遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 胆石

 胆汁にとけているコレステロールやピリルビン(胆色素)などからできる石。

コレステロール石
 コレステロール石が主成分の、白っぽい、かたい石。主に胆のうにできる。欧米人に多いもの。40才以後の、ふとった人に多いといわれていたが、最近は、10代、20代の若いもの、ふとっていないものにも多くなっているという。わが国でも、生活が洋風化するにつれて、次第にふえて来た。

どうして出来るか
 コレステロールは水にとけにくいものだが、正常の胆汁には、レシチンや胆汁酸(ともにコレステロールをとかす成分で、胆汁酸がとくに有力)との間に、一定の比率をたもって、過飽和の状態にとけている。そして、この比率がくずれ、コレステロールがふえるか、胆汁酸が減るかすると、とけにくくなって、拆出し、かたまって石になる。このコレステロール/胆汁酸の比率に変化がおこるのは、

  1. 血液中のコレステロールが増す場合(過コレステロール血症)。
  2. 肝臓に異常がある場合。胆汁酸は、肝臓で、コレステロールからつくられるので、肝機能が悪くなると、少なくなる。
  3. 胆のうや胆管に炎症(細菌感染)がある場合。

 胆汁中に、コレステロールが分泌されて多くなり、胆汁酸は吸収されて少なくなる。つまり、胆石ができるのには、高コレステロール血という全身的の原因(食事、代謝などの異常)と、肝臓あるいは胆のう・胆管(胆道)の局所的の原因(胆汁のうっ滞・感染など)とがあるわけだ。このことは、胆石が、文化程度の低い簡易生活、とくに自然食をとっているところに少ないこと。裕福で、肉・脂肪(ことに飽和脂肪)・糖・精製穀(白米飯・白パン)食にかたより、高度に加工された(しかも栄養的には不完全な)贅美食の飽食、運動不足、便秘、精神的ストレスに傾いている文明国に多いこと、からもよく理解されよう。
 というのは、こういう条件下では、高コレステロール血症が出来やすいし、肝臓も障害されやすい(不完全食であり、便秘に傾くこと、あるいは有害な添加物その他の食品汚染によっても)。また、一般抵抗力の低下のため、胆のうや胆管の炎症(細菌感染)もおきやすいからだ。

ビリルビン石
 胆汁の黄色い色素(ビリルビン)が主成分の、もろい黒褐色の石。胆のうにも胆管内にもできる。菜食者に多いもので、わが国でも、以前はこれが主だった。胆のう炎や胆管炎があると、ビリルビンが分解して拆出しやすくなるからで、寄生虫の多かった頃には、蛔虫が胆道に迷いこみ、炎症がおこり、虫卵が核になって石ができるといったことも稀でなかったようだが、おそらく、コレステロール石と同様、全身的の条件(食のあやまり、運動不足、便秘、精神的ストレスなど)もあずかっていることだろう。
 
予防・治療
 このように、胆石には、局所ならびに全身的の原因があるが、結局、それらには、食べものや運動を中心とする日常生活の不自然不合理化が根本になっているわけだ。だから、対策として、

  1. 局所的には、
     手術によって石をとり除いたり、薬剤による感染の予防・治療。あるいは胆汁の流れをよくする−十二指ゾンデ法(十二指腸までとどくゴム管をのんで胆汁流出をすすめる薬をさす療法)や、整腸法(下剤)を講ずること。

 そして、それとともに、

  1. 全身的には、
     食を自然化(完全化、安全化)し、つとめて運動し、便通をよくすること。また、心の安定をはかることなど、日常生活を合理化をはかり、一般代謝を正しくして血液コレステロールを低め、肝臓・胆道の機能をよくして胆汁の組成や流れを正常化し、また、感染にたいする抵抗力をたかめるなど、石のできやすい条件を、つめてへらし、除くよう心がくべきだ。

緑葉食・青汁
 この目的のためにも、私どもは緑葉食・青汁をすすめたい。すなわち、主食には、精製した白米飯、白パンよりは玄米麦、雑穀、豆、芋を。蛋白食には、飽和脂肪にとむ肉や乳製品よりは、不飽和脂肪の多い大豆ものを。そして、蔬菜類、ことに良質ナッパを主体とする野菜、山菜、海藻、果物など繊維にとんだものを十分そえ、調理はなるべく簡単に、味つけはうすくする。こういう食だと、ながい間には胆石がとけてなくなることもあるらしい。また、せめて、青汁でもウント(少なくとも一日3合以上。5合でも6合でも)のむべきだし、それだけでも確かによいように感じられる。
<(1974・8 遠藤)健康と青汁第216号より>




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