再発しやすい潰瘍 |
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このごろの潰瘍はひどく再発しやすい。いい薬ができて、治りよくはなったが、すぐまた出てくるそうだ。なぜだろうか。 潰瘍は、消化力の強い胃液のために、自分の胃や十二指腸の粘膜がやられてできるものだから、強い胃液ができないようにすればよいというので、そんな薬ができた。それをのめば胃液の力がおさえられて傷の治りがよくなるから、はやく治る。これは当りまえのこと。しかし、薬をやめれば、またもと通りに傷ができる。これまた至極あたりまえのことだ。 なぜ、胃液だけにこだわらず、も一方の条件、胃や十二指腸の粘膜の抵抗力のことがかんがえられないんだろう。抵抗力さえ強ければ、少々胃液は強くても、そうそうむやみにやられる筈はない。粘膜の抵抗力が弱いのは、あるいは生れつきかも知れない。が、日常生活の間に弱められているところもあろう。荒がみの大食といった直接の原因もあろうし、もっと大切なことは、粘膜を養っている血の性質やそのめぐりが悪くなることだ。
も一つは、その血の流れかた。つまり、血管の状態。血管が痙攣して細くなったり、反対にふとくなって血の流れが悪くなる、ことにもよろう。 そこで、潰瘍食としては、粘膜をまもるためのいわゆる無刺戟食(消化しやすく、香辛料や繊維の少ない)だけでなく、同時に、食全体としてのまちがいを正すこと、(バランスをよくとることと、有害有毒食品をさけること)がかんがえられなければならない。そのためには、どうしても十分のナッパ・青汁が必要であり、そうして血がきれいになり、血の流れがよくなれば、自然、粘膜の抵抗力はたかまり、同時に、胃酸の分泌もおさえられるから、潰瘍の治りはよくなり、再発も防がれる筈だ。再発しやすい潰瘍の悩みのもとは、このあたりに手ぬかりがあるのではなかろうか。(元・1) <1989・12 健康と青汁 第400号より>
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