健康と青汁タイトル小
膵臓:掲載紙面選択



1. 健康相談室 慢性膵炎

     医学博士 遠藤 仁郎 

     慢性膵炎で、四年来、病院にかかっているが、青汁をのみだして、けだるさがなくなり、食事がすすみ、便通がよくなってきた。
     しかし、病院では、生野菜や冷たいものはいけない、といわれている。つづけて飲んでもよいだろうか、とのこと。
     よろしい。しっかり飲んでみてほしい。
     膵炎にもナッパ・青汁は必要だ。それは、膵炎が、胆石や胆のう炎とともにあることが多いように、その原因は食べもののまちがい―肉、卵類、白米飯、脂、糖、酒などにかたむき、野菜の不足した、つまり、熱量・蛋白質が多すぎ、ミネラル・ビタミンの不足した不完全食によってまねかれた「血のにごり」にあるとかんがえられること。
     そして、この血をきれいにするには、ともかく、まず、十分の良質ナッパを食べ、青汁をのんで、食の完全化をはかることと、便通をよくすることが大切だからだ。
     生野菜、ことに生ナッパは、ミネラル・ビタミンの良給源として、食の完全化になくてはならないものだし、また、良繊維源として、便通をよくするために欠かせないものだ。それが、なぜきらわれるのか。あるいは、膵炎が、もともと下痢をおこしやすいものなので、消化しにくい繊維をおそれるためでもあろうか。
     もし、そうであれば、青汁にするか、ミキサーにかけて粥状(ミキサー粥)にして、あらい繊維だけ除けばよいだろう。また、冷たいものがよくないといわれているのは、多分、冷たさが刺戟になって、痛んだり、下痢するかも知れない、とおそれられてでもあろう。
     もし、そうならば、そして、冷たい青汁でさわるようであれば、熱い湯・茶・牛乳などを注して、温めてのめばよい。
     しかし、現に、ふつうの青汁で、元気が出、通じがつき、食欲も出た、というのであれば、冷たい青汁でも一向さしつかえないわけだから、かまわず、しっかり飲みつづけるべきだ、と私は思う。
    (54・3)


2. 膵炎とアルコール

     医学博士 遠藤 仁郎 

     近頃ふえた病気の一つに膵炎がある。
     それは、これまで、うまく診断されず、見逃がされていたのが、さいきんの診断法の進歩で確診できるようになったためでもあるが、じっさい膵臓の病気そのものがふえてきているためでもあるようだ。
     膵臓は、胃のうしろにあり、頭部は十二指腸に囲まれている。この膵頭部を通って、胆管(胆汁を出す管)が十二指腸に開いているので、胆のうや胆管に炎症(胆のう炎、胆管炎など)があると、膵炎がおこりやすい。
     で、胆道の病気が、さいきんふえていることも、膵炎が多くなった原因の一つだろう。
     また、膵炎は大酒家によくみられるもので、一日100〜130C.C.のアルコール(日本酒4〜5合)をながく(10年以上)つづけているものに多いという。

     けれども、おそらく、それだけではなく、同時に、栄養的に不完全な贅美食、すなわち、精製穀(白米飯・白パン・メン類)、肉・卵類、糖・脂にかたより、良質緑葉菜に乏しく、しかも高度に加工(精製・調理)された濃厚味(糖・塩・香辛料・化学調味料など)食であり、また、危険な農(畜・水産)薬、産業廃棄物、あるいは添加物などに汚染された食品が少なくないこと。
     タバコ、薬品類の乱用、運動不足、ストレス過剰、環境の悪化と、あまりにも不自然・不合理化された日常生活によって、一般体力とともに膵臓の抵抗力の減弱をまねいている結果でもあろう。

     北大の並木博士によると、アイヌ人には、元来酒豪が多いが、膵炎も胆道の病気も少ない、という。
     これは、アイヌ人の食事が、一般に菜食にかたむき、バランスがよくとれていること、また、その日常生活が、あまり不自然化されておらず、体力・抵抗力に余裕があるからで、膵炎が、決してアルコールだけによるものでないことをしめすものといってよかろう。
     それはともかく、膵炎の予防にも治療にも、食の自然化(完全化・安全化)を中心とする日常生活の合理化・自然化が大切であると私は思う。
    (52・11)


3. 膵臓炎と青汁

    熊本県 S.T. 

     去る3月23日膵臓炎ということで翌24日より入院治療を続けております。ブドウ糖点滴を受け、内服薬も頂いておりますが、これは服用せず顆粒青汁だけに致しております。
     先日アミラーゼ検査の結果、大変よくて、近く退院との話を頂きました。退院後も末長く服用致したく存じております。有難うございました。


4. 膵炎の食べもの

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「膵臓には野菜はよくないといわれているんですが、どういう食べものがよいんですか。」

     「へえ?
     野菜がねえ。
     消化が悪いからというんでしょうか?
     ちょっと解しかねます。
     なるほど、膵臓の病気では下痢することが多いものです。
     しかし、それは、膵臓から出る脂肪の消化酵素の分泌が少なくなって、脂肪が消化されないため下痢する、というのです。
     野菜の繊維の消化は大腸の中のバイキンの仕事で、膵臓とは直接関係はありません。
     それどころか、野菜はむしろ必要ではないか、とかんがえられます。
     というのは、膵臓のためには通じが大切だからです。
     膵液の出口は十二指腸に開いていますが、胆管の出口と接近しており、合流していることも多いので、胆嚢炎や胆管炎があると、そのバイキンで感染され膵菅炎がおこりやすいんです。
     便秘して胆汁の流れが悪くなると、いっそうそのおそれが大きくなります。
     そこで、胆道にとっても膵臓にとっても、便通のよいことが大切で、繊維の多い野菜はむしろ必要だろうと思われるからです。
     それに、膵臓の病気は、だいたい、美食飽食家つまり血のにごりがちな、ふとり気味の人に多いものです。」

     「たしかにその傾向があり、少しふとっています。」

     「だとすると、血をきれいにするためにも、やせるためにも、野菜食は必要なわけです。
     ところで膵臓といってもいろいろありますが、どういう状態ですか?」

     「初め痛みがあって、しらべて膵炎だとわかりました。」

     「石でもあるんですか?」

     「レントゲン検査で、石はなく、膵菅に細くなっているところがある、とのことです。」

     「膵炎か、ひょっとすると悪性のものの初めかも知れません。
     いずれにしても下地になっているのは血のにごりですから、ともかく野菜食、ことに青ナッパ・青汁を中心にした、バランスのよくとれた食をとって血をきれいにし、抵抗力をたかめるべきです。
     せめて、青汁だけでもうんと飲んでみてほしいと思います。
     なお、膵臓によくないものとされているのは脂肪とアルコール。
     脂肪の消化が悪く下痢しやすいことは前述した通りですが、それがつづくと栄養障害をおこすおそれがあるというのです。
     しかし、それは、欧米人のように大量の脂肪をとるばあいのことで、われわれ脂肪のとり方の少ないものでは、あまり問題にはなりません。
     アルコールについては、大酒家に膵臓の病気が多いといわれているからですが、その方はどうですか?」

     「のみません。甘いものはよく食べますが。」

     「糖分はとくに膵臓にさわるとはいえないようですが、便秘しやすくなる点が問題ですから、すぎない方がよいでしょう。」

     「ついでにタバコはどうでしょう?」

     「どんなばあいにもよいものではありません。
     とくに癌との関係で発癌を促がしたすける作用があるといわれていますからさけるべきでしょう。」

    (59・11)


5. 用心しすぎだ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     37才、公務員。

     「2年このかた、慢性膵炎といわれ、食事には厳重に気をつけているのだが、それ以来ずっと体調不良。しんどくて疲れやすく、元気がない。食べものはおいしいが、胃にもたれて十分には食べられない。いくらか痩せたようだ。便秘がちで、下腹がいつもはっている。何かよい方法はないか」
     との相談。
     みたところ、大して痩せてもいないし、血色も悪くはない。腹部にこれというところは無さそうだが、かなり神経質のようだ。

     「ともかく、いちど精しい検査をうけることだと思うが、とりあえず、慢性膵炎としてかんがえてみよう。膵臓は消化液を出すところだから、なんとしても、食べものの注意が中心になるわけだが、食事はどういう風にしているんですか。」
     「食べ過ぎないこと。アルコール・脂肪はよくない。繊維も負担になる、とのことなので、なるべく消化しやすいものを控え目に食べています。」

     「主食は?」
     「ご飯。」

     「おかずは?」
     「やわらかい野菜類と、あっさりした魚や卵など。」

     「青ナッパは?」
     「繊維の少ないホウレンソウ少々。」

     「甘いものは?」
     「アルコールがいけないので…」

     「胃腸や膵臓への負担をおそれると、そういうことになるわネエ。だが、私には、そこにまちがいのもとというか、無理があるのでないか、つまり、あまり用心しすぎて、かえって食べものが偏ってしまっているのではないか、という感じがするがネエ。」

     「ヘエ?」

     「そういう食事では、なるほど負担は軽くなるかも知れないが、栄養的にみてひどく不完全――カロリー・蛋白質はともかくだろうが、それらがうまく処理されるために必要なミネラル・ビタミンが不足した――になっている。つまり、膵炎にたいする直接の注意ばかりに気をとられて、食全体としてのバランスにぬかりがあるのでないか。
     それも無理のないことで、あれはいけない、これはよくないと、食禁をやかましくいわれると、神経質できまじめな人は迷ってしまい、何を食ってよいかわからなくなり、結局、極端な制限食といったことになってしまう。
     そのため血がにごってきて、からだ中のはたらきが悪くなり、体調がくずれたのではなかろうか。便通のよくないのもその結果であり、また、血をよごす原因にもなっているだろう。農薬その他生産用の薬剤や雑多な添加物に汚染された食品が多ければ、なおさらだ。膵炎自身にたいしても同じで、あるいは却って逆効果になっているかも知れない。
     そこで、すすめたいことは、負担をかるくすることとともに、食べもの全体としてバランスをよくとること(完全食)、また繊維も不足しないように。そして、すべての食品はできるだけ安全なものをえらぶこと(安全化)。
     たとえば、主食には、白米飯よりは雑穀、マメ、イモ、蛋白食には、切り身の肉や魚よりは、小魚、大豆もの。そして、ミネラル・ビタミン・繊維にもとんでいるナッパ類をうんと多く。青汁にしても飲む(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)。少々乱暴のようではあるが、急性の病気ならともかく――急性の膵炎はおそろしい病気で、メッタなことはやってはならない――慢性の、しかも、そう大して症状のないものでは、そう厳重にやるのは、むしろ、考えものだ。
     だいたい、膵炎で控えなければならないものは、まず脂肪だが、しかもそれは、欧米人のように大量をとるばあいのことで、われわれのばあい、そうやかましういわなくてもよい。もっとも西洋人なみによく食べる人は別だが。繊維もおそれられているようだが、この点、私にはちょっと解しかねる。
     というのは、膵臓からは繊維をこなす酵素は出ない、つまり、その消化には関係がないからだ。膵炎で下痢傾向になるので恐れられているのかも知れないが、この下痢は脂肪のとりすぎによるもので繊維のためではない。だから制限せねばならぬといういわれはないし、そのため便通を悪くすることの方が、むしろ問題だろう。
     いずれにしても、そうビクビク用心ばかりせず、もっと積極的に食を合理化(完全化・安全化)し、からだ全体の強化をはかるべきではないか、と私は思う。
    (60・6)


6. 病気ばかりしている

    出水市 K.K. 

     慢性膵炎で治療中で、市の図書館で青汁は効くという本を読み、早速乾燥青汁を送って貰い飲んでおります。また自分でもキャベツ、大根葉、人参葉、パセリによもぎ、ドクダミ、柿の葉等を混ぜてジュースにして飲んでおります。
     腹の痛みも間が遠くなったようです。胃潰瘍、腎不全、尿道炎、肋膜炎と病気ばかりしますので、何とか良い方法はないかと健康法の本を買って読みますが、なかなかはかばかしくないようです。尚、ジュースを作った時上に白いアワが出来ますが、これは飲んで良いか悪いかお教え下されば幸です。

    (62・5)

     気ながに青汁中心の正しい食養生をして、根本的にからだをなおすことです。がんばって下さい。アワ、心配ありません。飲んでよろしい。ビールのアワのようなものです。


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