橋市からの連絡で違反事実がわかった。



10. 豊橋でも押収処分

     【豊橋】年末年始の食品衛生特別検査を行なっていた愛知県豊橋保健所は、22日、法定外色素を使っていた岡山市巌井下伊福356、川上研一商店製造の茶そうめん“初みどり”“茶そば”470束を廃棄処分にするとともに県衛生部へ調査を依頼した。
     このそうめんは同保健所がことしにはいって行なったいっせい食品検査で、豊橋市大手町57、山安食料品店で発見、分析したところ使用が禁止されているナフトール・イエローS色素が検出されたため押収、廃棄処分にしたもの。

    (43・1・23 サンケイ)



11. 原電近くのカイからコバルト60検出

     【福井】敦賀市明神町の日本原電敦賀原子力発電所の冷却水排水口付近の海からとれた「ムラサキイガイ」からコバルト60が検出された−と、26日、科学技術庁から福井県に連絡があった。
     科学技術庁ではごく微量で人体への影響はないといっているが、県では ▽コバルト60の発生源 ▽こんごの影響−などについて、2月8日に県民会館で開かれる県原子力環境安全管理協議会(会長、中川平太夫・知事)で報告するよう要望した。
     科学技術庁は昨年、水産庁の東海区水産研究所に敦賀原子力発電所付近の海洋生物調査を依頼したが、排水口付近の海でとったムラサキイガイからコバルト60が検出された。
     他のサカナ、カイなど生物に異常はなく、科学技術庁はムラサキイガイは ▽放射能を濃縮する体質をもっている▽ それでも極めて微量しか検出されていない ▽このカイは食べない▽−などから人体への影響は考えられないとしている。
     しかし、なぜ原子力発電所の排水口付近のムラサキイガイからコバルト60が検出されたか疑問の点もあるため、海洋生物調査のデータを放射線医学研究所や放射線の専門家に検討させているという。
     コバルトは鉄族の金属元素。放射能物質から出た中性子をあてると放射能をもつコバルト60になる。
     半減期は5・3年で、ごく微量はガンの治療に使われている。

    敦賀原子力発電所の話
    「コバルト60は原子炉の圧力容器の内部で発生するが、外部には絶対もれないようになっている。
     どうして排水口付近のカイから検出されたか見当がつかない」

    (46・1・27 サンケイ)



12. ピーナツバターから強力な発ガン性物質

     パンにぬるピーナツバターやピーナツチョコレートから強力な発ガン性物質「アフラトキシン」が検出され、厚生省は22日、メーカー2社に販売停止命令を出し各府県にも回収の徹底を指示した。
     食品からアフラトキシンが検出されたのははじめて。
     同省は来月早々にも食品衛生調査会に諮問して、安全基準づくりを急ぐ。販売停止命令を受けたのは、東京都墨田区緑1ノ2、ソントン食品工業会社(石川望社長)と東京都太田区多摩川2ノ19、カセイ食品会社(竹田育司社長)の2社。
     検査によると、ソントン食品工業の製品は57検体中29検体、カセイ食品の製品は28検体中5検体にアフラトキシンが含まれていた。
     大半はごく微量だったが、6検体の検出値は0.04−0.03PPM。
     WHO(世界保健機構)の許容基準の勧告案0.03PPMや米国食品医薬品局の指導基準0.02PPMをわずかながら上回っている。

    (46・2・24 サンケイ)



13. 煮干し(氷見産)に亜硝酸 富山県は出荷停止

     【富山】富山県はこのほど東京都衛生局から氷見市産の煮干しに発ガン作用のある高濃度の亜硝酸が添加物として含まれていると指摘されたので、この煮干しの分析をしていたが26日、3.7PPMから27.7PPMの亜硝酸を検出した。
     亜硝酸の含有許容量は、ハムとクジラ肉、魚肉ハムなどで決められているが、煮干しについてはとくに決められていない。
     だが、都衛生局はタラコ、スズコなどが5PPMを基準としているため、これにもとづき氷見産の煮干し販売は好ましくないといっている。
     富山県では25日から、この煮干しの出荷を停止しているが、どのようにして亜硝酸が添加されたのか、まだわかっていない。

    (46・1・27 サンケイ)



14. カツオではないのに“花かつお” 表示改定を消費者要望

     「カツオが全くはいっていないけずり節を“花かつお”と表示して売っているのはおかしい」という消費者の苦情が多いため、公正取引委員会は15日、消費者団体と業界代表を招いてけずり節の表示についての連絡会を開いた。
     けずり節は、年約4万トン、二百億円も生産されているという。
     原料は、約半分がイワシ、3割がサバで、カツオは1−2割程度。
     ところが9割が「花かつお」という名で売っており、そのうち7割はカツオが全く使われていない。
     連絡会で主婦連、地婦連などの代表は「カツオ以外のものは“花かつお”という表示や、カツオの絵はやめてほしい。原料名をもっとはっきり書いてほしい」などと要望した。
     これに対して全国削節工業協会代表は「明治時代からけずり節を花かつおと呼んで来た。関西では消費者も、花かつおはカツオと限らないことを知っている」と反論、結論は出なかった。
     公取委は近く、関西でも連絡会を開いた上、表示を改めるよう業界に働きかけるという。

    (42・12・17 朝日)



15. ゆでダコに工業染料 発ガンおそれる声

     ゆでダコの色づけに食品衛生法に違反する工業用染料の色素「ダイレクトブラウンM」が多量に使われていることが、15日の大阪府の調べでわかった。
     府は、さる1日から年末年始の食品取締りをしてきたが、15日までに調べた33店のスーパー、小売店のうち10店で、この染料を使ったタコを売っていた。
     府は、違反の店が3割にものぼり、仕入先がそれぞれ違うので、広くつかわれているのではないかとみて厚生省に連絡する一方、大阪市中央市場からも卸されていたので、同市衛生局へ検査するよう申入れた。
     府食品衛生課の調べでは、この染料は、木綿、羊毛の染色に使われ、毒性があるか、どうかははっきりしていないが、一部では発ガンの危険があると、指摘されているという。



16. ホウ酸でツヤ出し 京都ではエビ処分

     【京都】京都市衛生局は15日、食品衛生法で使用を禁止されているホウ酸で漂白、つやだしをしたエビ計227キロが、同市中央卸売市場へ入荷しているのをみつけ、廃棄処分するとともに、出荷元である愛知、兵庫両県の衛生部に連絡した。
     これは正月用食品の抜打ち検査で発見した。
     ホウ酸は消化器や神経に障害を起すおそれがあるとされている。

    (42・12・17 朝日)



17. 長寿村アブハジアの食生活

     ソビエト連邦内のアブハジア地方のタミシユ村は、百歳以上の長寿者が多いことで有名であるが、New York Hunter College の文化人類学のS.Benet(New York Times.Dec.26,1971.)教授は、ソ連邦の科学アカデミーの招待でこの地を訪れ、80歳から119歳の老人について、その生活習慣を調査した。
     これらの老人達は、灰色の髪と顔面のしわで、通常老人らしくはみえるが、いずれも立派な口髭を貯え、70歳以上にはとてもみえない。
     大多数の人が十分な視力と自分の歯を保持しており、40%以上の者は聴力も衰えていない。
     アブハジアの首都スフミの老人病研究所のDr.Sichinavaが1960年に行なった調査では、百歳以上の123人中、9年間に精神病や癌の患者の発生は全く報告されていない。
     彼らは肥満を嫌い、誰もが肥満を病気と考えている。
     その一つの理由は肥満だと騎乗が困難になるからである。
     アブハジアの人々は、貧富に関係なく誰もが生涯を通じて、決まった食生活をしている。
     ほとんどが農夫だが、カロリー摂取量は、産業労働者より約23%低く、一方ビタミンC摂取量は2倍である。
     面白いことに食事には数時間を費す。
     食物はなまぬるく、少量ずつ指でとり長い時間かけて噛む。
     肉は週に一度か二度しかとらず魚は食べない。
     主食はAbistaで、これは塩なしで煮たコーンミールマッシュで、パンに代わるものである。
     同時に羊乳性のチーズと、コップ2杯のバターミルクを必ずとる。
     卵は頻繁には食べない。ぶどう、ざくろなどの新鮮な果物、新鮮な野菜、各種のピクルス、豆類もよく食べる。
     ピッパーも使うが、特ににんにくの消費量が多い。
     砂糖は全くとらず、甘味として蜂蜜を用いる。ソ連の医学者は、彼らのバターミルクやピクルスやワインなどが細菌を抑制し、不飽和性の油脂や野菜の消費量の多いことが、動脈硬化の予防や聴力保持に役立っているのではないかと考えている。

    (臨床栄養 第40巻第3号 昭和47年3月より)



18. タバコと癌

     喫煙家の癌(口腔・咽頭・喉頭)治癒例の203名のうち、喫煙継続者(122名)と禁煙者(81名)について、3〜18年平均7年の経過をみたところ。
     喫煙継続者には40%に再発したが、禁煙者では6%に止まった。
     そして、再発癌の死亡率は高かった。
     また、他の原因による死亡も、喫煙継続者には、より早くあらわれた。

    (C.Moore:JAMA 218.4.1971)



19. 遠藤農園

    山形市 K.K. 

     倉敷への本山詣は今年で3回になる。
     はるばる山形からよくも出掛けるものだと、思われる方もあろうと思うが、毎年、いくらか其目的を変えて、つまりは、行って来てよかったとなっている。
     昨年は下手な私の其の紀行文を皆様に読んで貰った筈である。
     今年の目的の一つに遠藤農園見学と云うことが、真先にあげられる。
     先生の農園の事はいくら眼を大きく開いて見ても、青汁新聞には見付からない。
     然し気がかりで季節が変るにつけ、遠く離れて居っても、あの農園は如何なっているだろう。
     もう今頃は何がのびているかなあ、ケールはどの位のびただろうかなどと思わるるのである。
     これは、昨年のレポートにも書いたのでご存知の方もあるかと思うが、一昨年、先生がご自宅から歩いて30分かかる向山の丘陵地に二百坪の土地を求められ、72才の老院長先生ご夫妻、自らの手で農耕されている農園なのである。
     自分は宅地内に10坪程の菜園を持っている。
     今年71才の私には、この10坪の土地ですら耕すのに、去年に比べメッキリとこたえる様になった。
     先生の畑は20倍の大きさ、然もかなり遠いところにあるのである。
     実際如何して居られるだろうかと考えさせられることしきりであった。
     総会のある14日の朝、同行の鈴木正太郎氏等6人と、先生にご同行願い、タクシー2台で向山に向った。
     途中、放牧のなつかしの仔牛に出合う。
     車中先生に農園についての近況を伺う。
     日曜百姓だけでは、春の農園の維持管理は容易でないが、幸いこの間の5月初のゴールデンウイークがあったので助かった。
     あんな時、人はみなレジャーに出掛けるが、畑で働くぐらいよいレジャーはないね。
     この一言。
     先生の農園に対する基本的な考え方と云うものの半分はわかった様な気がした。
     農園は、昨年見学した時と違って、作物はみな朝露の中にすくすくのびていた。
     種類も限定されて少なくはなっているが、安定した生長振であった。
     その成育振は何れも満点に近く、老医者が片手間に作ったものとは、夢想だに出来ない事であった。
     雑草も殆ど除かれて居り、根元から切藁が敷かれ、これが腐れて、肥料になるのだなあとうなづかれた。
     我々は、赤く熟れた苺を遠慮なくいただく。
     味格別。
     先生は豌豆まめをさやがらみ食べて居られる。
     遠藤先生がエンドーを生で食べて居られるよと、自分は叫んだら一同みんな笑われる。
     自分も食べて見たが、うまいものであった。
     「先生のご生家は農家ですか」
     と自分は質ねた。
     鍬の使い方なども容易なものでなく、百姓生れの自分にはそれがよく解るからである。
     ましてや遠藤式深耕法などよほど農業と縁の深い人でないと解らないと思うたからであった。
     お答は、農家とは云えないが、作男など居って畑を耕すのを少年時代見て居ったからと云うのであった。
     自然に還れを実行して居られる先生、自然人としての畑での先生のご感想などもたまには紙面ででも伺いたいものだと思って辞去したのであった。

    友成ミニ農園
     友成さんのお宅は、会場の西小学校の近くなので、大勢してお邪魔した。
     これも昨年ご報告しておいたので、ご存知の方もおありかと思うが、上も脇もすっかり金網で囲った5坪の文字通りのミニ農園で、食卓での野菜は自給自足。
     花よりも野菜で、益々成績をあげられて居られるのであった。
     作物としてはカキハダイコンの多いのが目に付いた。

    農薬使わずのミカン
     倉敷で、ミカンを栽培していると云う会員の方に、総会でお会いする。
     今のミカン作りはみな農薬を使い増収をはかっているのであるが、それでは自然のミカンでない。
     味も違う。おまけに表皮には、パラヒンが塗布されている。
     この方は、今、アメリカで流行の無化学肥料栽培の「オーガニック・フード」を生産されつつあるのである。
     こうして倉敷のミカン畑から、遠藤農園からうまい自然食品が生産されることは、全く喜びにたえないことである。

    (山形支部長)



20. 青汁例会に出席して

     越智 廓明 

     6月16日の青汁教室例会に、久し振り、恵まれた1日を得て、伊予北条から、友人と家内と3人で出かけた。
     今治まで特急バスで50分。今治港より快速艇で三原まで1時間。1時半に出発して倉敷着は、汽車の遅れもあって、6時前。
     友人も私も同年で60才。ともに心臓にひびの入った者(冠状動脉硬化症)。
     穏やかな先生のお言葉は「もっと痩せよ」、「青汁飲用不足」と、鉄槌の如くひびく。それから3日目、6月19日、やっと二瓩減。
     果して減量なるか。何としてでも果さなければならない。
     青汁例会への出席は、足を運んでこそ、仏教でいう修行だと、友人や家内を誘って、1年の最上の日と思った。
     今日、4ヶ月目に、日赤献血センターへ行く。
     血圧130と70。比重5.9。看護婦さんは、高いと思った血圧が正常なのと、よい比重をみて、どんな食養をしているか、とたずねた。
     粗食で、麦飯に青汁。
     時には肉も魚もと答えた。
     かくて17回目の献血も合格。
     野生のケールの、かいで1週間もすればまた元通りになる大きな葉に感謝する。



21. 霊肉両方の幸福

    高知市 K.A. 

     青汁の効用を読んで、さっそく実行している者の一人であります。
     先生のご指導に心より感謝しています。
     私は牧師ですので、人の幸福の為につくすのが使命ですが、霊のことのみでは、余り人々は満足しませんから、霊と肉体と、両方の指導をせねばならぬ、と思っていたところ、先生の著書により、全くウレシクなってしまったわけです。
     まず、自分が、自ら実行して、霊肉両方の幸福を説いてゆこうと決心したのです。



22. 玄米菜食

    石川県 K.K. 

     最近、私の先輩から「貴兄ももう若くはないのですから、玄米完全食でも実行して老化現象を防がぬといけません。」と、ご注意をうけるし、1月6日朝日の声欄で

    「最近、汚染食品とか添加物とか、発ガン性薬品とか騒がれますので、その方面の本を読み、ためしに玄米野菜食にしてみようと、昨年9月から踏切りましたところ、予想以上の効果に驚いています。
     近所の方や娘、親類にも話し、この食事にした人みな効果をあげています。」
    (和歌山県 岩田典子)

     などに刺戟されました。
     戦後数年間、家族一同で赤いご飯といって、玄米食に親しんだものでしたが、学校に行く子は、お弁当にはずかしい。
     というので白米にしてしまったのでした。
     本紙の2月号で、遠藤先生の「大腸癌とたべもの」の記事中、
    「イギリスのバーキット博士は、砂糖や精製穀粉の多い、つまり渣(繊維)の少ない便秘しやすい食餌が、大腸癌やその他の大腸疾患のもっとも重要な原因だとしている。」
     を読んで、断然、玄米食に切替えようと家内とも話合っております。
     青汁のすばらしさは、10年のキャリアをもって、自信満々だが、味の点でどうしても飲めない人には、三度いただくご飯はぜひ玄米食にし、緑の野菜をなるべく多く添えなさい。
     とおすすめしたいものです。
    (牧師)



23. かなり持ち直す

    石川県 K.K. 

     大阪にいる若い同僚。
     肝硬変といっていました。
     1年あまり前、夫人に青汁をすすめ、福島の青汁センターで相談しなさい、と教えておいたのですが、さいきんの容態は、かなり持ち直しているとか。それは、自然食をとっている(玄米食やグリーンジュースの素)ため、と申してまいりました。

    (牧師)



24. 榧の実ゼリー

    大阪市 I.N. 

     80才の老人。
     高血圧でここ2、3年間に数回たおれた方。
     昨年12月末、排尿困難で足のうらむくみ、重態となった。
     しかし、何分、瀬戸内の小島のことで、船便は岡山、愛媛へも不便で入院も出来ぬ。
     この重体の方が榧の実ゼリーで命拾いさせていただいた、との体験発表がありました。
     現在では回復。座臥歩行も自由、とおよろこびになっていられる由。
     玄米飯、玄米クリーム、ソバ粉など主食として正食し、酒、砂糖、甘菓等はさけてのご養生です。
     (榧の実ゼリーは、榧の実をフライパンで焙り、摺鉢でつぶし、脂肪のゼリー様になったもののこと)



25. 初めての総会出席

    山形市 S.S. 

     岡山まで新幹線が延びて其日のうちに倉敷に着けると云うので、支部長の小林氏に同行、初めて総会に出席した。
     遠藤先生に初めてお目にかかる。
     医博・大病院の院長先生と云うのに、全く腰が低い。
     見るからに青汁の信念に燃えられているようで若々しい。
     二百坪の手入れの行きとどいた農園作業が日曜毎のレジャーと云われる。
     其農園を見学したが、鴬が囀り、市街地を見下ろせるよい畠であった。
     公害、公害とさわがれている昨今、こうした自然の生活が一番よいですよと云われる。
     先生の処に集まる人達は、信念の強い同志で、青汁で救われた人の多いのに驚かざるを得なかった。
     そしてすぐ何年来の友達になった。
     幼稚園の本田さんの様に、病気でないのに青汁を飲んで居られるのが理想的だと思った。
     倉敷へ来て本当に良かったと思った。



26. 野菜集めに一苦労

    静岡県 Y.H. 

     1年間も、ヘルニアで休んでおります。
     医者からは、3回も、手術をいいわたされましたが、あれやこれやと、いろいろのことを致しまして、手術をまぬかれました。
     今では、自然食とを勉強しております。
     毎日、7合くらいの青汁をつくって、1合5勺くらい(一人に)のんでいます。
     一家、とても元気になりました。
     毎日のことで、農薬の影響をうけない緑の野菜を集めるのに一苦労です。



27. 生甲斐をあたえる

    和歌山市 S.Y. 

     人生手帖により御会のあることを知り、早速入会さしていただき、早くも一年になります。
     身体に障害のある吾々には、リハビリ・センターよりの給食では、たえず不足なものばかりの生活でしたが、御会のおかげで、手近にあるハコベ、ヨモギ等の野草が、どれだけ生甲斐をあたえてくれることでしょう。



28. 質問箱

    秋田県 M. 


     貧血には鉄分の多いものがよいといいますが、どういうものがありますか。


     多くの貧血は鉄の不足によるものなので、鉄の多い食べものがよいといわれています。
     とくに多いものは、動物食品では、肝、卵植物食品では緑色のつよいナッパ(例外ホウレンソウ)。
     しかし、ただそういうものだけ食べればよいのでなく、もちろん、食全体として、よく調和がとれていなければなりません。



 コラム紹介

    食は柔きを欲す。
    老人の食物に於けるは、
    宜しく視て薬餌とすべし。
    分量あり。
    加減あり。
    又生熟の度あり。

    言志耄録



    夢窓国師の書かれたるものに、
    人は長生せんと思はば嘘をいふべからず。
    嘘は心を使せて少しの事にも心気を労せり。
    人は心気だに労せざれば命長きことうたがふべからず、
    とあり。
    鉄?仙人の讃に、
    仙人は不養生せず、
    腹立てず、物ほしがらず、
    それでなが生、とあり。
     柳沢淇園 雲萍雑誌



    言うても聴かぬものは
    痛い目に逢わせることが必要である
     ドイツ俚



    自由の最悪敵は放縦なり
    (フランス俚諺)



    人生の助言
    深山旅愁
    本当の美しさは
    生々とした自然のなかにある








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