酢 |
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ふつうの食酢。米からの醸造酢。リンゴ、柿などからつくる果物酢、といった天然酢はいずれもよい。 ただし、このごろの市販品は、殆んどが合成もの。 石油コンビナートでできる氷醋酸をうすめ、色も味も人工的につけた、どんなまざりものがあるかも知れないものばかり。 醗酵酢の主成分は醋酸だが、その他にいろいろの成分(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、味のもととしてアミノ酸など)があり、けっして合成品のように単純なものではない。 また、そこに天然酢のウマ味もあるというもの。 レモン、スダチ、ダイダイ、ナツミカン、ユズなど、柑橘類はさらにすぐれており、酸味とともにビタミン・ミネラル源をもかねている。 ダイダイ 正月用以外は殆んどかえりみられない。 売れ残りを仕入れておくと、まことに重宝。 スダチ 産地徳島では、季節になると、あらゆる料理に添えられる。うらやましい限りだ。 これらの果物汁は、ことにグリーンサラダの調味には最上。味をよくし、消化をたすける。 農薬の心配さえなければ外皮ごと利用すべきだ。 ミネラル・ビタミンも多いし、香りもよい。 白い内皮部には血液コレステロールを下げる効果のあるペクチンが多い。 これら天然酢の酸は、リトマス試験紙では酸性反応をしめすが、体内で分解されるとアルカリになる。 つまり、舌には酸っぱいが、実際はアルカリ性の食品。そして、直接には殺菌作用もあり、体内では代謝をたすけ、活力をあたえる。 大和本草に、「酢の性、食を消し、毒を殺し、結気を破り、一切の魚肉菜毒を殺し、諸瘡腫を直す。其の功能甚多し」。 もっとも、合成酢の酸は天然酢のように、うまく分解されないともいわれている。それだけ質的に劣っている、というわけだろう。(48・11) <1975・10 健康と青汁230号より>
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