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 母乳のよさ 目次




 母乳のよさ

 母乳栄養児のほうが、人工栄養児よりも、病気にたいする抵抗力がつよい。
 呼吸器や消化器の感染に罹かる率は、母乳栄養児が最低、人工栄養児が最高、混合栄養児が中間だ、という。
 また、母乳、ことに産後最初に出る「初乳」はとくに大切で、これをのまさないと丈夫にそだたぬ、といわれていた。
 しかし、それが何のためであるか、科学的に説明のつかない間は、まるで迷信であるかのように考えられていた。また、衛生状態が悪くて感染症の多いところでは、いかにも、母乳の優秀性がはっきりあらわれるが、衛生状態がよくなって感染症がへって来ると、そのよさがめだたなくなる。そこで、とかく、母乳の価値がうたがわれたり、無視される傾向がつよかった。
 ところが、最近の研究によって、母乳に、すべての病原体にたいする有力な免疫体(IgA)があること、ことに初乳に、それが極めて高濃度に含まれていることがわかった。もっとも、当初は、この免疫体は腸から吸収されないので、はたして母乳から乳児につたわるかどうか、疑問視されていた。しかし、今では、この免疫体で胃腸管がおおわれるだけで、すべての病原体にたいし強い抵抗(防衛能)を発揮することがはっきりして来た。
 また、生後すぐに牛乳をのましておきる牛乳アレルギーおよびその他のアレルギーも、胃腸管がこの免疫体でおおわれていると、防ぐことができる。さらには、乳児に癌性の病気の少ないのも、母乳、ことに初乳のせいではあるまいか、ともいわれているほどだ。なお、母乳にはこのほかラクトフェリンという、鉄を含む抗菌(とくに大腸菌にたいし強くはたらく)作用物質もある。いずれにしても、これらの事実は、ながい間につみ重ねられた経験上のおしえは、たとえ現在の科学で説明しえないとしても、決して、一概に非科学的と否定し去るべきでないこと。すなわち、それは、ただ、現在の知識では説明できない。いや説明する能力がないだけのことだ。ということを如実にしめしている、といってよかろう。

<(49・8 遠藤) 健康と青汁第221号より>


「参考」 母乳の抗癌性

 嬰児期には癌は非常に稀であり、予後も、長じたものよりもずっとよい。これは、免疫的の因子によるものらしい。しかも、この因子は母体から受動的に受けるものが主のようだ。そして、その免疫能は初生時に最高で、自動的防衛能があらわれるまでに、しだいに減じてゆくのだが、癌にたいしても同じことがいえるようで、母乳から移行する抗体は僅かだろうが、癌細胞をおさえるに十分であるらしい。
 

(Lowry,Lancet 74.4.6日号より)

<健康と青汁第221号より>



「参考」 母乳“復権” もう一度見直そう
   人工乳の赤ちゃん死亡率なんと4倍

 赤ちゃんに母乳を…という母乳のみなおし運動がしだいにたかまっているが、県では来年度、保健所や愛育委員会などの総力をあげて“赤ちゃんを母乳で育てましょう”運動に取り組むことにしていま運動の進め方を検討している。
 人工乳に比べると母乳栄養は

    ▽病気に対する抵抗力がある
    ▽死亡率、罹患率が低い
    ▽アレルギー症状が少ない
    ▽栄養成分のバランスがとれている
    ▽発育が良好
    ▽情緒的発達がよい
    ▽母体の産後の回復が早い

 ―などの利点があげられている。
 ちなみに、乳児の死亡率をみると、母乳の赤ちゃん1に対し、人工乳の赤ちゃんは4.1倍も高いとされており、これひとつみても赤ちゃんには母乳が大切だということがわかる。
 しかし、母乳に対する意識は年々低下しており、母乳で育てられる赤ちゃんがだんだん減少の傾向にある。県衛生部の調べでは、44年度には、赤ちゃんの32.4%が母乳を飲んでいたものが、48年度には27.9%に減少し、逆に人工乳は、36.3%から43.1%に増加している。原因は、人工乳の栄養に対する過大評価から安易に哺乳していること、母乳が十分に出ているかどうかがわかりにくい―などのほかに、

  • 「乳房の形がくずれるから」というような美容の問題や、
  • PCBなどによって母乳が汚染されているかも…という心配、
  • さらに働く婦人が多くなっていること

 などがあげられる。
 県下では、さる45年から、県愛育委員会が、母乳を飲ませることを活動の重点目標にして、家庭訪問や母親学級、婚前学級などを通じて、機会あるごとに母乳の大切さを訴えてきた。県衛生部でも従来、母子衛生の総合予算の中で、母乳促進事業を行ってきたが、まだまだ、母乳に対する認識は全般的に浅い。そこで衛生部では来年度母乳運動のための特別な予算を組み入れ、強力なPR活動を行っていくことにした。
(49・10・25 サンケイ)

<健康と青汁第221号より>




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