遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 蛋白食のよしあし

 蛋白食品のよしあしをきめるには、蛋白質の質、食品としての完全度および安全度の三つの点について考えてみる必要があると思います。

質のよしあし
 蛋白質の質のよしあしは、つまり、私どもの血や肉をつくるのに適しているか、どうかできまります。蛋白質は、多数のアミノ酸が組み合わされて構成されていますが、そのアミノ酸のうち10種ばかりは、人体内でつくることができないので、どうしても、食物から摂らねばなりません。(これを必須アミノ酸といいます)。
 この必須アミノ酸がそろっていればいるほど、その蛋白質からは血や肉が出来やすいし、そろい方が悪ければ悪いほど、血や肉の出来方が少いのです。そこで、この必須アミノ酸がそろっているほど質のよい蛋白質であり、そろい方が悪いほど質の悪い蛋白質だといいます。
 動物性の蛋白質には、この必須アミノ酸が多いので、一般に、良質だといわれているわけで、ことに乳や卵の蛋白質がすぐれ、肉類の蛋白質はこれに次いでいます。しかし、植物性の蛋白質の多くは、必須アミノ酸のそろい方がよくない(一、二のものが少なかったり、無かったりで)ので、一般に、質的に劣っているといわれています。けれども、大豆の蛋白質は決してそうではないし、緑葉の蛋白質ともなれば、動物性蛋白質に匹敵するほどすぐれたものです。

完全度
 次に食品としての完全度はどうか。つまり栄養素のそろい方、そのバランスはどうかということです。それは、大体、それぞれの食品を完全食とするために必要な良質ナッパの量で推察することができます―添えなければならぬナッパが少なくてすむほどバランスがとれており(完全度がたかい)、多量に必要なほどバランスがよくない(完全度が低い)わけです。
 大根葉でみると、これまで、それぞれの項で述べたように、牛肉では2倍量が必要。鶏卵では同量。全体(骨も内臓も)食べられる小魚ワカサギでは僅かに5分の1量でよく、牛乳はさらに少く10分の1量でよろしい。大豆では半〜同量。緑葉はそれだけですでに完全食だというわけです。つまり、完全度からいえば、緑葉―乳―小魚―大豆―卵―肉の順で、肉類はもっとも劣っています。

安全度
 また、安全度についてみれば、家畜の供給する肉、卵、乳では、家畜のおかれる環境や飼料の影響、ことに農薬、治療や予防用の薬品などによる汚染の危険が少くないし、水産物では、水の汚染(農薬、洗剤、工場排水など)のおそれがないとはいえません。加工食品ともなれば、さらに危険は大きくなります(添加薬剤、その他)。
 これに反し、大豆には、そうしたおそれはなく、まず安全といってよさそうです。こうみて来ると、蛋白源としてすぐれているのは動物食品では乳と小魚、植物食品では大豆と緑葉ということになります。もっとも、乳とても、自家産の牛乳か、山羊乳ででもなければ、本当に安全とはいえず、市乳の多くは質においても安全度においても、またコストの点でも問題がないではありません。
 したがって、安心して利用しやすいものといえば、まあ、安全な水域でとれる小魚類か大豆ということに落ちつきそうです。

<(1966・5) 健康と青汁 第117号より>




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