医学博士 遠藤 仁郎
「網膜剥離で入院治療をうけていますが、これに青汁はどうでしょうか。」
「よいと思います。少なくとも悪くはない筈です。網膜は眼底にあって、外界の像をうつすスクリーンの役をしている膜で、眼底に密着しています。それが剥離するのは、何かの原因で、膜のどこかに裂け目ができ、そこから、眼球をみたしている硝子体液が侵入してくるからです。
で、安静にしてその進行や再発を防ぎ、レーザー光線などによってこの裂目を焼き閉いで、滲み出している硝子体液の吸収をまつ、というのが専門的の治療法になっています。裂け目の出来る原因としては、網膜や硝子体側の異常がいわれていますが、そうした異常がなぜおこるかについては、はっきりしたことはわかっていないようです。
が、いずれにしても、根本的には、これらを養っている血の異常、つまり血のにごりにあるわけでしょう。そこで、専門的の処置とともに、血をきれいにし、これらの栄養の完全をはかるべきであり、そうすることによって、網膜の抵抗力・回復力はつよめられ、滲出液の吸収もすすめられるでしょうし、再発を防ぐことにも役立つでしょう。
この意味から、このばあいも青汁中心の食養生が大切であり、必要でもありましょう。」
(59・7)
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