遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 煤はらい

 くれの13日には家中の煤はらいをする。1年中にたまった煤や埃をはらいおとして、すがすがしい新年をむかえようというのだが、家財道具類のいたみを防ぐためでもある。大事な道具や機械類は、それが精巧なものであるほど、度々、しかも丁寧に手入れされなければならないし、扱い方も慎重でなければならない。航空機はフライトごとの精密な点検整備、コンピュータの無塵装置といったぐあいだ。さて、精巧機器の最高のものは、何といっても、完全無欠にオートメ化されたわれわれのからだ。しかも、これは、生きている間じゅう働きつづけ、いっときたりとも運転をとめて手入れすることは、絶対にできない。それだけに、その扱い方がいかに大切であるかは、けだし、想像にあまりあるところだが、はたして、どうであろうか。


食べもの

 動力源の食べものをかんがえてみよう。生活程度が高まり、食糧の豊かになった現在、だれもかれも、精製穀(白米飯・白パン)、肉(獣鳥魚介)・卵・乳製品にかたより、高度に加工(精製・調理)され、雑多な調味料(糖・塩・脂・香辛料・化学調味料)で濃厚に味つけされたご馳走ばかり。それに、どんな混ぜものがあるか知れない既成食品・インスタントものがしだいに多くなり、菓子・ジュース類、酒・タバコの消費もすごい。まさに欧米なみ、あるいはそれ以上の贅美食を、いつも腹いっぱい食べているという、まことにめぐまれた食生活だが、この食事、いかにも栄養満点の、レベルのたかい文化食のようにかんがえられてはいるが、その実、はなはだ不完全、かつ、安全性にも多くの問題をはらんだ欠陥食になっている。


アルカリの不足

 からだのはたらきは、体液の反応が微アルカリ性のときもっともよいのだが、こういう食事では、酸性食品(穀・肉・卵・糖・脂・酒など)が多くて、アルカリ性食品(野菜・海草・果物類)が少ないため、また、添加物として多くの加工食品に入れられている燐酸塩のため、アルカリが不足している。


ビタミン・ミネラルの不足

 つぎに、カロリー源(糖質・脂肪・蛋白質)にたいし、それらの体内処理に必要なビタミン・ミネラル類も不足している。そのため、それらの代謝がうまくゆかない。それは、ちょうど、燃料ばかり多くて、それを燃やすために必要な空気が不足し、不完全にしか燃えず、有害な煙を出しているカマドにたとえられる。つまり、こういう不完全食では、からだ中がけぶり、煤や埃(不完全燃焼で生ずる有害産物)だらけになる(血のにごり)。


食品の劣質・有害化

 そのうえ、農・蓄・水産物とも、生産法の不自然化(肥料・飼料など)から、食品そのものの劣質化(ビタミン・ミネラルの不足、蛋白質の変質など)し、また有害化さえしており(危険な薬剤や添加物による汚染など)、これまた、血のにごりをつよめている。乱用されている菓子・酒・コーラ・タバコ、あるいは薬品類また同様。
 そのほか、現代人の多くは、運動の不足、寒さ暑さにたいする鍛錬の不足、睡眠の不足、心労に陥りがちだが、環境のよごれ(大気の汚染、日光の不足)などとともに、いずれも、血のにごりをすすめている。このように、あまりにも不自然化した文明生活をおくっている現代人のからだは、煤まぶれ埃まぶれされながら、しかも酷使されつづけている。血がにごってくると、からだ中のすべてのはたらきが悪くなり、健康力(抵抗力、回復力)がおとろえ、体調をそこね、不健康となり、病気しやすく、治りにくくなり、老化しやすくもなる。これが、さいきんのめざましい医学の進歩にもかかわらず、不健康者がふえ(1億総半病人ともいわれる)、成人病をはじめ、難病奇病の多発している、根本の原因であろうと思われる。


これに対処するには

 そこで、真に健康になり、病気を防ぎ、その治りをよくするためには、からだに煤や埃をためないよう心がけ、いつも血をきれいにしておくことだ。それには、できる煤や埃(有害な分解産物)をなるべく少なくすることと、できた煤や埃(老廃物)の排出をはかることだ。


煤や埃を少なくする

 まず、食の安全化。すべての食品は、なるべく安全なものをえらび、有害有毒食品はできるだけさけること。そして完全化。煤や埃のもとになる燃料(糖質・脂肪・蛋白質)を過ぎないようにし(少食)、ビタミン・ミネラル(アルカリことにカルシウムその他)を十分〜十二分にとり入れる(完全化)。すなわち、主食・蛋白食、調味料(糖分・脂肪)、嗜好品(菓子・ジュース類・酒など)は必要最少限にとどめ、野菜・山菜・海草、果物類をできるだけ多くし、最良のビタミン・ミネラル源である良質ナッパを、少なくとも1日400〜500グラム、理想的には1キロくらい添えること。また、その利用を十分にするため、なるべく多くを生食し、青汁にもする。青汁1合は、ほぼナッパ250グラムにあたるから、青汁にして3合のめば、1キロのナッパを食べることは、決して困難ではない。

    調理・調味
     調理は簡単にし(手をかけるだけビタミン・ミネラルや繊維が失われる)、味つけはうすく。

    適度の運動
     運動の過・不足ともに血をよごす。適度の運動は、血行をさかんにし、代謝をすすめ、血をきれいにする。それは、カマドをあおぎ、または、フイゴで風をおくって、燃焼をよくすることにたとえられる。

    休養と心の安定
     心身の過労をさけ、十分の睡眠。活動と休養のバランスをとること。また、精神的の緊張をほぐし、安定をはかること。ともに血をきれいにする。


老廃物の排泄
    便通をよくする
     便通が悪いと、老廃物が腸内に停滞(再吸収もありうる)するだけでなく、食物残渣の異常分解によっていろいろな有害物ができ、血をよごす。毎日の快通は、これらを除き、血をきれいにする。カス(繊維)の多い完全食をとり、糖分(味つけの砂糖・菓子・ジュース)をへらすことと運動、とくに腹部の運動によって、毎日快通の習慣をつけ、なるべく薬にたよらないこと。

    利尿をはかる
     尿利をよくするにも完全食、ことにカリウムにとむ野菜・果物を十分とり、味つけをうすくする。砂糖(だけでなく、糖質が多くても)は、食塩とともに利尿を妨げる。呼吸をさかんにする 肺はただ酸素をとり、炭酸ガスを出すだけでなく、腎臓と同様老廃物を排泄している。深呼吸や運動できれいな空気を吸い、呼吸をさかんにすることで、血がきよめられる。

    皮膚のはたらき
     肺と同様、老廃物を排出する。汗をかく(運動、日光浴、沐浴など)、摩擦その他の刺戟で皮膚のはたらきをつよめる。


 要するに、からだの煤や埃をはらい、血をきれいにするには、日常生活を自然化するということになろうか。こうして、つねに煤や埃のたまらないよう、血をきれいにしておくよう心がければ、からだ中のすべてのはたらきが正常に、円滑におこなわれ、健康力(抵抗力、回復力)すなわち生命力がもり上ってくるから、体調はいつも上々、健康状態はすぐれ、病魔におかされることもなく、存分に活動することができ、長いきすることもできる。これこそ無病長寿の秘訣というべきものであろう。ともあれ、かけがいのないこのからだ。大切な器物や機械類にもまして、大事にあつかい、煤はらいを怠らないよう気をつけよう。(54・12)

<(1980・10 遠藤)健康と青汁第290号より>




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