遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
疲れをとるには

 疲れをとるには砂糖水がよいと、よくいわれます。また、酒という人もあれば肉という人もあります。そして、それぞれに、何がしかの効能もあり、理窟もありますが、私は青汁をすすめます。
 はげしい運動でつかれた時には血糖(血中のブドウ糖)がへっています。
 これを補うにはブドウ糖を注射するか、飲めばよいわけですが、砂糖でも、米麦などの澱粉食でもよろしい。これらは、すべて、体内でブドウ糖になり、血中に送られるからです。
 すき腹でヘトヘトになっていたものが、飯にありつくと、忽ち、元気になるのも同じです。砂糖水だと、吸収が早いだけに、より早く効きます。そこで疲れをとるには砂糖水といわれるわけ。
 ところで、ブドウ糖は、体内すべての活動のエネルギーのもとですが、これが、完全に分解利用されるためには、十分のビタミンBが必要で、もし不足すると、その分解が不完全となり、代謝の途中で有害な中間産物ができます。
 そして同時に、他の諸代謝もうまく行かず、疲労という現象があらわれます。白米飯や砂糖の過食による夏期の倦怠疲労はまさにその典型です。
 ですから、運動の後や、空腹の疲れをとるのに砂糖水の一杯は有効でもあり、無難でもあります。しかし、糖質代謝の異常にもとづいている疲労の場合に、砂糖水をのむのは少しも意味のないことですし、砂糖の効用を過信するの結果は、つい砂糖や菓子の濫用となり、糖害だけでなく、添加されている色素や薬品、あるいは人工甘味の害もさけられぬことともなるわけです。
 したがって、疲労を防ぐため、またはその恢復のために砂糖を用いるのは、あまり賢明とはいえません。

 つぎに酒は、興奮刺戟作用によって、血行をよくし、機能をたかめ、代謝を促進して、疲労物質を除くことにも役立つのでしょうが、主なものは、むしろ、大脳の痲酔作用によって、疲労を忘れさせる、いわば一時的のまぎらかし効果にすぎません。また一面、この酔心地のために、とかく量をすごし、習慣性をともないやすいので、これまた、疲労恢復策としては、あまり感心したものではありません。

 また肉を食っても、元気が出、疲れが治るといわれます。
 それは 、味のよい肉によって食欲がますためでもあり、一方、肉食でエネルギー代謝がたかまり(約30%増します)、余分の力が出て、元気づいたように感じられるためでもあります。
 しかし代謝が、30%もたかまるということは、実は、肉の成分である蛋白質の分解過程が複雑かつ困難であるため(色々有害なものができるので)、それを始末するのに余分のエネルギーが必要なからです。だから、これも、結局はからだの負担を一層増し、疲労をかさねるだけのことです。
 このことは、肉食をさかんにやるスポーツマンが、疲れやすく、早く衰えることからもよくわかると思います。そこで、これも、体力の消耗を防ぎ、疲労の恢復をはかるためには余りよい方法とは考えられません。

 最後は青汁ですが、これには糖分や蛋白質といった、代謝の負担になるものは殆どありません。そして代謝を営むために必要なビタミンやミネラルは豊富にあり、すべての機能は円滑かつ活発で、疲労物質の処理も完全に行われるのですから、疲労しにくいし、恢復もはやい道理です。
 そして、また、実際、青汁をはじめてみて、まず感じることは、疲れぬということです。そこで、私は、疲れをとるためには、砂糖水よりも、酒よりも、肉を食うことよりも、青汁をのむことだと思っていますし、仕事の後の青汁の一杯ほどの疲労恢復法はまずあるまい、と信ずるものであります。

<(1962・5 遠藤)健康と青汁第70号より>




ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 09 田辺食品株式会社
s