健康と青汁タイトル小
食の安全




1. 恐るべき食物

     貝原 邦夫 

     店頭に氾濫する加工食品は我々の健康をむしばむ恐ろしいものだといわれますが、更に世の中には、厚生省禁止の有毒添加物を使用してまで、お金をもうけようという悪徳商人も決して少くありません。
     私が昨年中に気付いて書きとめた新聞記事だけでも次のようになります。
     皆さんお互に純正食品運動に協力して、これらの不正食品を一日も早く、世の中から駆逐しようではありませんか。

       1月、岡山県矢掛町、千菓子の有毒色素
       2月、岡山市、ツクダニにホルマリンの使用
       6月、倉敷市、奈良漬製造7店中6店有毒色素
       7月、岡山市、カマボコにホーサン使用
       8月、玉野市、和菓子にホーサン使用
       9月、神戸市、ハムにホーサン使用
      10月、広島市、菓子にホーサン使用
      12月、福山市、ロンガリツト使用食品




2. 自然食品の専門店 東京・渋谷にお目見え

     着色剤や防腐剤などの添加物を使わない“自然食品”だけを扱う専門店が、半年ほど前、東京・渋谷に店開きした。
     とても小さな店で、従業員もわずか4人というこぢんまりしたものだが、予想以上にお客が多く、まずは順調なすべりだし。いずれは店を広げ、支店もつくって――と、店の人たちは張切っている。

     ちょうど4年前、「ひととき」欄の投書がきっかけで生れた「自然食の会」(会員は現在約5百人)というグループのことをご記憶の方も多かろう。
     会員が定期的に集って自然食の研究を重ねているが、いつも問題になるのは、どこに行ったら自然食品を手に入れることができるか、ということ。
     ひところは「純製食品コーナー」を設けた食料品デパートもあったが、いつの間にか姿を消してしまった。そこで、われわれ自身の手で店を作って希望者に売るよりほかないと、会員の小林弘昌さん、野本直弘さんの二人が中心になって、去年の9月5日、渋谷区桜丘町に店を開いたもの。

     名前は自然食品センター。場所は国電渋谷駅のすぐ西側、面積13平方メートルほどの小さな店。売っている食品は玄米パン、生そば、玄うどん、ピーナツバター、天然ハチミツ、マーマレードをはじめ、いなかみそ、ショウユ、ゴマ油、ナタネ油などの調味料、玄米センベイ、玄米アラレ、麦芽アメなど約60種類。日によっては農薬を使わないで栽培した清浄野菜もある。
     食品添加物は一切使っていないというのがミソ。これらの食品は、自然食運動に共鳴している人たちから出荷されている。パンなどは都内で作られるが、ミソ、ショウユは岡崎、広島、京都、厚木、松川といった遠い地方から送られてくる。
     値段は市販のものにくらべ総体にやや高目。例えばミソ1キロ150円、ショウユは1.8リットル300円、ゴマ油は1.8リットル1,050円といった具合だが、朝9時から夜8時までの営業時間中に、毎日百人近い客がある。

    (40・2・19・朝日新聞)




3. 食の危機

     医学博士 遠藤 仁郎 

     二〇余年来、私は緑葉食・青汁ということを唱えています。質のよい菜っ葉 をうんと食べよう。それも、なるべく多く生で食べよう(緑葉食)。食べにく ければ、しぼり汁にしてでも飲もう(青汁)というのです。
     それは、こうすることが穀・肉・糖・脂に偏って、ビタミン・ミネラルの甚 しく不足した不完全食になっている、今までの習慣食の誤りを直す最簡便法だ と信ずるからです。
     勿論、そのためには良質(ビタミンに富み、吸収しやすい形のカルシウムに も富む)かつ安全(下肥も農薬もつかってない清浄無毒)な菜っ葉が十分なけ ればなりません。
     けれども、今や食品界には一大危機がやって来ており、とても、それだけの ことでは、どうにもならぬようになっています。すなわち、農産物は、化学肥 料と農薬依存の不自然不合理な農耕によって(土壌の荒廃、作物自体の傷害な どによって)、質の低下と農薬汚染がさけられなくなっていること。
     畜産物は、不自然な環境に、不合理不完全な飼料によって、病弱となった家 畜のため、これまた、質の低下をまぬかれず、各種薬剤による汚染の危険もあ ること。
     また、農薬、洗剤の乱用と工場廃液によって、水も水産物も汚染されている こと。さらに、貯蔵食品、加工食品ともなれば、防腐剤、漂白剤、着色剤(色 素)、着香剤(人工香料)、甘味剤(人工甘味)、軟化剤、清澄剤、乳化剤。 その他○○剤××剤と、あらゆる種類の添加物です。
     そして、その中には、先進国では厳禁されているものもあり、量によっては 有害なものも少くありません。また、従来の普通の検査法では無害とされてい るものも、別の検査法、たとえば妊獣による検査では、母獣には特別の影響も ないが、胎児には明かに有害作用を現わすものもあります。
     なお、禁止添加物の使用されていることも、決して稀ではないのです。

     こうして、多くの食は、いや、恐らくあらゆる食品といってもよいでしょう が、質の低下を免れないばかりか、大なり小なり、有害ないし有毒となり、あ るいは、なりつつあり、安全食品といえるものは殆んどないという状態で、こ のままでは、これが健康上に及ぼす影響は、まことに由々しいものがあるので はないか、と憂慮されます。
     しかし、それら食品の一つ一つについては、これこれしかじかの害がでてい るという、はっきりとしたデータは、今のところ、まだつかめてはいません。  また、一つ一つの食品に含まれている有害物の量も、恐らく取るに足らぬ微 々たるものに過ぎないかも知れません。従って、調査してみてもうまく発見で きぬ場合もあるだろうし、たとえ、あるとしても極く僅かなもので、有害とは いえぬという結論が出る程のものかも知れません。
     けれども、毎日食べ飲みしている雑多な食物、飲物の中に、何がしかづつの 農薬や工場廃液がついていたり、添加毒があったり、洗剤が残っているとすれ ば、その一つ一つは問題にするほどではないにしても、全体としては馬鹿にな らぬ分量になるかも知れないし、あるいは、それらが互に影響し合って有害作 用が強くなったり、本来の性質が変って、毒力の増大がないともいえないでし ょう。
     そして、これが、毎日、子供のときから、いや胎内にいる頃から、つみ重な って行けば、ながい間にはついには取り返しのつかぬ結果をもたらすことにな らぬとも限りません。世はまさに有害食時代、殺人食時代、といっても少しも 言い過ぎではないでしょう。
     私どもが恐れているのは、実は、それなのです。勿論、そうしたあやふやな ことを心配するのはおかしいかも知れません。けれども、はっきりした害が現 われてから、いくらあわてても、それはもうおそい。私どもの生命は一つしか ない。やり直しはききません。あやふやだからといって、気がかりなことを続 けさせられるのは、いたずらに動物実験に供せられるのは真っ平です。
     東京オリンピックで、多くの国は、わざわざ自国の食糧を携行したというこ とですが、あれはただ、なれた食物を食べさせるというためだけの配慮ではな く、日本における食物の危険さ、無軌道さが世界周知だった(知らぬは国民大 衆ばかりなり)ためではなかったか。大いに反省しなければならぬことがらで す。
     よく知られているように、現在わが国では成人病が問題になっていますが、 この成人病とよばれている高血圧、動脉硬化、糖尿病、癌などは、その真因が どこにあるか、まだはっきりとはわかっていないのですが、恐らく、バランス の乱れた不完全食を主とする日常生活の不自然不合理さにあるのでしょう。
     そして、また、各種の有害〜有毒食品の摂取も大きくあずかっていることで しょう。なお、近来多くなっているものに、肝・腎など体内解毒機能と関係の ふかい臓器の病気があります。また、喘息、リウマチをはじめとするアレルギ ー疾患がふえ、神経症、精神病がふえ、妊娠中毒、子宮外妊娠、未熟児・精薄 児・身障児がふえて来ていますが、これらも、すべて、何ものか有害〜有毒性 の物質によって、発病ないし発生するものにちがいありますまい。
     そして、その根本は、こうした不完全栄養や、有害有毒飲食物にあるのでは ないでしょうか。少くとも、その関係を否定することは、おそらく出来ないで しょう。それはともかく、現在、市販の飲食物には、何一つとして安心して食 べられるものはない、というのは、情ないことながらわが国の現実の姿です。
     こうした食の危機、有害食・危険食・殺人食といった恐怖時代に対処するに は、どうすればよいのでしょうか。それには、まず、

    1. すべての食品について、今までのように、ただその栄養分のあり方だけを 考えるのではなく、必ず同時に、有害物による汚染の有無、あるいは、その可 能性について、十分吟味し、つとめて有害食品をさけ、そうした心配のない安 全食品のみを摂るようにすること。

    2. 次に、なるべく栄養のバランスのよくとれた完全食とし、体機能ことに肝 機能をよくしておいて、余程気をつけてもなお侵入するかも知れぬ害毒にたい して、十分対抗しうるだけの抵抗力を養っておくこと。

     それ以外の途は恐らくないでしょうが、そのためにも大切なのは良質菜っ葉 ・青汁です。
     もともと緑葉食・青汁の目的は栄養のバランスのうまくとれた完全食を得や すくすることでした。しかし、今では、その上に、この氾濫している有害食品 に対抗するという新しい目的が加って来たので、菜っ葉食、青汁の使命は、以 前にも増して一段と重大になって来たわけです。
     したがって、この問題の解決には、さし当り、安心して食べられる安全良質 の菜っ葉の円滑な供給をはからねばならぬが、根本的には、さらに進んで、日 常必需食品だけでも安全化され、安心して食べられるようにならなければなら ない。

    ………

     理想をいえば、何もかも自給することです。しかし、それは、無論ごく限ら れた一部の人たちだけにしか許されないことで、到底誰れでもに出来ることで はありません。私ども一般大衆には、まず、良質菜っ葉の自給でも出来ればよ い方でしょう。

    菜っ葉の自給
     私どもは、幸い、そこばくの庭があるので、野菜を作ってみていますが、生 食用菜っ葉(サラダや青汁用)が生で、余裕があれば、漬物用の菜っ葉。胡瓜、 茄子、トマトなどがいくらか供給で来る、というのが精一杯のところです。

    共同供給(健康を守る会)
     しかし、こうした菜っ葉にした所が、まさに寸土もないという都市生活者で は、屋上とか窓ぎわで箱または鉢作りという方法もないではないですが、とて も十分のことは望めません。
     そこで同好の士を募って「健康を守る会」といった会を組織し、しかるべき 農家に委託するのが、今のところ可能な唯一の方法でもありましょうか。
     私どもの地方では、青汁用のケール栽培は、もう10年以上も前から、「青 汁の会」が指定した専門の農家にやってもらっていますが、今では毎日数百〆 も出荷するまでになっています。
     また、最近では、生食用の良質菜っ葉を供給しようという「安全青野菜の会」 が倉敷には出来、相当の成績をあげています。

    健康栽培
     さて、こうした良質菜っ葉の栽培で大切なことは、栽培地が適当であるかど うか、栽培法が正しいかどうか、そして栽培者が信頼できるかどうか、という ことです。

    栽培地
     栽培地の条件としては、陽あたり、風通し、水はけのよいことだけではなく、 土壌が清浄であること。すなわち新しい開墾地か、少くとも1年以上、下肥を つかってない所。また付近からの汚水や農薬によって汚染される恐れのないこ と。従って野菜作りにとっては、頗る条件のよくない丘の項とか山裾といった 所になります。

    栽培法
     良質菜っ葉をとるためには、何といっても土です。十分深耕すること。堆肥 ・緑肥・石灰を十分に施すこと。下肥は一切つかわず、化学肥料だけにたよら ぬこと。必要ならば油粕・鶏糞・厩肥・魚肥などの持久有機肥料を適宜施すこ と。また、無毒安全であるためには危険な農薬は一切つかわないこと。という むつかしい、しかも最も大切な条件がつきます。

    栽培者
     このように良質安全な野菜を得るための健康農法としては、今日一般に行わ れている農法とは、およそかけ離れた、余りにも時代ばなれした、いわば旧時 代的栽培法(自然農法)によらねばなりません。
     そこで、こうした点をよく理解し、それを真面目に実行してくれる熱心な農 家を見つけ出すこと――つまり、適当な土地と、実直な農家を発見することが、 この成否のカギというわけです。

    安全食品の会
     私どものところでは、上記のように、こうした良質安全な菜っ葉の供給だけ は一応成功し軌道にのって来ていますが、これをおいおい「安全食品の会」に おしひろめ、一般野菜や果物、さらに穀・芋・卵・乳・肉類・豆腐・味噌・醤 油・漬物など、日常必需食品だけでも、安心して食べられるようにしたいし、 すすんでは「安全食品の家」といったものを設置したいと考えています。

    主食品
     米なれば玄米といいたいのですが、玄米には水銀の心配が大きいので、むし ろ白米が安全なわけです。けれども、白米は栄養的には確かによくないもので すし、水銀の心配も全然ないわけでもないのですから、米は、やはり、なるべ く食べぬことです。パン・ウドンなど小麦製品も、漂白した粉をつかった市販 品はなるべくさけ、自家製の安全な小麦粉製品を食べるようにすること。が、 むしろ、栄養的にすぐれ、安全度のずっと高いソバ・アワ・キビなどの雑穀類 や、豆・芋の類をとるほうが遥かによろしい。
     こういうものを主食にすれば、安全なる主食品の供給の問題は比較的簡単に 解決しますし、自給するにしても、これらは栽培が簡単なだけに、容易いとも いったものです。

    蛋白食品
     動物食品では、得体の知れぬ添加物のされている加工品はなるべくさけるこ と。牛・豚・羊・鶏などの肉そのものも、遠い外国から輸入されているものが 少くないようですから、決して、必ずしも安全とはいえないので、出来れば、 安全なものを自給したいが、私どもに出来るのは、まず鶏くらいでしょう。自 家農場で出来た穀・豆・芋などと十分の菜の葉をあたえた、放し飼い、または、 せめて陽当り、風通しのよい、自由に運動のできるような鶏舎の健康鶏ならば、 肉も安心だし、卵も大いによろしい。魚介類も同様、遠洋から運ばれてくるも のも多いし、近海産のものも、場所によっては安全とはいえません。
     農薬や洗剤や工場廃水の危険のない適地があれば、小魚や介を養殖したいも のです。乳の供給も精々山羊でしょう。放牧するに適した土地があれば大いに 奨励したいものです。なお、誰れでも十分に、また安心して利用できる蛋白源 は豆腐です。大豆はもとよりのこと、雑豆類の蛋白質も含量が多いだけに、仲 々馬鹿になりません。
     その上農薬の心配はないし、自給も、やる気さえあれば決してむつかしいこ とはありません。

    安全食の家
     健康な適地をえらんで農場を設ける。そこでは、本当の自然農法による健康 栽培を行い、青菜っ葉を主とする野菜類・穀・豆・芋・果物など、すべて安全 につくる。そうして出来た健康作物を飼料とする健康家畜を飼い、食肉はとも かく、卵、乳だけでも供給する。また、健康農畜産物から純正良質の加工食品 も製造する。勿論、専従者は必要だろうが、会員も、なるべく自ら農耕や飼育 や食品加工の実際に加わり、生産の楽しみを味わうとともに、自らの手、自ら の汗によって作り出した良質かつ安全な食品だけからの完全食、本当に正しい 自然的完全食を、存分に味うことが出来るようにする。
     そうすれば、健康者はますます健康になるだろうし、病人も、そうした生活 にとけこんでゆけば、普通の医療では治らぬような難病でも、あるいは治るよ うになるかも知れないし、少くとも治りがよくなるでしょう。こういう安全食 の家、自然食の家、健康の家がほしいものです。そうした施設が次々に出来て ゆけば、その恩恵をうける人はしだいにふえるでしょうし、各地の特産品など 互に交換し合うようになれば、安心して食べられる食品の数は豊富になり、食 卓のにぎやかさはさらに増して来ることでしょう。これが私どもの毎日見つづ けている夢です。




4. 寄生虫 海の魚からも惑染

    ガンに似た症状起す
     海の魚に巣食う寄生虫がわが国で人体に障害をおよぼしている事実が徳島、北海道、新潟、岡山大学など、全国15の医学機関の研究でわかり、感染経路などくわしい調査をすすめている。これまで、魚から感染する寄生虫としては、ジストマなど淡水魚系のものだけしか知られず、海の魚からは感染しないと信じられていただけに、日本寄生虫学会でも大きな反響を呼んでいる。

    ほとんどの魚の内臓に
     これはアニサキスと呼ばれ、成虫は体長10−15センチ、カイチュウに似た形で、クジラやイルカなど海のホ乳動物に寄生する。幼虫は体長20−30ミリ、太さ0.5ミリぐらいで、徳島大医学部第一病理学教室の山口富雄助教授の研究によると、アジやサバ、タイ、マグロなど多種類の魚の内臓に寄生している。
     それを食べると壁内にはいりこみ、ガンやカイヨウに似た肉芽腫(にくがしゅ)を起して胃ガンなどと誤診されたり、急性腸閉そくの原因にもなるという。切除された病変部から、アニサキス幼虫が発見されたのは日本各地ですでに50近いといわれる。
     山口助教授も去年秋以来、過去12年間の顕微鏡標本などから8例をみつけている。うち一つは腸閉そくの患者の手術(切除)直後の大腸壁から生きた幼虫が発見された。去年、イギリス、オランダから輸入されたうす塩にした生ニシンを食べて腸閉そくになった12例がアニサキスのためだったと報告されている。
     同研究室が去年6月からさる3月にかけて、徳島港に荷揚げされた38種の海の魚を検査した結果、アジ、サバ、マダイ、マグロなど20種類の魚からアニサキスを見つけた。
     この幼虫を犬とウサギで動物実験したところ、数回くりかえして幼虫を侵入させると芽腫が現われることがわかった。

    猪木正三阪大微生物病研究所教授の話
     これまで淡水魚からしか感染しないと思われていた魚の寄生虫が、海の魚からも感染することがわかったことは、海の魚を食べることが多いだけに影響が大きい。淡水魚の寄生虫だと、感染地域がかたよっているが、海水魚の場合は全国的な問題なので、寄生虫病学会でも研究と対策を急いでいる。

    生焼はあぶない
    徳大山口富雄助教授の話
     アニサキスは日本でとれるほとんどの魚にいるとみられ、感染の機会は非常に多い。切除しないとわからないから@生焼の内臓をたべないAサシミも古い魚だと幼虫が内臓から筋肉に移行するので危険B熱には弱いが、ス(酸)や、低温にはきわめて強い、などの性質をもっているので用心してほしい。

    (40・6・30朝日)




5. 揚げ物の油

     医学博士 遠藤 仁郎 

     揚げ物は、から揚げでもころもをきせたテンプラでも、大変香ばしくておいしい。
     魚など、中華料理の鯉のように、相当大きいものでも、らくに骨ごと食べられる。
     もっとも、あれにはかなり時間がかかるらしいが、小魚だと、ごく簡単にうまくあがる。
     たけた大根葉や、野草や、木の葉などのように、かたくて、生ではもとより、煮ても食べにくいものでも、揚げ物にすれば、ずっと食べよくなる。
     但し、油の温度がたかいので、熱によわい成分はこわれる。
     ビタミンCや葉酸はいうまでもない。
     B1でも130度以上だとこわれる。
     また、油そのものが変質する。
     なまの油では障らないのに、揚げ物だと下痢したり、胆石の発作をおこしたりする。
     それは、油が変質して、腸や胆のうを刺戟するようになるからだ。
     だが、これは大した問題ではない。こまるのは、余り温度が高いと発癌性が出来るということだ。
     もっとも、ふつうの料理では、それほど高い温度にならぬので、まず心配はなかろう、といわれている。
     けれども、同じ油を長い間つかい、たびたび熱をあてていると、あるいは、しだいに発癌性をおびて来るかも知れない。
     いや、どうも、そうらしい。昨年のある学会で、あるアメリカの学者の報告によると、

    「最近アメリカでは胃癌がだんだんへって来ているが、それは、揚げ物の油を度々つかわず、1回きりで捨てるようになってからのようだ」
     という。
     だから、揚げ物用の油は、深い鍋にタップリ入れて度々つかうよりは、浅い鍋で揚げ、いつも新しい油にとりかえるのが安全だというわけだ。
     また、そのみちの通は、新しい油で揚げたものでなければならぬことをよく知っている。
     ながく中国にいた方の話では、向うの主婦は、かならず、質のよい油と、そうでないのと二種類の油をもとめ、上質油はそのまま料理に入れ、揚げ物やいため用には下等の油をつかう、という。
     これは、上等の油に熱をあてて、質を落すのは勿体ないからでもあろう。
     しかし、あるいは、揚げ物には安い油をつかい、そのたびに捨てているのではないだろうか。
     ご存知の方があればご教示願いたい。なお、揚げ物鍋には、ふるい油が焦げついているものだが、これも、なるべくよく洗い落し、いつも、きれいな鍋をつかうよう心懸くべきだ。




6. ここにも不安な商品 その2 冷凍食品

    冷凍肉 解凍すれば急にいたむ
     低温食品の普及ぶりも目ざましい。
     遠洋の水産物、輸入肉、畜産振興事業団の放出肉などのほか、デパートの冷凍食品ケースの中には、ウナギのかば焼、シューマイ、ギョーザからフライまである。
     冷凍、冷蔵は、食品の保存の有力なキメ手だし、流通の合理化にもひと役買う。これからも、ますます普及するに違いない。だが、冷凍してあれば絶対に安全かとなると・・・。

     昨年10月末、東京の国立公衆衛生院で開かれた全国食品衛生監視員研修会で、東京都衛生局の田口春義技師が「冷凍肉の解凍条件と細菌、揮発性塩基窒素の消長」について研究発表した。それによると――。

       箱づめした畜産振興事業団の冷凍ブタ肉を摂氏10度で解凍したら解凍直後は1グラム当り千個から1万個程度の細菌が、4日後には百万個にふえ、同13度では4日後にはなんと1億個にふえた。
       腐敗度を示す塩基窒素の量も4日目にはぐっとふえ、悪臭、変色がひどく、腐敗の一歩手前という状態になった。このふえ方は冷凍しない生肉の約2倍で「冷凍肉は解凍後の変質が早く、解凍後の保存にはとくに注意が必要」というのがその結論だった。
       畜産振興事業団のブタ肉は、箱づめにしたあと、零下30度以下で急速冷凍、同20度で保管することになっている。事業団では「この温度なら保管中に菌は増殖しないし、品質も落ちないはず」という。それなのに、この「冷凍肉は解凍後のイタミが早い」という結果はどうして出たのか。
       考えられるのは、冷凍の際の「肉の組織破壊」。コチコチに凍るさいに細胞膜が破れ、解凍後しみ出た水分が絶好の細菌繁殖の養分になるらしい。となると、解凍した肉はできるだけ早く販売、調理しなければならない。だが、田口技師らが実際に食肉店を調べたところ、保存温度や変質に無とん着な店もかなりあったという。
       冷凍肉などの処理、加工も心配だ。「まだ、冷凍食品で中毒した例はない」と冷凍食品普及協会では強調する。しかし40年夏、アルゼンチンから輸入した冷凍馬肉からサルモネラ菌が検出されたことがある。輸入されるまでに蓄殺場や骨抜き処理場が不潔だったという証拠ともいえる。
       また最近、国立予防衛生研究所の河端俊治博士から「港内の海水がよごれているため、水揚げされたコールドチェーンの魚が、大腸菌に汚染されたまま消費地に送られている」という研究結果も発表されている。
       サルモネラ菌、大腸菌、ブドウ球菌などは、低温になればある程度活動がにぶる。だが、零下20度に下がっても死なないという厄介な性質の持主。食品そのものの扱いがルーズでは、途中の冷凍、冷蔵もさっぱり意味がなくなってしまう。このように問題がありながら、低温食品の規制はまだないのも同然、というのが現状だ。
       厚生省の神林乳肉衛生課長は「規制の必要は感じている。製造、保存の基準制定を検討する」という。しかし、規制のもととなるデータも乏しい状態では、実施もいつのことかおぼつかない。冷凍食品、低温流通食品は集団給食などに大量使用されることが多い。だから、いったん事故が起きたら大規模なものになる心配もある。次から次へと出まわる不安な商品。規制、取締りとも手ぬるいといえる現状で、消費者が自衛するにはどうしたらいいのだろう。
       関西消費者協会理事長の奥村忠雄大阪市大家政学部教授は「不安な商品が、大手を振って出まわるのは、消費者が無知なため、ごまかせるからだ。消費者よ、かしこくなろう」と次のようにいっている。

      対策 ぜひほしいテスト機関
       米国に消費者同盟という会員百万人の組織がある。会員からの注文に応じて食料品から自動車まであらゆる商品のテストをして、報告書を会員に配っている。会員はこれを参考に買物をするわけで、業者もうかつなものを売れない。
       同じような組織は英国などにもある。日本でも、消費者協会が商品テストの雑誌を出しているが、まだ全国で1万部ほどしか売れない状態だ。不安な商品の規制も、お役所まかせでは、どうしても生産者側に立ったものになりがち。だから、だれもが利用できる権威ある商品テスト機関を作り、その結論をみんなに知らせ、それをもとに政府にも働きかけるべきだ。
       大阪府の消費者問題協議会では、知事への答申案に権威ある商品テスト機関の設立をもりこんでいる。テスト機関は関西にもぜひ一つ必要だ。消費者がかしこくなるということは、不安な商品、粗悪な商品を追放し、産業の進歩にもつながることだ。
      (43・1・22 朝日)




7. ここにも不安な商品 その3 出回る有害輸入食品

    検査不合格、5分の1
     舶来品ブームに乗って、食品衛生法で禁止されている漂白剤や防腐剤を使った有害食品がどんどん輸入されている。
     市販前に厚生省の検査で発見され、廃棄処分になっているものも多いが、職員の不足から、検査の目をくぐって国内に流れているものも少なくない。
     横浜、川崎、横須賀、千葉、宮城県塩釜の各港輸分を受持つ厚生省横浜食品衛生監視員事務所へ去年一年間に持ち込まれた許可申請は42011件。
     このうち実際に細菌、化学、異物混入などの検査をしたのは2%強の917件だけだが、その約5分の1に当る223件が有害食品として廃棄されたり、輸出国へ送り返されている。
     不合格品の多くは、食品衛生法で品物によって使用量などがきびしく決められている防腐剤の安息香酸、ソルビン酸や漂白剤を同法に違反して使ったものだが、中には黄変米や腐った冷凍エビ、ダニの入ったビールや学校給食用脱脂粉乳などもあった。
     残り98%の輸入食品は細菌検査などは全く受けず、書類審査だけでフリーパスして国内で販売されており、かなりの有害食品が町に出回っているとみられる。
     事実、英国製イチゴジャムに禁止されている色素が使われていたことが、ある雑誌で指摘され、国立衛生研究所で検査したところ指摘通りだったので輸入禁止になったり、今月初めには横浜市内で安息香酸入りの香港製かきソース約3000カンがみつかり回収された。
     これに対して同事務所は「検査したものの不合格率が高いのは、書類審査で疑問の残ったものや、これまでに有害物が混入していた“前科”のある食品をひろい出して検査に回しているためで、書類審査をパスして市販されているものは“危険性”は低いはず」と説明しているがそれにしても4万件の輸入許可申請をさばく技官がたった4人では年間900件を検査するのが精いっぱいという悩みもあるようだ。

    黄変1−2% 中国から輸入玄米
     政府が中国から輸入した玄米の一部から黄変米が発見された事件について、厚生省は国立衛生試験所で精密検査をしていたが、21日「221トンが黄変米菌に汚染されていた」と発表した。
     汚染の米の混入率は1−2%。同省はこの米が玄米なので、精製して白米にした上で再検査し、黄変米菌が検出されねば食糧に回してもよいと食糧庁に通知した。

    危険な添加物 お酒の防腐にサリチル酸
     「お酒を飲むと肝臓が悪くなるのは、お酒の中にサリチル酸がはいっているからではないか」――公明党の近江巳記夫氏は21日の衆院科学技術振興対策特別委員会で、食品添加物の問題を取上げ、政府の無策ぶりを激しく攻撃した。
     近江氏によれば、サリチル酸を食品添加剤として許可しているのは世界中で日本だけ。この薬は、角質軟化剤として水虫、タムシの外用薬に多く処方されるものだが、わが国では明治時代から日本酒の防腐剤として、1.8リットルあたり0.5グラム程度が使われている。
     近江氏によれば、その総使用量は全国で一年間に300トンに達するという。「サリチル酸を長く飲めば、肝臓障害を起すといわれるが、政府はなぜこれを放置しているのか」と、近江氏は追及。
     これに対し松尾厚生省環境衛生局長は「ほかに適当な防腐剤がないので、日本酒に限って、やむを得ずサリチル酸の使用を認めている。決して無関心でいるわけではない」と答えた。

     そのほか、近江氏は

    • 「最近の牛乳は三日も四日も腐らない。なにか防腐剤が使われているのではないかと町ではウワサしている」
    • 「北洋の魚の鮮度を保つため、テトラサイクリン(抗生物質の一種)が使われているが、これは食品衛生法第七条に違反している。なぜ取締まらないのか」
    • 「レタス、ミツバ、キャベツの鮮度保持にストレプトマイシンを含む農薬が昭和31年から使われている。こういう事実を知っているか」
    • 「ナスやトマトのツヤ出しのためホリドールや、エンドリンなどの農薬が収穫直前に散布されているが、政府はどういう取締りをしているか」
    • 「豆腐にも殺菌剤の一種が入れてあるというが、厚生省は知っているか」

     と矢つぎばやに質問した。
     これに対し、松尾局長は
    • 「北洋漁業での抗生物質の使用は法律でも認められているが、必要最小限にしたい」
    • 「ストレプトマイシンを含む農薬は知らなかった」
    • 「必要があれば抜打ち検査も致します」
    と受身の答弁に終始した。
    (朝日新聞43.3.23)




8. ウソつき“インスタント食品” 表示と違う中身

    「花かつおが、実はイワシやサバのけずりぶしだった」と、消費者をまどわす食品の不当表示が問題になっているとき、公正取引委員会は21日、大阪市東区備後町の公取委大阪地方事務所で全国初の「インスタント食品の公開検査会」をひらき、はんらんするインスタント食品にメスを入れた。
     この日の検査会では、一部の製品を検査しただけだが、ワサビの絵がついた「粉ワサビ」がワサビ大根の粉末に着色したものだったり「即席ハマグリの吸いもの」が、乾燥したハマグリを粒状にくだいたものだったり−ほとんどの製品が消費者をごまかす“うそつき食品”であることがわかった。
     公取委では、すでに必需品になったインスタント食品のほとんどが、中身とちがう不当表示をしていることを重視し、こんご全国的にインスタント食品の抜き打ち検査をつづけると共に、業界にたいする指導を強めることになった。

     「インスタントラーメン」「即席しるこ」「即席スープ」「粉ワサビ」など家庭用のインスタント食品は、数年前から急にふえはじめ、公取委の調べでは、現在二千種類を越える製品が店頭にならんでいる。
     インスタント食品は、主婦の手間がはぶけるうえ“それらしい味”がするため、いまでは一般家庭にもひろく普及しているが、さいきん「買って食べてみたが、中身は包装に印刷してあるものと全然ちがう」など、消費者の不満の声が多い。
     このため公取委は、消費者モニターなどからデータを集めて調査を進め、この日の検査会に持ち込んだ。
     この日午後1時からひらかれた検査会には、消費者代表の神戸市消費者協会の中西照子さんら3人をはじめ、業界代表10人、大阪府企画部など関係官庁から6人の計19人が出席した。
     公取委の事務官が、大阪市内の小売店で無作為で買い集めたインスタント食品54品目について、その場で包装をといて試食したり、においをかいで検査した。
     この結果、包装紙の表示と中身には予想以上の差があり、公取委の事務官も「これほどとは思わなかった」とおどろいていた。
     各品目についての問題点をあげて討論にはいったが、消費者代表たちは「これでは完全に消費者をだましているのと同じではないか」とカンカン。
     これにたいし、業界側は「消費者のいい分はよくわかるし、改善しようと思っています」と逃げ腰。
     なかには「販売合戦がはげしいので、自粛しようと思っても自粛できないのが現状だ。公取委などの指導をうけ、こんご表示の自粛と広告の規制などを積極的に考えたい」という業者もあった。
     この日の検査会は、問題の提起だけに終わったが、公取委ではさらに同じような検査会を全国的に行なって問題点をしぼり、業界に公正競争規約などをつくらせて、自粛を呼びかけるとともに、場合によってはきびしい取り締まりに乗り出すことになった。

    (42、12、23、サンケイ)




9. 水道水の鉛

     水道の引込み管には鉛管がつかわれているが、その中にながく停滞している水には、かなり溶けこんでいる。
     たとえば、夜をこした水の中には0.3PPMになっていることも稀でないそうだ。
     だから、朝の最初の水は捨てるか、ものを洗うのにつかい、炊事用や飲用にはしない方が安全だ。




10. 豆乳

     現在の豆腐の原料は、主として大豆油を抽出した後の豆粕粉。
     しぼりかすだから値が安い。ながい間水にかすこともいらねば、臼でひくこともない。
     水にとかして煮た上、凝固剤を入れるだけで事足るのだから、手数は大いにはぶけ、寒い真冬の朝早く起きることもない。
     それだけ儲けは大きいわけで、手がかかる上に儲けの少い生大豆からだけからの、純粋の昔ながらの豆腐は殆んどなく、少くとも、われわれの一般庶民の口にはいるものには、まず無いといってよろしい。
     昔の豆腐に比べ味が悪くなったのも、そのためと思われるが、それは我慢するとして、気がかりなのは、大豆油をぬき出す時につかう溶媒(トリクロールエチレン)が、大豆の蛋白と結合して毒性のあるものが出来るらしいのだが、もしや、そうした心配が豆腐にもありはしないか。
     なお、夏の豆腐や、ビニール袋入りの日持ちのする豆腐には、もちろん防腐剤がはいっている。
     いずれにしても、必ずしも安心は出来ないし、さりとて自家製も大変。
     そこでわが家では、なるべく豆腐のもとの豆乳をのむことにしている。
     生大豆を、夜通し水に浸け、十分ふくれた所でミンチでくる(ミキサーにかけてもよい)。
     布でしぼって、5分間ほど沸騰させ、適宜に塩加減して飲むわけだが、仲々うまい。(蜂蜜を少し入れるととても美味い飲物になる)
     純粋の牛乳もないので、その代りにも結構なる。
     しぼりかすのオカラは、市販のオカラに比べ、かなり大豆のかけらが残っているので、これまた仲々うまい。
     食べきれなければ畑に入れる。とてもいい肥料だ。
     多少手はかかるが、安心なだけでも、どれだけ有難いか知れない。




11. ケチのついた牛乳

     もっともすぐれた食べものと考えられていた牛乳にも、近頃、少々ケチがついた。それは、一つには、純粋なものが少くなり(いや、殆んど無くなった、という方が本当だろう)、補充乳だの、模造乳だのという人工乳が出まわるようになったことにもよる。

     補充乳は、脱脂乳と植物油からつくられる。
     もとはヤシ油をつかったが、今は、大豆油、綿実油が主だから、不飽和脂肪酸が多くなっている。
     これはまだよい。模造乳ともなると、乳製品を含まず、水、砂糖、植物脂肪、蛋白を混ぜ合したもの。蛋白源にはカゼインか大豆蛋白。
     脂肪にはヤシ油が主で、大豆油、綿実油、トウモロコシ油が用いられる。
     だから、こういう人工乳の混入しだいで、何円牛乳でも注文どおりに業者はつくってくれるわけだ。

     また一つには、危険な農薬DDTやBHCなどが検出されたことで、まことにショッキングなニュースであった。
     もちろん飼料の稲わらや牧草に残っていたのが、乳に出て来ているわけだ。その他、飼料から来るものにカビ毒がある。
     カビ毒のうちには、肝臓や腎臓をおかすものや、発癌性をもつものもあるが、カビのついた穀物や豆は、とかく家畜用にまわされがちなので、これらの毒による乳汁の汚染の可能性もある。

     また、乳牛の病気の予防あるいは治療につかわれる薬剤(ペニシリンその他の抗生物質)の乳汁への移行もありうる。
     そういう牛乳を飲んでいた幼児が、たまたまペニシリンの注射をうけてショックを起したという事例もあるし、チーズの製造に差支えるものも少くない、などのことがらも、その故だ。
     このように、牛乳が有害〜有毒であるかも知れないものになっているということは、牛乳が老人や健康をもとめている人々の大切な食品であること、また、人工栄養にたよる乳児の多くなっているだけに、ことはまことに重大であるといわねばなるまい。




12. 塩こんぶ

    神戸市 T.Y. 

     塩昆布といえば、炬燵にあたって、大きな昆布を鋏で切り、上等の醤油で、気ながに煮しめていた母の姿が思い出される。熱い茶をかけた塩昆布茶漬は本当においしかったし、母の味ともいいたいなつかしい味だった。
     いぜんはふつうの市販品にもいいのがあったが、今では、もう、ああした純粋の塩昆布は殆んど手に入らない。
     味はいやに甘ったるくなってしまったし、おそらく色つけもしてあるだろう。
     また、軟くするためには、いずれ、なにか薬品がつかわれているのではないか。
     なにぶん塩のつよいものだから、食べないに越したことはないが、どうしても欲しければ、安全な材料で自家製造すべきだ。
     もっとも。昆布自身にも色づけされている当今のことだ、まず、その選択に気をつけなければならぬ。
     そして醤油も、決して安心できるものばかりではない。
     むしろ、純粋の食塩煮、つまり、文字通りの塩昆布にし、少しづつ食べるのが無難というものだ。




13. サツマイモのカビ

     アメリカ・テネシー州のヴアンダービルト大学のウイルソン博士によると、サツマイモにカビがつくと、肝臓や肺・肋膜をおかす毒素ができる。
     この毒素がどのようにしてできるかは、まだわかっていないが、煮炊きしても除けない。
     そして、市販されているイモにも往々に含まれているそうだから、カビがついて色の変ったようなイモは食べないほうが安全というものらしい。

    (Nature,1971.3.7)




14. 馬肉の輸入

     ほとんど公開されていないが、わが国では、馬肉を1年に20万頭分も輸入している。
     その大部分はウソツキ食品で、豚肉牛肉と称して売られている、そうだ。




15. わが家の野菜のおいしさ

    在 H.H. 

     野菜類の自然の味がおいしくなったら仙人なみ、とのお手紙、恐れ入ります。
     いまは公害時代で、何から何まで、うっかりぼんやりしていたら、何かにやられて心身ともにダメになる世の中ですから、つねにいろいろと勉強し、体験しては、これにうち勝ってゆかねばなりません。
     からだの弱い私など、日々大変ですが、おかげさまで、加工品より、生きた野菜のおいしさに力をあたえてもらって、生きるのにたのしさ有難さを感じて、よろこびの日々を送っております。
     野菜がよいといっても、ストアのものなど、何時とったのかわからず、薬品もついていて、安心して食べられません。
     キウリなど、こちらのレストランでは、全部皮がとってあって、キウリかウリか食べてみないとわからないようなことですから、自家のが、いきていて、本当の味がたのしめて、おいしいです。




16. 食べるものがない

    鹿児島県 M.K. 

     2〜3年前に購入してあった玄米食の本の中に、冷え症で、陰性体質のものは、陰性の食べものは極力さけるよう。
     住んでいる土地と体質にあった食生活をまもるよう書いてありました。
     これ以外は、すべて有害とかんがえてよい、とのことです。
     陰性の強い食べものとして、果物、茸類(強陰性)、木の実、小麦粉とその製品、白砂糖、酢と酢をつかった調味料すべて、季節はずれの野菜。
     それに、豆類、イモ類もはいっていたことに疑問があります。
     豆類はミソ、ショウユ、凍り豆腐はよい。
     イモ類も10月から3月までの野生の自然薯を除き、とあります。
     ところが、住んでいる土地のものというと、鹿児島はイモの産地です。
     体を冷やすからだめ、ということなら、私の食べるものはないような気がします。
     それに、玄米は農薬の残留量など、本によってマチマチで迷わされてしまいました。
     イモ類、マメ類は体質でちがうのか、ということと、バターなどどうでしょうか。


     陰性体質だから、イモやマメが悪い筈はありません。
     バターも同じです。食べものは、いつも、全体としてのバランスが大切なので、これさえまもっていれば、何を食べてもよいのです。
     一つだけのことをやかましくいうと、おっしゃるとおり、何も食べるものがなくなるといった矛盾がおこります。

    (遠藤)




17. 加茂町の若夫婦

    都会にサヨナラ 無農薬野菜に夢
     「土に生きよう」――機械技師と薬剤師の夢をさらりと捨てた若い夫婦が鳥取県境の山間地で慣れない野菜づくりに取り組んでいる。
     「農薬を使わない安全な野菜、有機農業に打ち込むことで政治から置き去りにされていく農村を考えてみたいんですよ」・・・・・・。
     倉本信二さん(25)と真美子さん(24)。
     去年秋、新婚間もない二人は神戸から倉本さんの出身地加茂町へUターンしてきた。
     「排ガスや工場の煙で汚染された空気、あらゆる添加物で毒された食品。こんな都会生活をしていると、自分たちで何とか自衛を、との気になって・・・」
     と動機を語る。
     倉本さんは津山高校から神戸大学工学部へ進んだ。
     父は農業だが、倉本さんは機械メーカーのエンジニアを目ざした。
     入学後間もなく同級生の妹で、神戸女子薬科大生の真美子さんと知り合った。そして去年夏、神戸市内の病院に薬剤師として勤める真美子さんと結婚した。
     新世帯を持って二人は現在の食生活に不安を持つようになった。どの食品も化学薬品と無縁のものはなく、まるで“薬づけ”。「こんな状態で自分たちの子どもを立派に育てられるだろうか」と二人の不安はつのるばかり。
     そんな折、新聞で兵庫県氷上郡市島町の農家が有機農業に取り組んでおり、消費者と契約で無農薬の野菜を直売する方式で成果をあげていることを知った。
     二人は現地を見学、手間がかかるが、やり方しだいでは十分採算がとれるとの確信を持った。幸い倉本さんの郷里には70アールの田畑があり、「土との闘い」に二人の意見は、すぐ一致した。
     真美子さんの実家は新居浜市。父は会社員で、農業経験まったくなし。
     両親は薬剤師の仕事を捨てることに、ためらいを見せたが、それを振り切り、留年中の倉本さんも卒業をあきらめて故郷へ帰った。
     最初は5アールでタマネギづくり。近くの酪農家から牛や鶏のふんを買い、有機肥料栽培方式に取り組んだ。販売先は施設教師の兄に津山市内の家庭十数軒を紹介してもらった。
     ワケギ、レタスも作った。主婦たちから「なかなかよい出来」と励まされ、自信をつけた。
     いま、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン・・・30種ほどの野菜を手がけている。
     真美子さんは野菜生産表を作り、「農薬を使わないので、3倍近い労力がいる。除草と害虫との闘いだが、この調子で置き去りにされている農業をもっと考えていきます」と倉本さん。
     今月中に大豆、黒豆も20アール分まく。トマト、ナス、ピーマンなどの収穫が続く。
     土よせ、草とり、たい肥やり、病害虫予防・・、忙しい仕事が続く。
     しかし二人は「野菜で2百万円ぐらいの粗収入をあげたい。もっと仲間をふやして安全な野菜栽培をしたい」と夢を語る。

    (山陽新聞)




18. カフェインが心不整脈の引き金に

     医学博士 遠藤 仁郎 

     (ボストン)オハイオ州立大学病院で行なわれた新しい研究の結果によると、コーヒーを飲んだ後、心臓がどきどきする人は心不整脈を生じる恐れがあるので、コーヒーをやめたほうがよいという。
     検査を受けない限り、それが害のない単純な動悸なのか危険な不整脈なのかはわからない。
     原因はコーヒーのなかのカフェインにあるので紅茶、ココア、コーラなど、カフェインを含む他の飲み物も同じ問題を生じると S.F.Schaal 博士らが New England journal of Medicine で警告している。

    ( Medical Tribune 1983.5.12 )




19. カフェインの嗜癖性と害に両論 コーヒー消費量は減る

     (ワシントン)Wさんは中毒だった。小さな袋に入った白い粉にではなく、16オンスのびんに入ったコーラに・・・・・・。
     ひどい時には、一日に15〜20本をからにした。
     「体はカフェインを要求していたのですが、私はコーヒーがきらいでした。何回もトイレに行くため、もう少しでクビになるところでした」と彼女はいう。腎臓がおかしくなって病院に行きだしてから、きっぱりコーラをやめた。
     初めはとても苦しかったが、いまでは全くほしくないという。

    “作用”をいやがる人が増える
     Wさんのように、カフェインの摂取をやめようとする人たちが次第に増えている。彼女のようにカフェイン含有のソフト・ドリンクではなく、世界で最も普及している飲み物、コーヒーの中毒がほとんどだ。

     「健康に気を使うようになった今日、神経質な気分にし、興奮しやすく、怒りっぽくするなどカフェインの作用をいやがる人が増えた」
     と、Kicking the Coffee Habitの著者、Charles F.Wetherall氏はいう。実際にコーヒーの消費量は過去20年間、着実に減っている。
     National Coffee Associationの調査によると、1962年に30〜59歳の人たちの90%はいつもコーヒーを飲んでいたが、1980年にはそれが75%に減った。20〜29歳のグループでは、同じ期間に常飲者の比率が81%から45%に低下した。こうした傾向はあるが、約9,000万の米国人が毎日コーヒーを飲んでいる。
     一日3杯以上飲むものが2,500万人、6〜7杯以上も飲むものが1,500万人もいると推定されている。
     「何千万人もコーヒーに支配されている。アルコール、ニコチン、その他の薬物に中毒しているかのように振る舞い、コーヒーなしに生きられないと思っている」
     とWetherall氏は手厳しい。
     かつては一日15杯も飲んでいた同氏によると、コーヒーをやめた場合の利点はやっと認識され始めたばかりだ。大のコーヒー愛飲家200人の調査結果をみると、やめてから初めて以前の気分と違うのに驚くものが多い。
     「自分では冷静で、落ち着いている、夜もよく眠れると思っていたが、自分でじぶんのことがわからなかったのだと気づく。コーヒーが人格を支配していたのだ。私自身、コーヒーをやめるまで自分がどんなに気難しく、夜もよく眠れないか自覚しなかった」
     とWetherall氏はいう。
     カフェインが健康な眠りを妨げることは、十分に立証されている。フロリダ大学の薬理学者Allen Neims博士は、コーヒーを飲むと寝つきが悪いし、熟睡できないと断言する。夕食後に2杯飲んだが、すぐ眠れたなどという人を信じてはならない。
     そうした人たちは、寝つくまで時間がかかるのに慣れているだけのこと。
     コーヒーをたくさん飲むと、仕事の能率も下がる。気分が変動し、集中力がなくなって成績の落ちる人が多いとNeims博士はいう。業界組織のAmerican Coffee Associationが、そうしたコーヒーの評価に同意しないのは当然だろう。
     「なんでも同じだが、カフェインもとりすぎれば害があろう。しかし、適量のカフェインが悪いという証拠はない」
     と広報担当理事のDavid Kuhnert氏は述べている。カフェインの作用は、人によって違う。
     「人々は、自分が望む程度に気分が高揚し、過剰な刺戟にならないように摂取量を調節している」
     と同氏は主張する。

    排泄される速さに個人差
     研究による裏づけもある。Neims博士らは、人によってカフェインを代謝する速度が違うことを認めている。カフェインが胃で吸収され、脳に達する速さはだれでもほぼ同じだが、体外に排泄される速さに大きな差がある。
     「短時間作用するだけで、すぐ代謝される人もいる。そういう人は、たくさん飲む傾向が強い。また別の人では、体内に長く残っているようだ」
     とNeims博士は説明している。他の因子も、カフェインの代謝に影響する。喫煙者は、非喫煙者の2倍も早くカフェインを代謝する。平均すると喫煙者は、非喫煙者の2倍コーヒーを飲むことを示した研究結果も、偶然ではないかもしれない。
     経口避妊薬を服用している婦人では代謝が遅い。カフェインに嗜癖性はあるのだろうか。ほとんどの医学専門家は、嗜癖性という言葉を避け、Neims博士も「軽度の依存性といいたい」としている。Wetherall氏は「危険な薬物だ」とし、Kuhnert氏は「弱い刺激物質。それ以上の何物でもない」という。最近の脳に関する研究で、嗜癖説の比重が増した。中枢神経系に作用し、嗜癖を生じる多くの薬物と同様、カフェインは脳のアデノシン受容体と結合することが証明された。

    ジョンズ・ホプキンス大学のSolomon
     Snyder氏とマサチューセッツ工科大学のRichard Wurtman氏は、それぞれ独自の研究で、アデノシンが神経間のインパルス伝達を阻害することを証明している。カフェインは、この阻害作用を打ち消し、刺戟効果を生じると思われる。どうやってコーヒーをやめるか
    • 日を選ぶ。週末いっぱいをかけて、カフェインを断つことのできる金曜日が最もよい。気だるく感じ、24〜72時間は頭が重いことを覚悟する。ごく少数では、もっと反応の強いことがある。吐き気、目まい、ひどく気分が悪いなどのときは医師に相談する。
    • やめる前の一週間、飲むコーヒーの量を次第に減らす。
    • コーヒーが出る場を避ける。休憩時間はコーヒーを飲まず、散歩する。
    • 茶、フルーツ・ジュースなど、カフェインを含まない飲み物を手元におく。代わりに好きなものを見つける。
    • カフェイン抜きのコーヒーも飲まない。本来のものとほとんど味に変わりはない。
    • 体の自然の日内リズムに従う。疲れたが居眠りもできない午後、むりに急いで働こうとしない。
    • コーヒーをやめた次の週、特に疲れたり強いプレッシャーがあると、時どきコーヒーがほしくなる。そうしたときは、運動をしたり休憩をとることだ。
    (Medical Tribune 1983.6.23)




20. 貧血にきかぬレバー

     医学博士 遠藤 仁郎 

     病人の絶えない家なので、まえまえから青汁をすすめていたが、家の人たちの理解が得られず、いつも歯がゆい思いをされていた奥さんが、珍しくニコニコ顔でやってみえてのお話。

     「一年まえおばあちゃんが子宮筋腫の手術をされましたが、貧血が残っていいたのでレバー(肝臓)を食べるよういわれました。私も、こどもたち二人も多少貧血気味なので、いっしょにレバーを毎日欠がさず食べていました。
     けれども、何度検査してもらってもよくなりません。で、このお正月から、レバーをやめて、青汁を今までの倍(それまでおばあちゃん2本、私やこどもは1本)にしてみました。
     そしたら、この3月の検査で、4人ともそろって貧血がすっかり治っていました。
     おまけに、いちばん青汁きらいの主人のコレステロール(高かったんですが)まで、ふつうになっていました。そして、今さらのように青汁が見なおされ、畑にケールをうんとつくって、みんなでいただこう、ということになりました。」
     「それにしても、なぜ、レバーがきかなかったんでしょう?」

     「レバーは貧血にはよい筈なんです。レバーは動物食品のうちでいちばんよいもので、蛋白質は肉よりすぐれているし、ミネラル・ビタミン、ことに血をつくる鉄分やビタミン類、にとんでいます。
     だから、貧血をなおすにはもっともよい食べものなんです。
     私も、いぜんは“肝臓緑葉食”といって、肉の代りに肝臓を食べることをすすめましたが、確かに効力がありました。が、しかし、今はすすめないどころか、むしろ、危険なものと思っています。」

     「なぜですか?」

     「肝臓は“からだの毒消し(解毒)工場”といったもので、体外から来るものも、体内でできるものも、およそからだのためによくないもの(有害有毒物)は、すべてここにあつめられ、処理されます。しかし、昔は、家畜にしても、野生の動物にしても、その餌は自然の安全なものばかりでしたから、少しも問題はありませんでした。
     ところが、今はすっかり事情がかわり、飼料はすべて人工的に配合されたものばかりで、何がはいっているかわからない――農薬はじめ各種の生産用薬剤や産業廃棄物に汚染されたり、カビたものなど、食料に不適とされたものが飼料にまわされている。
     そのうえ、肥肉薬や防疫用の薬も配合されています。それらが、みな、肝臓にあつまっている。魚介類とて同様。外洋ものも海水の汚れのため、昔ほど安全ではないし、養殖ものは家畜同様で、いうまでもありません。
     そこで、昔はもっともすぐれた栄養食品であり、貧血をなおす力の強かった肝臓も、今では有害有毒物のタマリ場、つまりゴミダメで、むしろ危険な食品。貧血をなおすなんてとんでもない、といったシロモノになってしまっているわけだからです。
    (62・3)




21. お菓子にアルコールがいっぱい!!

     子供たちが好物のケーキやフルーツゼリー、チョコレート。
     これらの菓子類の中にアルコールがかなり含まれている商品のあることが、東京都消費者センターの分析で明らかになりました。
     保存料や風味づけとして使用されているのですが、知らずに子供に食べさせたところ、酔ってしまったというケースも。
     同センターでは、アルコールについての表示に十分気をつけるよう呼びかけています。

     東京都消費者センターが菓子類のアルコール度テストを始めたきっかけは、一昨年8月に寄せられた消費者からの訴え。
     生後6ヵ月の乳児にフルーツゼリー1個を食べさせたところ、顔や体が急に真っ赤になり、ぐったり酔った状態になったというのです。
     このフルーツゼリーには、アルコールの表示はなく、検査した結果、0.7%のアルコール(洋酒)が検出されました。
     ビールに換算すると130ミリリットル(コップ半分以上)の量を飲んだことになります。
     下戸の大人が飲んでも酔う量がこのゼリー1個に含まれていたというわけです。

     このため、同センターでは、昨年1月から1年がかりで食品中に含まれているアルコール量のテストを実施、菓子類など115種類の食品について分析しました。
     菓子類の調査の対象はケーキやカステラ、パイなど39種類。
     このうちアルコール分が全くなかったのは、2種類。アルコール使用を表示しているものは10種類だけでした。
     最も多かったのは、チョコレートケーキやウイスキーボンボンなど。
     調査を行った同センター多摩東支所の試験相当主査、樹林真さんは「問題が一番大きいのは菓子類。特に高級イメージの半生菓子タイプのケーキにアルコール濃度が高い」と指摘しています。
     アルコールは殺菌効果があるため消毒用の医薬品や食品の保存にも利用されていますが、菓子類については主に保存料や風味づけとして使われています。
     アルコール分1%以上を含む飲料は酒類となり、酒税の課税対象になりますが、菓子類ではキャンデーが日本農林規格(JAS)で原材料名表示を義務づけられているだけ。
     量の多少にかかわらず酒税法で規制されないうえ、表示をしなくてもよいのが現状です。
     樹林さんは「子供たちが日常食べるお菓子にアルコールの規制がないのはおかしい」と話しています。
     これに対し、菓子メーカーは「相当量のアルコールが含まれないと酔わないはずだし、子供が酔うほどは加えていない」(K社)
     「分かりません」(H社)
     と反応はさまざま。
     医学的な観点から、アルコールが子供に及ぼす影響について日赤医療センターの庵政志・第一消化器部長は
    「子供は、体内でアルコールを分解する酵素が未熟なため、微量のアルコールでも特に飲めない体質ならば急性アルコール中毒を引き起こす可能性があり、危険だ」
     として、体内への作用については次の3点をあげてます。
     「20歳ぐらいまでは脳の発達の上り坂にあるが、アルコールは脳神経細胞の破壊を促進させる作用があり、記憶力や知能力、判断力を低下させる要因となる。
     また、アルコールは思春期に発育が盛んな生殖器に直接影響を与え、性ホルモンの合成に障害をきたす。早く飲めば、それだけ早くアルコール依存症を起こしやすい」

    ((元・2・1 産経新聞)




22. 「黒砂糖」にもご用心

     (前略)Kさんは、第18号の「白砂糖にご注意!」の記事を読まれた時、「黒砂糖もあぶない!」と思い、そして知人の息子さんの話を思い出されたそうです。
     その息子さんは、この夏休みを利用して、沖縄の黒砂糖工場でアルバイトをしてきたそうなのですが、その黒砂糖工場で、ちょっと信じ難い光景を目撃してきました。製品が出来上がる最後の段階で、マスクをし手袋をはめ完全武装した作業員が、何やら得体の知れぬ薬品を黒砂糖の中に放り込み、その途端ワーッと一目散に逃げ出したというのです。
     あの暑い沖縄で、しかも夏の真盛りに膚を出してはいけないということで長袖を着るというのですから、人間に有害な物質が放り込まれているのは間違いないでしょう。とにかくびっくりして、その息子さんは帰ってみえたそうです。
     お土産にもらった黒砂糖をKさんのところにもってゆくという母親に向かって、息子さんは「そんなあぶないもの、Kさんは慈光会の会員さんなんだし、持ってゆかない方がいい。」とおっしゃったそうです。
     ちなみに、その工場で働いている人々はじめその地方の人々は、決してその黒砂糖を食べないそうです。(後略)

    (慈光通信21号より)




23. 輸入チーズから病原菌

    リステリア菌 発症すれば30%死亡

     発症した場合、頭痛や吐き気に襲われ、患者のうち約30%が脳炎や敗血症などで死亡するリステリア症の病原菌。
     リステリア菌がフランス、オランダ産の輸入ナチュラルチーズの一部(8検体)から検出されたことが8日、東京都衛生局がまとめた実態調査で明らかになった。
     リステリア菌は土中、河川水など自然界に分布しているが、日本でチーズから検出されたのは初めて。
     都衛生局はこの調査結果から、輸入業者に製品の回収を指示するとともに、国に対し輸入チーズの検査体制を強化するよう要請した。
     調査は昨年2月、厚生省が各都道府県に加熱処理されていないナチュラルチーズのリステリア菌検査を行うよう指示したのを受けて、同年9月からことし2月まで輸入品183検体(11ヵ国分)、国産品29検体について都立衛生研究所で分析。
     その結果、フランス産の116サンプルのうち、ウォッシュタイプ5検体、カマンベール、ルプローション各1検体の計7検体とオランダ産の14サンプル中、カーヘムチーズ1検体からリステリア菌が検出された。
     国産品からは見つからなかった。
     これらの“菌汚染チーズ”は都内の輸入業者4社が扱った製品の一部。
     フランス産チーズは都内のデパートやスーパーに、オランダ産は全国に販売されており、菌が検出された製品と同じ製造番号のものは既に売られた後だった。
     米国で1985年に、リステリア菌の付いたチーズを食べた86人が発病、29人が死亡し、83年にも同菌の入った牛乳が原因で49人が発症、14人が死んだ例がある。
     日本では昭和33年から62年までに計606人がリステリア症にかかり、29.2%に当たる177人が死亡している(札幌中央検査センター調べ)。

    (平元・2・9 サンケイ)







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