遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
青汁に毒はない

  銀座クッキングスクールの校長清水桂一氏が、「青汁は有毒である」という著書を出され、その新聞広告には、
    「厚生省は青汁の市販を禁止・・・・・・
     有名デパートはケールの販売を中止・・・・・・
     青汁はなぜ有毒か・・・・・・・・・
     青汁をのむと危険な人・・・・・・」
 などとあるので、青汁愛好者の中で、相当のショックをうけた人もあったようです。かた田舎の一草医にすぎぬ私には、カンがよく、直感につよいといわれる、東京の大先生を相手に、まじめに議論しようなどという気持はさらさらないが、あるいは迷わされておいでるかも知れぬ方々のために、気づいたことを少ししるして、ご参考に供したいと思います。

1、厚生省と青汁

 生野菜は自由に販売できるのですが、これをしぼって汁にすると、法規上からは、清涼飲料の扱いをうけるので、加熱滅菌しなければならなくなります。しかし、それでは青汁の生命を奪うことになるのでそれもできません。そこで厚生省では、生のままの汁である青汁の市販は、取締り上こまるからやめてくれ、というのです。決して、青汁が有毒だからいけない、というのではありません。それどころか、厚生当局でも、青汁そのものは、大変結構なものだ。国民栄養の改善の上からも、大いに奨励したい、といっているほどなのです。

2、デパートのケール

 これも、ケールが有毒だから販売を止めたのではありません。清水氏があの著を書かれたのはこの真夏のことのようですが、そのころは、ちょうどケールが一年中でいちばん少い時です。青汁用のケールは年中なければならず、そのように計画栽培するのですが、真夏は天候の関係上とかく不足がち。わけても今年は、あのひどい旱天で、いっそう材料難が甚しかったため、デパートには姿をみせなくなったまでのことです。そして、事実はまるで反対で、今や全国的に、青汁用ケールを扱っているデパートは、しだいにその数を増しつつあります。

3、ケールのこと

 清水氏は「ケールは有毒」と直感されたそうですが、決して有毒菜ではありません。ケールはキャベツの原種で、これからキャベツもカリフラワー(花椰菜)もブロッコリーもハボタンもできたのです。南欧の原産で、古くから広く知られており、すぐれた食用および飼料用野菜として愛用されているもの。その成分のよいことは欧米の栄養学書をみれば、はっきりわかります。

4、青汁のこと

 青汁の材料には毒のあるものは一切使用しません。そして、ケールその他の材料野菜の栽培にあたっては、堆肥・緑肥を主とし、下肥も農薬も使わないのですから、市販の一般野菜よりもはるかに安全ですし、成分的にもすぐれています。野草や木の葉も同じで、無毒性であることの確かなもの以外は用いません。その上、危険な洗剤類もつかわないのですから、どう考えてみても、そのしぼり汁が有毒である筈がありません。
 清水氏は、小松菜の青汁を金魚鉢に入れると金魚が死ぬ、という実験をあげ、青汁の有毒な根拠とされています。しかし、それは、材料に農薬がかかっていたか、あるいは洗剤をつかって洗ったものの汁であったかも知れません。もし、そうでないとしても、金魚は毒にあたって死んだのではなくて、窒息したのかも知れません(すりつぶした菜っ葉も、生きている細胞が沢山あって、呼吸していますから、しだいに水の中の酸素が欠乏して来ます)。
 なお私どもの経験では、瀕死の金魚が青汁で蘇きかえっています。また清水氏は、青汁にはアクがあるから、味がまずいから、においが悪いから、分量が多すぎるから、いちどにガブ飲みするから有毒だ、ともいわれていますが、これも理解しかねます。しかしたとえ有毒としても、それは飲み方の工夫で解決することです。

5、十年も飲んだら

 青汁は有毒だから、一時的には病気にもきく。しかしながくつづけてはいけない。「十年もつづけたら、その効果は、そのとき、はっきりあらわれる」として、「きっと、どこか悪くなるし、老化する」ともいわれていますが、論よりは証拠です。私の周囲には、もう十年以上愛用している方もずい分ありますが(私や家内はかれこれ二十年ちかくなる)、みんないたって健康、老化の進行はとまり、あるいは若返り、元気ハツラツとして、疲れ知らぬ日々を楽しんでいます。また、幼児からのんでいる若者たちは、人なみ以上立派な体格と健康と頭脳を享受しています。もちろん、青汁だけのために健康を害したり、ふけこんだりしたものは一人もありません。

6、青汁の危険な人

 また、「青汁をのむと危険な人」として27頁目があげてありますが、私どもの経験からすれば、それらの人々こそ、とくに青汁の必要な人たちです。

 もちろん、この私どもの主張と清水氏の説の、いずれを信じられるかは、みなさんのご自由ですし、はたして、そのいずれが本当に正しいかは、ただ神さまだけしかご存じないことです。けれども、この点に関する一つの示唆として「青草を生で食べている動物と、何でも調理して食べている人間と、どちらが真に健康であるか」ということについて篤とお考えねがいたいと思います。
 清水氏のネライがどこにあるかは、あの著を通読すればすぐにうなづけることですが、要するに、私どもがすすめているような、良質で安全(清浄無毒)な菜っ葉を生で食べることや、そのしぼり汁をのむことには、少しも懸念すべきところはないと、私は断言して少しも憚りません。そして、だれに何といわれようと、私どもは、私どもの信念にしたがって、今まで通りつづけて行きますし、人々にもすすめて行くつもりです。
<1962・12 健康と青汁 第76号より>



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