やせるには |
||||||||||||||||||
世の中が落ついて、食糧が豊富になるにつれて、ふとりすぎと関係の深い、高血圧や動脈硬化や糖尿病といった病気がふえて来ました。したがって、それらの治療の第一課が、やせることにあること、いうまでもありません。 さて、ふとる、ふとらぬということは、もともと一つは体質で、随分さかんに食ってもふとらぬものもあれば、そう食べなくてもふとる人もあります。しかし、大抵の場合、ふとっている人は、自分の「分」にすぎて食っていることに間違いはありません。ですから、やせるためには、特別な例外を除いて、多くの場合、とり入れる食をへらすことが第一です。 よく、「とても少食だがふとって困る」という人があります。そういう人には、「それでは、戦時中はどうでしたか」ときいてみるとよろしい。今20貫も、それ以上もある人でも、そのころは13−4貫から、15−6貫だったという人が多いものです。これは、食べないといっても、やはり、相当食べすぎになっていることを示す証拠です。もう一つ注意せねばならぬのは間食や嗜好品です。三度の食事は、なるほど少いが、間食は平気であり、酒も遠慮なくやっている。そのため、結局食べすぎになっていることが少くありません。そこで、よほど覚悟をきめ、細かい注意を払わぬと仲々やせられるものでありません。 まず平素の食をへらす。ことに澱粉食品や糖分。減食の程度は、場合場合に応じて適当にすべきで、きまった型式はありません。理想体重(普通体長の糎から110をひいた瓩、たとえば165糎の人は55瓩が理想)の目標をきめて、それに近づくよう、無理にならぬ程度にへらして行けばよいわけです。 しかし、ジリジリ減らすより、一思いに、何日か断食して、次いで、次第に増し、我慢できる最小限に止めるというやり方のほうが、やりよいこともあるようです。また、なるべくカサ高いものを食べるようにするのも一法です。
それだけに、覚悟と努力が要求されるわけですが、それを頑張りぬいて、はじめて本当の健康もえられようというものです。 <1962・8 健康と青汁 第72号より>
|
||||||||||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | ||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||