遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 乳児栄養のこと

 乳児は、からだのはたらきがすべてまだ幼稚であり、不完全。しかも発育はきわめてさかん。
 そこで、もっとも完全な食が必要。
 自然の完全食は健康な母乳。しかも生母の乳。
 生母の乳は生児の消化能にうまく適応している。
 産後の初乳は脂肪にとみ、緩下作用があって、胎便を排出する。
 ついで、生児のよわい消化力に相応したうすい乳が出、しだいに濃厚になる。
 また、各種の抗体があり感染を防ぐ面でも大切(人工乳でも発育はよいが、死亡率は母乳の2・5〜3倍)。乳の十分な分泌と質的の完璧をはかるべきはいうまでもないが、それは一にその母体の食べ方による。穀食に傾いていた従来の邦人の乳が、欧米人のそれに比べ、蛋白質や脂肪が少いのは当然だろうが、それにもまして乏しいのはミネラルやビタミン類だ。
 したがって、ただ蛋白質や脂肪を増すだけでなく、必ず同時にミネラル・ビタミンにとむ良質緑葉を十分にとらなければならない。事実また、緑葉菜をとり、青汁をのめば乳の出はよくなるし、子供の発育もよくなる。

 乳の与え方
 いぜんはごく自然的に、ほしがれば与えるというやり方であったが、近頃は、まるで機械に燃料や潤滑油をさすように、キチンと時間をきめ、分量をきめることがはやっているようだ。
 しかし、赤坊とて一つの生きもの。厳格に機械的に扱うのはどうであろうか。
 時にとらわれず、空腹を訴えれば腹一杯に自由に飲ます。時には十分飢えさせもする。(泣くのは運動、泣く児はそだつ)で、よいのではなかろうか。
 外国でも、最近また、こういうやり方になっているとか(わが国のよいところをとったのだろう。こっちが向こうの粕を追っかけているあいだに)。

 赤坊に青汁
 ともかく、母親の食べものをまず完全にすることだが、それでも必ずしも理想通りにはゆかぬ。
 そこで、私どもは、なるべく早くから赤坊に青汁をのますべきだと考える。
 茶さじか箸につけてねぶらす程度なら、生れてからでもよい。
 1〜2週もたてば茶さじに半分か1杯くらい。少しも差支はない。
 もちろん純粋の青汁で砂糖など一切入れない。
 なれるにしたがい分量はふえ、半年もたてば、5勺や1合でも平気でのむようになる。
 そして、発育はよく、少々のことでは病気もしないし、してもすぐ治るといった、とても丈夫な子供にそだつ。
 人工栄養だと、その必要性はいっそう大きい。
 ふつう、牛乳があたえられるが、これも、牛の体質、年令、飼料によって成分は一様ではない。
 しかし、一般に母乳に比べ濃厚で、ことに蛋白質や脂肪にとんている。
 といって、うすめて用いれば、それだけ他の栄養素、とくにミネラル・ビタミンが不足になる。
 で、ミネラル・ビタミン源である野菜、ことに良質ナッパ(青汁)が必要なわけ。
 乳製品。加工により、いくぶん減ずる成分はあるが、大体において同様。
 なお、加糖品の多いことは特に注意すべきで、こうしたものの場合は、より多くの青汁をそえねばならぬ。
 それは、加糖により熱量は増すが、それだけにミネラル・ビタミンとのアンバランスが甚しくなるからだ。
 また、そうした甘い乳によって、子供が甘味になれてしまうこと。親たちには、砂糖がいかにも大切な栄養分であるかのごとき印象をあたえ、発育ざかりの子供には欠くべかざるもの、といった錯覚を生じ、食物は砂糖でおいしくせねばならず、お八つには菓子でなければならぬという、あやまった観念をうえつけてしまう恐れがあるからだ。
 穀粉栄養の場合は、白米または玄米だけでなく、麦、ソバなどの雑穀粉、あるいは芋粉(あるいはつぶし芋)、豆粉ことに大豆粉をあわせ利用すること。
 そして、十分の青汁を加えること。

 豆乳(大豆乳)
 青汁を加えた豆乳は、ことによい。
 いまでは、牛乳そのものの品質に、いささか疑問もあり(模造乳の混入、農薬の残留、防腐剤などの添加)、また、早くから与えることで牛乳アレルギーをおこす子供も少なくないので、私は、むしろ、これをすすめたい。

<(1971・3 遠藤)健康と青汁第175号より>




ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 08 田辺食品株式会社