遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 こり

 「こり」には、ずいぶん色々の原因があるが、それが何であるにしても、直接の原因は、局所に老廃物、疲労物質がたまることにある、と考えてよかろう。
 で、その処置としては、ともかく、局所の血行をよくし、代謝をすすめ、疲労物質をとりのぞくことだ。
 かるい運動や、マッサージがよいのも、温めて気持がよいのも、そのためだ。
 ただの温湿布、巴布。さらに、種々の刺戟性薬剤を加えたものは、化学的にも血行をうながそうというもの。入浴も同様。温浴だけでもよし、その中で軽い運動をし、マッサージをすれば、さらによい。
 なお、種々揮発分をふくむ薬湯も結構。
 松葉、杉葉、檜葉、桃葉、イチジク葉、ポプラ葉、大根葉、ケール葉、菖蒲、ヨモギ、カヤ、その他の植物葉湯。
 灸、鍼、血とり(吸い玉による皮下出血、鍼刺後の吸い玉による出血、または蛭など)。
 いずれも、血液ならびに組織の破壊で生ずる組織ホルモンの作用(血行促進、局所浄化)の効果もあろう。
 また、鍼には、さいきん中国でいわれている鎮痛効果もあずかっているのかも知れない。
 局所注射の効も同じ。多くは、特殊薬液を注射するが、ビタミン剤でも、カンフル液でも、食塩水でも、いや、ただの水でも同し効果がみられるのは、結局、鍼と同じく、局所の破壊成分の作用、あるいは鎮静、鎮痛効果もあるのであろう。

 しかし、そのいずれにしても、ただ、「こり」にたいする局所的処置で、間にあわせ、あるいは、ごまかし療法にすぎず、多くのものは、僅かに施術中だけ。あるいは一時的の効果にとどまり、永続的の効果は期待しがたい。
 また、蓄積している疲労物質(乳酸など)の代謝をすすめるため、大量のB1注射や内服もいわれている。しかし、これとても、一時的間にあわせにすぎない。
 それは、これらの「こり」や痛みの多くが局所の原因だけによるものだけではなくて、同時に、反射的あるいは全身的の原因が関係しているからだ。

反射的の原因によるもの
 心臓や高血圧や胃では左、肝臓や胆のう、十二指腸では右の肩や背中に、腎臓では腰がこるといったもの(反射性のこり)。

全身的原因によるもの
 一般に、骨組のふとい、ふとりだちのものがこりやすい。
 これは、おそらく、体質的に代謝異常にかたむいているため。
 つまり、いわゆる「血のにごり」をおこしやすいためのものと考えられる(?血性のこり)。
 したがって、こうした内臓疾患や全身的因子にたいする処置が講じられなければ真の根治は、とうてい望みえないわけだ。
 事実、内臓疾患の治療はもとよりただ、日常生活諸般の合理化、なかでも、正しい食養(自然化完全化)、精製穀、肉、糖、酒にかたむいた偏食をなおし、主食には白米よりは玄米、小麦、ソバ。むしろ、豆、芋にし、蛋白食には大豆もの小魚類に。
 そして、野菜ことに良質菜っ葉を十分にとり、なるべく多くを生食し、青汁にしても飲み、ミネラル・ビタミンに十分余祐のあるよう、栄養素のバランスをうまくとることだけでも、「こり」は多くのばあい軽減し、灸や鍼や按摩その他の局所処置の必要がなくなるか、あるいは、その効果がずっとたかめられるものだ。

<1973・2 健康と青汁 第198号より>




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