遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 前立腺肥大インデックス





 前立腺肥大

 前立腺肥大に悩む人も、ちかごろ多くなった。
 元来、50才以後の病気で、寿命がのびるとふえる病気といわれている。しかし、長寿者そのものには、存外、少ないものだそうだ。治療法としては、初期にはホルモン(女性ホルモン)療法や、去勢術がおこなわれているが、あまり効果は期待できないし、ホルモンも、すぎると心筋梗塞がふえるという。そして、進んだ時期には手術療法しかない。原因がわからぬため、適確な予防法もない、という厄介な病気。
 だが、これにも、緑葉食・青汁がよいようで、相当進んだものでも、これで、よくなった人が少なくない。これは、この病気が、肉食者に多く、菜食者に少ない、といわれている事実からも、うなづかれよう。ほかに、これというよい方法はないようだから、ともかく、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹底すること。あるいは、せめて青汁だけでも熱心にやること(少なくとも1日3合以上のむ)。そして、時には、青汁絶食、野菜果物日も入れてみる。なお、ヒマワリ子や南瓜子に予防効果があるといわれているから、動物脂肪をさけて、こうした植物脂肪をとるのもよいだろう。


<1972・2 健康と青汁 第186号より>




 前立腺肥大ととり組む

 前立腺は膀胱の出口のところにある胡桃大の腺で、その真中を尿道が通っている。
 これが肥大すると尿道が圧迫され、排尿がうまくゆかなくなる。排尿の開始までの時間や、排尿に要する時間がのびる。尿意を感じて排尿が始まるまでの時間は、ふつう10秒以内だが、それが長くなる。尿線が細く、勢いがよわく、出終るまでの時間も長くなる。また、終了のケジメがつかず、いつまでもポタポタがつづくようになる。それでも、初めのうちは完全に排尿され、膀胱はからっぽになるが、やがて、しだいに残りだし(残尿)、排尿回数(ことに夜間の)が多くなる(頻尿)。
 また、尿道が過敏になり、抵抗がたかまり、出しぶりはじめる(排尿困難・シブリ)。時には全く出なくなることもある(尿閉)。このシブリは、食べすぎ、飲みすぎ、運動の不足(長時間の座臥)、寒さ、多尿、便秘、精神的、性的興奮などによって、前立腺が充血し、腫れてくるためにおこり、夜間のことが多い。昼間に少ないのは、運動や排便などで、充血が少なくなるからだ、そうだ。
 私はもともと排尿開始に時間がかかるたち(体質らしい)だったが、67〜8才ごろからポタポタが始まり、夜間排尿の回数がふえた(いぜんから、昼間より夜間の方が多い傾向ではあったが)。どうやら、この頃から肥大気味になっていたのだろう。74〜5才頃、ギリギリまで辛抱していると、イザ出そうとして、仲々出ず、難渋するようになり、76〜7才頃には、姿勢を変えたり、寒さにあたると、急につよい尿意があらわれ、制止がきかず、グズグズしていると洩らしてしまう、といったことがあった。
 しかし、さいわい、この二つは2〜3年でおさまり、ポタポタと夜間排尿の回数が多いだけになっていた。ところが、82才の春、4月ごろだったが、つづいて2回、完全尿閉ほどではなかったが、かなりひどい排尿困難発作がおこった。第一回は、夕食にうまいバイキング料理を鱈腹食べ、ビールもいささか過したあと、それまで普通に出ていたのが、夜半ちかい11時ごろからシブリ始め、チビリチビリと、ほんの僅かづつしか出ず、膀胱はツッパリ(収縮)通し(シバリ)、ようやくおさまったと思っていると、30分もたたないうちにまた始まる、という状態が明け方5時ごろまでつづき、散々苦しめられた。
 しかし、6時すぎになると、まるで嘘のように、また普通に楽に出だした。2回目は、それから間もなく、やはりうまい夕食を満喫したあとにおこり、経過は全く同じだった。これらは、みな前立腺の症状そのものなのだが、いつもは、昼間はもとより、夜間でも楽に出ていたので(たまには多少のシブリやシバリ傾向はあったが)、別にそう大して気にもとめないでいた。
 85才になった一昨年の2月、ドック入りし、ほかの科はすべてフリーパスだったが、泌尿科でひっかかり、前立腺の肥大を指摘され、手術をすすめられた。手術は今ではごく簡単だそうだから、やろうと思えばいつでもやれる。が、親からもらったからだはなるべく傷つけたくない。それに、今さしせまった状況ではないし、こういうことこそ自分の領分。自分なりになんとかならないものか。一応とり組んでみるのも無駄ではあるまいと、手術は見送ることにした。

 さて、問題は夜間の頻尿とシブリとだ。頻尿の方は、たとえたびたび目はさめても、すぐまたねつかれるから、少しも苦にはならない。厄介なのは、そう度々ではないし、程度もまちまちだが、きまって11時ごろから始まるシブリ(排尿難)とシバリ(膀胱の収縮)。そこで、その原因とされているもののうち、食べもの、夜間の尿量、便通、寒さとの関係について観察してみることにした。そして、一年半ちかい間の、いわゆる試行錯誤をくりかえした結果わかったことは、

  1. 食べものとシブリの関係は、いわれている通り、また、最初の発作がそうであったように、食べすぎ飲みすぎ ことに肉類の食べすぎは、たしかによくない。また、スープや吸い物、うまいダシで煮た野菜類でも。おそらく、エキス分の刺戟で充血がおきるためだろう。もちろん量によりけりで、少しだけ(高級料理のように)だと少しもさわりはない。反対に無刺戟性のものでも量がすぎれば、やはりいけない。なお、こたえるのは夕食だけで、朝・昼食には何を食っても、少々量をすごしても、ちっともなんともない。
  2. 夜間尿 尿量が多いからシブルのか、シブルから尿が多くなるのか、ともかく、夜間の尿量の多いとき、いつもではないが、シブリがちだ。
  3. 寒さ これも、尿量の関係ででもあろうか、シブリは寒い時に多いようで、ただ足さきが冷えるだけでもおこることがあるほどだが、暑い夏分には殆んどない。
  4. 便秘 思いあたる原因のないばあい、どうも便秘が関係していることが多いようだ(下腹部のウッ血のため前立腺も充血するのだろう)。シブリとともに、しきりにガスが出たり、強い便意があらわれ、驚くほど大量の排便をみることがある。しかし、それでシブリが和らぐとばかりはいえない。

 ところで、前立腺の肥大も一つの老化現象であり、そのもとは血のにごり。そのためのホルモン系その他の異常が下地になり、そこへ充血をおこすもろもろの刺戟がはたらいて、しだいに肥大してくるのであろう。だから、いつも血はきれいにしておくべきであり、そのためには日常生活、ことに食生活の合理化=安全化完全化、したがってナッパ・青汁中心の食事が望ましいわけだ。私の平素の食事は、だいたい、それに近いものだ(本紙362号、61年10月参照)。
 しかし、それを、ふつうのように、夕食に主に食べるのには問題がある。そこで、次第に、刺戟性のつよいうまいものや、利尿作用の強いナッパ・青汁、あるいはクダモノなどは、何を食っても、また少々過ごしても影響のない朝・昼食に食べ、夕食には、無刺戟性で、むしろ縮尿作用のある米飯の少量をミソや漬物で食べる。あるいはパン・イモの少量(100〜150グラム、時には何も食べない)にするようになった。
 また、便通をととのえるためには、繊維を十分とり、つとめて運動もして、毎日快通するよう、また必要に応じては、就寝前、も一度排便するよう心がける。寒さにたいしては、これまで夜具は寒くない程度にうすくし、コタツもつかっていなかったが、夜具を厚くしコタツも入れ、からだを冷さないよう気をつけることにした。
 このように、いうならば常識的の一般養生法をまもり、不心得な反則さえおかさなければおおむね安泰であり、これをつづけてゆけば、すくなくとも病勢の進行は避けられるだろうし、ながい間には、あるいは少しづつでもよくなってゆくのではないか。そんな期待ももてそうな気もしている。
 しかし、そこは人間。お恥しいことながら、ともすると脱線。いわゆる試行錯誤を重ねていることも白状しておかねばなるまい。たとえば、無難な筈の夕飯もお寿司、おこわ、もちなど、つい食べすぎる。また、朝昼だと、直接には影響しないが、2〜3日つづけていると、便秘傾向となりシブリだす。菓子類もまた同じ。少量はむしろためによいくらいだが、好物なのでつい過ごす。また朝昼のは直接には無難だがつづけると、やはり便秘してやられる。うまい肉類。家ではともかく、困るのは宴席。昼食はまことに嬉しいがたいていは夕〜夜宴だから、少しづつならと警戒しながらも、つい過して手痛い目にある、といったぐあいだ。
(62・4)


<1987・7 健康と青汁 第371号より>




ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 09 田辺食品株式会社
s