健康と青汁タイトル小 <1963年4月15日発行 第80号>
 目次




1.講座 野菜のきらいな子

     医学博士 遠藤 仁郎 

     野菜のきらいな子は、金持ちのひとり子とか、末っ子、またはお婆さん子といったものに多く、たいがいからだが弱いようです。
     おかずは美味しくたいた肉や魚か佃煮のようなものばかり。菓子をよく食べ、果物も余り好かぬ、というあんばいです。なんとか、この偏食を直そうとしても、もともと、あまやかされ、わがままに育っているので、親のいうことなど一向にきこうとしません。その上、親そのものも、余り野菜は好きでなかったりするので。
     医者のすすめや、マスコミの宣伝のままに、綜合ビタミンだ、ビタミン・ミネラル剤だと、あらゆる薬を試みます。わが国ほど、この種製薬業の盛んなところは、世界中どこにもないようですが全く、あびる程のんだり打ったりします。それでも、どうも、本当に丈夫にならぬばかりか、しだいに元気はなくなり、いつも蒼い顔をしており、疳癪ばかりが強くなります。
     ほとほと困じはてていた子供が、さいわい青汁給食をやっている学校に行きます。そして、いやいやながらでも青汁を飲み出します。そうすると、世にも不思議な現象が次々にあらわれて来ます。
     食欲がよくなります。好き嫌いがなくなり、菜っ葉でも果物でもよろこんで食べ出し、味もうすいものを好むようになり、肉や魚や菓子を、そう大して欲しがらなくなります。
     顔色はよくなり、体重がふえ、胸囲の発達したガッシリしたからだつきになります。性格は明朗となり、元気よくあばれ出しますが、ケガすることが却ってなくなります。落ちついて勉強するようになるので、学業の成績も上がります。
     子供の偏食ということには、もとより、生れだの、育ちだの、しつけだのが原因し、いろいろむつかしい児童心理学的の理窟もあるのでしょうが、これでみると、どうも、結局は不健康故ではないか、つまり、食欲がなくて、食べようにも食べられないためではないかと考えたくなります。ですから、原因が何であろうと、また、理窟はどうであろうと、ともかく、まず、からだの調子をよくしてやることが先決だという風に感じられます。
     ところで、このからだの調子も、生れつきということもないではないでしょうが、多くの場合、食べ方がまちがっているからです。
     白米飯に肉や魚をそえ、砂糖や菓子がすぎると、熱量や蛋白質は十分ですが、それがうまく始末されるために必要なビタミンやミネラルなどが不足し、代謝がうまく行きません。そこで調子は悪くなり、食欲もおちて来ます。「これではもっと弱くなり、病気するかも知れぬ」と、親たちは心配の余り、「食べないよりはマシだろう」と、味をよくした珍しい料理で気嫌をとり、好むままには、甘味の強い菓子を食べさせます。
     こうして、栄養はいよいよ偏り、からだの調子はますます悪くなるという悪循環をくりかえすことになります。「それでは、不足するというビタミンやミネラルを補えばよいことだ」と、むやみに薬を飲んだり注射してみるわけですが、それでも、やはり、まだダメなのです。
     それは、薬だけでは本当に完全な栄養にはなりにくい――薬の中に、まだ何か足らぬものがある――からです。自然の動物が自然のままに生活し健康であるように私ども人間も、自然から与えられたままを食うべき筈なのです。
     それを、いろいろと手を加え術を施して変質させたものばかり食い、そこに生じた欠陥を、やはり人間の手でつくった薬で埋め合そうとする――そこに無理があり、まちがいのもとがあるのです。何もかも自然のままであればもっとも理想的でしょうが、それは、とても出来ぬこととしても、せめて質のよい野菜だけでも、そのまま食べるべきです。そうすることによって、未知の、しかも大切な成分も、そろってとり入れられるので、本当に完全か、完全にちかい栄養とすることができるわけです。
     そして、事実、ほかのどんな方法でも得られなかった本当の健康が、それによってはじめてあたえられるのです。野菜のきらいな子供にも大人にも、本当の健康への途をきりひらくために、ともかく菜っ葉食を、またその一方便として、青汁をぜひすすめたいものです。
     初めは鼻をつままねば飲めぬかも知れません。また多少の口直しもあってよろしい。つづけているうちに次第になれ、らくに飲めるようになり、ついには、飲まずにはいられなくなります。そして、新鮮な「いき」のよい生菜っ葉のもつ、得もいわれぬ「うまさ」も、しだいにわかって来ます。そうしたら、もう、占めたものです。



2.私の主張 洗剤は心して使いましょう

     貝原 邦夫 

     さきごろ厚生省から、中性洗剤は無害であると発表されました。
     だがしかし、この事実はどう判断したらよいでしょう。
     倉敷市のある「どぶ川」かっては川にな、あかごが一杯いて、どぶねずみの横行していたところ。
     洗剤がらん用され、それがこの川に流されるようになってから、いつの間にやらこれらの動物が完全に姿を消して、今や全く死の世界になってしまったと巷の主婦達の話題。
     また皮膚の弱い人、傷のある人が洗剤を素手で使うと、てきめんに炎症をおこすこと等々・・・。
     食器、食物の汚れをきれいに洗い落とすことの意義もわからないではありません。しかし潔癖こうじて生命まで縮めるの愚はお互いにやめましょう。
     科学の国、西ドイツでは中性洗剤が使用禁止になり、アメリカでも濃度制限が発令されたとか。
     たとえそれが微量であっも、毎日毎日体内に入っていれば、無害であると誰が保証してくれるでありましょう。お互いに心すべきことではありませんか。



3.青汁教室 (3)

     友成 左近 

     便通をはかるには
     便秘がしっこく続いていますと、毎日、なんとも人知れず苦痛ですが・・・
     全くそうです。昔から、快食・快便・快眠は健康のしるしで、しかも、これは互いに関連しているので、その一つがうまくいかなくても、人生不景気なことです。とくに用便は、はじらいを伴なう秘事ですから、便秘の苦痛は、人にも云えず悩みの種です。

     便秘は万病の素地
     便秘は、ただそれだけでも苦痛なものですが、さらに重大なことは、万病にかかり易い素地のしるしです。とくに肛門、肝臓、腎臓、心臓、皮膚、血管、神経などの病気の素地です。痔はいうに及ばず、高血圧、頭痛、肩こり、腹痛、腰痛、むくみ、ふきでもの、肌荒れ、疲労などの起こるもとです。
     なお、便秘というと、固くなって出にくい場合だけを考え易いのですが、やわらかくても、また下痢気味でも、一度にスカッと出てしまわず、用便がすんでも、すぐまたムズムズして便所に行かねばならないような場合も、やはり便秘です。

     便秘となるのは
     では、なぜ便秘が万病のもとであるか、というと、こういうわけです。
     便秘となるのは、食べ物にセンイの多い野菜果物が少ないために、便がかたえるのだ、というのが普通の考え方です。確かにそうではありますが、その根本的な原因は、食べ方にかたよりがはげしくて栄養状態が悪く、とくに大腸がたるんでいることです。このためサッサと便をおし出さないので、いつまでも便がたまって固くなるのです。またいっきにスカッとおし出してしまわないで、用便がすんだようでも、また出たくなるのです。
     ところで、大腸がたるんで、力が弱くなっていることは、ただ大腸だけのことではありません。身は一つですから、からだ全体がたるんでいるのです。たまたま、食べ物にセンイの多いものが少ないことが、直接のキッカケとなって、便秘という症状が強くあらわれてきたわけなのです。人によっては、さらに胃下垂とか胃アトニーとか、その他いろいろな病気があらわれてくることもあるわけです。
     その上、便秘になると、サッサと体外に排出しなければならない老廃物が、有害有毒物に変質して、体内に吸収されるので、高血圧とか頭痛、むくみ、ふきでもの、その他いろいろな病気を引き起こすのです。しかも、もともと栄養状態が悪くて全身のはたらきがたるんでいるので、いよいよもって種々様々の病気を引き起こすわけです。 で、便秘は早く治して、毎日気持のよい便通があるようにしたいものです。

     青野菜・青汁を沢山に 菓子・砂糖はひかえて
       便秘を治すには、だれでもいっている通り、毎日野菜果物を沢山食べることです。が、もともと栄養状態が悪くて大腸がたるんでいるのですから、これまで度々申しました通りに、食事全体を思いきり改めることが大切です。
     ところが、時に、青汁を飲み始めたが、いっこうに治らない、ということを聞きます。これは、せいぜい日に5勺位で、飲み方が足りないからです。それに、食物に野菜果物が少ないからです。さらに菓子や砂糖が多いからです。(なお、菓子や砂糖が多いと冷え症にもなります。)
     が、とにかく、便秘のひどい方は、応急的には下痢や浣腸して早く出してしまうことが大切です。そして、さしづめ、毎日、生の青野菜を100gいな200g以上、よくかんで食べ、その上、青汁を1合以上飲む、それから、菓子や砂糖を思いきり控えるように、おすすめします。それから、便所に行く前に、用便している間に、おなかをさすったり、ペコペコさせたりして、ゆっくり用達して、残らず出してしまうことを、おすすめします。1週間もすれば必ず治ります。



4.「毒」青汁で益健康

     西川 慶治 

    須磨 K.N. 

     「青汁は有毒である」という青汁のお蔭で、家内一同ますます壮健で活動いたしております。あの愚劣な本に耳を傾けるような人は、小生の知る限り一人もありません。須磨区では民生委員連中は、いずれも熱心な青汁党で、自家用ケールを栽培している向も少くありません。
     大丸百貨店神戸支店の食料品売場にもケールを販売しておりますし、市中の六甲市場、大安亭筋市場の八百屋さんの店頭にもケールを発見いたしました。とにかく、青汁を飲むことが、大根おろしをたべる程度に、日常生活の中にとけこみつつあることは間違いありません。
     この節は、集会等の席上見知らぬ人から、時々青汁の講釈を聞くこともあり苦笑いたします。

    (37、12、17)



5.人工添加物・農 薬・医薬品の「毒性」検定法にショック!!
 ―今迄の使用基準、許容量は当てにならぬか?―
 ―岩手医大、田中領三助教授の研究―

    医学博士 A.H. 

     去る10月12日、広島市で開催された第18回日本公衆衛生学会の第1日に、岩手医大衛生学公衆衛生学教室田中領三助教授は人工添加物毒性検査について真にショッキングな研究を発表された。即ち「合成甘味料・合成着色料の胎児に及ぼす影響についての実験的考察」という研究である。その概略に私が少し註を入れつつ紹介すると下記添加物のLD50(急性中毒半数致死量)より遥に少い量、つまり、ズルチンのLD50(マウス経口投与で0.7g/Kg)の70分の1、サッカリンのLD50(マウス経口投与で17.5g/Kg)の140分の1、シュガロン(チクロヘキシルスルファミン酸ソーダのことで、その甘さが砂糖に最も近いとされ、LD50はマウス経口投与で10―12g/kg又慢性毒性も認められず、人体には全く蓄積されず、米国のFDAや米国医師協会も無害とし或は推せんし、日本でも昭和31年から添加物として使用を認められているものである)のLD50の200分の1、エリスロシン(許可色素食用赤色3号のこと)のLD50(0.23g/kg)7分の1の量を唯の一回、受胎後4―10日の雌マウスの胃内に投与すると母獣には殆ど変化が認められなかったにも拘らず、受胎18―9日目の胎児の過半数に致死的効果を認め、又、受胎後早期に投与する程致死効果が強かった。以上のように、妊娠初期動物に薬品を投与してその胎児に対する毒性の有無をみるこの方法はその鋭敏度の高さ及び母子衛生上並に優生学的見地からの意義によって、最近益々その使用が質的量的に増大している食品添加物等の使用基準及び許容量決定に際して特に加えられるべき毒性検査法であり、又更に広く一般薬品の毒性を再検討する余地を拡げるもであると考えられる。
    という趣旨のものである。

     若しもこの毒性検査法の価値が確認されるなら、全くこれは驚くべき研究である。何故ならばこの前提の下では以下の諸点が指摘されるからである。即ち

     1、田中氏の実験の対象となった添加物は、何れも日本では無制限の使用を認められた添加物であるが、これらの添加物を添加しない食品は現在の日本の一般市販食品中では寧ろ稀であり、添加の推定されるものとしては例えばチューインガム、チョコレート、ケーキ、和生菓子、その他殆ど一切の菓子、アイスクリーム、ジュース、コーラ、サイダー、乳酸菌飲料、かまぼこ等の練製品、ソース、醤油、つまみもの、赤色の加工食品等限りなく、妊婦殊に都市在住の一般主婦が、これらの添加物の入っているものを少しも食べずに妊娠初期の期間をというよりは、僅か1日をでも過ごすことは、その一切の日常食品を純正食品業者から購入するなどせぬ限り、先ず不可能に近い。

     2、一般に化学薬品はLD50の百分の1位で一応安全とされ、それを一つの土台として使用基準や許容量が定められていたと思われるから、これらの添加物を添加した今迄の市販食品中には、当然その程度或は時にはそれ以上のものが添加されていた筈である。この実験によって示されたような微量でさえ胎児の過半数に致死的効果を生じるとすると、たとえこの実験成績がそのまま人間には通用せず、又仮に人間の方が抵抗力が大であるとしても、一般市販食品を妊婦が殊に妊娠初期に摂取することだけででも胎児への毒性がかなり考えられ得る。又胎児の肉体的障害には中枢神経系障害を伴うことが多いだけに、障害に耐えて出生した子供への影響も懸念される。

     3、この実験が動物実験であるから、人間そのまま適用してよいものではないから心配するには及ぶまいという論も出ようが、今迄のすべての毒性検査法も亦動物実験によったものである。都合のよい時のみ、動物実験成績で律しておいて都合の悪い時は破棄するわけには行くまい。以前から私は「一般に化学薬剤は現在迄の毒性検定法で無害とされていても、それは本当にそのものが無害であるということと必ずしも同じではない筈である。唯現在迄の慣行の検定法ではその毒性を証明し得なかったに過ぎない。だから今後、研究法の発展により毒性が証明せられるものも出てくる可能性は大いにあり得る」と云って来たが、事実これが裏付けられて来つつあることになったと見てもよいのではなかろうか。

     以上、要するに田中助教授の実験した4つの化学物質に対する従来の毒性検定法による成績を土台とした使用基準や許容量は根本的に再検討をしようということにもなりかねないかと思われる。
     ともかくも少くとも現在の日本では役所の保証ばかりを信用していては我々(子孫を含めて)は予期しない被害を蒙りかねない気がする。例えばこの研究が発表されて約1ヶ月後11月14日に厚生省の諮問機関である食品衛生調査会が、中性洗剤の毒性についての「各研究機関でのデータ」をまとめて厚生省に答申した内容が「中性洗剤は常識的な使用をすれば心配はない」というのであったというが、しかしこの新検定法での検討はしてないとのことである。中性洗剤の毒性問題にはかなり政治的な配慮が加味され、「洗滌の目的から甚しく逸脱しない限り人の健康を損う恐れがない」との結論が出されたようであるが、私の調べた内外の文献の範囲内から判断すると、どうも簡単にそうは云い切れぬものがあるようであり、たとえ毒性問題は棚上げするとしても、その他に公害問題も大きく残るのである。厚生省や学者達が、この約1年間にとって来た考え方や行動に科学性が果して十分あったと云い得るかどうか私にはかなり疑われる。尤も食品衛生調査会の答申を含めて今迄の態度はすべては純学問的な立場ではなく政治的な立場からなされたものであると云われればそれ迄である。しかし「水洗いを行わず食べたとしても味はにがいが毒性は問題でない」との厚生省の解説に至っては、如何に政治的解説であるとしてもオーバーな云い方であるように思われる(尚洗剤問題については一般大衆がよく承知していなくて而も私達が決して無関心ではあり得ない点がかなり潜んでいると思われるから別に解説する積りである)かようなことからもいわゆる権威者達には必ずしも常に我々の生命と健康を託し切っていても大丈夫とは云い切れない感じが残るようである。

     4、田中助教授のこの成績を見るとLD50が大きいからといって必ずしも安心は出来ないようである。専門書に於てもLD50の量の大小によりその毒性の強度を数段階に分類している―つまり常識的には、LD50が大きいなら毒性が少いと思い勝ちである。しかしシュガロンはLD50が10―12g/Kgというように相当大きく、どう見ても毒性は低いと考えられる数字であり、又今迄の急性及び慢性毒性についての動物及び人体実験から大変安全な人工甘味料とされていたのであるが、田中助教授の実験では母体についてのLD50の200分の1という少い量(つまり0.05―0.06g/Kgということになろう)で胎児にはその過半数に致死的という大変強い毒性を示している。
     少くとも従来の日本での毒性検定では胎児への影響は観察されていなかったというからかような立場から考えると、従来とかく1代限りでのLD50の数字の大小から毒性強度を分類した考え方は大きく反省を要しょうかということになる。

     5、若しこの毒性検定法の価値が確認されるなら単に田中助教授の実験した4つの添加物に留まらず、その他一般添加物、農薬、中性洗剤、医薬品等の一切の化学薬品についての従来の毒性検定成績に対する信頼性についても全く根本的に動揺を来たさしめることにもなりかねないと思われる。しかもこれら化学薬品は我々の日常生活の隅々に迄満ち満ちているのである。今直ぐたとえ行政的手段を打とうとしても打ちようもない程の状態になっているのだ。

     若しもそうなら正に末期症状?!
     結局従来の一切の行きがかりや情実に囚われず真に厳正な科学的研究が遂行せられて、その結果に従って歪められることなく、私達一般消費者の安心の出来る対策が行政的に強力に押し進められることを私達は強く期待するものである。しかし、かような広汎な社会問題は他人任せであっては、恐らく何程の打開も望み得まいから、当局、科学者、一般消費者等、各種の立場の人々が今迄の各個人或は、各会派の主張は大いに従来通り或はそれ以上に唱道して頂いて勿論結構ではあるが、それとは別に、この普遍的な共通のテーマについてだけでも、自分達や家族や子孫の生命と健康を守る為に手を結び合い団結して事の解決策を協力一致して樹てることに努力せねば如何ともしょうがないようだ。又現実的には差当り着色度の少いと思われる主婦達が手を結び合って大衆運動を起こすことが望ましかろうと思われる。
     米国では1958年に食品薬品および化粧品に関する法律の食品添加物改正法で今迄の法律を大巾に改正し、添加物等の取締を厳重にし、ケネディ大統領が昨年4月23日に農業対策樹立の為に、更に食品について消費者保護の為に今年3月15日に特別教書を議会に送るに至っており、又生物学者カーリン女史による無批判な農薬、人工添加物等の使用の危険性を警告する「サイレント・スプリング」について大統領が新聞記者会見で発言しなければならなくなったというような情勢になっているようであるが、かようなことの裏には主婦達の40年に亘る運動の力があったということを私達は思い浮かべる必要があろう。
     しかし乍ら、かように云うからとて私は決して、一切の人工添加物、農薬、医薬品等が常に危険であると判定したり社会一般でのその使用の全面的反対を主張するものではないこと勿論である。唯、この問題はお互の生命や健康に直結する問題であり、しかも毎日毎日の生活に密接に連ることであるだけに、十分に慎重な科学的検討をした上で、その結果に沿った行政的或は個人的対策を樹てるようにしたいというだけである。  他人の為とは云わず、自分達や家族の為に、又生れ出ずる新しい生命のために、本問題を黙殺したり逃避したり締めたりせずに、正面から取組んで少しでもより明るい健康生活を皆共々に送れるようにする為に、手を取り合って対策を構じて欲しいのである。



6.家庭青汁ばなし(3)

    ケール種とり T. 

     2月下旬から3月はじめ迄に良種のものを4、5本土を充分つけて2尺おき位に移植する。その前に畑の一隅に場所を定めて径1尺以上、深さ1尺位の穴を作り元肥には特に過燐酸石灰か鶏糞のようなリンサン系肥料を加える(前者なら1にぎり宛、后者粗粒なら2にぎり位) 1本毎に1間位の高さの竹を立てて支柱とする。又適当の高さで、長い竹を横にして2段か3段のテスリを作る。竹は北側からケールを支えるようにしてわらでしばると春の強南風に都合よし。
     蕾が出る頃から、チョイチョイとベト病にかかるものが出るし、アマコ(油虫)がつき出すから、前もってボルドウ水和剤を1―2回かけておく。アマコか見え出したら、BHC、ボルドウ混合水和剤をかける、2―3度は必要。ベトは実が半熟する頃にも出てくるから、ケールの種切れを心配の人は機を逸せず、はみがきようじにボルドウの粉又は濃厚液を含ませて、ベトの患部くされを拭ってからよくすり込むと大体助かる。外科手術のように、ボルドウの上をビニールで包み、副え木をしばるとよいこともある。
     毎朝毎晩見ておって、すぐやると中々効果があります。油虫は蕾がつくに従ってふえるから、花枝は先の方3分の1位は虫のつかない中に切りとる。虫は枝の先の方ほど沢山つきます。又余り密生しておる弱い枝は、惜しげなく、切りすかすこと。それでも虫がふえれば、煙草汁マラソン、硫酸ニコチンなどもありますが、種とり以外のものに毒がかかると悪いから、BHCと煙草位で止めて、あとは手で征伐すること。2本も上手に育てると種は知友に分けても余るほどとれるから枝切りは思い切ってやるがよろし。ツリー種とポルトガル種、キャベツなどは開花の時機の差が少くてまじり易いから出来るだけ離すこと、知人と協力して別々の畑にするがよろし。
     実は黄色くなったら、余り乾かない中にその枝を刈り取って干す。乾きすぎると、こぼれてしまいます。八分乾きになれば、手でもんで実をとります。
     種とり以外の古ケールは1カ所に移して当分葉と蕾を利用する(歯ぬけのままでは土地の不経済)。油虫は全部につかず、特定の木に集中するから、それを抜きとって種木にかける農薬を利用して処分する。蕾は青いうちに生食、サラダ、肴なます、豆腐あえもの、オムレツ、汁の身、茶わんむし、サンドイッチ、トマトケチャップ煮など何にでもよし。蕾はつめば、あとからあとから出てきます。



7.(研究発表) 病後の青汁について

    桑名高等学校 T.M. 

     私の母は2年前の春胃潰瘍で手術をしました。
     しかしその後順調に過していました処、それから1年経った5月、今度は腸炎の為激しい腹痛で苦しみました。その結果は注射やお灸でやっと治りましたが、その苦しみの為病後の衰弱がひどく、身体が大変やつれてしまいました。こうして母が病床につく様になってからは、次第に家の中は火が消えたように淋しくなって行きました。
     そんな或日、たまたまお見舞に来て下さった叔母さんから青汁を勧められました。最近はインスタント食品、加工食品と言う物が家庭生活に殺到し、その為に生活も次第に軽便になって来ました。しかしそういった物にない自然食品の持つ栄養を摂る事が出来、しかも安価であるという青汁によって母の病気が治るならば、と私はすぐにでもそれを作ってあげたいと思いました。
     始めて作る私には大きな不安が有りました。そこで医師や家庭クラブの人達に相談の上、先ず実態調査をしてみる事にしました。その結果利用者はあまり多くないが、結果的には非常に良いと言う事が明確になりました。私は自信を持つと共に母の為に青汁を作る事にしたのでした。
     以上の様な動機から私は「病後の青汁について」と言う此の研究題目に取り組む事にしました。次にその実施状況を説明致したいと思います。

    1、母の体の状態
     34年5月胃潰瘍の手術をする前47.5Kgあった母の体重は、それから2年経った36年6月には、39.5Kgと減少してしまいました。丁度青汁を始めたのは此の時でした。母は食欲もなく、自分の用を足すのが精一杯で、起き上っても眩暈する様な状態でした。従って家事労働はもっぱら私達が引き受け、日曜日には父が手伝ってくれるという有様でした。こんな日が続くにつれて、いつの間にか私は、自分の体にも自信が持てなくなって行く様な精神的な苦痛を感じる様にさえなってしまいました。

    2. 青汁利用者の実態調査  現在青汁を利用している人について、家庭クラブ員全員が各地区に分れて実態調査をしました結果、解答者は48名で次に示す様な内容でした。
     年令については老年期が多く、効果については、圧倒的に効果有りで、胃腸病の人が多く利用している事がわかりました。

    3. 食品の調査と材料の選択
     母の切望している青汁について、先ず医師に相談しました処、私達が日常食としている青い野菜であれば何でも良いと言われました。そこで学校で使っている分析表を見ましたが、あまり沢山有るのでその選択には困難を感じました。そこで青汁についての参考書をも参照して、ともかくもその中から十種類を選び出し、成分表について検討しました。その中で私は次の8項目の条件で食品の選択をしました。

     1 カルシウムとかビタミン類等を多く含んでいること
     2 新鮮なこと
     3 量が十分に有り年中あること
     4 お金のかからないこと
     5 毒性のないこと
     6 清浄であること
     7 質の良いこと
     8 味の良いこと

     この選択条件に適した材料をあげますとキャベツ・ケール・大根葉・人参葉・柿の葉・小松菜・京菜・かぶらの葉・青ジソ・パセリ・よもぎ等がありその中から作ることに定め、先ず最初キャベツを与えることにしました。

    4、青汁の作り方と与え方
     キャベツを水洗いしただけでは寄生虫・放射能灰・農薬等の心配が有ります。なるべく材料をきれいにする為に柔らかいブラシを使って万遍なく擦りながら十分に洗うことにしました。
     1 キャベツの青葉の部分を水洗いしてよく水を切る
     2 適当にきざんですり鉢でする
     3 消毒した白布でしぼり青汁を作る
     4 カルピス又は果汁を少量入れる
     5 与え方と分量

     最初毎朝盃1杯の分量を与えることを2日間続け、次に量を増して、朝夕2回にする。次第に量を増してコップ1杯90ccとする。次に朝夕食後に90cc2回与えることにしました。
     なるべく新鮮な野菜を少量ずつ与えて、嘔吐・下痢・ジンマシン・腹痛等の副作用が起らないかどうかを検討して徐々に量を増し、又材料として、単調な生活をしている病人はすぐ飽きてしまうので、その外にケール・大根葉・人参葉・パセリ・青ジソの葉等少量ずつ混合して与えました。ケールの葉はキャベツとやや似た処があります。青い部分が多く成分も特にカルシウム・ビタミンC等の含有量が多いので良いことがわかりました。これについては「青汁の効用」についての著書遠藤仁郎先生の本を参考にしました。
     唯青汁を飲んでいると青葉についていた寄生虫の為にその寄生で母の体が弱くなってはいけないので毎月1回保健所で検便をして貰うことにしました。その結果最初は陰性で別に異状はありませんでしたが次に陽性となりましたので駆虫剤で退治しました。こうした寄生虫問題は特に注意しなければなりません。

    5、経過
     36・5 実態調査・選択
        6 青汁を使用する
        7 床の上で起きられる様になる
        8 少し歩ける様になった
        9 顔色が良くなり元気づいて来た
       10 体重が0.5Kg増加(40Kgとなる)
       11 室内散歩
       12 体重が0.5Kg増加(40.5Kg)
     37・2 体重が0.5Kg増加(41Kg)
        3 室外散歩
        4 風呂炊き等家事作業の手伝いをする
        5 体重が1Kg増加(42Kg)
        6 家事作業を全部する様になった
        7 すべての作業をする様になった

    6、結果と反省
     以上の様に母の病気と言うさしせまった動機から、私は「病後の青汁について」という問題と取り組んで来ました。青汁は決して美味しい物では有りません。しかし以上の実例からも明らかな様に病弱の者には大変良いと言うことを経験しました。植物の生きたままの葉緑素や各種ビタミン・カルシウム・カリウム等の無機成分や、今日の科学ではまだわかっていない未知成分が有効成分であって、人間の失いつつある自然に適応する能力を取りもどす働きがあり、調理による成分の損失を防ぐとか、咀しゃくの不完全さを防ぐ為にも大変良い事だということがわかりました。
     しかしこうしたことを根気良く続けることはなかなかむずかしいことでした。事実面倒臭くなって何度中止しようと思ったかわかりません。本当に苦しい経験でした。しかしその経験が無駄でなかったことに私は大きな喜びを感じて居ります。新鮮な野菜を毎日得る為にも相当困りましたので、現在庭の一部を利用してケールを栽培して居ります。こうした、たった一杯の青汁が、今迄火の消えていた様な私達の家に明るい灯をともしました。私は始めて日々私達家族の為に服している母の偉大さをしみじみ感じました。心配のあまりしょげていた父も今ではとても朗らかになり元気に勤めて居ります。
     これからも青汁を毎日続け私達の家にともっている幸の小さな灯をいつまでも絶やすことのない様にしたい。私はそんなことを願っているのです。



8.南無遠藤青汁大明神

    福山市 M.K. 

     昭和23年春から青汁生野菜を始めました。其頃風もよく引き、高血圧220にも上り、又坐骨神経痛に悩まされ、若い頃の自信も崩れ、此調子では彼の世行きも遠くはないと自覚しました。が尚生き度いの念願は去りません。
     其頃、健康を損っていた友人が案外元気になっていたのに出合い、青汁のお蔭らしいと聞き、早速青汁を始め、生野菜も精々多く摂る事に食生活を切替えました。2ヶ月半ばかりで効果を確認する事が出来、嬉しさの余り、思はず「南無遠藤青汁大明神」と合掌鳴謝しました。日を経るにつれ、此調子だと5年は生き延びる事が出来る、との自信を得ました。早いもので、既に6年目を迎え、お蔭様で、年寄(78)なりに正常状態を保ち健康でいます。大明神のお蔭と感謝しています。年寄りには健康以上の幸福はありません。
     此度は眼鏡と、両輪のツリアイを失った車と、食養生の大切について私の思いつきを申上げさせて頂き度いと存じます。私は何も分らぬズブの素人で、唯6年間の青汁と生野菜の多採によって得た効果の自信を申すまでのものですから間違った処はお捨て下さい。
     会発行の「青汁と健康」は、首尾洩らさなく拝見、精々実行に努めています。
     東京にも医博柳沢文正先生が都立衛生研究所臨床試験科長として居られます。此先生も、私が神様のようにお慕いしています遠藤先生と同様、食生活の大切を力説していられます。
     其著書によれば(之は私の解釈で御免下さい)、食物はその中に含まれるリンとカルシウム(アルカリ性)とのツリアイが大切だと。そこで私は考えて見るのです。例えば、車の両輪のツリアイを失えば、車は直進せぬ。人間の体具合も同様に、どうも此頃調子が悪いと云う時は、此ツリアイを失っているのだと。
     そして此ツリアイはカルシウム1対リン4が大体の理想だそうです。そこで、仮りにカルシウムとリンと合せて10とすれば、カルシウム2.5なればリンは7.5。若しカルシウム1となればリンは9。カルシウム0となればリンは10となる。斯くなれば肉体は危険に陥る即ち車は路外に転落する外はない。
     では食物の含有するカルシウムとリンとの量は、と云えば、約300種の食品の含有量の表の中で、ありふれた物について掲げて見ますと、獣鳥魚肉ではカルシウム5前後対リン150〜300、野菜類のありふれた5品種の平均値ではカルシウム124対リン40で、いかに野菜食がカルシウムの補充に大切であるかを知り得る訳です。
     次に、身体と目について考えて見ます。
     目は、若い間は自然に焦点か思ふ所に移動して呉れますが、年をとれば機能が馬鹿になって、遠近を調節して呉れません。で、眼鏡の補助を要します。肉体も(体質の相違はありますが)特に、人間40を過ぎれば、此補助工作を必要とします。常に両輪のツリアイを失はぬ様に、食生活に注意して正常状態を保ち度いものです。口愛以上に体愛に重点を置き度いものです。丁度器械に油を差すようなものでしょう。
     以上、私の病後の状態について中間報告をさせて頂きました。近頃、「青汁は有毒では」と聞くことがありますが、私は体験によって、掴み得ている青汁の効果を信仰する者です。勿論製薬は恐れます。現代は製品の世の中で、色素、艶出、防腐等々、遠藤先生が常に御教示下さいます様に、十二分に考慮せねばなりません。皆さんのご健勝をお祈り致します。



9.海外よりの青汁通信 高血圧の妻

    カナダ K.T. 

     愚妻6年前より高血圧に悩み、医薬にて養生いたしおりましたが、あまり、はかばかしくありませんでした。
     友光さまのおしらせにあずかり、ケールの種子をいただき、4月にまき、成長しますまでは、他の青葉を利用して、毎日1合づつのみ始めました。
     そのうちケールが成長いたしましたので、混えてすりこみ、その汁をのみ続けました。
     ちょうど今日では6ヶ月になりますが、2ヶ月位頃より効目が著しく感じました。
     ながらくの肩のこりも、不思議にもとれました。
     医者は「うしろに卒倒する」と申されましたのが、それも治りました。



10.海外よりの青汁通信 ヴェトナム便り

    サイゴン T.T. 

     「健康と青汁」ご恵与いただき、出来るだけ有効にと、日本人の方にも、あれこれ差し上げているのですが、一向顧みるものはないようです。何らの反響もありません。
     むしろヴ人の少し日本語のわかる(勉強中の者)人に、勉強かたがた配布して居りますが、この方が実行力がありまして、青汁を始めた者もありまして、初めは至極好成績でよろこんでいるうちに、子供が顔色青くなり弱って来る。
     どうしたこと、いろいろ研究してわかりましたことは、蛔虫が沢山わいているのに驚きました。都市ではマーケットの野菜を買う以外に、野菜を入手する方法がないのです。
     さて、野菜作りの場所と人とを、あれこれ調査してみると、支那人が作っているものは先ず無難のようですが、ヴ人ことに北部から避難して来た連中が、都市近辺にて、非常の勢いで野菜を作っているのに驚くほどです。
     北部人は勤勉ですから、野菜作りには適任ではありますが、悪いことに、下肥を秘密に施用しています。
     まだ衛生思想が徹底してないので、厚生省の手は、こんな野菜作りの方まで、ぜんぜん手が届いていません。恐るべき原因はわかりましたが、これに打つ手は今のところでは不可能です。ある時期までは、誠に残念ながら中止するほかありません。
     清浄野菜栽培の事業だけでも大変な仕事だと考えています。バナナ日本向け輸出のため増産計画。養蚕業の開発開始。体がいくらあっても足りませぬ。

    (62、5、25)



11.海外よりの青汁通信 ブラジル便り

    ブラジル J.F. 

     ご承知のごとく、当地は内外人を問わず専業農式で、わが家の食料品を自給自足する者はないのです。
     珈琲、綿、米、トマテ、馬鈴薯、野菜、養蚕と、皆別々1品作で、多角形式奨励しても、千分の1もないでしょう。
     気候温暖ですので、年中何作でも、専門的に何回も収穫します。
     病害虫も多いので、新式農薬をさかんに使用します。良心的に施用してほしい物です。
     私ども、ようやく先生のご教示により、青汁用のみ無消毒栽培して居ります。
     皆さまに青汁をすすめるのに、材料の洗浄品が得難くて困って居ります。
     私は目下、私どもと嫁と孫と5人分ようやく自給しており、毎日実行して居ります。
     私方も以前は農業。養蚕など年8回も 立てましたが、目下農家ではありません。老人の仕事として、わが家の野菜がようやくというところです。



12.海外よりの青汁通信 ケールが心配

    大韓民国 T.S. 

     お国はとても暖かいそうで、ケールが無事であると存じます。
     私、ケールの数本をビニールをかぶせたりして越冬させようと、色々工夫していますが、今年はまだ雪も降らず、案外暖く、今まではまあまあ無事ですが、雪が降ったりしたら、どうしようかと気が気でありません。
     毎月「健康と青汁」を送って下さいまして、青汁の正しい知識を知ることができ、また健康になりまして、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。



13.海外よりの青汁通信 日韓親善の途

    釜山市 S.B. 

     貴会の新聞は、社会福祉事業として、当国に欠くべからざる重宝な健康新聞にて、小生自信実行継続、天下唯一の大成果をあげております。
     当地の字の読めない無学の人にも、韓語にし説明し、徐々に発展をなし得ることは遠藤先生の偉大なる力を借り得たることと、心から深謝にたえない次第です。
     機を見て、小生浅学ながらも、当国の状況をおしらせし貴新聞に掲載していただき、遠藤先生と縁を結ぶ永久親和を語らんとします。
     これ即ち日韓親善の途と大期待しています。



14.海外よりの青汁通信 韓国の緑葉食

    ソウル J.K. 

     韓国にては、貧農、労務者に至るまで、すべての人が、年中、キムチ(漬物―小イワシ、あるいはエビ、その他の塩辛と、唐カラシ、ニンニク、胡麻をもって、大根あるいは白菜を塩漬けにしたもの)を副食物として沢山たべます。
     また、チシャ、春菊を、豆味噌、からし味噌に胡麻油(焼胡麻をもって搾油したので、もっと香しい)をウンと加えたのを添加してご飯を包んでたべる習慣があります。
     緑葉食を実行している訳であります。5月頃は、どの家庭でもこれを食べるのです、喜んで。



15.肝硬變治る

    兵庫県 J.M. 

     私が遠藤先生の青汁を知りましたのは昨年の2月初めでした。
     私の知人からこの本を一度読んで見なさいと言って手渡されたが遠藤先生の著書青汁の効用という1小冊子でした。一読驚異。連続三読。愈々実行する決心になり、友人に其の本を御返して、書店から全本を注文して机上の座右に備え、其の後再三四熟読いたしました時は正に厳寒の折とて青葉は稀に僅に水菜がある位でした。
     私の過去の体質は頑健な方でなく、一昨年の春、上と下へ多量の出血いたしましたので、入院診察の結果肝硬変との診断を受け、腹水がたまり、食欲は減退し、主治医からこの病気になると人生の終点ですねと言われ、或程度諦めの感を抱いていました腹水も漸くとれ、出血も止まり、食欲も稍出て来たので退院をして、自宅で療養旁々著述生活を送っていました。
     然し其の後も毎月1回か隔月1回位の少量出血があり、薄氷を踏む感で日を送っていました。その矢先に知人からの遠藤先生の青汁のことを知らされ呑み初めました。最初は時期的に材料も乏しく、いろいろの野草や僅かの野菜で1日1合位がやっとでしたが、4月頃になるといろいろの野菜の種子を播き、特にケールの栽培に力を入れ、百本を育て、だんだんと材料も豊富になって来たので、1日に3〜4合呑みました。
     然る所出血がぴたり止まり、7〜8月の酷暑の候も暑気あたり疲労感もなく元気をとりもどし、10月の秋冷の候には蒼白かった顔色も積々赤味を帯びる様になり入院中、主治医から人生の終点間近も、これで天寿を全うすることが出来る様な感がし出しました。
     青汁を呑む迄はいろいろのビタミン剤を呑んでいましたが出血が止まらなかったのが、青汁を呑み出してか止まったことは何と自然の恵の偉大なるか、この偉大なる天の恵を創見された遠藤先生の御卓見には唯々感謝の尽きることを知りません。本当に遠藤先生有難う御座いました。 合掌



16.慢性中耳炎

    立川市 Y.H. 

     36年の9月より野菜ジュースを愛飲し、毎日元気で暮せることを感謝しています。
     毎月の新聞も14、5日前後をたのしみに待ちました。
     今年の夏、肥厚性鼻炎の下甲介を切除して以来9月から12月までに、極く僅かですが、体重の増加がみられました。
     化学療法をうけていた慢性中耳炎も、11月の末より乾きはじめ、現在、夜も綿をつめておくこともなくなりました。
     「手術するより手がない」といわれ、「脳膜炎をおこすおそれがある」とも聞かされ、困っている所でした。
     ひどい時は、朝晩、綿棒で耳だれを始末していた苦労を忘れられません。
     これも青汁のおかげで、本当にありがたいと思います。
     只今の所、材料はニンジン、キャベツ、コマツナ等です。私が勤めから帰るを待って、つくって、コップに1杯。母も妹も飲んでおります。
     もともと便秘がちですので、今後は、青汁のカスを天プラ等にして食べることにしようか、と思っています。

    (37、12、17)



17.歌謡 くよくよすまい

     深山 旅愁 

    深山 旅愁 

    生まれた時は まるはだか
    落目の今を 気にすまい
    くよくよするから 駄目なのさ
    なるよになるのサ 太っ腹
    そこに開ける 道がある

    外見なんか 気にすまい
    なれたらボロの 服もよい
    くよくよするから 踏み切れぬ
    木の葉をかじって 水を飲め
    そこに生きれる 道がある

    ねたむはよして 下を見ろ
    まだまだましさ いまの身は
    くよくよするから 愚痴が出る
    あしたも捨て身の ひと勝負
    そこに開ける 道がある



18.質問箱:腎炎に砂糖は?

     東京 S子 

     問
     腎炎に砂糖はよいと聞いていましたが、先生のご本には「注意せよ」とあります。なぜでしょう。

     答
     腎炎で悪いものは蛋白食品と食塩とで、糖質食品はふつう差支ないようにいわれています。
     しかし、それは、栄養素のバランスがうまくとれていての話です。
     砂糖は直接腎臓を刺戟することはありませんが、その代謝にはビタミンBが必要であり、不足すると有害な中間産物ができて、腎臓に悪い影響をあたえます。
     ところが、ふつうの腎臓食にはBが必ずしも十分豊富ではありまん。
     そこへ、Bのない砂糖がはいると、いよいよB不足は甚しくなります。








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