遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 年がよったら(2)

食べ方
 空腹を覚えて食べ、食量は消化能力以下にする。(腹八分)。
 つまり、次の食事までに快よい空腹が感じられる程度にし、つねにいくぶんかの余猶を残す(あと一口をひかえる)。
 そして、理想体重(身長センチから100〜110をひいたキロ)を保つよう加減する。

    順序
     まず青汁。次で野菜・山菜・海藻・果物。それから主食・蛋白食。

    回数
     適宜でよいが、ふとらないためには、少量づつ頻回にわけて食べ(古人のいう少餐相接続すべし)、ドカ食いしないこと。

    間食
     ことに夜食は、なるべくやめる。

    咀嚼
     十分に。歯が悪ければ、スリ鉢ですりつぶしたり、ミキサーで粉砕し(ミキサー粥)、しかも唾をよく混ぜて食べる。

    歯を大切に
     よい歯は健康の門、長寿の礎。丈夫な歯も、永年の咀嚼でしだいに磨滅してよわっている。なるべく大切に。
     ことに硬いものに注意(ともすると勢あまって歯をかみ割ってしまう)。
     ウ歯・歯槽膿漏、ともに栄養欠陥が原因。
     予防には清掃と完全食。
     ことに糖分をひかえ、ミネラル・ビタミン・繊維にとむ良質ナッパを十分にし、よくかんで食べること。

嗜好品
    果物
     最良。但し、農薬汚染に注意。

    菓子
     糖害のうえに添加物の害もあろう。ひかえめ。


     これでも農薬に注意。紅茶は砂糖ぬき。むしろ、草茶・笹茶・昆布茶など。

    コーヒー
     精々1日1〜2杯。うすいもの。砂糖ぬき。

    コーラーなど
     なるべくさける。


     純良酒の少量。晩酌の1本、ブドウ酒1杯は百薬の長ともいえようが、すぎれば百毒の長となる。

    タバコ
     百害あって一利ないもの。禁煙。せめて節煙。

便通
 年とともに腸のはたらきがにぶくなり、便秘しやすくなる。
 便秘すると、腸内で有害物ができ、肝臓を疲らせ、血がにごり、体力をよわめ、老化をすすめる。
 むかしから毎日気持よく、しかもあまり気ばらずに通ずる習慣をつけよ、といわれている。
 「長生を得んと欲すれば腸中まさに清かるべし、不老を得んと欲すれば腸中滓なかるべし」
(抱朴子)
 ふつうの常習便秘は、カス(繊維)の少ない不完全食、糖分のすぎること、運動の不足などが原因。
 繊維にとんだ完全食を食べ(ナマのナッパのミキサー粥がよい)、糖分(菓子、味つけの砂糖)をへらし、せいぜい運動(ことに腹の皮の運動)し、毎日快い排便のクセをつける。
 そして、薬にはなるべくたよらないこと。

排尿
 膀胱が小さくなるためか尿の回数がふえる。ことに夜間。
 また、膀胱の力がよわくなる一方、膀胱の出口のあたり(尿意を感ずるところ)が過敏になるため、ギリギリまで辛抱すると、イザ出そうとしても、仲々うまく出ないことがある(括約筋が興奮してしめすぎるためらしい)。
 かと思うと、体位をかえた途端(寝床から起き上ったり、椅子から立ち上るなど)、急に強い尿意を覚え、我慢しきれず、ウッカリすると洩らしてしまう(括約筋のしまりがわるいため)といったことにもなる。
 なるべく早目早目に排尿することだ。
 なお、急に寒いところに出ると、脳や心臓の発作をおこすことがあるから、冬の夜は溲瓶(しびん)を用意すること。

入浴
 皮膚を清潔にし、発汗その他皮膚のはたらきをよくする。
 冬はからだを温めるため。
 但し、適温の短時間。疲れない程度が望ましい。
 熱風呂、長風呂はしばしば事故のもとになる。
 また、寒冷時の入浴はことに慎重になること(急激な温度差が危険をもたらす)。
 発汗浴はむしろ有害(刺戟が強すぎる)

セックス
 過淫を慎しむ。体力を消耗し、老化をうながす。
 また、急死の原因ともなる。
 強精剤にも十分注意。
 思いがけぬ副作用がある。

日常生活の合理化・自然化
 以上、いずれも、むかしから養生法としていい古されたことばかり。
 ちがうことといえば、食において一概に野菜・果物といわず、青ナッパ、ことにその生食の必要性と、その方便としての青汁が強調されていることだけが、要は、これらをふくめ、すべての日常生活の合理化・自然化ということになる。

乏しい生活
 つまり、乏しい生活、貧しい生活ほど健康的であり、自分のことは自分で責任をもち、ためによいことはつとめて実践し、ためによくないことはつとめてさける、という簡単なことにつきている。
 戦時中もっとも恩恵をうけたのは老人だったといわれているが、それは、食糧が乏しいから少食になり粗食になったこと、働き手がいないので老人もセッセと働いたこと、そして、勝つまでは、若いものが帰って来るまでは、と気持をはりつめていたからだった。
 また、100才以上の老人が人口10万対30〜60(アメリカでは10万対3、倉敷では一人あるなし)という長寿地が世界に3ヶ所ある。
 みな、環境はいたってよい(空気も水もきれい)が、まことに不便なところばかり。
 気楽にノンビリくらしており、一般に質素だ。
 もっとも1ヶ所はかなり裕福な食をとり、酒もタバコものんでいる。
 しかし、共通していることは、かなりはげしい労働(農作業)に従事していることだという。
 そうしてみると、現在の進んだ医学をもってしても、まだ解明されていない不老長寿の秘訣は、どうやら、むつかしい理窟ではなく、こうした平凡なところにありそうだ。
 さて、老人の衛生については二つの考え方がある。
 先はもう短い。今更むつかしいことはいわず、好き放題をやってゆけばいいではないか、というのと、いや、それだからこそ、せいぜい養生して、少しでも長くマメでいたい、というのとだが、私は、やはり後の方をとりたい。

(51・9)

<1977・10 健康と青汁第254号より>




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