遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 血のにごりと青汁

 青汁の効能について説明をもとめられると、私は、青汁によって「血のにごり」がへり、からだ中のすべての細胞・組織・臓器のはたらきがよくなり、抵抗力(防衛能・自癒能、つまり生命力)がつよくなるからだろう、と答える。いかにも非科学的のようだが、むつかしい屁理窟をこねるよりは、かえって、わかりよくはないかと思うからだ。

からだのしくみ
 からだは、それぞれのはたらきと役目をもった細胞、それらの集った組織・臓器と、その間をめぐって、必要な養分を供給し、不用になった老廃物をとりのぞく、「血」で代表される体液(血液・リンパ液・細胞間液など)とからできている。そして、細胞・組織・臓器のはたらきが正常であり、これを養っている「血」が正常(きれい)であって、はじめて健康は完全にたもたれる。もし、「血」に何かの異常(にごり)があれば、それに養われる細胞・組織・臓器のはたらきは、当然、なにがしかの影響をうけ、その結果、さらに「血のにごり」を増し、細胞・組織・臓器にも、いっそう悪い影響をあたえ、抵抗力(生命力)をよわめることになる。
 この悪循環がくりかえされていると、どこか素質のある(抵抗力の弱い)ところがおかされ、病気の下地をつくったり、さらにすすんでは、病的の変化をおこすようにもなるだろう。反対に、「血のにごり」が減り、いくらかでもきれいになれば、細胞・組織・臓器のはたらきは、それだけよくなり、「血」は、さらにきれいになる。こういう好条件がつづいていれば、たとえ、素質のあるところがあっても、そのまま温存され、病的に変化することは防がれるだろう。また、すでに病的変化をおこしたところでも、その進行がおさえられ、やがては回復にむかうようにもなるだろう。

血のにごり
 さて、「血のにごり」とはどんなことか。「にごり」という表現自体まことに非科学的で、あいまいなものだが、いわば「血」の異常。血液成分の量的・質的変化、すなわち、正常成分に異常があるか、異常成分がある、といったことであろう。

正常成分の異常
 血液の総量とその成分、血球、血色素、蛋白、脂肪、糖分、アルカリ度、ミネラル、ビタミン、酵素、ホルモン、免疫成分など。性質としては、かたまる性質(凝固性)、ねばり(粘稠性)その他いろいろあるが、いずれも、正常にはつねに一定にたもたれている。それが、多すぎたり、少なすぎたり、強まったり、弱まったりしているなど。

異常成分
 また、正常にはないもの、あるべからざるものとしては、感染(細菌やビールスなど)や、中毒によっておこる異常代謝の産物、免疫反応で生ずるもの。また、肝臓・腎臓その他の臓器や組織の病変によって生じたり、腸管内の異常分解でできるもの、などもあろう。ただし、これらはいずれも、病的変化の結果であって、これら自体が病気をおこす一次的の原因とはかんがえられない(二次的病変の原因には、なりうるであろうが)。

不自然・不合理な日常生活
 では、一次的の原因となるような、すなわち、病気の下地をつくったり、また、発病にもってゆくような「血のにごり」は、何によるのであろうか。それについての科学的の証明も根拠もほとんどないが、私は、あえて、食のあやまり、運動の過・不足、ストレスの過剰、環境の悪化など、あまりにも不自然・不合理化された日常生活にあるのではないか。しかも、食のあやまりの影響がもっとも重大ではないか、とかんがえている。

食のあやまり
 現在、一般の習慣食は、肉類、卵、乳製品、脂肪、精製穀、砂糖にかたより、野菜ことに良質ナッパのとり方が少ないうえ、高度に加工(精製・調理)された濃厚味食(糖・塩・香辛料・化学調味料の乱用)を飽食している。
 そして、栄養的にははなはだしく不完全――熱量・蛋白質ばかりが多く、それらの体内処理(代謝)に不可欠のアルカリ・カルシウムその他のミネラル(痕跡分をふくめて)やビタミンは不足、という欠陥食になっている。
 ために、代謝は不完全となり、種々の異常(有害有毒)分解産物、すなわち「血のにごり」を生ずる可能性があるわけだ。それは、ちょうど、燃え方の悪い(不完全燃焼)カマドから、大量の有害有毒物をもった煤煙が出る、それにたとえられよう。なお、氾濫している有害有毒食品――農・蓄・水産用薬・産業廃棄物や添加物に汚染された食品、ことに加工・貯蔵食品、既成・インスタント食品。さらには、菓子・酒・タバコその他の強烈な嗜好料。また、運動の過・不足、ストレス過剰、薬品・放射線の乱用。不良の環境などもあずかっているだろう。そして、この「血のにごり」の細胞・組織・臓器への影響は、それら直接のものだけでなく、その結果生ずる二次的の変化、たとえば、ホルモン系や酵素系の異常などによる、間接的のものもあるだろう。そうだとすれば、これに対処するには、原因の究明もとより大切には相違ないが(現在、研究はほとんどそれにむけられている)、その解明をまつまでもなく、ともかく、まず、日常生活諸般の合理化・自然化(せめて、食の自然化、適度の運動、ストレスの解消だけでも)をはかり、代謝を正常化し、「血のにごり」をのぞくようつとむべきであろう。

食の自然化
 食の自然化のためには、栄養のバランスを完全にし、熱量・蛋白質にたいし、十分のアルカリ・ミネラル・ビタミンを配すること(完全化)。つとめて自然の安全食品をえらび、汚染食品、加工・貯蔵食品、既成・インスタント食品など、有害有毒あるいはそのおそれのある食品はできるだけさけるべきであろう(安全化)。
 そのため、私どもは、多年、十分の良質ナッパをとること。それも、なるべく多くを生で食べ、青汁にしてのむこと(緑葉食・青汁)。すすんでは、主食品はイモ、蛋白食品は大豆を主とし、十分の良質ナッパをそえる、イモ・マメ・ナッパ・青汁食。あるいは、せめて、青汁だけでもうんと、1日少なくとも2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)以上のむこと。また、調理は簡単に、味つけはうすく、すべきこと、をすすめている。そうすれば、すべての食品が完全に代謝され――完全燃焼で煤煙が少なくなるように――「血」がきれいになり、すべての機能がよくなるだろう。そして、その主役をなしているのは良質ナッパ・青汁だから、青汁は代謝を完全にし「血」をきれいにする、そして、抵抗力・生命力をもりあげる根本ともいえるだろうというのだ。

適度の運動
 なお、運動は過ぎても、不足しても、代謝に不利に影響し「血のにごり」をますが、適度の運動は、血行、呼吸をさかんにし、代謝をすすめ、「血」をきれいにする。それは、燃えの悪いカマドをあおぎ、フイゴで空気をおくれば、燃焼がよくなり、煙がへるようなもの。

ストレスの解消
 また、精神的ストレスも神経・内分泌を介して代謝をおさえ「血」をにごす。犯罪者の尿の強い疲労反応(血のにごり)は、罪の告白(ストレス解消)によって、たちまちとれる、という。これは、精神的ストレスのため、せばめられていたカマドの通気口が、その解消とともに開放され、燃焼がよくなり、煙がへることにたとえられよう。神経症・精神病に血液化学的変調がいわれていることも、同じだ。
 ともあれ、食の完全化・安全化、適度の運動、ストレス解消、喫煙、飲酒、その他、嗜好品(薬品)にたいする注意、便通、睡眠、勤労と休養のバランスなど、日常生活諸般の合理化・自然化によって、代謝を正常化し、「血のにごり」をのぞくことが、健康になるためにも、病気を防ぎ、病気の治りをよくするためにも大切であり、青汁はその中心的役割を演じているわけで、私が多年その必要を強調している所以でもある。(52・10)

<(1979・7 遠藤)健康と青汁第275号より>




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