遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 やせるには

 成人病の多くはふとりすぎの病気
 その予防・治療にはどうすべきか

 成人病の多くは「ふとりすぎ」の病気。顔つきはいかにも福々しく、カラーもズボンも窮屈になり、部長タイプ、重役タイプと、貫禄がついてくるにつれて、血圧は上り、狭心症が出、糖尿があらわれ、脳卒中や心筋梗塞や癌におびやかされる。「ふとりだち」ということは勿論ある。しかし、ふとりやすいのは、いわば、代謝が活発でない証拠で、とりこんだ栄養分の消費が不十分なため、燃え残りが多く、(したがって「血の濁り」がおこりやすい)、それが、脂肪としてたまって来るもの。それでも、若い時は運動で加減されているが、中年以後は、運動は不足する、代謝はいよいよ鈍るで、しだいにふとって来る。つまり、ふとるということは、結局、分にすぎて食べているか、運動が不足しているか、あるいはその両方か、というわけだ。

成人病の予防や治療
 そこで、成人病の予防にも治療にも大切なことは、理想の標準体重(身長センチから100〜110をひいたキログラム)への調節――予防的には、成年のころ(昔でいえば男子は徴兵検査、女性では年ごろ17〜8ごろ)の体重を維持することだし、治療的には、それにもどすことだ。薬ばやりの当今のこと。やせる薬もいろいろある。けれども、薬はやはり薬。ながい間には、どんな害があらわれないともいえぬ。少なくとも無難なものばかりではないから、結局のところ安全な方法としては、食をへらして、しっかり運動するしかない。

減食
 総カロリーをへらす。しかも、なるべく脂肪のもとになる糖質(澱粉・糖・酒精)を少なくし、代謝を促進する成分(蛋白質・ビタミン・ミネラル)は十分に、つまり、完全食の少食ということだ。

    主食
     そのためには、まず、主食の白米飯をへらすこと。玄米ならいい筈だが、これには、まだ農薬の心配がないとはいえない。パン・ウドン・麦飯は、栄養的にも、また、あまり食べすぎにならぬ点でも、白米飯よりは確かによいが、これとても過ぎれば矢張りふとる。腹ごたえ、腹もちがよく栄養の点でもよいのは、ソバ、マメ。さらによいのはイモだ。これらは、ふつう、すぐに胃にもたれ、とても多くは食べられないし(特に好きな人は別だが)、安全という点からもよい。そこで、主食としては雑穀、ソバ、マメ、むしろイモにし(せめて併用)、しかも、なるべく控えめに食べる。

    脂肪
     一般に控えめにすべきものと考えられているが、満腹感をあたえる力が強いので、てきぎ利用すべきだ(それもなるべく植物油)。ヒポクラテスは、「食物には、胡麻その他の薬味を加へ、副食物はすべて油製とする。すると食量が少くて飽満する」と、肥満症の食に推賞している。

    蛋白食
     蛋白質は、体内代謝が複雑で、その処理のため余残のカロリーを消費するので、蛋白質にとむ肉や卵などはやせるには都合がよい。しかし、牛豚羊の脂は動脉硬化、ことに冠状動脈(心臓をやしなっている)の硬化と関係があるので、痩肉か、その心配のない鶏・魚肉にする。卵も脂肪・コレステロールにとんでいる。で、むしろ大豆や大豆もののほうが無難。

    野菜類
     良質ナッパを中心に野菜類を十分にとり、なるべく多くを生食し、青汁にしても飲む。山菜・キノコ・海藻類も大いに利用する。

どういうやり方にすべきか
 さて、どの程度にやせるか、目標は理想体重にちかづけることで、そのため、一日1500〜1000カロリーといった食にすべきだが、そうしたきまった食を毎日食べるということは、入院でもするか、あるいは、よほど人手のある家庭でないかぎり、とても出来ることではない。そこで、ともかく、一方で、良質安全なナッパを十分食べ、青汁をのみ、他方、食べすぎているもの(米飯・パン・ウドン・菓子・味つけの砂糖・酒)をへらす。なお、やり方としては、食事のはじめに青汁(1〜2合)を飲み、果物を食べ、野菜その他のおかずを食べ、相当満腹したところで主食や蛋白食にする。そうすれば、快い満腹感を得て、しかも十分減食することができる。そして、毎日体重をはかり(ヘルスメーターという簡便な体重計がある)、うまく減るならよし(週に1キロくらいづつへり、気分はきわめて爽快、というのが理想的なへり方)、もし、それでもうまくゆかなければ、主食の米飯・パン・ウドンをマメ・イモに、肉や卵は大豆に、つまりイモ・マメ・ナッパ食に徹底することだ。

運動
 一方、つとめて運動。筋肉運動でカロリーは大いに消費される。それだけ体重はへる。

    黄金水療法
     むかし、よくふとった人があって、やせるのに苦労していた。医師はこれにたいし、「富士山の頂きにわき出ている黄金水が何よりの妙薬だ。一つ飲んで来ては」とすすめた。ながい間かかって、ようやくたどりつき、黄金水をのんでかえったが、なるほど、すっかり痩せていた、という話がある。

 ともかく、毎日こまめに動く。用事に出るにも、つとめて歩く。ひまな時は散歩する。それもブラブラではなく、急ぎ足にサッサと歩く。いやいっそのこと駆け足にする。体操もよいし、スポーツなお結構。休日には精々山野をあるく。弁当には果物と生野菜だけにすれば一層効果的(日曜断食との組み合せ)。ゴルフも悪くはないが、あとで豪華な飲食がついては無論無駄。家を出るのが憶怯なら、庭で瓦をあちらこちら置きかえた、という中国の大人の話。部屋いっぱい豆をまきちらして拾った、という英国女王の話もある。工夫すればいくらでも方法はあろう。こういう無意味なことはつまらぬとならば、廊下の拭き掃除、庭の手入れ、田畑を耕やし野菜つくり花つくりなど。こうなると、ただ楽しいだけではない。新しい良質ナッパを食卓に上すこともでき、まさに一石二鳥にも三鳥の妙法ともいえよう。それはともかく、やせるためには、何といっても、食をへらし、つとめてからだを動かすことだ。

<1972・7 健康と青汁 第191号より>




ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 09 田辺食品株式会社
s