ワーファリンの効能書:エーザイ

日本標準商品分類番号 873332 [薬価基準収載]

処方せん医薬品:注意―医師等の処方せんにより使用すること
日本薬局方ワルファリンカリウム錠
ワーファリン錠0.5mg
      錠 1mg
      錠 5mg
Warfarin

 【警告】

本剤とカペシタビンとの併用により、本剤の作用が増強し、出血が発現し死亡に至ったとの報告がある。併用する場合には血液凝固検査を定期的に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。[「相互作用」の項参照]
 【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 出血している患者(血小板減少性紫斑病、血管障害による出血傾向、血友病その他の血液凝固障害、月経期間中、手術時、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産褥婦。頭蓋内出血の疑いのある患者等)(本剤を投与するとその作用機序より出血を助長することがあり、ときには致命的になることもある。)
  2. 出血する可能性のある患者(内臓腫瘍、消化管の憩室炎、大腸炎、亜急性細菌性心内膜炎、重症高血圧症、重症糖尿病の患者等)[出血している患者同様に血管や内臓等の障害箇所に出血が起こることがある。]
  3. 重篤な肝障害・腎障害のある患者(ビタミンK依存性凝固因子は肝臓で産生されるので、これが抑制され出血することがある。また、本剤の代謝・排泄の遅延で出血することがある。)
  4. 中枢神経系の手術又は外傷後日の浅い患者(出血を助長することがあり、ときには致命的になることもある。)
  5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  6. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

 効能・効果

 血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、緩徐に進行する脳血栓症等)の治療及び予防
 用法・用量

 投与量や投与回数のコントロールに用いられるのは、Quick1段法にいるプロトロンビン時間の測定やトロンボテストである。
 治療域は前者では正常値に対する比が2倍前後、活性に換算して15〜30%とするものが多く、後者では10%前後とするものが多い。
 投与法は、ワルファリンカリウムとして、成人初回20〜40mgを経口投与し、1両日休薬して凝固能が治療域に入ったのを確認して1〜5mg程度の維持量を毎日1回経口投与する方法と、初めから5〜6mgを毎日1回経口投与し、数日間をかけて治療域に入れ、以降維持量を経口投与する方法とがある。
 ワルファリンに対する感受性には個体差が大きく、同一個人でも変化することがあるので、プロトロンビン時間測定、トロンボテストなどを特に治療初期には頻回行い、治療域を逸脱しないよう努力する。
抗凝固効果の発現を急ぐ場合には、初回投与時ヘバリンを併用することがある。

 使用上の注意
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

  1. 肝炎、下痢、脂肪の吸収不全、慢性アルコール中毒、うっ血性心不全、敗血症、遷延性低血圧症のある患者及び新生児のビタミンK欠乏時等(本剤の作用が増強されることがある。)
  2. ビタミンK摂取時等(本剤の作用が減弱されることがある。)
  3. 悪性腫瘍の患者(病態から凝血能の亢進状態になることがある。)
  4. 産褥婦(出血しやすく、出血量が多くなることがある。)
  5. 甲状腺機能亢進症、又は甲状腺機能低下症の患者(甲状腺機能異常の患者では、病態の変化又は治療過程で甲状腺機能が正常化し、凝血能が変化することがある。その結果として本剤の作用が見かけ上、減弱、又は増強するおそれがある。)

2. 重要な基本的注意

  1. 血液凝固能検査等出血管理を十分に行いつつ使用すること。
  2. 初回量及び維持量は血液凝固能検査等の結果に基づき慎重に決定すること。
  3. 併用注意の薬剤との併用により、本剤の作用が増強し、重篤な出血に至ったとの報告がある。本剤の作用増強が進展あるいは持続しないように十分注意し、適切な治療域へ用量調整すること。一方、本剤の作用減弱の場合も同様に作用減弱が進展あるいは持続しないように十分注意すること。
  4. 急に投与を中止した場合、血栓を生じるおそれがあるので、徐々に減量すること。
  5. 出血等の副作用のため本剤の亢凝血作用を急速に減少する必要がある場合には投与を中止するとともに、ビタミンK製剤の投与を要することがある。なお、脳出血等の重篤な出血を発現した場合には、必要に応じて、新鮮凍結血漿の輸注等の適切な処置も考慮すること。これらの場合にも血栓再発に対し十分注意すること。
  6. ビタミンK製剤を投与中の患者には本剤の効果が発現しないので、本剤の治療を要する場合は、止血目的以外のビタミンK製剤(グラケー等)を投与しないこと
  7. 妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、事前に本剤による催奇形性、胎児へ出血傾向に伴う死亡、分娩時の母体の異常出血の危険性について十分説明すること。(妊婦、産婦、授乳婦への投与の項参照)

3. 相互作用

 他の薬剤との相互作用は、可能な全ての組合せについて検討されているわけではない。亢凝血薬療法施行中に、新たに他剤を併用したり、休薬する場合には、凝血能の変動に注意すること。なお、本剤(光学異性体のS体)は、主として肝薬物代謝酵素CYP2C9によって代謝される。


併用注意(併用に注意すること)

  1. 次の医薬品等との併用により、本剤の作用が増強又は減弱することがあるので、併用する場合には、凝血能の変動に十分注意しながら投与すること。また。併用薬剤の治療で患者の病態が変化し本剤の作用に影響することもある。

    • 本剤の作用が増強することがある:抱水クロラール、トリクロホスナトリウム/バルプロ酸ナトリウム、 ヒダントイン系製剤(フェニトイン等)/アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、インドメタシン、塩酸トラマドール、ケトプロフェン、サリチル酸類、スリンダク、セレコキシブ、ピロキシカム、フェノプロフェン、プコローム、フルルビプロフェン、メフェナム酸等/塩酸メチルフェニデート、三環系抗うつ剤、パロキセチン、マレイン酸フルボキサミン、モノアミン酸化酵素阻害剤/アミオダロン、塩酸プロパフェノン、硫酸キニジン/エタクリン酸/シンバスタチン、デキストラン硫酸ナトリウム、 フィブラート系製剤(クリノフェブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート等)、フルバスタチンナトリウム、ルスバスタチンカルシウム/オメプラゾール、シメチジン/拮甲状腺製剤、甲状腺製剤、ダナゾール、蛋白同化ステロイド/トリベノシド/血液凝固阻止剤(ヘパリン、低分子量ヘパリン、アルガトロバン、フォンダバリヌクスナトリウム等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(イコサペント酸エチル、塩酸サルポグレラート、塩酸チクロピジン、オザグレルナトリウム、シロスタゾール、ベラブロストナトリウム、リマプロストアルファデクス、硫酸クロピドグレル等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤等)、乾燥濃縮人活性化プロテインC、バトロキソビン/アロブリノール、プロベネシド、ベンズプロマロン/プロナーゼ、プロメライン/スルホニル尿素系糖尿病用剤(クロルプロバミド、トルブタミド等)/アザチオプリン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミファン、ゲフィチニブ、フルオロウラシル系製剤(カペシタビン、テガフール、フルオロウラシル等)及びその配合剤、フルタミド、メシル酸イマチニブ、メルカプトプリン/アミノグリコシド系、クロラムフェニコール系、セフェム系、テトラサイクリン系、ペニシリン系、マクロライド系/アミノサリチル酸類、イソニアシド、キノロン系(塩酸シプロフロキサシン、オフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、レポフロキサシン等)、サルファ剤/アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、フルコナゾール、ポリコナゾール、ミコナゾール等)/抗HIV薬(アンブレナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、メシル酸デラビルジン、リトナビル等)/キニーネ、メトロニダゾール/イブリフラボン、インターフェロン、塩酸オグザレル、グルカゴン、サフィルルカスト、ジスルフィラム、トラニラスト、レフルノミド/アルコール

      本剤の作用が減弱することがある:バルビツール酸誘導体、カルパマゼピン、プリミドン/塩酸トラゾドン/コレスチラミン/副腎皮質ホルモン/アザチオプリン、メルカプトプリン/グリセオフルビン、リファンピシン/ビタミンK含有製剤、ボセンタン水和物/アルコール、セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、ビタミンK含有食品(納豆、クロレラ食品、青汁等)

  2. フェニトイン、スルホニル尿素系糖尿病溶剤(トルプタミド、クロルプロパミド等)(相互に作用が増強されることがあるので、併用する場合には凝血能の変動及び併用薬剤の作用増強に十分注意しながら投与すること。)

  3. 抗甲状腺製剤(抗甲状腺製剤は、低プロトロンビン血症の報告があり、本剤の作用が増強するおそれがある。)

  4. オーラノフィン(動物実験でオーラノフィンの急性毒性が増強されたとの報告がある。)
4. 副作用(頻度不明)

重大な副作用

  1. 出血 脳出血等の臓器内出血、粘膜出血、皮下出血等を生じることがある。このような場合には、本剤の減量又は休薬、あるいはビタミンK製剤投与、新鮮凍結血漿の輸注等の適切な処置を行うこと。また、同時に血液凝固能検査(トロンボテスト等)を行うことが望ましい。

  2. 皮膚壊死 本剤投与開始による早期にプロテインC活性の急速な低下が原因で、一過性の過凝固状態となることがある。その結果、微少血栓を生じ皮膚壊死に至る可能性がある。投与前にプロテインC活性を確認することが望ましい。

  3. 肝機能障害、黄疸 AST(GOT)、ALT(GPT)、AI-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤を減量または休薬するなど、適切な処置を行うこと。

    ● 詳細は、添付文書等をご参照ください。
    また、警告、禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意ください。
 出典元:エーザイ株式会社 安全管理部(2008年2月作成)
WF-0802・I-C 
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