遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
ウドン・ソバ
 
ウドン

     米飯のかわりにウドン、ともよくいわれます。また、ウドン好きには頭のよい人が多いようにも感じられます。ウドンもパンと同様、原料は小麦粉。したがって、栄養的にすぐれているので、たしかに米飯よりはよい筈です。しかし、これでも、まず問題は粉の白さ。昔のウドンはもっと黒かったが、今のはまっ白、とても美しい。パンの白いのと同じことがいえるわけです。その上、ウドンでは、粉を練って適当の太さに切り、湯がく。ここに、も一つの問題があります。小麦粉が米よりよい、というのは、小麦粉にビタミンBが多いからです。が、これは水にとけるので、湯がきの水の中に相当のものが、とけこんでゆきます。そして、ほかにも、カルシウムその他がとけ出して行きます。それは、あの湯がき汁を味わってみれば、すぐわかります。塩加減して飲んでごらんなさい。とてもおいしい。あのうまい成分が、とけて、捨てられてしまうのですから、それだけ、栄養分にマイナスがつきます。また、今では、大量生産されるので、日をもたす必要上、防腐剤もつかわれています。

      干ウドン
       干ウドンではながく貯えておくので、その間にビタミンがこわれます。また、うっかりするとカビがはえ、商品価値が下るので、カビ止めも加えられるでしょうが、はたして、これらの薬品が、すべて、安全なものばかりかどうか、少なからず気がかりです。それに、食塩がかなり多く加えられるので、塩ぬきします。ここで、塩とともに、水にとけるビタミンやミネラルなどが抜けてゆきます。
       ですから、ウドンを食べることが、米飯を食べることと比べて、熱量の少いこと(白米飯145カロリー、ウドン116カロリー)以外には、はたして、どれだけよいか、少々あやしくなって来ます。もっとも、もともと粉を練ったものですから、消化のよい点はあるかもしれません。けれども、ウドンはかんではうまくない、といって丸呑みするものが多いので、この点でも、はたして、どうでしょうか。
       それはともかく、ウドンもパンと同じく、純正、かつ、新鮮な小麦粉から、家庭でつくり、湯がき汁のすたらぬよう、適当に味つけして飲むなり、他の調理に使うなり、ロスのないようにしよくかんで食べる、ならば、大変よい食物であることに、間違いはありません。
       それにしても、栄養的に米飯よりはよい、というだけで、もちろん、ウドンならばいくら食ってもよい、というものではありません。また、戦時中応召して、1回2合の兵食に、ウドン汁(本当にウドンだけしかはいっていない汁)がおかずとして添えてあったのに魂消たことがありますが、これでは、結局ご飯ばかり食っているようなもので、全くもっての外のことです。西洋料理にもウドンを添えたのがありますが、あれも主食代りで、決して副食=野菜代りとしてそえてあるのではありません。ウドンはあくまで主食=ご飯の代りにすべきもので十分の野菜がそえられなければ、完全な食べものになるものではありません。
       小麦粉が栄養バランスの関係から、ほぼ半搗米と同じで、完全食にするには約2倍量の良質菜っ葉(大根葉)が必要であることは、前号「パン」の項で記したとおりです。ウドンは、材料小麦粉の目方のほぼ3倍になっていますから、ウドンには約7割くらいの菜っ葉が必要という勘定になります。したがって、ふつうのアシライのように、生ネギのほんの少々だけというのでは、もとよりダメ。

      青ヌタ
       洋食のウドン(マカロニやスパゲッチ)には、トマトケチャップなどがよくかけてあるようですが、あの流儀をならって「青ヌタ」はどうでしょう。良質菜っ葉をすりつぶし適宜、酢、油、食塩、香辛料などで調味して、ウドンにまぶして食うのです。シソやタデ、ワサビ菜やカラシ菜、パセリやセロリなどを加えればなおおいしいものになるでしょう。適当な材料菜の葉がなければ、青汁粉をねってつくればよろしい。

      グリンウドン
       それにしても、ウドンに釣り合うだけ十分の菜っ葉をそえることは、ちょっとむつかしいでしょうから、小麦粉に青汁粉か緑葉乾燥末を、1‐2割ていど加えたグリン・ウドンにすることです。こうすれば、パンのばあいと同様、栄養的にずっとよくなる(から少しの野菜だけですむ)ばかりでなく、フスマを十分に利用することもできるし、粉を漂白することもなくなる、という大きな利益があるわけです。


 
ソバ

     ソバ粉は、白米に比べ、栄養的にはずっとすぐれています。熱量は殆んど同じ。カルシウムも鉄も多いが燐も多い。カルシウム対燐比は1:13.6。ビタミンBは断然多く、カロリーにちょうど相当している(表)。もちろん十分に良質菜っ葉をそえなければ完全食にはならないが、その分量は玄米と同じく同量。つまりソバ粉100グラムに対し大根葉100で、うまく釣り合いがとれるので(図)、白米はもとより、半搗米や小麦粉よりもはるかによいわけです。

     調理法としては、純粋の粉だけのソバがきや、蒸しパンや、団子などは、栄養分のロスが少く、味もよろしい。ふつうのソバ切り(ゆでソバ)では、小麦粉が相当混っているうえ、ウドン同様、ゆでる時に、折角多いビタミンやカルシウムその他かなりの成分が煮汁の中に失われます。ソバ湯がうまいのはそのためで、これは、かならず利用すべきです。干ソバでは、干しウドンと同じく、貯蔵中のビタミンのロス、加工の際に添加される薬剤の懸念もさけられません。

     それにしても、アシライの青物が、一般に、余り少なすぎます。ソバを完全にするためには、純粋のソバ粉で同量、混ぜこむ小麦粉には2倍の良質菜っ葉が必要です。ふつうのソバには、ソバ粉が3割で、小麦粉7割ですから、ソバ100グラムに釣り合う菜っ葉は、ソバ粉に30グラム、小麦粉に140グラム、計170グラム。ゆでると約3倍にふえるので、ゆでソバ100に対し菜っ葉は50‐60が必要というわけ。ですから、もっと、もっと青味を多くすべきで、なるべくは青ヌタを利用したいものです。また、少しでもよくする意味で、青汁粉または乾燥緑葉末を加えてグリン・ソバにしたいものです。

     なお、ソバは「くろむぎ」ともいわれるように、特有の黒い色をしている筈なのに、今頃のソバはしだいに色がうすくなり、あるいは白っぽくなってしまっています。これは、混ぜる小麦粉が多くなっているのでなければ、ソバ粉自身が漂白されているのかも知れません。まさかと思うが、もしそうすれば、白い小麦粉と同じ心配が、ここにもあるわけです。

     また、即席ラーメンなどといったインスタントものになると、あやしげな色がつけてあったり、得体の知れぬ薬がはいっている疑いもあり、ラーメンばかり食っていて、肝臓を悪くした、という人もあるほどです。グリン・ソバにすれば、栄養上のバランスがよくなるばかりでなく、こうした馬鹿げた細工がさけられるだけでも、どれだけ健康的か知れぬでしょう。それはともかく、このすぐれたそばも、年々産額 が減り、純粋の粉の入手もしだいにむつかしくなっているのは、いかにもさびしいことです。

     カロリー蛋白質カルシウムB1B2
    ソバ粉34910.9223003.500.300.100
    白 米3516.261500.400.090.030
    玄 米3377.4103001.100.360.100
    ソバ粉100
    大根葉100
    39816.12123304.930000.400.4090

    <(1965・1 遠藤)健康と青汁第101号より>


 



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