健康と青汁タイトル小 <1971年7月15日発行 第179号>
 目次




1. 汗をかく

     医学博士 遠藤 仁郎 

     汗をかくことが健康上よいこと、また、病気の治療にも役立つことは、よく知られている。
     発汗の主な作用は、体温調節と排泄浄血作用

    体温調節
     気温が上ると、熱い物を食べ飲みすると、運動すると、熱い風呂や蒸し風呂にはいると、汗が出る。
     ことに、ふとった人(いつも厚い外套をきているにひとしい)は、よく汗をかく。
     いずれも、体内にたまった熱を発散して、体温を正常に保とうとする生理的の現象。

    熱病
     熱病の熱は、病的に体温がたまったもの。
     これも、汗をかけば一応は下る。
     古方では、熱病の初めには、病毒が体表についているから発表すればよいと、発汗剤その他の方法で、汗をかかした。

    傷寒(流行性熱病のこと)
     3日に満たざる者は汗して癒ゆべし(内経)。

     今でも、まだ、カゼをひくと、熱い食べもの(ニラ粥や、トウガラシをよくきかしたウドンなど)を食べ、熱い飲みもの(熱燗の酒、ホットウイスキーなど)を飲み、布団をひっかぶって、汗をかく人もあろう。
     そして、大抵はそれで治ってしまう。
     汗で病毒が排泄され、からだの抵抗力がもり上って来るため。
     つまり、発汗の効とされているわけ。
     肺炎の分利もそうだった。
     むかしの肺炎は、老人はもとより、若い元気のよいものでも、ともすると、忽ちやられてしまうという恐ろしい病気だった。
     しかも、今のような有力な特効薬はない。
     部屋を温くし、熱い湿布をとりかえとりかえして、温めぬく、といったことをやって、分利をまった。
     それは、ちょうど一週間目。にわかに頭からホケが立ち、全身にグッショリ大汗をかく。
     そして、40度もの高熱が平温、あるいは、それ以上にも下り、それっきり治ってゆく。
     家人も医者も、ただひたすらに、この分利の汗を、祈りながら待ちあぐねていたものだ。
     だからヒポクラテスが、「発汗は分利を助ける」といっているように発汗剤に、こうした効果を期待していたのだろう。
     しかし、多くの熱病、ことに慢性の熱病では、汗で熱が下ることと、病気の治りとは、おのずから別で、原因がとり去られるまでは、いくら汗をかいても、それだけで治るものではない。

    排泄浄血作用
     汗には、水、食塩、尿素、尿酸その他の蛋白分解産物、あるいは異物などが排泄されるから、血液を浄化するはたらきがある。
     そして、これらは本来腎臓から出される成分だから、皮膚は腎臓の仕事をたすけ、補うはたらきをもっているわけだ。
     そこで古方では、「腎と皮膚とは相表裏する」、といっている。
     実際、尿毒症(尿に出る筈の成分が血の中にたまっておこる中毒症)などで、往々著しい発汗をみることがある。
     明かに、この代償機能のあらわれだ。
     また、腎炎で、皮膚を温めることがいわれているのも、それだ。
     皮膚が冷えると、反射的に腎臓の血管が収縮して血行を悪くし、治りを妨げるためとされているが、おそらく、それだけではなく、温くすることによって、皮膚のはたらきをよくし(汗を出し)いくらかでも腎臓のはたらきを助け、負担を軽くして、その回復をすすめるからであろう。
     したがって、腎疾では、つねに、皮膚を清浄にし、温くして、皮膚の機能ことに発汗を妨げないよう心懸くべきだし、場合によっては進んで発汗法を構ずべきだ。


     皮膚はまた腸とも相表裏している。
     皮膚を冷やすと下痢することがあるし、汗をかくと下痢がとまる。
     子供のころ、よく、寝冷えして下痢をしたが、桃やイチジクの葉、あるいは茅(カヤ)の根を煎じた熱い湯に、襦袢のまま腰までつかって、汗をかくと、すぐ治った。(もちろん、腹を温めることも与っているが)。

    気道
     気道とも相表裏している。
     寒いと水バナが出、クシャミや咳が出たり、ふるえたりするし、温め汗をかくと治る。
     それはともかく、こうした熱病や、尿毒症、その他の自家中毒のみならず、鉛や水銀などの慢性中毒でも、汗をかくとよいことが知られている。
     つまり、汗をかくことで毒物が排泄され、血液が浄化されるというわけだ。
     ところで、むかしは「万病は?血(血の濁り)に発す」といい、この?血を除くために、あらゆる病気に発汗法が応用された。
     もちろんこの?血なるものが、はたして何ものか明らかではないが、おそらくは、誤った日常生活、ことに食養のまちがい、運動の過不足、心身の過労などといったことのために招かれた代謝の異常にもとづいているのであろう。
     そして、そうした状態がながく続いていると、ついには発病するようになるというのだろうから、現在では、さし当り、動脉硬化、高血圧、糖尿病といったいわゆる成人病、リウマチや喘息、あるいは肝臓や腎臓の病気に応用したいところだ。
     もっとも発汗には、代謝の亢進や体液の移動が著しいので、全身とくに血行器にたいする影響が少なくない。
     そこで、若いものや、元気がよく、心臓や肺に異常のないものにはよいが、老人や衰弱者ことに心肺に故障があったり、神経質なものには危険がないとはいえないから、誰れ彼れなしにむやみにやってはならぬ。

     汗すべからずして強いて汗せば、人をして、その津液を奪せしめ、枯槁して死す(金匱玉凾)。
     また、発汗の程度も体力に応じて適当にすべきで、大体、ジットリと汗ばむ程度、といわれている。
     傷寒論に、

     遍身熱し、熱汗あるに似たるものますます佳し。
     水の流滴するごとくならしむべからず。
     病かならず除かず。
     とある通りだ。



2. アオカビと癌

     市川市の時任あい氏によると、
     アオカビの生えたパンを鶏にあたえたところ、
     全身に腫物が出来て、
     次々に死亡したが、
     家畜試験場で癌と診断された、
     という。

    (日本医事新報 45・10・24)



3. 8月15日にエンサイを食べましょう

     渡辺 忠夫 

     8月15日、終戦の日に、南方の憶出と共に召上って下さい、と印刷して、エンサイの種子を、毎年毎年、晩春の播種適季に、配布を続けてきた。
     昭和35年に最初の種子袋の印刷をしたから、早くも10年続けた事になる。
     此の年に種子を差上げた事から、遠藤先生を知り、健康をつくる根本対策、緑葉食・青汁の実際の御著書等にも載せて頂くことになった。
     エンサイ(甕菜)は、台湾の他、広く熱帯アジアで栽培されている夏野菜で、マレー語ではカンコンと呼ばれている。
     カライモナ及びアサガオナの和名があるが、台湾名のエンサイが日本でも通り名になっているので、此の野菜を普及する為の同志会として延才会が生れた。
     日本の夏は台湾やインドネシアに劣らぬ暑さだから、エンサイは良く出来る。
     何より嬉しいのは、青虫や蛾虫が寄りつかないので、全く農薬を使わずに、よく出来る事だ。
     夏の季節に、此の様に容易に繁茂する、作りやすい野菜は他に例がない。
     畑の土が乾かない様に、ジャンジャン潅水する事が唯一の栽培要領で、甘藷の蔓に似て、みずみずしく、軟かい。
     緑の茎葉は、摘み取るに従って、脇芽を生じるから、家庭菜園の一坪か二坪程の畑で、朝に晩に食膳にのぼらす事が出来る。
     まず、朝の味噌汁のみにして美味しく、昼食はお浸しにしたり、白あえにして、夕食は豚肉と一諸に油いためして、と料理の方法を変化させれば、エンサイばかり飽食しても嫌気が来ない。
     生野菜のまま、エンサイをサラダとして生食しても、一寸オツな風味だ。
     健康青汁の原料野菜としても、ケールに次いで立派な青汁が出来る。
     8月15日を迎えて、エンサイを味わいながらの感慨は、遠く南の果ての地に及び、戦中戦後の激しい変遷に、倒れた先輩や戦友に比べ、今日の経済復興の世に生き残った自分の幸を考え、無量に憶いだが、此れは戦中派の年代に特有のものかも知れない。
     決して、いわゆる臥薪嘗胆の思いで復しゅうを誓う気持ではない。
     エンサイは美味しくて、甘藷の蔓とは、似て否なる味だ。
     終戦の記念日を迎えての感情は各人各様で異るものがあるでしょう。
     中には、全く無関心か、憶い出すのも嫌だと考える方もあるだろうが、エンサイが一番繁茂する時期で、丁度、月遅れのお盆に当る日だから、夏の暑さに負けないで健康と長寿を保つ、食物本来の使命からも、土用の丑の日に鰻を食べる食習慣と比較して、更に一層切実、有効な銷夏法として、声を大にして提唱するものである。

    (延才会幹事)



4. ヒユ

    滋賀県 T.Y. 

     イヌビユ、アオビユなど。よく知られた食用野菜。
     郷里ではヒイといった。
     ヒユという名は、性・冷というところから出たという。
     大和本草に、

    「性冷なれども、軽淡にして病人に妨げず。
     味好し。早く折れば繁枝生じて葉多し。
     煮て和(あえ)物とし、羹とし、豆油にひたし食ふ」。
     路傍や荒地によくみかける。
     旱天にもまけずそだつので、夏枯れ時の青物の補いになる。
     効能としては本草に、
    「目を明にし、邪を除き、大小便を利し、寒熱を去り、蛔(かい)虫を殺し、気力を益す」
    (医心方)
     などとある。
     青汁にもなるし、若い葉はサラダにしてもよい。
     青汁を始めて間もないころ、応召し、駐屯地で相談をうけた疫痢の女児に、附近の田甫に密生していたイヌビユでつくった青汁を注腸して奇効をあげたことがある。
     バイアムは、これの南方系の大型種だ。



5. 土色の顔

     特別病気でもないのに、顔色がすぐれず、蒼白かったり、土色で艶がないというもの。
     たいてい、濃厚食にかたよった食べ方をしている。
     菓子をひかえ、白米飯をへらして、ナッパをうんと食い、青汁をしっかり飲んでみることだ。
     時間はかかるが、しだいに顔色が澄んで来、赤味が出、つやつやとした健康色になる。



6. 痕跡成分

     医学博士 遠藤 仁郎 

     われわれの栄養には、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどが、うまくそろい、調和していることが大切であるが、このミネラルには、カルシウム、燐、鉄のほかに、亜鉛、銅、沃素、弗素、バナジウム、マンガン、クローム、モリブデン、コバルト、セレンその他の痕跡成分の必要なことが明らかにされて来ている。
     これらは、いずれも組織内で酵素として働らいており、正常の発育、正常の機能、したがって、健康の維持のために欠くことの出来ない成分であり、その必要量は極めて少く、殆んど有るか無いかの痕跡程度の微量にすぎない(痕跡ミネラル、痕跡成分)。しかもそのある一定(適)量の存在は必要だが、少なすぎても、多すぎてもよくない。

     たとえば、動物実験で、それらを増して行くと、初めは発育も機能も、ともにしだいにさかんになる。
     しかし、さらに増すと、逆に、しだいに衰えはじめ、ついには、停止してしまうようになる。
     なお、銅の作用は亜鉛・鉄・モリブデン、硫酸基によって減殺され、亜鉛の作用と銅・モリブデン・鉄との間にも同様の関係があるし、沃素とコバルトの間には協力関係があるなど、痕跡成分同志の間にも複雑な相互関係がある。
     さて、これら痕跡ミネラルの不足の影響について、従来から知られているものには、

      鉄不足による貧血、
      沃素不足による甲状腺腫、
      弗素不足による小児のウ歯と女性の骨多孔症
    などがある。

     しかし、

      貧血には鉄のほかに銅やコバルトの不足、
      甲状腺腫には沃素のほかコバルトの不足、
      ウ歯には弗素のほかモリブデン・硼素・ストロンチウム・リチウムなども関係すること。
      銅不足で動物の脳や脊髄の変性、
      セレン不足で動物の筋変性、
      亜鉛不足で傷の治りの悪いことと発育不全(小人症)、
      クローム不足で糖代謝の異常(糖尿病傾向)やコレステロール代謝の異常があらわれる

    などの事実も知られている。
     つまり、動物や人間の病気のうちに、痕跡成分の不足ないし欠陥に関連のあるものが少くないことがわかって来たわけだが、こうした関係については、多くの学者によって、さかんに研究されているので、やがて、より詳しい、また、より多くのことがらが解明されるだろう。
     また、このようにはっきりした病変は出ないまでも、抵抗力や体活力に影響をおよぼすだろうことは、痕跡分の欠陥で一般的機能の減衰を来たすことや、癌の多いところには痕跡成分の不足が考えられる、といわれている事実などからも、極めてありそうなことであり、また、現代人の健康度低下とのつながりをしめすものでもあろう。
     いずれにしても、われわれの食べものには、ほかの栄養素とともに、これら痕跡成分が十分(適度)にあり、かつ、正しいバランスが保たれていなければならぬわけだ。
     ところが、どうやら、今日の日常食には、不足がちになっているらしい。
     たとえば、傷の治りにくい患者のうちには亜鉛の不足しているものが少くないそうだが、この不足は、水や食品の亜鉛含量が少くなっているためだという。
     すなわち、水では、亜鉛メッキの水道管や食品容器がつかわれなくなったので、亜鉛のとけこむ機会が減って来たため。(同じことは、鉄や銅についてもいえる)。
     また食品については、農耕(土壌、肥料)や飼料の関係から。
     というのは、食品のミネラルは、その育成される土壌によるわけだが、地質的にある種のミネラルの甚しい不足といった特殊の場合をのぞき、ふつう一般の自然の土壌には、必要な痕跡成分はすべて十分にある。
     しかし、耕地の多くでは、すでに長い間の耕作の結果、栽培物によってとり去られたり、雨水によって流れ去り、あるいは地中深く沈下することによって、表土の痕跡成分はかなり不足して来ており、ために地力低下の原因ともなっている。
     そこで肥料がつかわれるが、むしろ乱用気味の化学肥料には、痕跡成分の乏しいものが多いこと、
     と同時に、酸基(硫酸・燐酸・硝酸基など)が過剰であるため、いっそう痕跡成分の不足を来す結果となっているようだ。
     したがって、そこに育成される植物食品にも、
     また、それを飼料とする動物の供給する食品(肉・卵・乳)にも、
     ともに痕跡成分が乏しくなっている(海産物には豊富)。
     また食品による利用の難易もあり、たとえば、穀類の亜鉛は、それに多いフイチンが吸収を妨げるので、動物食品の亜鉛より利用されにくい。
     イランの小人症は亜鉛の不足によるのだが、かれらの食っているパン(小麦や玉蜀黍の)の総量は西欧なみだ。
     しかし、フイチンのため(また食土の習慣の影響もあるようだが)吸収される亜鉛の量が異常に少いからだ、といわれている。
     精製、調理によっても減る。
     穀類ではミネラル分にとんでいるのは糠の部分やフスマの部分だし、
     芋類や果菜(南瓜・胡瓜などや果物)根菜(大根・蕪・人参・牛蒡など)では皮の部分だがこれらは、いずれも精製あるいは調理の際にとり去られてしまう。
     動物食品でも、ミネラル分は皮膚や内臓・骨に多いのだが、これまた大抵は捨てられる。
     煮汁へ出るミネラルも少くないが、これも多くは捨てられ、ダシは純粋の化学調味料ばかりになってしまっているし、砂糖も塩も精製品ばかり。こうしたところにも痕跡ミネラル不足の原因はあろう。

     けれども、さらに重大なのは、ミネラルのもっともすぐれた供給源である良質ナッパや海藻のとり方が一般に少いことであろう。
     なお、工場・鉱山などの廃水や粉塵によるカドミウム・鉛・水銀などの汚染にも影響される、という。
     つまり、食糧の生産方法や食べ方の近代化・都市化・工業化といった人為的の環境変化(公害ともいえよう)生活様式の不自然化によって、大切な痕跡成分を失っているわけで、おそらくこれが、われわれ現代人の健康を害しているかくれた原因ではあるまいか。
     そこで、これに対処するには、まず、痕跡成分にとんだ食品を生産すること。
     すなわち、耕土はなるべく深耕し、あるいは客土し、また堆肥(山野草木や海藻を主とした)を十分に施す、という自然健康農法に切りかえること。
     そうして得られた農産物と、それを飼料とする家畜、水質汚染のない水域の水産物、といった良質食品をうまく組み合せ、栄養学的に完全な食とすること。
     とともに十分の良質ナッパ(海藻も)をそえること。
     そして、すべての食品はなるべく全体を、しかも、つとめて加工(精製・調理)をさけ、自然のままか、自然にちかいかたちで食べること、が合理的なわけであり、これが、イモ・マメ(大豆・小魚)・ナッパ・青汁といった食べ方で、時には奇績ともいいたいほどの効果をあげることができる所以ではないか、と私どもは考えている。



7. 食養断想 病気の今昔 ――主として高血圧と動脈硬化について(上)

     友成 左近 

     高血圧や動脈硬化、これが主な原因で起こる脳出血・脳梗塞といった脳卒中や、狭心症、心筋梗塞といった心臓病が、この頃目立って多くなっている。
     新聞で報道されている有名人の死因にも、こうしたものがヤタラと目につく。
     死因統計でも、脳卒中が第一位、心臓病が(その他の心臓疾患も含めて)ガンについで第3位になっており、年令が高くなればなるほど、その割合が多くなっている。だが昔は、そうではなかった。とくに心筋梗塞は西洋には多かったが、わが国では殆んどなかった。また高血圧は主として中年期からかかっていたものだが、この頃は壮青年期でかかる人がふえ、地域によっては中学生でもうすでに多数かかっている。

     * * * 

     これはおそらく、お互い日本人の生活環境・生活様式が、目立って変わってきたからであり、わけても毎日の食物が、著しく間違った方向で向上し、ゆがめられた仕方で洋風化してきたからであろう。
     と共に医学が、これまでもっぱら病原菌による病気に重点をおいていたため、こうした病原菌によらない、病気の予防や治療が、まだなにほども研究・普及していないからであろう。
     従って、この予防も治療も、毎日の生活、わけても食物の改善以外に、これに勝る妙手はないのだ。

     * * * 

     生きた体は、すみからすみまで、たえず栄養を消費しているが、この栄養は血液で運ばれ、この血液は、血管を通り、心臓の圧力で送られている。そこで血液は、血管に圧力をかけて通るわけで、この圧力が血圧というものである。
     そしてこれは、大動脈・小動脈・細動脈・毛細管に至るほど低くなり、戻りの静脈では、さらに低くなり、心臓に戻るときには降圧になっている。
     ふつう血圧は、上腕動脈で測定し、心臓が収縮したときの最大血圧と、拡張したときの最小血圧をはかる。
     日本人の統計では、最大は年令に90を加えたあたり、最大と最小の開きは50といったところが、おおよその標準になっている。

     * * * 

     血圧を一度計ってもらって、標準より少し高かったからといって、ただそれだけで高血圧症というわけではない。
     血圧には、素質による個人差が著しいからである。
     従って、他に頭痛・耳なり・目まい・どうき・息ぎれ・手足のしびれといった自覚症状はなく、その上、尿・血液・心電・眼底検査などをして別に異常がなければ、それが当人にとって正常なのだ。
     また血圧は、心身の状態によって、たえず上ったり下ったりするからである。
     はげしい運動をしたとき、急に冷えこんだとき、一度に大食したあと、酒やタバコをとりすぎたとき、びっくりしたときなど、心身が緊張したときには一時高くなる。
     平素より多量の栄養・酸素が必要であるため、心臓がより強い圧力をかけて血液を送り出すわけであって、これは、生きた体の当然・正常な営みなのだ。
     そこで血圧は、まず第一に、心身ともに平静なときに、何回も計ってみることが大切である。
     そして、その度毎に標準以上であれば、一応、高血圧症ではないかと疑ってみればよい。
     そして第二に、自覚症状だけにたよることなく、尿・血液・心電・眼底検査などをして、そこに異常がある場合に、高血圧症ときめることが大切である。

     * * * 

     高血圧症になる主な原因としては、

    • まず第一に、標準体重を10%以上もこえて、肥満している場合である。
       血液を送りとどける範囲が広くなったので、心臓がより強い圧力をかけねばならないからだ。(標準体重としては、自分の身長をcmで表わした数から100を引いて、0.9をかけたkgをとるのが簡便)。
    • 第二は、細動脈が神経過敏になって、たえずケイレンしたり、あるいは硬化したりして、血液が通りにくくなっている場合である。
       心臓がより強い圧力をかけなければ、体に栄養を供給する毛細管まで血液がとどかないからである。
       なお、こんな場合は最小血圧の方が高くなる
    • 第三に、他に厄介な病気わけても腎炎がある場合には、細動脈の血液が通りにくくなるので、高血圧症を併発する。
    • その他、太い動脈に弾力性が少なくなった場合、血液がねばっこくなった場合、たえず怒ったり心配したりして、精神的ストレスがある場合などである。

     * * * 

     動脈硬化というのは、たとえばゴムホースが古くなって硬くなるように、弾力性が少なくなり、また狭くなり、モロくもなることである。
     が、人々だれでも生命あるものとしては、成長期をすぎれば、だんだんと硬化してくることはまぬがれないわけであって、年令と共に血圧が高くなるのは、このためである。
     だが人によって、早期に異常に硬化することがあって、こんな場合が動脈硬化症である。
     そしてこれは、太い動脈と細い動脈で様子が少しちがっている。
     太い動脈では、コレステロールが、はれもののように内膜にたまる場合が最も多い。
     ために血液の通過を妨げるようになるが、高血圧症を引き起こすほどたまることは少ない。
     細い動脈では、膜壁全体が厚くなる場合が最も多い。ために血液の通過を妨げるようになるが、全身にわたって異常に硬化することは少ないので、これがために高血圧症になる場合は、そう多くはない。
     高血圧症の大部分の原因は細動脈のケイレンであって、これは全身にわたって起こりやすいからだ。

     * * * 

     動脈硬化症の度合は、血圧のように測定することができない。
     血液検査でコレステロールのたまりぐあいを調べたり、心電検査で心臓のはたらきぐあいを調べたり、眼底検査で細動脈のごく一部の様子を調べたりなどして、おおよそのところを推定するわけである。

     * * * 

     高血圧症になっていると、その症状のため、毎日の仕事に精が出ず、日常生活も不快であり、ときに目まいなどによって災害を招くことがある。
    (つづく)


次号参照

8. 遠藤青汁の会 昭和46年度 総会だより

    茨城県 J.O. 

     みだしの総会が5月16日に開かれた。
     例年通り、場所は学校青汁給食の創始校である倉敷西小学校。
     時間は午前10時より午后3時まで。
     参会者は全国各地から約90名、山形県や長崎県その他、遠方からの人々が例年より多数。
     まず会長の遠藤先生の挨拶につづいて議事。
     それから青汁を1合飲んで、参会者全員の自己紹介と体験発表やそれに関連した先生の解説。
     その間に約1時間、イモ・マメ・ナッパの昼食に、山形県の人々が持参して調理した山菜料理を加えて会食しながら自由懇談。
     会場や昼食その他の世話は倉敷西小学校と倉敷青汁教室有志のサービス。
     参会者一同心から感謝。

    青汁は全国各地で静かに普及
     先生の挨拶のなかで、とくにお便りしたいこと。
     会の運営は、決算でも分かる通りまことに細々としたものである。
     だが、思いがけぬところから礼状がよせられてくることから、青汁は全国各地で、会のあずかり知らぬところでも静かに普及しているように思われ、これは、まことに喜ばしいことである。
     けれどもなかには、少しも効果があらわれなかったとか悪結果を招いた、といったコゴトもある。
     これはおそらく、会が新聞や書物ですすめている通り正しく理解せず、材料や作り方や飲み方などを間違ったり、その他の食物にも不注意があったためであろう。
     青汁は、タネもシカケもない平凡なことではあるが、だからといって、間違った常識にわざわいされないように正しく活用してほしいものであるが・・・・・・。

     会費を年500円に
     議事のうち、とくにお便りしておきたいこと。
     会費はこれまで長いこと年200円であったが、物価高の折、これではとうてい効果的な運営はできず、それに近く郵便料金が倍増する様子であるため、500円になった。
     が、2倍半という増額であるので、この実施方法は、改選される常務理事会で慎重に協議し、また実施後、事情によっては予算を更生することにした。

    イモ・マメ・ナッパの昼食
     健康と治病の土台である完全栄養をはかる模範食として会のすすめているのはイモ・マメ・ナッパであるが、この度の昼食は。
     イモは、ジャガイモとサツマイモ各100gを、ただ蒸しただけ。
     マメは、例年の大豆のすだきと牛乳を変えて、トウフ半丁を醤油とチリメンイリコで調味したヤッコと、豆乳1合。
     ナッパは、コマツナやパセリなどの青野菜を約200g、生のまま、いりゴマ・ゴマ油・塩・酢・チリメンイリコ・タマネギなどで調味したグリーンサラダ。

    青野菜を多量にとれば厄介な病気も治り易い
     先生の解説のうち、とくにお伝えしたいこと。
     青汁を飲むのは青野菜を必要なだけ多量に(およそ日に体重の1%、ふつうの成人で青汁にして2合)最も効率よくとりいれて、栄養に調和・完全をはかるためである。
     そうすれば、体力わけても病気に対する抵抗力がついて、人並に健康な人は、よりいっそう健康になり、病気にかかっている人は、どんな病気でもケガでも、治療効果がうまくあらわれてくるのだ。
     だが、ただこれだけでは人によっては、うまく効果があらわれないことがある。
     それは、その他の食物に栄養上著しく不調なもの、わけても白米や筋肉部だけの魚や肉などが多いからだ。
     そこで、これをできるだけ芋と大豆に切りかえ、さらに青野菜を、煮たものでもよし、生であればさらによし、できるだけふやすと共に、つとめて薄味にすると、栄養がよく調和して効果があらわれてくる。
     といって、病気によっては、それでもなお効果があらわれないことがある。
     こんな場合、さらに青汁を日に5合6合とふやして、ふつう栄養学で考えられる限りの完全栄養を通りこし、各種のミネラルとビタミンが必要量をはるかに越えて多量になるようにすると、意外と効果があらわれてくる。
     ふつう医学では治らないといわれているような病気でも治ってくる。
     それは、栄養に必要な熱量と蛋白質と、これが体内で利用されるときに必要不可欠な各種のミネラルとビタミンがそれも、すでに究明されているものだけでなく、まだ十分究明されていないもの、わけても痕跡成分が十二分にとりいれられるからであるようだ。
     こうした未知の成分は、青野菜以外では容易にとりいれることができず、青野菜にだけ、必要なものがすべて過不足なく、うまく調和して含まれているからだ。
     こう説明する以外に説明のしようがないのであるが、これは、野生の動物をみれば、ほぼ見当がつくことであり、また、科学的にも最近だんだんと究明されている。
     なお、最後にひとこと。食物はすべて、よく吟味して、できる限り安全なものでまかなうこと、危険な農薬や工場排出物などで汚染していないもの、食品添加物のはいっていない純正なものでまかなうことだ。
     とくに青汁材料には、これが格別重要。

    (文責在友成)



9. レジャー農薬

     渡辺 忠夫 

     昨年来、農林省の方針および農家の反応として、米作りの制限が重大社会問題となっていますが、稲作休耕で何の代作もせずに放置して、荒れるに委せている水田耕地が目立って来て、何とも慨わしいことと見ているのは私一人ではないと存じます。
     新聞マスコミでの表現では、「米に代る適当な作物がない」との由。
     政府も農家も、そのような理由で無策のまま見棄ている水田を、何とか有効に利用する途はないものでしょうか。
     だいぶ古い話ですが、ドイツでは、ライプチヒの医師、シュレーバー博士(1806〜1861)の提唱されたクライン・ガルテン(小農園)、または発案者の名をとってシュレーバー・ガルテンと称している運動があり、一般に普及しているそうです。

     それは、1870〜1の普仏戦争の前になります。
     当時、産業革命で都会の工業がさかんになり、都市人口が急増したのですが、農耕地を小さく分割区分して、農業従事者以外の、商工業者や職人やサラリーマンなどに、一家につき100〜200坪程を割り当て、農耕園芸を楽しむ場所をあたえることを提唱し、実行に移したものです。
     普仏戦争や第一次欧州大戦、さらに第二次世界大戦の三度の戦時を通じて、このことが、家庭の食生活に大きく役立ったことは確かです。
     平和な時には花もつくれるので、土に親しむことで健康に、また豊かな趣味を養うという、作る側の個々の方の利益のほかに、国土計画全体の中にも相当の貢献をしています。
     市街地に緑を多くするために、公園や緑地の他にクライン・ガルテンも一役買い、それだけ、緑の土地が広く確保できるからです。
     そのうえ、クライン・ガルテンの土地は耕作手入れなど費用不要ですから、市街地緑化に利用価値がいっそう大きいわけです。
     稲作制限で休耕地の生じている現在、これを、政府や農家だけの問題として放置せず、休耕や未利用地を生じ農地の荒廃すること、すなわち国土の荒廃とみて、国民全階層の力を借り、レジャー農園として、少しでも荒廃を減少せしめたい。
     また、このような国民的与論がもり上って来れば、農政当局や農家の、耕地にたいする認識もあらたまるでしょう。
     農家よりも、非農家の方が数は多く、力もあるのですから、レジャーの時間を利用しての農耕でも、相当の面積はこなせる筈です。
     要は土に親しむことで、農業が苦しいものでなくて、楽しいものだとのイメージチェンジが出来ればよろしいのです。
     苦しい農業、農業の苦しみは、もう、ここらで終りにして、楽しむ農耕と健康の農耕だけにして、国民全体で、国土の全部を緑の楽天地に仕上げるべく出直したい――これがシュレーベル博士のことを考えての私のこいねがいです。
     なお、戦後の家督相続の廃止と財産相続の均等分化の法律改正で、農地は毎年細分化されてゆきます。
     どうせ細分化が現実の進行方向ならば、兼業農家は農耕の負担を減らす意味でも、ドイツのクライン・ガルテン方式で、他の、農地を持たぬ方々に分配する方が、ずっと有意義ではないでしょうか。
     現に、東京その他の大都市近郊に、若干のレジャー農園が出来ているようですが、今こそ、これを全国的規模の運動におしすすめる絶好の機会かと存じているしだいですが、個人個人の農耕趣味家と、個々の農家との自由交渉では、このことを社会的運動の波にのせることは出来ないと愚考仕ります。
     何か名案はないものでしょうか。
    (日南市、サボテン公園技師長)



10. ミカンと農薬と天敵

    倉敷市 R.K. 

     「母乳からディルドリンを検出したことで、農薬汚染の危険を警告するという私たちの研究目的は大半が達成された。あとは、医学会がこれを取上げ、人体への影響と本格的に取組むべきだ。すぐに結論は出来ないかも知れないが、国へ、農薬規制をきびしくする様働きかけることぐらいは、できるはずだ。」
     これは、現在の医学会にいらだたしさを感じておられる、高知県衛生研究所、食品獣疫部長、西村孝男先生の御言葉です。
     高知衛生研究所は、これまでにも、牛乳、キウリ、母乳などに有機塩素系農薬が残留している事実を次々と発表してきています。有機塩素系農薬は脂肪にとけやすい性質があり、食品を通じて体内に蓄積される。
     多量に摂取すればするほど体内の蓄積もふえる。
     日本人のディルドリン体内蓄積は外国人の2倍といいます。
     このことから、日本人は、世界保健機関(WHO)の決めた許容量を上回るディルドリンを摂取していることになる。
     一刻も早く有機塩素系農薬を追放しないと取返しのつかないことになる。
     また残留農薬で死んだ人はいないという批判もありますが、BHCが使用され始めて、20年そこそこ、慢性毒性の強い、これら有機塩素系農薬の害が、いつ現れるかもわかりません。
     しかも、体内でディルドリンに転化するアルドリンは、全国一円で散布しているので、害が出始めた時は、イタイイタイ病などのように限られた地域だけのものではなく、日本人全体が患者になる危険がひそんでいます。
     このように考えて参りますと、いかに農薬の散布をなすべきかを考え、農薬の無散布と天敵の繁殖を3年間も考えて参りました。
     ミカンの天敵はたくさんおりますが、中でも、ルビーロームシ(みかんに黒いススをつけ商品価値が下る)にルビー赤ヤドリコバチ、イセリヤカイガラムシにベタリヤテントウムシ(イセリヤカイガラムシを食べてしまう)、などのすばらしい天敵がいます。
     農薬を散布すれば、これらの天敵も全滅してしまいます。
     天敵が居ることはうれしいことですが、一つだけ困る虫が居ります。
     ヤノネカイガラムシです。
     九州の試験場では、ヤノネカイガラムシの天敵が居るそうですが、私の所には、いる様子がありません。
     このヤノネが天敵で防げるなら、ミカンの予防剤散布はずっと少なくなると思います。
     私は、3ヶ年間、予防をせずにミカンを収穫して参りましたが、ヤノネカイガラムシの天敵を早く見つけてほしいと(居れば送ってほしい)と思って居ります。
     又、ダニ類にも困って居りますが、サビダニ・赤ダニ等の被害のため、最初の年はカンヅメ用にしか使えないミカンばかりだったのが、おそらく何か天敵があらわれたのでしょう、2年目、3年目と、被害がしだいに少くなって来た様に思われます。
     終りに、米のことを一言云っておきます。
     私は、米も予防はやっておりません。
     しかし、ズイ虫等の被害はせいぜい2割位でしょう。
     それは、防除の行きとどいた田甫では7〜8俵は収穫出来ますが、無予防でも5〜5・5俵位は収穫出来るからです。
     いま米作規制がやかましくいわれていますが、農薬をやめてしまえば、それだけでも簡単にその目的は達せられるだろうと私は思います。
     その上絶対安全、安心して食べられます。



11. 野菜も果物もこわい 農薬、体内に蓄積

    使用制限では効果薄い
     21日兵庫県立神戸生活科学センター(神戸市生田区)で開かれた消費者問題研究会で、講師の日本農村医学研究所の松島松翆医師(41)は「日本人の体内にも有機塩素系農薬、有機水銀が多量に蓄積されている。
     早く有害農薬を追放しないと私たちの身体は慢性的に農薬におかされる」と警告した。
     同研究所(若月俊一所長、所員13人)は長野県南佐久郡臼田町、長野県厚生連佐久総合病院に併設されており、松島医師は同病院の健康管理部長。16年前から農村医学の研究に当たっているが、このグループが今年同病院で死んだ16人の遺体を解剖、蓄積農薬を調べたところBHC、DDTなど有機塩素系農薬が全遺体から検出された。
     平均値はBHC0.71(単位はPPM、以下同じ)DDT0.80.DDE(BHCとDDTの混合剤)1.89だった。
     この蓄積量について同医師は「数年前、東北大学でネズミにDDT、BHCを長期投与して蓄積農薬を調べた結果のDDT0.45、BHC0.40に比べ1.5−2倍の濃度だ」と述べた。
     今月14日厚生省はキャベツ、ホウレン草など12食品についてヒ素、BHCなど8農薬の残留農薬許容基準を決め、農林省は農薬の安全使用基準を決定、それぞれ来年6月から実施されるが、同医師は「袋をかけずに栽培したリンゴは厚生省基準のヒ素3.5、鉛5.0の2.5倍ものヒ素、鉛が検出され、レタス、ハクサイなどソ菜全部から有機塩素系農薬が検出されている。
     これらの残留農薬が年々身体に蓄積されてきており、農薬の使用時期、回数を制限しても、有害農薬そのものを禁止し、病虫のみを殺す選択毒性の農薬を開発しない限り“第二の水俣病”が起きる可能性が十分ある」とのべた。
     研究会には約80人の主婦たちが出席していたが「野菜までが人体をおかすのなら私たちは何を食べたらいいの」と青ざめていた。

    (44・11・23 毎日)

    農薬汚染?野菜食べ一家8人精神錯乱 愛知
    【名古屋】24日よる、豊川保健所から愛知県衛生部にはいった報告によると、愛知県宝飯郡音羽町萩、農業、細井三郎さん(45)の家族ら8人が、畑からとったゴボウの天ぷらなどを食べて精神さく乱状態になったことがわかった。
     県衛生部では、畑に埋めて保存していたゴボウが、農薬で汚染され中毒症状を起こしたとみている。
     県衛生部の調べでは、細井さん方で21日よる、一家七人がゴボウ、サツマイモ、ネギなどの天ぷらを食べたところ、30分ほどして細井さんら5人がめまい、歩行困難、うわごとを口走るなど精神さく乱状態となり、近くの音羽診療所で手当を受けた。
     さらに23日から24日にかけて、ゴボウとサツマイモなどの煮つけを食べた祖父の岩蔵さん(92)や親類の2人も同じ症状となり、親類の2人は入院した。
     県衛生部では、残りのゴボウや畑の土などの分析検査をしているが、8人とも、有機リン、有機水銀の中毒症状に似ており@3年ほど前まで、ゴボウを埋めていた畑に余った農薬を捨てていたA岩蔵さんは21日、ゴボウの天ぷらを食べなかったため、中毒にかからなかったが、ゴボウの煮つけを食べて中毒症状を起こしている−などからゴボウが農薬に汚染されたとみている。
    (46・3・26 サンケイ)



12. サトイモの葉

     夏から秋にかけてのサトイモの葉は、いかにも、青汁によさそうに見える。
     しかし、あの芋と同様、のどを刺戟する、いらがゆさのため、とても飲めない。



13. クサ(湿疹)

     クサが出やすいとか、治りにくいのは、食べものとの関係が少くない。
     薬だけにたよらず、ともかく、食べ方をかえる。
     安全・良質の食品だけからの完全食。
     菓子をやめ、砂糖をへらし、イモ・マメ・ナッパ、青汁を中心とした食にしてみる。
     青汁をしっかり飲むだけでも、多くのものは治ってしまう。



14. 病人はふえつづける

     厚生省の調べによると、昭和30年に、医者にかかった患者の数は、1日当り人口10万につき3300、実数約300万。
     昭和43年の調査では6650、実数670万と、12〜3年の間に2倍以上にふえており、1年平均約10%づつふえている勘定になる。
     そして、国民総医療費は昭和34年度で約3000億、43年度には1兆6000億、44年度は2兆円をこえているという。



15. 青汁親子と血圧

     越智 廓明 

     皈省中の二男は、2年前の青汁開始の時から「僕にもおくれ」と飲んできた。玉川大の4年生である。
     7月22日夜、裁縫していた家内と私は、彼に血圧を久し振り測ってもらった。
     彼も自身測っていた。私(57才)最高105、最低70。
     家内(47才)120と80。
     二男130と65。
     私は、この半月余、米飯をよして、僅かのパン食に生野菜の低カロリー食。
     枝豆、南瓜、青しそ。長男と2人でビール1本の晩酌はとりつつ、4キロ減の60キロに体の重荷を減じたのであった。
     松山市へ出て、美食のならんだ店舗を見れど別に心を動かされない。
     原始的に、バスも電車も世話にならず、土用の炎天3キロ、国鉄迄歩け歩けで通す。
     朝は5時半から7時迄、夕方は5時から7時迄、汗にまみれて、ケールを初め食物と云う薬作りに精を出す。
     ピーマン、茄子、南瓜、胡瓜、トマト、隠元、西瓜、キャベツ、枝豆。
     食膳はこの薬で賑やかなことである。青汁も4人分、時に知人におすそ分けもする。
     青汁のおかげで足腰腕等の痛みも追放。
     ラヂオはいつも片手にお供をしてくれる。
     草の生え繁げることは肥料製造に嬉しいことで、電気草刈機が威力を発してくれる。
     今夜も、11時近くまで家内はつくろい物をしている。
     2年前迄は、偏食が手伝ったと思われる高グロブリン血症、肝臓機能障害、胆のう症。
     加えて2百もあった高血圧症があったのに、今は、保育所の保母の勤めを果して、夜は茶の御点前を教えている。
     私が「根がよくつづくなあ」と云うと、「青汁のおかげ」と家内は答えた。
     私も、もっともっと自分の体と話し合ってみたいと思った。
     体重計と血圧計は体の番人の如き気がする。
     動脈硬化、高血圧、心臓病、糖尿病、腎炎、胃腸障害等々の人はこの番人の利用が大切と素人考えに思うのである。

    (45・7)



16. 口内炎によい

    宮城県 S.S. 

     小生は捕鯨船乗組みの船員です。
     半年間は南極、5ヶ月間は北洋と、長い海上生活の為に、野菜不足からと思われる口内炎に悩まされており、色々の薬を服用しましたが治らず困っておりました。
     ところが横浜市の小父さんにいただいた青汁の粒を服用しだしてから、一度も口内炎が出ず、元気に働らけますので感謝しております。
     これからも、長く愛用したいと思っておりますが、市販薬のように手軽に求められたらと思っております。



17. 夏バテどころか

    西宮市 Y.I. 

     早や1ヶ月が過ぎました。
     迷って居りました数々のこと、次々に解いていただいて、急に心も明るく、青汁・菜食と申しますか、バランスのとれた食事ということの実行を、かたく決心して帰阪。
     毎日、青汁に励んで居ります。いただきましたアオジソ、サツマ芋、赤地利ソバなども、しだいに大きくなり、大いに助けになって居ります。
     毎日、まだ1合5勺〜2合位がやっとの所ですが、近頃になって、暑さに弱っていないのは、家族中で、病人の私が第一とわかり、不思議がられて居ります。
     それから、夏というのに食欲が反対に出てまいり、それも、安定していつもおいしい状態になりました。
     ために、少々過食になって、しまったと思う時もございますくらいです。
     これに力を得まして、なお、青汁にはげむつもりでいます。



18. 血圧の低い人

     血圧が人並より低くても、特別の故障がなければ、それは、ただ血圧の低い「たち」といったもので、別に病気ではない。
     ふつうの生活をし、運動も大いにやるべし。
     それでも気になるなら、ともかく、緑葉食・青汁を中心とする、正しい食べ方にかえることだ。
     青汁をのむだけでも、血圧が上って来る人もある。



19. 調子がよい

    高崎市 S.I. 

     昨年5月以来青汁をのんでおりますが、胃腸の調子が非常によく、日々元気に仕事をいたしております



20. 感想

    大阪市 K.Y. 

     楽しみの第一はたべる事だと云う人が非常に多いのですが、その殆んどの人が、舌を楽しまして胃腸をいじめている人ではないでしょうか。
     私も、以前はごちそうがあると、その翌日は胃腸薬のお世話になったものですが、遠藤博士の指示を実せんして以来、段々考え方が変って参りました。
     正しい食事というものは、舌を喜ばして胃腸をいじめるものではなく、身体全部を喜ばしめるものであるという事を、はっきり自確するようになりました。
     私は数年前にも血圧が上り糖分が下りて、青汁の実行にて全快しましたが、昨年又々同じ状態になりましたので、9月より、三白を廃し、いも・豆・なっぱか青汁2合位を中心に実せん。
     現在よくなって居り、会員の皆さんにもお奨めして居る昨今です。



21. もとはこの会報

    東京都 T.K. 

     青汁を飲み始めて1年半程になりますが、調子がよいようです。
     「健康と青汁」紙の先生の魅力ある文章にいつも敬服しています。
     現在、食品添加物にたいし、新聞紙等で大問題としてあつかうようになりましたが、源は先生のこの会報から発していると思います。



22. 質問箱

    倉敷市 S. 


     暑い季節の飲み物にも安心できるものは殆んどないようですが、牛乳はどうでしょうか。


     BHCやDDTが発見されたり、抗生物質が見つかったりしているほどです。
     残念ながら、これもまずご多分に洩れず、といったところでしょう。
     それにスーパーだの、スペシァルだという値の高いものはまだしも、
     ふつうの値の安いものともなれば、外観だけは全く同じでも、
     中身ははたしてどうでしょうか。
     乳はちっともはいっていない模造乳というのが出ているご時世ですから……。



コラム紹介

    はじめから不可能な事は、いくらもない。
    われわれには、事を成就させるための励みが、
    手段以上に欠けているのだ

     ラ・ロシュフコオ間



    お前がだれとつき合っているか、言って見よ。
    そしたら、お前が何びとであるかを言ってやる。
    お前が何に従事しているかを知ったら、お前が何になれるかがわかる
    ゲーテ



    水田の鯉
    むかし、水田に鯉を飼った。
    蛋白の補給源が主な目的だったが、
    鯉は田の草を食べてくれるので、
    草刈りの手間もはぶけた。



    禍福門なし唯人の召(まね)くところにあり
     左伝



    こういふ無気力で頭脳の働きの悪い道徳心の乏しい者どもでも、
    根本的に環境を変え、
    もっと原始的な生存状態におかれると
    良好な変化を起して剛健性を回復することがある
     カレル



    人生の助言
    深山旅愁
    いかなる事、いかなる面(めん)でも、
    過ぎることは兎に角に良くないにきまっている








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